編集長の辛口時評 2005年12月 から分離

政策誤算・イラク人3万人・米兵2140人の犠牲を認めた米政権に寒々

2005.12.13(2019.8.20分離)

政策誤算・イラク人3万人・米兵2140人の犠牲を認めた米政権に寒々
http://www.asyura2.com/0510/war76/msg/852.html
投稿者 木村愛二 日時 2005 年 12 月 13 日 14:28:44: CjMHiEP28ibKM

 

 イラク戦争に関する米情報が、いくつか続いた。その最後に、上記の「同時多発テロ」問題が出てきたのである。

 テロリストの仕業」とする米政権の謀略と、それをそのまま報じたメディア、論者の犯罪性を、改めて痛感する。


日経【米政権、イラク政策で誤算認める・支持回復へ軌道修正】
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20051213AT2M1000U12122005.html
米政権、イラク政策で誤算認める・支持回復へ軌道修正

【ワシントン=加藤秀央】ブッシュ米政権がイラク政策に「誤算」があったと認める姿勢を見せ始めた。「米国の戦略は成果を生んできた」とする従来の主張に世論が不信感を抱いていると判断したとみられる。イラク治安部隊の拡充や経済復興などで軌道修正を明らかにすることにより支持回復を期待する打算の跡もうかがえる。

 ブッシュ大統領は経済復興をテーマとした7日の演説で「アプローチを修正した」と言明。発電所など大規模施設の建設を中心とした当初の戦略を改め、下水道や地方道路網の整備など生活に密着した小規模事業にも資源を集中させていると説明した。(07:01)


朝日CNN:イラク人犠牲者は3万人 ブッシュ米大統領が初めて言及
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200512130001.html
2005.12.13
Webpostedat: 10:40 JST
- CNN

フィラデルフィア(CNN) ブッシュ米大統領は12日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで演説し、03年3月にイラク戦争を始めて以来、イラク人約3万人が犠牲になったと明らかにした。ブッシュ大統領がイラク人の死者について具体的な数字に言及するのは初めて。

国際問題を考える当地の民間団体の集まりで演説したブッシュ大統領は、客席にいた女性の質問に答えて、「当初の侵攻と、その後もイラク人に対して続いた暴力によって、約3万人が死亡したといえるだろう」と述べた。さらに「わが軍もイラクで約2140人を失っている」と米兵の犠牲にも言及した。

ホワイトハウスのマクレラン報道官はこの後、大統領が挙げた「3万人」という数字は、マスコミ報道をもとにしたもので、「公式な政府推計ではない」と説明した。

大統領の演説を聞いていた別の女性はさらに、イラク侵攻を正当化する根拠として01年9月の同時多発テロを使ったのはなぜかと質問した。

ブッシュ大統領はこれに対して、同時多発テロによって自分の外交に対する考え方が変わり、米国への脅威には立ち向かわなくてはならないと決心したのだと説明。「そこでまず最初に、アフガニスタンのタリバンに立ち向かおうと決めた。タリバンはテロリストを保護していたからだ。次に決断したのは、ちなみにこれは私にとってとても辛い決定で、決して軽々しく決めたことではないのだが、サダム・フセインが脅威だということだった」と大統領は話した。

演説でブッシュ大統領は、イラクの民主化において04年6月の主権移譲と05年1月の総選挙が重要な一里塚だったと述べ、15日の国民議会選挙が新たに3つ目の大きな一里塚になると重要性を強調。「自由と民主主義の名において、何百万というイラク人がこの木曜日、自分たちの命をかけて投票する」「米国の最も優れた兵士たち16万人が、自分たちの命をかけて、イラク人が成功するよう努力している」と述べた。

また大統領は、米国が1776年に独立を宣言した際の「独立宣言の約束事が全ての米国人に行き渡るようになるには、4年にわたる内戦とその後100年にわたる苦闘が必要だった。イラクの自由化と民主化のプロセスを見る時、自分たちのこの歴史を念頭に置くことが重要だ」と述べ、米国の独立も一朝一夕に実現したのではないと強調した。


 この記事に接して、即座に思い出した旧稿を、「バーバラ・ブッシュ」「美しい心」のキーワードで、電網検索したら、以下が出てきた。


http://www.jca.apc.org/~altmedka/turedure-03-0517.html
随時追加「編集長日記風」 木村愛二の生活と意見 2003年05月分
2003年5月17日(土曜日)

ブッシュ・ブレア同盟の最大の武器は無感情と記憶喪失で、ブッシュの母親は自称「美しい心」をイラクでの戦死で乱されたくないと宣うと知り、わが心は寒々と戦く

 日本列島の古来から言葉の「おののく」は、安物辞書で「体や手足が恐ろしさや不安などで、ぶるぶるふるえる。わななく」と説明されている。ワープロ変換では、「戦く」となってしまうのであるが、やはり、これは、心理的な意味での「戦い」なのであろうか。戦々恐々とか、「武者震い」という表現もあって、戦いは恐いから、震えるのでもある。

 私は、かなり前に、本日の主題の材料、以下に紹介する1)をアメリカ人から受け取り、2)を日本の阿修羅戦争掲示板で発見した。その2度とも、「胃の腑が縮む」想いと同時に、「背筋が寒くなる」想いをした。「薄気味悪い」気分になった。自分が同じ「類」に属すことが、実に不愉快になった。

 いずれも、情報発信はアメリカからで、執筆者はアメリカ人で、掲載されている場所は、アメリカの独立系電網宝庫である。つまり、アメリカ「帝国」の足下からの告発なのである。

 1)は、今回のイラクにおける一方的な大量殺戮の国際的な政治的「指揮者」、ブッシュとブレアの「最大の武器」が、「無感情(冷淡)と記憶喪失である」とするものである。

 2)は、ブッシュの母親のバーバラが、ABC-TVのモーニングショウで、以下のように語った件である。

----- 引用ここから ------------------------------ 
「戦死者のBody bags(遺体袋)のことや、そしてその数、それがいつ起こるかについて、そして予想はなどとの情報を聞く必要がはたしてあるのかしら?
つまり、それらは私にとって意味のあることではないのです。
 何故このような事柄のために、私のこの美しい心を浪費する必要があるというの?」
----- 引用ここまで ------------------------------

 上記の「戦死者のBody bags(遺体袋)」は、アメリカ兵のことである。自国民で、しかも、息子のブッシュの命令で戦地に赴いた兵士の死に関してさえ、この調子なのだから、イラクで民間人が大量に殺され、少女の頭部がクラスター爆弾で吹っ飛んだことなどは、まったく念頭にないのであろう。

 わが戦きは、特に、この母親の言葉を知った時の方が、特に激しかった。言葉は悪いが、「胸糞悪い」気分に襲われた。ブッシュの親父の悪魔振りは、先刻承知だったが、両親がともに悪魔なのである。東部のワスプの典型の悪魔一家なのである。

 ただし、人種だの遺伝子だのだけのせいとは思わない。略奪を積み重ねた「富」に囲まれて育つ悪餓鬼どものあくどさに、ぞっとしたのである。

 いつぞや、日本の某大手都市銀行の警備員を長いこと勤めていた知人が、「こういう仕事をやっていると、人間が良く分かるようになる。金があると人間が悪くなるということが実感できる」と打ち明けてくれた。その通りなのである。ああ、貧乏人で良かったとは言いにくいが、まあ、その方が、心安らかに死ねるであろう。
 [後略]