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日本下水文化研究会
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第2回海外・水と文化研究会定例会 

 第2回の海外水文化研究会が、11月8日、日本下水文化研究会事務所において開催されました。今回は運営委員・佐藤八雷氏から「モルドゥバの水事情」と題して行われました。参加者は少数にとどまりましたが、和気あいあいの雰囲気の中で進められました。



モルドゥバの水事情

モルドゥバ共和国の現状

○旧ソ連邦の一員:ル−マニアとウクライナの間に位置し、面積は、九州より小さく四国より大きい。人口は450万人。
○ヨーロツパ最貧国:外務大臣の給与が150US$,都市住民の平均給与が70US$で給与の遅配、欠配が常時ある。貧富の差は激しい。 
○経済的に自立することは困難で、ロシア、ルーマニアに対する依存度が高い。公用語はルーマニア語で、日常会話はロシア語のほうがやや多い感じ。

水資源の現状

○取水源:表流水はウクライナとの国境を流れるドニエステル川とルーマニアとの国境を流れているプルート川の二大河川がある。水質は概ね良好であるが汚濁が進行しつつある。 ○地下水:北部地域の地下水質(プルート川流域)は、フッ素を過剰に含み、またアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素が検出される。ドニエステル川流域の地下水は比較的良好。

上水道の現状

○旧ソ連が築造した浄水場が現在稼動中。(首都キシニョフ市、ソロカ市)
○建設する途中で旧ソ連が崩壊し、技術者も資金も引き上げた浄水場がある。
○現在稼動中の浄水場の処理システムは、前塩素、凝集反応槽、横流式沈殿池、急速濾過池、滅菌池であり、建設途中で中止した浄水場は、なぜか横流式沈殿池の代わりに、脈動型スラツジブランケツト式を採用していた。 
○上水道が敷設されていない地域は、地下水を利用している。

下水道の現状

○首都キシニョフ市(70万人)を始め、第二の都市ベルツ市(15万人)、ソロカ市(5万人)等、ある程度の人口を抱えている市及び町には、50〜80%の住民に対して供用している生物処理の下水処理場がある。
○首都キシニョフ市には、計画設計規模100万トンの敷地に40万トンの施設があり、現状で24万トンの下水が流入し、高級処理を行っている。処理水質は、視認で15〜25ppm程度か。 ○施設の特徴としては、最終沈殿池は、巨大な周辺駆動式円形(直径40〜50m)で、当初は汚泥消化槽があったが、現在は天日乾燥床で広大な敷地を使っている。

調査地域(ソロカ、ベルツ)浄水場の問題点

○浄水場の運転経費のうち、電気代が65%から70%を占める。取水ポンプ、送水ポンプの消費電力効率が悪い。(我が国の場合、電気代はわずか5%程度である。)
○電気代の滞納が原因で、電力会社が送電をストツプし、浄水処理も配水も止まってしまう。
○水道料金の徴収が思うにまかせず、経営の継続が困難になり、浄水場の職員の給与を1年以上も遅配する。
○カニバリズムが横行。故障したポンプ、モ−ターを修理、交換する資金がなく、予備の機器から順に消滅してしまう。
○運転の停止により、浄水場の機器類、配管類が荒廃していく。
○水道料金を支払うという概念が十分に浸透していないこと、現金で支払うにはあまりにも所得が少ない。水質に問題があっても地下水に依存する傾向が見られる。


(椿本 祐弘)