自治労音協通信

 3面  NO39号/00.5.5発行

★いきいきボーカリスト登場『歌う学芸員』と呼ばれて

 ★ジャズのとりこになってはや二〇年
  ☆あちこちのライブハウスに出没!

松井かおる(東京江戸博物館労組委員長)

ジャズを聴き始めたのは高校生ぐらいだったでしょうか。私の年代(三十代半ば)にとってはビートルズすら、リアルタイムではなく、ましてやジャズはそれ以前で「シブイ趣味」と友達からは言われていました。
大学は、中学の頃から学芸員になりたかったので、文化人類学が専攻できて付属の博物館を持っている名古屋の大学に行ったところ、先輩や友達にジャズファンが多く、さまざまなジャズに触れました。学園祭では友達と女声三人のコーラスグループを結成し、当時人気のあったジャズコーラスグループの「マンハッタン・トランスファー」のレコードからアレンジしてうたったりしていました。
休みで帰京するたびに当時結成されたばかりの女声ジャズコーラスの「シャイニー・ストッキングス」を聴きに行ってうっとりしたりしていました。
卒業してすぐ江戸博の準備室に就職したら、目が回るほどの忙しさで、当時の職場が六本木に近い広尾にあったにもかかわらず、ライブハウスに行くのも数ヶ月に一回という有様でした。それでも、ジャズの演奏を聴くことがリラックスできて、元気が取り戻せる唯一のストレス発散法でした。
私の二十代は博物館をオープンするための仕事に捧げたといっていいほどの忙しさでした。オープン後も、自転車操業の企画展実施に振り回され、残業地獄から解放されませんでした。それらが一段落したのが三年前。仕事の帰りに初めて立ち寄った湯島のライブハウスで、その日はたまたま誰でも参加できるので歌ったらといわれて歌ったのがマチガイの始まりでした。
そこに通うようになって、名刺を交わさない知り合いがふえました。年齢も職業もさまざまな「ジャズ好き」が楽器や楽譜をもって集まるのです。こうした仲間に連れられて、都内のライブハウスを聴きに歩くようになりました。ジャズボーカルスクールにも通い、歌うことのたのしさと、ジャズボーカルの難しさを実感していた頃、例の湯島のライブハウスで、偶然遊びに来ていた主人と出会いました。それからはジャズへの傾倒はますます激しくなり、スクールでもある程度実力を認められるよになりました。
江戸博の常設展示の一番新しいコーナー(昭和初期から昭和三十年代)を開館時に担当していたこともあり、江戸博が歌舞伎や落語など、「江戸趣味」のイメージしかないことが、オープン以来気になっていたところ、学芸員講座の募集がありました。どうせ却下になるだろうと冗談半分で企画したライブアンドレクチャー「ジャズと東京」が認められ、主人〔当時はまだ結婚していません)に協力してもらって企画をまとめました。ジャズの歴史、戦前、戦後の東京に流れていたジャズはどのようなもので、どこでたのしまれていたのかなどについて、二部構成のライブとその間にスライドや資料でのレクチャーという構成で実施し、好評を得ました。
これをきっかけに同年代で戦前のエンタテイメントの研究をしている乗越たかお氏と知り合い、「にっぽんジャズエイジ発掘隊」も結成されました。このころからライブハウス出演も増え、誰からともなく「歌う学芸員」とよばれるようになりました。「ジャズと東京」は、年一回実施が認められ、今年十一月には第三回を行う予定です。近くなったら、この通信でお知らせします。ジャズボーカリストとしては、レパートリーを増やして、練習をつんで実力もつけていかなければならないと思っています。江戸博に眠っているジャズ関係の資料の発掘も課題のひとつです。 
今後の予定として、六月二十五日(日)に、江戸博ホールで、「にっぽんジャズエイジ発掘隊」のイベントが行われます。戦前のエノケンを、ジャズを多用したエンタティナーとして捉えた企画で、前半がレビュー映画の解説、後半が私と主人のバンドが出演するライブです。タップダンスも登場します。


●参加お申し込み、お問い合わせは、乗越(のりこし)たかお氏まで。
 tel=03-3586-1040
 e-mail:norikoshi@bea.hi-ho.ne.jp 

●東京にいらっしゃった時には是非お立ち寄りください。


<江戸東京博物館>
財団法人東京都歴史文化財団都市歴史研究室
学芸員の松井かおるです!
博物館では『葵』徳川三代展を4月29日〜6月11日まで開催しています。
◆午前10時〜午後6時まで開館
◇交通 JR総武線両国下車、西口より徒歩3分

          

仲間の近況報告●新たな挑戦!

籠味 正樹

全国のみなさん、お元気ですか?
 実は今年の春、新たな道を歩き始めました。
 二十年間勤めた上川町役場を退職しました。北海道第二の都市である旭川市内で飲食店を開業する予定です。
 現在は、開店に向けての準備中で、東京のスクールで勉強をしています。四月中旬から通学して、五月中旬には、北海道に戻り、本格的な準備に入ります。
 カクテルなどのお酒を扱う店で、年に何度かは、ゲストを招いて小規模なライブも開催する予定でいます。そのほか、音楽をいかしたビジネスにも幅を広げていきたいとも考えています。
 また、これからも自分のできる範囲において、自治労運動や音楽運動にも関わっていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。本当にお世話になりました。 

RXR01420@niftyserve.or.jp


★マンガにリンク

自治労名古屋市職労の山口 真さんのまんがです。


●目次ページに戻る

●タイトルページに戻る

●1面に戻る

●2面に戻る

●4面に進む