自治労音協通信

   NO26号/98.3.25発行

   3面

 <音楽夜話>ブルーグラスを語るpart3

(自治労音協事務局長)松本敏之

 前回に続いて、ブルーグラスの前史の第二回目です。前回は、一九二〇年代のCarter FamilyとJimmy Rogersを中心にとり上げましたが、今回は、一九三〇年代のMonroe Brothersです。

 Monroe Brothersは、Charlie MonroeとBill Monroe兄弟のデュオグループです。

 兄のCharlieはリードヴォーカルとギター、弟のBillはテナーハーモニーヴォーカルとフラットマンドリンを担当。一九三〇年代には、Monroe Brothersのほかに、Blue Sky Boys、Delmore Brothersなどギターとフラットマンドリン、ヴォーカルデュオという兄弟グループが多く人気を博したようです。Blue Sky Boysなどは当時、人気はMonroe Brothersを上回っていたのではないでしょうか。それでも、後の時代に与えた影響という点では、Monroe Brothersに匹敵するものはありません。

 モノの本には、Monroe Brothersの結成は一九二七年と書いてあります。しかし、一九二七年は弟のBillはまだKentucky州Ohaio郡の実家にいました。一九二七年というのは、おそらくCharlieの三歳上の兄、フィドルをよくしたと伝えられるBirchとCharlieがデトロイト(当時兄弟はフォードの部品下請会社ではたらいていた)のダンス・パーティーで演奏をはじめた年ではないでしょうか。やがて一九二九年にBillが合流、一九三〇年代にはいってプロの音楽家として本格的な演奏活動にはいるようになると、Birchはグループを離れていったようです。

 今日私たちが聴くことのできるMonroe Brothersは、一九三六年二月から三八年一月までの六回にわたるレコーディングで、六十曲が録音されています。最後の三八年一月のレコーディングには兄のBirchも参加しているそうです。

 ギター、フィドル(バイオリン)はヨーロッパ伝来の楽器、バンジョーはアメリカの黒人が生み出した楽器です。それに対して、フラットマンドリンは、もともとヨーロッパの伝統的楽器であるマンドリンの背を平らにしたもので、一九三〇年代に、主に通信販売の形でアメリカ南部に入り込み、またたく間に普及したものだそうです。Bill Monroeはこのフラットマンドリンをヒルビリー音楽で演奏する、その演奏法に大きな変化をもたらしました。シンコペイトさせてメロディーを弾くスタイル、アドリブ演奏、それを支える確実なテクニックが特徴です。これらの演奏法は、一部は伝説のフィドラーUncle Penから、一部は黒人ブルースギターの名手でフィドルもよくしたというArnold Schultzの影響によるものと言われています。

 一方、Charlieのギター奏法は、Carter FamilieのMaybelle Carterの流れをくんで、ベースランニングを強調したものです。特にRolling In My Sweet Baby's ArmsやRolling Onといったアップテンポの曲では、ダウンストロークでリズムを刻むということはほとんどなく、大体、四、五、六弦のベースランニングで処理していますが、このことから、Charlie Monroeをブルーグラスギターの元祖と呼ぶ人があるくらいです。

 Monroe Brothersの代表曲をいくつかあげると、一番のヒット曲はHome Without LoveとそのカップリングのWhat Would You Give In Exchangeです。そのほか、Foggie Mountain Top、Weeping WillowなどCarter Familie作品、Nine-Pound Hammer、Banks Of The Ohaio、New River Train、Rolling In My Sweet Baby's Arms、Roll On Buddyなどその後のブルーグラスの定番になる曲ばかりです。レコードとしては、「モンロー・ブラザーズのすべて」(原題はEarly Bluegrass Music,Monroe Brothers。もっともモンロー・ブラザーズはEarlyといおうがBluegrassではありません)のほかに、五枚組(ただし五枚目はMonroe Brothers解消後のCharlie Monroeのグループ、Charlie Monroe Boysの演奏)の全曲集、「永遠のモンロー・ブラザース全曲集」があります。

 Monroe Brothersの録音した曲は、Carter Familieなど先人たちのつくった曲、トラディショナルな民謡、宗教的な歌(セイクレッドソング)ばかりであり、Monroe兄弟のオリジナルの曲がひとつもないのは、今日から見ると驚きですらあります。Monroe Brothersの音楽は、ブルーグラスと言うことはできません。それはヒルビリー音楽、またはカントリーアンドウェスタン音楽一般の域を出ません。しかし、それは、一九四〇年代なかば以降のブルーグラススタイルに直接つながっていくものとして、重要な位置を占めています。

 次回は、最初のBill Monroe And His Blue Grass Boys、そしてLester FlattとEarl Scruggsを迎えて、今日で言うブルーグラススタイルを生み出した時代から、Flatt And ScruggsやStanley Brothersなど、ブルーグラスの黎明期、最初の黄金期について書いてみたいと思います。(つづく)

多彩な演奏で盛り上がる!第39回北海道音楽祭典

 全道庁 村雲 孝

 十一月二十九・三〇日の二日間、北海道音楽祭が開催された。初日の前夜祭は北区のクリスチャンセンター二階ホールで一一〇名二日目の本祭典は中央区の「かでる2・7」ホールでニ五〇名の参加者であった。

 今回の祭典にはゲストミュージシャンとして、以前に連合北海道・連合札幌主催の平和コンサートに出演したこともある、東京在住の歌手イ・ジョンミさんがギター、キーボード、パーカッションという編成のバンドを率いて出演した。

 昨年九月に 『私はうたう』をリリースし、プロ・ミュージシャンとして歩みだしたイ・ジョンミさんは、澄んでいながら迫力のある声と、在日韓国人であることのアンディティティーを生かしきった演奏内容であった。

 前夜祭も、そしてそして本祭典もデビュー からのレパートリーを中心にした演奏となったが、自作の「私はうたう」、キム・ミンギの「ひでり」「セノヤ」などが強く印象に残った。

 単産・地域・サークルの発表では、厳しい職場状況を反映した作品・演奏内容が特徴的であった。演奏に対しては全林野と (自治労上川町職労)の二団体が優秀賞を受賞した。また、創作・演奏を含めた年間の音楽活動全般に対して、榊原隆子さん(自治労札幌市職労)と、北山清喜さん(全道庁網走)のニ人が表彰を受けた。

 今回の音楽祭は、各単産・地域・サークルの演奏内容が多彩であったことが挙げられる。ハード・ロックやフュージョンに加え、伝統である構成劇やシンプルな労働歌が発表された。次回の四十回記念祭典は、久しぶりに札幌を離れて旭川での開催が検討されている。

98春闘を歌声にのせて!

自治労広島県本部青年女性第19回歌声祭典

広島県世羅町職 大霜孝治

 二月二十八日(土)、九八春闘勝利に向けて、青年・女性の総決起の場として、第一九回歌声祭典が、竹原市民館で開かれ、七二単組から七百二名の仲間が参加した。開会行事のあと、松本重延労大講師から、「九八春闘情勢と青年女性の課題」についてと題し、講演を受けた。

 祭典行事では、各総支部の紹介や決意表明を織りまぜ、課題曲、自由曲を熱唱した。中には、岡本真夜の「TOMORROW」を「♪当局なんかにおびえないで♪」と替え歌にして、会場をわかせたり、構成詩では、南部・西部とも児童福祉法改正を取り上げ、私たちの職場で大きな課題になっていることをうかがわせた。

 また、シングアウトほかの役割として、世羅町職と尾道市職の自治労音協メンバーと、各総支部から二名づつの参加で、開会前と、午後の部(祭典行事)の前に、「ふるさと」「ひとりじゃないよ」「過去から未来へ」「オンザロード」「みんながかわる力になる」の五曲を、尾道(ギターandキーボード)と世羅(ベース)の仲間の演奏で、会場と一緒になって、唄った。また、広島県音楽サークル協議会による、歌声や演奏に和む時間もあり、青年・女性にとってあらためて春闘を決意させる祭典となった。

仲間の近況報告

高田良徳さん、和枝さん ご結婚おめでとう !

事務局長 松本敏之

 前自治労音協事務局次長で以前青年部常任委員をされていた、高田良徳さん(香川県職労)と同じく会員の(旧姓)前田和枝さん(香川県本部たまも園労組、女性部常任委員 )が二月一日、めでたくご結婚されました。おめでとうございます。幸せな家庭を築かれますよう、お祈りいたします。

 三月一日、自治労香川の仲間たちを中心に、良徳さんの地元、善通寺市内の鳳凰閣で、実行委員会の手作りによる結婚祝賀会が開催されました。良徳さんは、社会党から善通寺市議会議員として活躍されてきたお父さんを昨年亡くし、来る四月一九日執行の善通寺市議会議員補欠選挙に社会民主党から立候補を予定しています。すでに、香川県を退職し、自治労も組織内候補の決定をしています。そこで、三月一日当日は、自治労や友誼労組の仲間たち、学校時代の友人たちだけでなく、善通寺市内の支持者のみなさんも大勢集まり、二百人以上のにぎやかな祝賀会になりました。

 音楽の仲間たちも、日音協香川県支部(準備会)として、自治労音協副会長の細川剛さん(香川県職労)をリーダーに、岡光子さん(元自治労鹿児島本部、現国労書記局=音協会員)と夫の岡さん(全逓)、南原さん夫妻(妻=自治労香川県職、夫=全逓)、自治労青年部役員を同期で担った松本敏之(自治労音協事務局長、栃木県職労)そして新婦の和枝さんにも加わっていただいて、「もっと自由に」「心の翼」「ラブ地球」を歌いました。三好康夫さん(自治労香川綾上町職労)も音響を一手に引き受けて、祝賀会を盛り上げました。また、良徳さんの高専時代の仲間たちに良徳さんも加わったバンドで、「スタンド・バイ・ミー」等を演奏して、これまた喝采を浴びました。

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