『亜空間通信』180号(2002/03/05) 阿修羅投稿を02.12再録

杉花粉飛散「平年値」過去40年間に4倍以上激増を知らぬとは言えめえ専門家よ

送信日時 : 2002 年 3 月 5 日

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『亜空間通信』180号(2002/03/05)
【杉花粉飛散「平年値」過去40年間に4倍以上激増を知らぬとは言えめえ専門家よ】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 本日(2002/03/05)は、何ともはや、怒りの赴くままに、健康維持のために必須の日課の水泳の時間も取らずに、以下の記事の続きを整理した。

http://www.asyura.com/2002/bd17/msg/218.html
2002.02.27:『亜空間通信』173号【気象協会と東京都は過去10年の飛散量の平均を「平年値」と偽り杉花粉症患者を騙した】

「杉花粉の年間飛散量」に関しての一番凄い数字は、日本最古の記録、1965年の相模原の2,175(100)と、それから35年後の2000年の青梅の37,899(1,742) の比較である。何と、17倍以上である。 これではニャンちゃんも、ワンちゃんも、赤ちゃんも、花粉症になってしまうのは当然である。

 本日の中心的な狙いは、「平年値」と称するものが、何ともニャンとも、恐るべき殺人的政治犯罪性であることの立証である。端的に言えば、専門家どもが集まって物々しくも「検討会」など開きながらも、「杉花粉の年間飛散量」が急速に増えており、しかも近年は「激増」していることを、当然、知りながらも、「過去10年の平均」を「平年値」と称し、今年は1.2倍とか、1.5倍とか、1.8倍とか、昨年より少ないとか、だけを発表したのか、その意図は何か、ニャンだったかである。

「平」の一字の説明の冒頭は「たいら」である。「激増」する数字は「たいら」ではあり得ない。すでに「雨量」の「平年値」は「過去30年の平均」であると記した。

 もう一つ、日本人なら常識と思える言葉に「平年作」がある。手許の安物辞書では、「平年」は、「普通の年、特に農作物の収穫が普通である年。豊作でも凶作でもない年。『平年並』『平年作』」などとなっており、「平作」が「平年なみの収穫。平年なみのできぐあい」などである。

 稲の「平年作」の基礎数字の取り方について、農水省に電話取材すると、統計情報部から電話が広報室に回って、詳しい「平年収量の算出の仕方」の通達を入手できた。

 ともかく、まずは稲の栽培に決定的な要素である「気象」の基準の「平年値」が、やはり、「過去30年の平均」であることが判明した。ファックスで送られてきた通達の文章は、いかにも役所風でややこしいが、「平年値」という言葉を、「気候を示す標準値」とか、「30年間の累年平均値」などと規定している。

「平年収量の算出の仕方」の方は、「最近の栽培技術の進歩の度合、作付品種の変動」などが関係するためであろうが、少しややこしくて、昭和54年(1979年)からのグラフなどを示して、かなり複雑な計算により、「予想される10a当たりの収量」を算出するのである。 これが今年の通達だから、23年の経過が考慮されることになっている。

 以下、杉花粉の飛散量の変化について、入手可能の数字を示す。

 なお、最後の2000年と2001年を除き、基本的な数字は、2年前の以下の頁で既に発表していたものである。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/kahun-10.html
http://www.jca.apc.org/~altmedka/kahun-12.html

 統計的な議論の中心となる「杉花粉の年間飛散量」は、以下の資料による。

1965年~1984年:国立相模原病院の調査による「空中スギ花粉数」[註1]
1985年以降:東京都の調査による「スギ・ヒノキ花粉数」[註2]

[註1]:相模原の数字は、グラフからの読み取りである。出典の『日本花粉学会誌』は東京都中央図書館所蔵であるが、武蔵野市中央図書館では取り寄せできないので、花粉悲惨の「悲惨」期間終了後に地下鉄日比谷線の広尾駅近くの東京都中央図書館まで出掛けて、正確な数字をいれ直す予定である。[予定は未定にして決定にあらず。未達成]

[註2]:私が、「インターネット雑誌編集長」を名乗り、「東京都衛生局環境衛生部環境保険課調査係」を大いに悩まして、やっと入手した1985年からの杉花粉飛散状況「ダーラム型」測定結果から、杉林に近い青梅市の2月1日から4月30日までの「合計」を、以下、羅列する。

( )内は増加、減少率(小数点以下は4捨5入)である。

[kahun-10.htmlでは、「検算する時間が惜しいので、計算間違いがあるかもしれないとし、転載する方は検算されたい」と注記したところ、12.htmlには以下の記述があるから、その後、読者の指摘で訂正したらしい。→2000.4.25.1965年を100とする増減比率の数字が間違っていたことを読者から指摘され、急遽、計算し直し。間違いの原因は不明。教訓:急いては事をし損ずる。特に、重要なことは素面で行え。]

   2-4月花粉総数    10か年毎の積算
(括弧内は1965年を100
とした増減)
         (1999年以降は、その年までの10か年毎の積算)
         (括弧内は1965年からの10年の積算を100とした増減)

1965年  2,175(100)
1966年   825(38)
1967年  1,900(87)
1968年  1,900(87)
1969年   845(39)
1970年  1,625(75)    
1971年  1,325( 61)
1972年  3,375(155)
1973年  2,625(121)
1974年  3,675(169) [20,270(100)]
…………………………………………………………………………………………
1975年  1,925(89)    
1976年  6,300(290)
1977年   875 (40)
1978年  3,575(164)
1979年  8,300(382)
1980年  2,450(113)    
1981年  1,225(56)
1982年  8,475(390)
1983年   825(38)
1984年  4,550(209) [38,500(190)]
…………………………………………………………………………………………
1985年  6,176(283)
1986年  1,717(79)
1987年   794(37)
1988年  5,179(238)
1989年   125(6)
1990年  2,715(125)
1991年  6,826(314)
1992年   492(23)
1993年  3,851.(177)
1994年   494 (23) [24,457(121)]
…………………………………………………………………………………………
1995年  13,241(609)
1996年  1,423(65)
1997年  6,394(294)
1998年  5,665(260)
1999年  3,130 (143) [44,228(218)]
2000年  [79,412(392)]
2001年 10,826(498) [83,412(412)]

 東京都の数字は、11箇所の観測結果である。次の画像に入れた。各自、研究されたい。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/to-bunsho.gif
http://www.jca.apc.org/~altmedka/to-kahunsuu.gif

 以上。


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