団体紹介

 

第十八回2002年4月“森のない街の住民と、森を考えるきっかけづくり”
 
                 森林(もり)を楽しむ会

報告:代表 足本裕子


以前、98年2月号のこのNEWSに「木材を使う市民運動を呼びかけます」というタイトルで投稿した ことがありました。スローガンは「川上の材で川下の街に木の道を!」。98年に小平市の社会教育課市民奨励学級として 学習会で母体をつくり、99年の4月には市報で募集して「森林を楽しむ会」を結成しました。小平という全く森のない街に住む 私達が、「山や森の大切さを、様々な学習や体験、人々との交流を通して知り、広める」ことを目的に活動しています。 3年経って、昨年4月から代表を交代しましたが、それでもみんな、ご主人たちを巻きこんでの楽しい活動に変わりはありません。

「この指とまれ」方式で山を知る活動

 山を知る活動としては、夏はあちこちの山で下草刈り、冬は炭焼き、初夏の頃には東京近郊の山を ハイキング。この他その時々に「この指とまれ」方式で、誰かが世話役になって活動する形をとっています。
 講演会も開催しました。1年目「森づくりフォーラム」園田氏の「森の大切さ、面白さ」、2年目「東京の木で家を造る会」 長谷川敬氏、3年目「炭の効用」で杉浦銀次氏、と小平市民を対象に開いてきました。
農山村との交流をうたって、山梨県丹波山村の畑で蕎麦の種まきをし、蕎麦の収穫の手伝いにも行き、小平の公民館で 蕎麦打ち教室もやりました。もちろんその時は、丹波山村から指導に来ていただきました。
 また、会員の中には、ふるさとに山を持っている方も何人かおられ、ゆくゆくは自分で手入れをしたいという目的を 持つ方もいます。そんな方々には、都主催のチェーンソー講習会に出てもらうなど技術習得も目指しています。 昨年は、独自企画で東京農工大の秩父FSセンターにて1泊2日の枝打ち講習会(2月)、また栃木県矢板の山林で間伐実習も しました(3月)。

ベンチづくりと公園整備

 小平市の公園ボランティア団体としても登録し、中央公園の隅っこで整備等を定例活動にしています。泥で汚れてしまう ベンチの清掃や周辺の整備作業や、その時々の活動の相談です。また、市内の他のグループから要請があれば応援に行くなど、 ボランティア同士の連携も目指しています。
 これまで活動したなかでも面白かったのは、昨年3月に伐った材を山から降ろし、その材で11月から12月にかけて ベンチをつくり、設置したことです。(丸太の製材だけは素人では怖くてダメ。結局製材所に頼みましたが)。 木工好きが中心になって呼びかけ、ベンチを6脚、テーブル1台、半割り丸太腰掛け1連を作製。もともと公園の遊具や用水際の 土留めに木を上手に使っている小平市の中央公園に寄贈しました。
 今年1月からは、そのベンチ設置場所周辺の整備も仕事に入りました。木の根がむきだしになっている小さな丘の 土留め作戦です。まず陽をさえぎる2〜3本のエゴの木を伐採し、その後、伐ったエゴの木の枝を利用して階段状に 土留めをつくりました。
 市の公園緑地課からベンチ設置の許可が下りるまでの半年間は、公園緑地課から提供された台帳を元に、 市内217カ所の公園のベンチの傷み具合を調査しました。お陰で木が大きくなりすぎて、鬱蒼として暗い公園の状況とか、 いくつかのベンチが撤去されている現状もわかりました。「部材を取り換えさえすれば、今の傷んだベンチも全部を廃棄する 必要はないし、部材や機材を用意してくだされば、ボランティアで修理してもいいですよ」と市に申し入れをしています。 とにかく、ぬくもりのある木をもっと使って欲しいという目で見ると、木製品が傷んだまま放置されているのは 見るに忍びないのです。
 つい何日か前、「誰かベンチのそばに花にらの苗を植えてくれた人がいます」とメールが入りました。 ひそやかに人の優しさが積み重なっていくようでなんだか嬉しい。時々遠回りして電車の窓からそのベンチを眺めるのが 楽しみになりました。そのうち「芝生を植えたいね、車イスから降りてそこではいずったり、日光浴できる場所になればいい」 という会員の声を実現したいなと思っています。

ベンチに寄せる思い

 ベンチをつくりたいと思ったのは、イギリスに旅行した人の話から。ベンチに誰々のためにと書いたプレートが ついているんですって。私達も「大好きなおじいちゃんの喜寿のお祝いに孫一同より」とか「孫がすくすくと育つように祖母より」 などのメッセージをつけた木製のベンチの寄付を呼びかけて、100も200も注文がとれればいいなあと思っているのです。 そのうちのいくつかは、私達の仲間で楽しみながらつくるとしても、手に余る大部分は川上の山の材を利用してつくってくれる 木工所などに注文が出せたらいいですね。こんな「愛のこもったベンチを寄付する運動」があちこちの山村と街で取り組めたら、 なんて素敵なんでしょう。
 もちろん冒頭の「川上の材で木の道を!」構想もまだ棄ててはいませんのでいずれそのうちに。楽しみながら、 遊びながらですが、森から遠い街に住む市民でも、森や山村のことを考えるきっかけをつくりたいと思っています。街中に、 もっと木を使うにはどうしたらいいのだろう、そんなことも考えながらの活動です。参加したい方は、いつでもどうぞ。

<これからの予定>
●4月7日は、定例会(9:00〜)小平中央公園にて整地作業

●4月20日(土)18:30〜総会、小平中央公民館地下和室、年間予定相談

 

 

森林を楽しむ会

代表 足本裕子

会員 33世帯40名

年会費 2,000円(1家族)

定例活動日

  毎月第2日曜日(変更あり) 11時から(雨天中止)

活動場所

  小平市中央公園のうさぎ橋横(西武国分寺線鷹の台駅近くの線路際、玉川上水端)その他、あちこち

●連絡先

 森林を楽しむ会(担当:足本裕子)

 TEL&FAX  042-392-4355

 E-mail  ashimoto@td5.so-net.ne.jp