自治労音協通信

   2面 NO31号/99.1.1発行

わがまま音楽紀行 (連続第一回)

大阪市職労 宮本雄一郎/メールアドレス miyamotoyuichi@webtv.ne.jp

写真/ネパールポカラ上空写真

標高8千メートルのアンナプルナ山が白い雪を冠ってそびえたつ。中央がマチャプチャレ山

まずはプロフィールから

みなさん、はじめまして。いつも 「自治労音協通信」を楽しく読ませてもらっています。音楽好きで個性豊かな仲間が結構いることを知ってなんだかうれしくなりました。

今年は始めて自作のCD「急いでベイビーズ」を出し、自治労音協で紹介してもらったおかげでたくさんの仲間と知り合うことができました。感謝しています。音協メンバーの松本敏之氏から、「急いでベイビーズ」のエンディングがビートルズのI saw her standing thereのエンディングと同じだ、と指摘されたときは、正直いってびっくりしてしまいました。この曲のエンディングは、まったく松本さんの指摘どおり、「I saw her standing there」をそっくりにまねたつもりだったからです。「急いでベイビーズ」というアルバムの レコーディングは、いわゆる「一発録音」という、バンドの演奏をそのままレコードにする方式をとりました。「一発録音」というのはいろいろ打ち合せが大変です。レコーディングの時に、「みんな、この曲のエンディングは、I saw her standing thereと同じ終わり方で演奏してや 」と私がバンドに注文を出すと、メンバーは即座に私の意図を理解し、実際に期待通りに演奏してくれたのです。でも、これはバンドの秘密でした。まさか誰かに見抜かれるとは思っていませんでした。

ところで話は変りますが、私は大阪生まれなのに性格が内向的で、本音が大声で飛び交う大阪の土地ではいつも小数者の悲哀を味わっています。自治労音協通信を見て、一度自分の音楽紀行を書いてみようと気まぐれでこの「わがまま音楽紀行」というのを書いてみました。ひまな方は一度読んでやってください。

ふらりネパール紀行のはじまりはじまり

今年(1998)の十一月、ネパールを旅してきました友人と二人でふらりとヒマラヤを見に行こうということになったのです。

私の所属する組合が発行している雑誌に「わあきんぐ」というのがあるのですが、私と友人はその雑誌の編集委員をやっているのです。それで、その雑誌の新年号の表紙にヒマラヤの写真を載せよう、というのがネパール行きの動機でした。大阪からバンコクへ、バンコクからネパールの首都カトマンズへ飛び、カトマンズから地方都市のポカラへと飛びました。飛ぶのが好きなわけではなく、このほうがチケットが安いというただそれだけの理由で、東南アジアをひと巡りすることになってしまったのです。まあそれはともかく、ポカラへの フライトはセスナ機のような小さな飛行機に乗って、ヒマラヤの大山脈を横に見ながら飛ぶマウンテンフライトというやつです。

飛行機が上昇を続けて雲の上に出ると、ヒマラヤの白い山々が目の前に迫ってきます。「ヤッホー」という歓声が飛行機の中に起きて、乗客は座席を立ってヒマラヤの見える右側の窓に殺到します。その重みで飛行機はぐらりと横倒しになり、ということはなく、窓から山を眺めたり写真を撮ったりしているうちにポカラへ到着です。ポカラは名前からしてなんとなくのんびりしているネパールの景勝地です。牛がのそのそと道を歩くこの世の天国のような街ポカラに着き、山の方角を見上げると、標高八千メートルのアンナプルナ山が白い雪をかぶって青空の中にそびえたっています。そして、山群の中央にはマッターホルンのようにとがった三角形の頂上が天空にそびえるマチャプチャレ山が立っています。私たち二人は、うーんとうなってこの壮大な光景にしばらくみとれるのでありました。私がこの光景を見たとき、何とも敬虔な気持とともに、フィーンという耳なりのような音が頭の中に聞こえてくるような気がしました。そしてなぜか先日聞いた胡弓の揺れ動く旋律を思いだしたのでした。

東洋の楽器によるオーケストラ

ところでみなさんはオーケストラというと何を思い浮かべますか。ふつうオーケストラと聞けば、西洋楽器による編成のオーケストラを思い浮かべる人が多いと思います。でも、オーケストラはなにも西洋楽器の編成ばかりとはかぎりません。実は私も始めて実際に見る、いや耳で聞いたのですが、東洋の楽器によるオーケストラというのもあるのです。「華夏」という名前のオーケストラは総勢が百人という大規模な楽団で、日本で演奏活動を行っています。その中でリードを取るのが「胡弓」という楽器です。胡弓はバイオリンとよく似た音を出す楽器です。垂直に立てて弾きますが、弓を使って弦を弾くところはバイオリンと同じです。ただ、音色は似ていても、その情感はかなり違います。胡弓は人の喜怒哀楽を歌うかのように、高く低く哀切な訴えを聞く人の胸に刻みつけます。私はクラシックや東洋音楽には詳しくありませんが、ただ、はじめて胡弓の独奏を聞いたときに、その表現力の素晴らしさに引き込まれてしまったのです。

ポカラの街を歩く人々は、青い瞳に金髪のアーリア系の人や、黒い瞳に黒い髪のチベット系の人、地元のネアール系やインド系の人など実にさまざまです。人々はペワ湖という湖の湖畔をぞろぞろと行き交います。その湖畔から見上げるヒマラヤの山々は、すぐ近くにありながら何か神秘的な近寄りがたい高貴さを漂わせる不思議な存在でした。(つづく)

写真はネパールで出会った少女と牛

三十四回日本音楽協議会総会から

小川典子(文責事務局)

日音協理事長に竹花さん

「日本音楽協議会」が十一月一四日に全林野会館で開催され、自治労情報報道局長の竹花恭子二さん(岩手県本部出身)が菅野謙市さんの後継者として、理事長に就任されました。

特徴的な方針

方針2組織活動・3財政活動

さて、新方針のなかでこれまで県支部レベルにしか制度としてなかった個人会員制が新たに、規約および運動方針に盛り込まれました。

この背景については前号で報告しましたが、やはり労働団体の分担金の削減(1年間は据え置き)など財政の困窮はその大きな理由です。

このようななかで、今回新たに個人会員制度を新設し、来年九月までに各支部二〇人を目標に会員加入を募ることになりました。そして日音協中央への上納金八万円が上納できない支部(+活動の実態がなく)は廃止するというとになったわけです。

(規約改正事項)

個人会費 二千四百円(機関紙代)+&二千六百円(団体所属会員*自治労も該当、支部会員)五千円。

*会員加入は日音協事務局まで御連絡ください。(日音協 03-3361-1201)

(方針5事業活動)

九七年度「ありがとう私のうた」を制作、二千枚販売。九八年度も継続する。

*収録曲推薦依頼中。応募者は自治労音協事務局まで御連絡ください!

日音協歌集第六集の発行

*収録曲推薦依頼中。自治労仲間の歌を中心に応募予定。

音協会員の日音協への結集を!

現在十二支部が北海道、青森、秋田、岩手、新潟(未活動)、富山、長野、群馬、東京、千葉、沖縄に組織されています。ほとんどの県に組織がないため、自治労音楽協議会のみなさんには、音楽祭とか歌集でしかかかかわりのない方が多いと思います。

主な活動としては、音楽祭の他に、『音楽運動』という機関誌が毎月発行されています。

自治労音協会員のみなさんには、まず、この機関誌を講読するところから関わっていただきたいと思います。

一九九九年一月号には山口真さんに今年の豊富で投稿していただいています。

*年間講読料は二千四百円です。宜しく御願いします。講読申し込みは日音協まで。

(日音協 03-3361-1201)

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