4.騒音測定

飛行場周辺の航空機騒音

 航空機の飛行に伴う騒音は、テレビジョン等に対する電波障害などがあるが、特に航空機騒音は他の騒音に比して広範囲の周辺住民の生活環境に大きな影響を及ぼしている。

 航空機による騒音は、飛行中は短時間ではあるが、高音、危険感、威圧感を伴い、また地上においてはエンジン調整音が長時間に及び、騒音による被害には「睡眠不足」、「聴力の減退」、「会話の中断」、「テレビの視聴困難」、「電話の中断」、「授業の中断」等があり、特に乳幼児、病人に及ぼす影響が大きい。

 本市では、米軍基地普天間飛行場が市の中央部に位置し、在日米軍有数のヘリコプター基地として使用されている状況から、市内上空での旋回訓練は間断なく騒音を発生させ、その被害は市全域に渡っており、住民からの苦情も多く寄せられ住民生活に与える影響は看過できないものとなっている。

 市としても、住民からの意向を踏まえ騒音を緩和すべく、国に対し学校防音工事、住宅防音工事をはじめとする騒音防止事業の推進を要望するとともに、米軍に対しても飛行方法や早朝及び夜間の飛行訓練中止の要請を行っている。

騒音測定

【測定場所】

 宜野湾市役所

【測定機器】

 自動演算騒音計(リオンNA一33型)

【測定方法】

 自動演算騒音計(リオンNA−33型)は、70ホン以上の騒音が5秒以上持続した時に発生月日、時刻、騒音最高値(ホン)及び70ホン以上の継続時間(秒)を記録するようセットしてある。


5.WECPNL

 WECPNLとは、Weighted Equivalent Continuous Perceived Noise Level(加重等価継続感覚騒音基準)の略号で、新しい騒音基準であり、その内容は音響の強度のほかに、ひん度、継続時間、発生時間帯等の諸要素を加味した騒音の評価基準である。

 WECPNLでは、騷音とその発生時刻の関係について、午前7時から午後7時まで発生する騒音の回数を1とした場合に、午後7時から午後10時迄の1回は3倍に、また、午後10時から翌朝7時までの1回は10倍にそれぞれ評価しなおすことになっており、1日24時間のうち、特に夜間の騒音を重視して人の生活に与える影響を評価する騒音基準といえる。

 このような基準に基づき区域指定をした上で、

  1. 第一種区域では住宅の防音工事を行う。
  2. 第二種区域については移転の捕償や土地の買上げを行う。
  3. 第三種区域は緑地帯の緩衝地帯として整備する。

 これは、周辺地域の騒音の度合(WECPNL値)を測定し、その結果を基に防衛施設庁長官が第一種区域(WECPNL値85以上)、第二種区域(WECPNL値90以上)、第三種区域(WECPNL値95以上)の区域を指定する。

 本市においては、昭和56年7月18日に防衛施設周辺の生活環境整備等に関する法律の法律施行規則の一部を改正ずる総理府令により普天間飛行場に係る第一種区域(WECPNL値80以上)に指定される。更に昭和58年9月10日にWECPNL値75以上に追加指定される。

 また、嘉手納飛行場に係る第一種地域(WECPNL値75以上)として昭和58年3月10日に市内伊佐地域の一部が指定される。

WECPNL早見表の一例

dB(A)

110

105

100

95

90

85

80

75

70

回数

W

W

W

W

W

W

W

W

W

10 

93 

88 

83 

78 

73 

68 

63 

58 

53 

20 

96 

91 

86 

81 

76 

71 

66 

61 

56 

50 

100 

95 

90 

85 

80 

75 

70 

65 

60 

100 

103 

98 

93 

88 

83 

78 

76 

68 

63 

150 

105 

100 

95 

90 

85 

80 

75 

70 

65 

200 

106 

101 

96 

91 

86 

81 

76 

71 

66 

300 

108 

103 

98 

93 

88 

83 

78 

73 

68 

500 

110 

105 

100 

95 

90 

85 

80 

75 

70 

注:「重みづけ」はしていない。


基地の概況(宜野湾市)目次


海上ヘリ基地建設計画][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック