自治労音協通信

   2面 NO27号/98.5.15発行

第31回はたらくものの音楽祭報告

松本敏之(自治労音協事務局長)

第三十一回はたらくものの音楽祭は、同音楽祭実行委員会(日本音楽協議会ほか)の主催により、四月二十五日から二十六日にかけて、富山市、富山県教育文化会館ホールで開催されました。音楽祭には、地元富山と全国から両日とも五百人の参加者で盛り上がりました。自治労からも、富山から○○人、他の十六都道県と本部から三十八人が参加しました。

第三十一回音楽祭のテーマは「愛ーかけがえのない人、ものへのメッセージ」で、二十五日夜の日音協コンサートを除いて、一般参加(日音協県支部、地域サークル、日音協参加労組、全国アコーディオン協議会)三十八(コントを含む)、地元富山県実行委員会企画三、スポットライト三、新しい歌の会、シング・シング・シング、CD収録曲紹介、というなかみでした。

地元百人合唱団が開場を圧倒

両日とも地元富山県実行委員会の企画でオープニング。一日目は富山百人合唱団による「フィンランディア」。二日目は全国大会で民舞の部優勝をしたという富山北声民謡会の「こきりこ節」「せり込み蝶六」などの歌と踊りで開幕しました。自治労富山の前女性部長、久野澄子さんも踊りで大活躍。また、福光もちつき太鼓保存会による「もちつき太鼓」なども披露されました。とくに、百人合唱団は何回も集まって練習を重ねたと言われ、その成果を感じさせる素晴らしい合唱で会場を圧倒しました。ステージ以外でも地元富山の仲間たちは、裏方(自治労富山の磯野友一さんが富山県実行委員会事務局長として全体を切り回し、同じく小川旦さんが舞台監督をつとめる。)を支えるとともに、多くの仲間が両日一般参加者(聴衆!?)として駆けつけてくれました。

スポットライトは、「でえげっさあ」、長野のサークル=ローカル線のメンバーでもある鶴田茂子さん、富山のサークル「ししの子」が出演。とくに、鶴田茂子さんは、自作の三曲を披露してくれましたが、「幸せの方向」「君がいたから」のバラードはしっとりと歌い上げ、自らのはたらく老人福祉施設の仕事をうたった「かんじんかなめのかな子さん」はロックンロールのリズムに乗ってステージ狭しと踊りながらの熱唱。曲の合間には客席に降りてきたりと、演歌歌手顔負け(!?)の大活躍でした。

新しい歌の会では、日音協ソングの優秀曲を紹介するものですが、今年も入選はなし。昨年該当のなかった佳作が一点、全逓の若手、角田恵理子さんの「ジャニスのように」。そして、全林野北海道の熱田征一さんの「風が吹くように」、秋田の地域サークルたかのすびっきの津谷さつきさんと桜庭智英さんの「仲間がいる」、自治労青森の甲屋(かぶとや)文史さんの「早春」が紹介されました。とくに「ジャニスのように」は、ちょっとだけ破壊的になりそうな自分のあり方を自分だけがみつけた言葉でうたい上げ、やや単調なメロディーにキラッと光る変化の部分を加えて、なかなか説得力のある作品でした。全逓の若い女性だけでバンドを組んでの発表も意欲的に受けとめられました。

シング・シング・シングとCD収録曲紹介は、日音協の制作したCD「ありがとうわたしのうた」に関連します。日音協は一昨年秋から独自のCDの制作の準備をすすめ、音楽祭初日の二十五日、「ありがとうわたしのうた」と題して一枚二千円で売り出しました。いわゆるオムニバス形式にも似ていますが、日音協中央の制作委員会が各地域のサークルに、この曲を演奏して録音して欲しいと呼びかけ、これに応えた作品の中からさらに選びぬいて編集、発行したものです。録音に参加した

各地のサークルが、このCDの収録曲を紹介する、あるいは会場と一緒になってうたう、という形で、「戦争を知らぬふりする子どもたちへ」(ブービーバンド)、「海のある町へ」(ブルートレイン)、「たとえつらくても」「春風は河をわたる」「ありがとう私の唄」(日音協東京都支部)、「白鳥が帰る日」(たかのすびっきサークル)をうたいました。

さて、一般参加三十八団体は、なかなか全部紹介できませんから、自治労組合員の参加した団体の曲名だけご紹介します。ハッピーローズ(茨城)は「ハッピーローズ二十一」と「ふるさと便り」。ノーサイド(北海道)は「沖縄の空」と「日米軍事同盟反対」。ブービーバンド(北海道)は「なまらわやだべさ」。FMカンパニー(北海道)は「俺は行く」と「トゥモロウ」。日音協群馬県支部は「春の出発」と「帰省」。日音協岩手県支部は構成「きわまりて、いのち」。日音協富山県支部アコーディオン研究会はアコ合奏「心のうた」パート一、二。ギター合奏のラグリマ(東京)は「レロン・レロン・シンタ」と「真珠採り」。アコーディオンサークル白樺(長野)は「あたりまえの地球」ほか。日音協秋田県支部は「トーチにゆれる炎に」と「ある春の日に」。日音協沖縄県支部は「一坪たりとも渡すまい」。

日音協東京都支部は「公務員の唄」と「歓酒」。日音協青森県支部は構成「日本の文化?新聞配達」。広島県音楽サークル協議会は「ひろげよう歌を」と「夾竹桃」。日音協福島県支部は「帰郷」。四国合同は「この手に大地を」。

自治労発表は97仲間の歌の合唱

そして、自治労は昨年の仲間のうたコンクール佳作曲から、山本英二さん(新潟)の「たんぽぽ」と中村富士雄さんと常包早智恵さんの「もっと自由に」の二曲を三〜四部合唱でうたいました。全国から前日に集まって初日朝からの短い練習でしたが、うたいやすいようにというアレンジの工夫もあって、録音をまだ聴いていませんがまあまあの出来だったのではないでしょうか。指揮は香川の細川さん、伴奏は、作曲者の山本さんと私松本、そして東京のラグリマの狭石(利)さんがつとめまし

た。

日音協コンサートにCAMが出演

日音協コンサートは、地元富山のサークル「CAM」(クリエイティブ・アーティスト・メンバーズの意で、通称「カム」)、そして笑いの中に「いま」を描く「ザ・ニュースペーパー」でした。「CAM」は、自治労富山の磯野さん、井加田さんもメンバー(ヴォーカル)。メンバーの松田さん、大門さん、中田さん、中元さんの作品「カモン・エヴリボディ」「生きると言うこと」「夜勤」「続けよう」「小さな声を積みあげろ」「俺は前向きに生きる事に決めた」「勇太」「風を受けよう」をうたいました。かつては「どこがクリエイティブ?」という冷やかしもありましたが、美しいハーモニー(五人による三〜四部合唱)と表現力豊かなうたい方で、なかなかのアーティストぶりを発揮しました。「ザ・ニュースペーパー」はいきなり村山元首相を登場させ、最後の本日の新聞記事からのパントマイムまで、今日の社会を徹底して笑い飛ばしてくれました。ただ、コンサートと銘打って音楽以外のジャンルというのは、少しだけ違和感を感じました。

音楽祭全体の司会は、自治労富山の阿閉さん、全逓富山の梅野さんと私松本がつとめました。音楽祭のエンディングは全逓の仲間たちによる「レッツ・シング・ア・ソング」、そして「インターナショナル」。日音協の天羽事務局長はまとめのあいさつで「来年は第三十二回音楽祭をやりたい」と言いましたが、いろいろ難しい状況の中、実現するためには今まで以上に私たちも自治労の組合運動を通じて、そして地域で努力していかなければならないと感じました。

参加状況は富山を除いては、北海道5、青森1、岩手1、秋田1、山形2、福島1、新潟5、群馬2、栃木1、茨城3、東京3、長野2、広島1、香川2、福岡1、沖縄3、本部4の三十八名でした。

少ない練習でも楽しく演奏! 合唱発表の練習を取り組んで 

香川県職労 細川 剛 

 二十五日土曜日、九時から練習の予定だ。アンプ等の機材はセットされているのだが、人が少ししか、あっ、ベース担当の新潟の山本さんがすいのさんとすみれちゃんと共に到着。他に伴奏者がいないのでわたしのギター、茨城の市川さんのアコーディオンを入れて練習を始めました。

各パート二〜三人ずつですが、「たんぽぽ」編/重田善吉、「もっと自由に」編/山根博(最終編曲/松本敏之)、とも編曲は比較的簡単だったので、一通り音をさらえることは出来ました。初参加は、石川さん(沖縄)、福岡さん(香川)、微笑みが素敵な岡田、小山さん(新潟美人)、西川恵、小川晃さん(長野)でも、もっと人数が。伴奏は、編曲者の松本さんと相談の上で、ベースは通しで山本さん、「たんぽぽ」はギターを東京の狭石さん(百万円のギターだそうです)、アコーディオンは初の松本さん、「もっと自由に」は松本さんのギター、でも、やっぱりもっと人数が。二十六日は事前練習に参加できなかった人(日音協県支部参加者)を、会場でさがしました。いました、岩手の千葉さんをはじめ長野の原さん、東北(山形、青森、福島)の仲間、群馬の田中さん植木さん、そして地元で奮闘している富山の井加田さん磯野さん、司会も担当した阿閉さん、他。昼からの練習でやっと厚みも出てきました。本番は、約四○人で気持ち良く発表しました。練習日程は全逓を見習う(練習のための前泊体制)必要を感じました。四月の末でなかなか職場がたいへんな時期こうしてなんとか集まってきた仲間たちに感謝感激!毎年の事ながらよくやれたもんだね、パッパヤッパッ。さて、来年はどうなるのかな?合唱の好きな人集まれ!アレンジ譜及び音は松本さんのホームページ『自治労と音楽のページ』に掲載されています。

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