「南京大虐殺」をめぐる

最近の国内の動き

                                        最終更新: 1998年12月08日

1997年

5・7
仙台市の小学校6年生の社会科授業で、 「南京大虐殺で将校が殺人競争」 などと書かれた当時の新聞記事を盛り込んだ教材が使用されていたとして、 仙台市教委が「学習指導要領にのっとっていない」と、 授業をした教諭から事情を聴き、 校長会などでこの教材が使われないよう指導することを決定

5・8
同問題で、 宮城県教委が「このような教材を使って授業がなされていたとしたら不適切だ」と、 学習指導要領を踏まえた上での授業をするよう指導

11・29
南京大虐殺をテーマにした中国と香港の合作映画「南京1937」が、 事件から60年を機に、 国内で初めて名古屋、大阪、神戸、兵庫県西宮の四市で上映

12・14
「南京大虐殺」60周年を迎え、 大阪市内で市民グループ「南京大虐殺60カ年関西・大阪実行委員会」 (総代表・井上清京大名誉教授)主催のシンポジウム開催。 市民約400人が参加


1998年

5・11
外務省の柳井俊二事務次官が記者会見で南京大虐殺を取り上げた中国系米人、 アイリス・チャンさんの著書「レイプ・オブ・ナンキン」を 「不正確で一方的」と論評した斉藤邦彦駐米大使の発言について 「適切だったと思う」と指摘

5・18
東京裁判でA級戦犯として裁かれた東条英機元首相を描いた映画 「プライド 運命の瞬間」をめぐり、 制作会社東映の労組などでつくる「映画『プライド』を批判する会」 が東京都内で記者会見、 「東条を英雄視する映画は誤った歴史観を生む」と、抗議行動呼び掛け

5・23
映画「プライド 運命の瞬間」が東映系145映画館で全国公開

6・6
横浜市の映画館で「南京1937」を上映中、 男がカッターナイフでスクリーンを切り裂き、 警戒中の神奈川県警伊勢佐木署員に器物損壊の現行犯で逮捕

6・11
同事件で、上映運動を進めていた関係者らが東京都内で記者会見、 「表現の自由に対する重大な挑戦だ」と抗議

6・16
同事件で、 日本映画監督協会(深作欣二理事長)が 「暴力手段で表現の自由が侵害されたことに激しい憤りと深刻な危機感を感じる」 との声明発表

6・19
映画「プライド 運命の瞬間」 を批判するシンポジウムが東京都文京区民センターで開催。 戦没者の遺族や市民約170人が参加

6・25
「南京1937」を上映している福岡市早良区のTNC放送会館内の映画館 「シネサロン・パヴェリア」が、 上映期間を当初予定より一週間短縮して7月3日で打ち切ることが判明。 同館は上映期間短縮の理由について「右翼などの妨害に備えた警備費用がかさみ、 入場収入との収支を考慮して中止することにした」と説明。 映画は6月20日から始まり、7月10日まで上映する予定だった

6・29
旧日本軍による中国侵略と南京虐殺や細菌兵器の人体実験を告発している 日本と在米中国人の平和運動グループなどがニューヨークで会見、 731部隊による細菌戦被害の国家賠償訴訟などを通じて 歴史的事実を確認し被害者への謝罪を実現した上で、平和の確立訴え

7・06
「南京1937」を上映していた横浜市内の映画館で6月、 スクリーンが右翼団体の男に切り裂かれた事件で、 市民団体「かながわ歴史教育を考える市民の会」(代表・高島伸欣琉球大教授らは、 横浜市内で記者会見、 「歴史わい曲と暴力による表現の自由の侵害に抗議する」との声明を発表

7・31
「南京1937」の上映中、スクリーンが切り裂かれた事件で、 器物損壊、威力業務妨害の罪などに問われた右翼団体員、 檜垣紳被告(27)の初公判が横浜地裁であり、 檜垣被告は起訴事実を全面的に認めた。 検察側は 「異なる信念の相手に議論でなく暴力で対抗した犯行は民主主義の理念に反し、 悪質」として懲役一年六月を求刑

8・13
「南京1937」の上映に反対するビラ約100枚が、 神奈川県茅ケ崎市の市民文化会館や茅ケ崎市役所の壁に張られていたことが判明。 届けを受けた茅ケ崎署は悪質な嫌がらせとみて、警備を強化。 映画は今月下旬に同会館で上映されることになっており、 ビラには「でっちあげ」などと書かれていた

8・16
岡山市のギャラリーで行われていた太平洋戦争のパネル写真展を妨害したとして、 威力業務妨害の現行犯で、 東京都荒川区の自称右翼団体幹部の平岡元秀(33)と 兵庫県姫路市の自称元右翼団体員の三沢智司(37)の両容疑者が岡山東署に逮捕。 平岡容疑者らは入場者に対し「われわれは右翼だ。 この写真展はでたらめで南京虐殺はなかった。 みんな帰れ」と拡声器を使って叫ぶなどし写真展を妨害した疑い

9・10
「南京1937一」の上映中、カッターナイフでスクリーンを切り裂いたとして、 器物損壊、威力業務妨害などの罪に問われた右翼団体員、 檜垣紳被告(27)に対し横浜地裁は10日、懲役1年4月の判決

10・1
川崎市中原会館(同市中原区)で9日に予定されていた「南京1937」 の上映をめぐり、 川崎市は1日までに上映に反対する右翼団体の抗議運動が激しいことを理由に 会場の使用申請を取り下げるよう上映実行委員会に要請

10・2
「南京1937」の上映をめぐって川崎市が右翼団体の抗議活動を理由に 会館の使用申請取り下げを上映実行委員会に求めたことについて、 実行委は「予定通り9日に上映会を行う」との意向を川崎市に伝達

10・7
「南京1937」の上映をめぐり、 右翼団体の反対活動を理由に川崎市が上映実行委員会に 会場の川崎市中原会館(同市中原区)の使用申請を取り下げるよう 要請していた問題で、同市は実行委に会館の使用を許可

10・9
右翼団体の反対活動を理由に川崎市が一時、 市民団体の会館使用に難色を示した「南京1937」の上映会が、 川崎市中原会館(同市中原区)で開催。 右翼団体の街宣活はなく、900人収容の会場はほぼ満席に。

11・30
「南京1937」をめぐり、 神奈川県立地球市民かながわプラザ(横浜市栄区)がことし9月、 自主上映を企画した市民グループの会場利用申請に対し、 右翼団体の抗議活動を理由に不承認にしたことが判明。 グループは「妨害活動に屈すれば言論の自由が損なわれる」 として交渉したが同意を得られず、12月11日に別の施設で上映予定

12・1
斉藤邦彦駐米大使が米公共テレビに出演、 南京大虐殺を取り上げた「レイプ・オブ・ナンキン」の作者、 アイリス・チャンさんと、中国と日本との過去の歴史問題について論争を展開。 日本が日中戦争について「謝罪をしていない」との米国内の意見に対し大使は 「誤った受け止め方だ」と反論、チャンさんは、 日本の謝罪は「あいまいだ」と明確な謝罪を表明するよう迫ったが、 論争は平行線

.

[ ホームページへ ] [ 上へ ] [ 次へ ]


メール・アドレス:
nis@jca.apc.org