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第二十回2002年6月 “はじめの一歩を踏み出そう”
報告: 松原真佐美
毎週末のように森林ボランティアの活動が、どこかで行われて います。生活により近いところでは、ゴミの分別回収やリサイクルなどが日々話題になり、様々な情報が溢れています。 でも、「そうは言っても何をしていいのかわからない…」とはじめの一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。 当協会では、その一歩を踏み出すきっかけにしようと、1998年から『グリーンセイバー』という 検定制度を行っています。
まず“知る”ことから
現在の私たちの生活は以前に比べて、自然をあまり身近に感じられなくなっています。食べ物の旬、
季節ごとの行事、木々の季節による変化、それらが生態系という大きな枠組みの中での自然の力であったり、人間の知恵で
あったりするのです。そうしたことを学び、そこから何ができるか考えてみようというのが『グリーンセイバー』の目的の
ひとつです。現在、1263名のグリーンセイバーが誕生し、各地で様々な活躍をしています。
●森林の保全(八ヶ岳、和歌山)
国道の開通に伴う観光客の増加で、生態系に大きな影響を与えている北八ヶ岳。少しでも高山植物を復元できればと、
ササ刈りや木道づくりを行っています。
●里山の利用再生(東京、神奈川、 岩手、京都)
放置された里山のササ刈りや下草刈り、竹の伐採を行いつつ、観察会や体験学習の場として、またお花見や収穫祭と
いった楽しみの場として等、今の私たちにできる利用の方法を探っています。 ●都市の中の緑を考える活動(小石 川植物園、東京都緑地保全地域) 身近なところで、気軽にできることが長続きの秘訣でもあります。文京区の小石川植物園で除草作業や観察会を行ったり、
武蔵村山の東京都の緑地保全地域で、住宅地の中の緑を地域の人々とどのように守っていくか模索しています。 その他、
子ども達とともに様々な自然での体験をしようと、今年度より“子どもワクワクプロジェクト”と称して、明治神宮の森や高尾、
小石川植物園で体験活動を企画しています。また、NPOと企業の連携を模索した勉強会を、法人の担当者の皆さんと
実施しています。 自分にあったアプローチを
まず、知る事から始めませんか? とお話してきましたが、とっかかりは人それぞれ。当協会でも、身体を動かす事から
始める人もいれば、勉強する事から始める人もいます。人とディスカッションすることから方法を探っていく人もいます。
要は、世の中に溢れている情報の中でちょっと気に止まったものを掘り下げてみたり、自分にあった方法でアプローチしてみる
こと。何かしら発信していれば、自然と仲間は集まっていくものです。“聚”とは「集まる」という意味です。小さな力も
聚まれば大きな力になっていくものですよね。何か…と思われてる方、一緒に活動してみませんか?
グリーンセイバー検定制度 ◆検定委員の先生方によるセミナー:毎年3〜5月、二日間で開催 ◆検定試験:毎年6月の第一日曜日(ベイシック、アドバンス) 12月の第一日曜日(マスター) ◆スクーリング:毎年8月八ヶ岳で実施(2泊3日) ◆検定委員:委員長/岩槻邦男(東京大学名誉教授)、下園文雄(小石川植物園育成部主任)、清水善和(駒沢大学文学部教授)、片山雅男(夙川学院短期大学助教授)、鈴木登(元近畿大学農学部教授)、加治隆((財)休暇村協会常務理事)、ケビン・ショート(博物学・自然史ライター)、稲本正(日本環境教育フォーラム常務理事) |