木村愛二の生活と意見 2001年5月 から分離

ミス世界候補「イ・ア戦」勃発かと右往左往報道に見る「似非紳士」こと朝日新聞の足の位置」

2001.5.7.(月)(2019.8.7分離)

送信日時 : 2001年 5月 7日 月曜日 9:34 PM
件名 : ミス世界候補イ・ア戦勃発で右往左往報道

 先日、米軍放送傍受で、物騒な情報こと、「偽」イスラエルのミス・ユニバース世界大会出場者が、「防弾チョッキを衣装にする」との困ったような、呆れたような、そこまでしなくても、という感じの篭った解説を聞いていたのですが、わが電網宝庫読者が送ってくれた以下の『朝日新聞』(2001.4.26.夕)記事によって、どうやら、これは本当らしい、ということと同時に、アラブ女性との激しい応酬も予想される大会が、きたる5月11日に迫っていることが判明しました。

 この朝日記事の構成の仕方は、パレスチナを巡る国際情勢と同時に、その中での「似非紳士」こと朝日新聞社の下手糞ゴルフ風の足の位置のずらし方のずるさをも、見事に反映していると思われますので、一応、全文を紹介し、論評を加えます。


「PEOPLE」欄 イスラエル防衛と批判と

 イスラエルとパレスチナの紛争が続く中、テルアビブで18日、ミス・イスラエルのイラニット・レビーさん=写真、ロイター=が、ダイヤモンドをあしらった防弾チョッキを試着した。来月11日にプエルトリコで開かれるユニバース世界大会で着るためだ。「これこそ、イスラエルそのものを表現しているわ。コンテストでは、私たちが直面している現実を見せなければいけないかもしれないから」(ロイター)

 一方、同日、カイロで行われたコンテストでミス・エジプトに選ばれたヘバ・マンドールさん=写真、時事AFP=は、20世紀最大の悪党として、イスラエルのシャロン首相の名を挙げた。審査員の質問に答えたもので、「彼は人間じゃない。ユダヤ、イスラム、キリストのどの宗教からも受け入れられないわ」と語り、4000人の観衆の喝さいを浴びた。(時事AFP)


 これからがわが論評ですが、まず第一に、米軍放送には、エジプトの話はまったく入っていませんでした。今まさに、冷戦構造崩壊後の混沌の最中、アメリカの大手メディアは、「ホロコーストの大嘘」をばらまき続け、「偽」イスラエル支持の世論を必死になって維持する極右政治的シオニストの完全な思想支配下にあるのですから、この現象は当然です。

 朝日記事の最初の部分は、(ロイター)ですから、イギリス系通信社の記事を使っています。通信社の配信記事を使う場合には、短くしても良くて、前後の関係で少しは追加しても良いのですが、主旨を変えてはならない約束になっています。

 そこで面白いのは、日頃はアメリカ追随の朝日新聞が、(時事AFP)、つまり、フランス系の通信社の記事をも併用し、「一方、同日、」などと、許容範囲の付け加えをして、「イ・ア戦勃発」の雰囲気を出し、見出しを「イスラエル防衛と批判と」にしていることです。

 日本政府は、この「イ・ア」の双方に経済援助をしていて、どちらにころんでも恨まれないように、姑息な外交戦術を取っています。新首相に関しては、決定直後に、アラブ人の記者から電子手紙で問い合わせがあり、その質問の最後には、「中東政策に影響があるか」とあったので、それには「独自性は皆無、ワシントン情報を見ていた方が良い」と答えておきましたが、本日夕刊の「所信表明全文」を見ると、「日米関係」の強調はあっても「中東」の「ちゅ」の字もありません。

 きたる5月11日には、ミス・ユニバース世界大会の報道に御注目下さい。