沖縄県収用委員 第4回会審理記録

三宅俊司(土地所有者代理人)


当山会長代理:では、ひきつづき三宅さん。

三宅俊司:石原正一さん問題について、一部意見を述べていきたいと思います。

当山会長代理:あの、ちょっと、お願いがあるんですが。

三宅俊司:はい。

当山会長代理:石原正一の件は、審理の対象にのぼっていないんですよ。

三宅俊司:はい、その関係の、共有部分について、ということです。

当山会長代理:はい、はい、わかりました。

三宅俊司:石原正一代理人および東野理原350番の土地所有者の一人として意見を述べたいと思います。具体的な意見は、東野理原350番の土地の審理の過程の中で、具体提起な意見を述べますけれども、却下を受けて、今の時点での、概略的な意見だけを述べておきたいと思います。

 まず、350番の土地に関して、収用委員会が却下決定を行われたことにつきまして、収用委員会が準司法機関として独立を保ち、却下裁決を下したことについては、まず敬意を表したいと思います。(拍手)

 しかしながら我々は、本件は石原恭子他4名に対する申請のみを却下するのではなく、石原正一と共有する東野理原350番地全部について却下すべきであったという風に考えております。また、少なくとも、東野理原350番地については、この石原問題、石原共有地問題が確定するまでは、審理を停止すべきであって、この石原恭子他4名に対する問題、石原共有部分についての権利関係が確定するまでは、350番地についての審理全部について、停止すべきであるという風に考えております。

 その理由につきましては、本件は使用裁決とともに、明け渡し裁決申請がなされております。共有地に対する明け渡し請求は、必要的共同訴訟ということになっておりりまして、準司法的手続きである本裁決におきましても、明け渡し裁決は、共有者全員を名宛人とすべきであります。一部共有者が脱落している限り、本件土地全体に対する明け渡しは不可能なはずでありますから、最終的に現在のままの状況にありますと、裁決申請は、当然、石原持ち分を除けば350番の土地全部について、却下すべきということになるというふうに考えております。従いまして、この石原正一持ち分について、権利関係が確定するまで、350番の土地については、審理全体をまずは止めておくべきだというふうに考えますし、収用委員会についてもそのように要求したいというふうに思います。

 また、現在、この石原正一さんについては、収用委員会のほうで、石原正一については、審理の対象になっていないというふうに明確に言われましたけれども、ところが、石原正一さんに対しては、この5月6日に石原正一を名宛人として、改悪特措法に基づく担保提供がなされています。5月9日に裁決は却下されておりますけれども、その3日前に、かけ込みのように、5月6日に、石原正一さんを名宛人として、担保の提供がなされています。特措法の改悪によっても、暫定使用が発生するのが、まず、第一義的要件としては、裁決を申請をした場合に限っているのでありまして、そもそも石原正一さんは、裁決申請手続きそのものがなされていないのでありますから、担保を提供する云々ということになる前提そのものを欠いている。

 ところが、施設局は、補正申請をしておいて、そのまま供託手続きをとっている。いかなる理由で、正一さん、あの、石原正一さんについて、担保を提供する根拠があるのかどうか。一切そのような根拠はまずないというふうに考えます。

 さらに、審査請求があった場合には、その却下がなされるまでの間、暫定使用がみとめられるということになっておりますけれども、今日現在にいたっても、審査請求はまったくなされていません。これは、なされていない、というよりも、なすことが出来ないということです。いままでの状況で裁決申請手続きそのものが為されていないにも関わらず、審査請求をして、どうにか審理を回復しようというのでしょうか。石原恭子さんたちに対する裁決申請を回復しようというのでしょうか。無権利者に対する審査請求を、もう一度しろという請求を、審査請求をしてやろうとするのでありましょうか。まったく、こういった手続きについて、将来の展望もなくてですね、収用委員会は……、あの、その関係を、施設局はやっている。

 しかも、お金だけを供託しておけば、あとはなんとかなるだろうという、ですね、まったく卑劣な手段をもってこの石原正一持ち分問題については、対処しているということを、強く糾弾したいと思います。

 なぜ、石原正一さんを、名宛人として、改悪特措法に基づく、担保提供ができるかどうか、この点について、ぜひ、次回の公開審理で明らかにしていただきたいと思います。

 この問題については、確かに、収用委員会の先生方が言われているように、裁決の却下によって、この問題は解決しております。しかしながら、その暫定使用期間についての、損失補償額について、収用委員会が審理し裁決しなければならないとなっています。したがいまして、今現在供託されているお金が、収用委員会が審理対象となる損失補償金にあたるのかあたらないのか、これは今後の収用委員会の審理においても、重要な事項でありますし、関心事であります。ぜひ、収用委員会におかれましては、今現在石原正一名義で供託されているお金がいかなる根拠でなされているのか、あるいはそれが、今後収用委員会の裁決の対象となるものなのかどうかを、ぜひ明らかにするように、裁決していただきたいと思います。

 また、今日の審理でも、那覇防衛施設局が審理になじまないとか、ほとんど回答しません。ところが、一坪反戦地主会関東ブロックの人たちは、たびたび、防衛施設庁に出向いていって、いろんな意見を聞いておりますが、防衛施設庁の人たちは、割合と紳士的に対応しているようです。

 石原正一さんの名前が間違えている。別の権利者を権利者として申請しているわけですが、その後、施設局は、石原正一さん、亡くなられた石原正一さんについての、戸籍の付票を平成8年11月15日にとっているという事実が、今回の裁決書で明らかになっております。収用委員会の先生方の調査によってそういうことが明らかになっておりますが、この問題についても、一坪反戦地主会関東ブロックの人たちは、この5月14日に本庁に出向いて、この事実を確認しています。それに対して、防衛施設局の関係者は、木村用地調査室長補佐という人が、ちゃんと対応してですね、事実関係をちゃんと自分たちで調査していって、石原正一さんの件については、収用委員会による審理関係のための土地所有名義確定の校正手続きの時に、起業者である施設局が、土地所有者である石原正一(まさかず)さんの付票を静岡から送付させたもので、これは平成8年11月15日であるというふうなことをいっております。こういったように、ちゃんと対応しているんですね。

 ところが那覇防衛施設局は、これに、今のような状況で、まったく誠意のある対応をしておりません。那覇防衛施設局は、沖縄の土地に対しては、このような対応でいいと考えておられるんでしょうか。まったく、なめているとしかいいようがありません。ぜひ誠意ある対応をするようにして下さい。

 この石原正一さんの問題については、今後350番の土地についての意見の中で具体的に述べていきたいと思いますけれど、少なくとも今現在、この石原正一さんについては、なんらの占有権原も使用権原もありません。今日今すぐこの土地については返還して下さい。

 先ほどの経過については是非、収用委員会のほうで明らかにしていただきたいとうふうに思います。

(拍手)

当山会長代理:ご苦労さまでした。

 あの、時間も押し詰まっていますので、長野さん。

阿波根昌秀:あの、審理権限についてですが……。

当山会長代理:えー、あの、長野さんではないみたいですが……。よろしいですか。

阿波根昌秀:あの、わたしは長野ではありません。阿波根です。

当山会長代理:代わりに?

阿波根昌秀:いや、代わりではないですけれども。長野さんと新垣弁護士が収用委員会の権限論についてですね、意見を述べる予定ですけれども、ちょっと時間が二人では足りないようですから、次回のですね、これ、伊江島の審理との関係ありますので、関連がありますので、その機会に回していただきたいとこういうふうにお願いいたします。

当山会長代理:はい。それでは、今日、本日の予定は以上でございますけれども、次回について、お知らせいたします。

 えー、次回の公開審理は、次回の公開審理は、宜野湾市民会館におきまして、平成9年7月3日木曜日。午後2時から開催いたします。えー、なお、入場受付は、本日と同じように午後1時から開始しますので、お忘れないようにお願いいたします。

 本日は、大変、お疲れさまでした。


  出典:第4回公開審理の録音から(テープおこしは比嘉

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