団体紹介

 

第四回  さがみ湖・森づくりの会   2000年10月号

                     報告:石村黄仁(こうじ)

 

◆“森林ボランティア”との最初の出会い

 仕事の関係で森林に関わりあうようになって松食虫被害木や針葉樹林の荒れ方に気付き、たまたまWWF(世界自然保護基金)の前沢さんと知り合って“森林ボランティアを指導して…”と言ったら“それなら良い指導者がいるよ”と教えてれて今はときめく「NPO法人森づくりフォーラム」(当時は唯の森づくりフォーラム)、あの髭の園田さん。辞を低くして「森林ボランティアを教えて下さい」とお願いしたのが事の発端。今は、はまってしまって森林に虜になっている。

 

◆相模湖の森との最初の出会い

 森林をやりたいと思ったらまたまた好都合に“森と共に舎”のオーナーの潮田さんのご親戚で相模湖町に針葉樹林を持っている方が今は“始末に困っているからお好きにどうぞ”と始めて下見に行ったのが一昨年(平成10年)の8月。持ち主のおじいさんと髭さんを交えて始めて本物の荒れた針葉樹林に入ってみて驚いた。つるは絡むわ、倒木はそのまま、土は剥がれ落ちて森は暗く、何よりも森は“シン”として風の音以外、もの音ひとつしない世界。案内のおじいさんの曰く「木が売れなくなって私ら山に手を入れるだけ首が締まるこのご時世、あんたらはわしには仏さん。87才になるがご先祖様に何んと詫びたら良いかと思っていたところ、本当に奇特に方々がいるもんで…」と言う訳。

 

◆ここ「相模湖・予瀬の森」での最初の作業

 平成10年の最初の作業は11月15日の快晴の相模湖駅前に36名もの仲間(…になる初対面の森好き)が集まったのです。私ら、何が何やら訳が分らんのですが髭さんが引き連れて来たベテランらしき人々が巨大に見えた。髭サンのテキパキテキパキの指示にベテランたちの一糸乱れぬ行動に唖然と見とれてしまった。この日のご指導は間伐の時期だとの事で班を作った。ここは檜の森。手鋸を引く要領も分らずモタモタ。ご指導ご鞭撻の宜しきを得て次々に倒れる樹々の音は不思議な音がした。悲鳴?泣き声?。どうして折角植えた樹々を切るの?と素朴な疑問も出た。

 

◆平成11年の最初の新年会

 第3日曜日を定例活動日と決めて年の明けた1月の活動日は小雪のチラつく大寒(おおさむ)の日でありました。作業を早めに切り上げて相模湖畔の旅館の広間での新年会は素晴らしかった。仲間たち全員に何か一言との挨拶は簡にして要、希望にあふれる一言一句に“森林ボランティア”の意識の高さ、レベルの高さに驚いたのであります。特にその中でも森の88才になったおじいさんの新春を寿ぐ…

  “卯の年や 森を賛えつ 活気づき”

    … 仲間の一人の直ちの返歌が…      “与瀬の森 米寿の人と 雪見酒”

その即妙に驚いたものです。外は深々(シンシン)と雪になっていました。

 

◆1年経過後、自然に“雨でも休みません”が当会の「モッ トー」になっていて…

 今年の1月の打合会で髭さんが「そろそろ、誰かやってくんねぇ〜かなぁ〜」と言ったところが間発をいれず理論家Tさんが「そんなら、あんた石村さん」。やみ雲に一度も休まなかったのを見込まれて?お世話役を押しつけられたのです。今にして考えれば髭さんとTさん、示し合わせていたのかも…。ヤラレタ〜。

 

◆会として独立、名称は「さがみ湖・森つくりの会」

 1月に準備を始めて4月に「NPO・森づくりフォーラム」から独立した(この1月「森づくりフォーラム」は正式にNPO登録を終了しました)。 会則を作る前に私たちの会が何を目的で活動するか仲間たちから意見を聞いてまとまったのが以下…。

・私たちの活動目標

1)私たち人間は生態系の一部である事を認識し森林と人間社会が健全な環境を共有する事を目指す。

2)私たちは地域の人々、志しを同じくする人々・団体、行政と協力しつつ森林の維持発展を目指す。

3)私たちは健全で持続可能な森林機能の強化し、より良い状態で次世代に引き継ぐ事を目指す。

4)この活動を通じて参加する仲間たちの心身共、健康な生き方の増進を目指す。

 

◆「さがみ湖・森つくりの会」の現状

 仲間:約100名、WWF(世界自然保護基金)、富士ゼロックス端数倶楽部、セブンーイレブン・みどりの基金、からの支援を受けて山作業道具を一式を揃えた。その道具は相模湖駅が預かってくれて駅に行けば何時でも誰でも自由に使える。ただ今、駅構内で会の写真展を開催中。相模湖町の主なイベントには積極的に参加している。町の人々が私たちの活動を歓迎して喜んでくれている。だから、私たちの活動は町ぐるみになる予感。

 

◆23回目の今月

 フィールドが変わって“若柳・嵐山の森”での活動は雷と豪雨の中だった…この豪雨の活動から帰って参加した仲間たちに手紙を出した…

「すぶ濡れになりながら昼食後は少し雨が弱くなって“どうするかなぁ〜”と迷っていたのですが皆さんの“ヤロ、ヤロッ”の声に“良し、やるぜ〜”とやっちゃいました。21人もの参加。“雨でも休みません”の会の方針が貫けた事を本当に嬉しく誇らしく感じました。…中略…

 森を貸して下さる鈴木さんのいろんなお心遣いが有り難かった。ずぶ濡れの雨の中、薪が濡れて苦戦した。皆なで作る同じ釜の(栗)飯は少し焦げ臭かったがグーだった。昨日の活動はこの会に更なる力を与えてくれた」

*後で地元の人に叱られた…「森の中の高い木の下で大勢のあんたらが鎌を振り回していて雷が落ちたらどうすんの。やっていけなくなるよ」…と心配してくれた。

*この日、新人8名参加。新人の彼等には私たちが巨大に見えたでしょうか。2年後の彼等はどうなっているだろうか。町の森は少しは良くなっているだろうか。                                                   

DATA

● 連絡先

〒154-0023

東京都世田谷区若林3-35-9

TEL&FAX03-3411-1636

お世話係;石村黄仁(こうじ)

● 活動している場所

相模湖周辺の森林と相模湖町

● 活動を始めた時期と経過

平成10年8月;現地調査

同年11月;森つくりフォーラムの指導で

活動開始

平成11年4月;森つくりフォーラムから独立

● 活動の目的・趣旨

1、私たちは生態系の一部である事を認識し森林と人間社会が健全な環境を共有する事を目指す

2、私たちは地域の人々、志を同じくする人々・団体、行政と協力しつつ森林の維持発展を目指す。

3、私たちは健全で持続可能な森林機能を強化し、より良い状態で次世代に引き継ぐ事を目指す。

4、この活動に参加する仲間たちの心身共、健康な生き方の増進を目指す。

● 活動の内容

1、荒れた森林の再生作業

2、森林活動広報;森の現状を沢山の人々に訴える。

3、多くの人々の参加を得て新しい森林産業を実践検証して林業行政に提言する。

● 今後の予定

1、これまで町のいろんなイベントに協力参加して来た。更に広げる。

2、景観の良いハイキングコースが廃道になっている。復活する。

3、相模湖の水質汚染が酷い。取り組む。

4、森林隣接遊休農地が沢山ある。活かす。

*これらを通して荒廃過疎の森林の町でも復活できる事を実証する。そして、ここか森林の大切さを全国・世界に発信する。

● 定期活動

毎月第三日曜日、9時30分、相模湖

駅前、参加費500円(昼食費含む)

会員外の参加自由、沢山の参加求む。

● 会費と通信

・会費;沢山の参加のため参加費の500円だけ。その500円で昼食と通信費を賄う。

・通信;月1回発行。

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