『亜空間通信』733号(2004/02/11) 阿修羅投稿を再録

長文だが重要:1/26衆議院予算委員会で首藤信彦イラク補正予算質問全文、諸君の子細検討期待

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『亜空間通信』733号(2004/02/11)
【長文だが重要:1/26衆議院予算委員会で首藤信彦イラク補正予算質問全文、諸君の子細検討期待】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 本日(2004/02/11)は、昔の紀元節(きげんぶし)とか、わが機嫌は非常に悪し。

 1月27日には、簡単な報告が、阿修羅戦争掲示板に出現した衆議院予算委員会における民主党・首藤信彦議員の質問と政府側答弁の全文が、やっとのことで、電網公開されているのを、取り込んだ。

 長文だが非常に重要と考えるので、その部分を全部、紹介する。以下は、「1/26衆議院予算委員会で首藤信彦イラク補正予算質問と答弁の部分の全文」である。

「イラク復興支援経済協力費として、千百八十八億円」ですよ、これが何で、これだけの質疑で通るのか、疑惑だらけ、怒り心頭の議事録が、やっと電網公開されるまで、大手メディアは、何をしちょったのか。

 外交官惨殺事件の自称「電網捜査本部長」としては、阿修羅戦争掲示板の同志、捜査員有志の諸君の子細なる検討を期待する。

---------- 引用ここから ----------
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
会議録議事情報 会議の一覧
第145回国会(平成11年1月19日召集)以降の衆議院の会議録の議事部分を掲載しています。
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予算委員会
平成16年1月26日 第2号
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
第2号 平成16年1月26日(月曜日)
会議録本文へ
平成十六年一月二十六日(月曜日)
    午前九時三十分開議

○笹川委員長 この際、首藤信彦君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。首藤信彦君。

○首藤委員 民主党の首藤信彦です。

 十五年度補正予算のフレームについて、まずお聞きしたいと思います。

 この中で、特に私は、今般、今、国会で審議の最中でございますが、イラクへの自衛隊の派遣、これに関するテーマについて特に集中的に質問したいと考えております。

 イラク復興支援経済協力費として、千百八十八億円、これが十五年度補正予算フレームに載せられています。この金額というものは、当然のことながら、我が国のODAの約七分の一に、年間のODAの七分の一ぐらいに相当する金額だと思うんですね。非常に大きな金額です。

 今、日本のODAに関しては、それ自体が曲がり角であるというふうに言われて、また、前国会においては、大変不幸な事件でいろいろな腐敗行為とかさまざまなスキャンダルが明らかになり、国民のODAに対する信頼というのはさらに失われました。

 そういう観点から考えると、私は、このODAに関しては、海外援助に関しては、徹底した透明性、客観性、公正性、公平性というものが求められていく。そして、それがまた本当に効率を生むかどうかということで、その効率性も求められているわけですが、このイラクの復興の協力費に関して、どのようなテーマがあるかということで、私も財務省主計局がまとめた説明資料を見させていただきました。ところが、ほとんど書いてないわけですね。何にも書いてないんです、はっきり言うと。

 そこで、疑問として、一体何を、この千百八十八億円をどんなテーマで、しかもこの補正のどたばたした審議の中で払っていこうとしているのか。そのテーマを、細目をお聞かせ願いたいと思うんですね。

 もちろん、そこには、国連開発計画とか、あるいはまた国連のさまざまな機関、あるいはIBRDのような国際的な銀行、こうしたものに援助として供与される部分もあると思います。しかし、それ以外に、一体どういう対象に、この千百八十八億円の大部分といいますか、六割近くが流れていくのか、それをまず財務大臣にお聞きしたいと思います。

○谷垣国務大臣 今首藤委員がおっしゃいましたように、この補正予算では十・八億ドル相当の千百八十八億円が計上されているところでありますけれども、この支援の内訳につきましては、イラク復興信託基金への拠出として四・五億ドル相当、四百九十五億円、それからユネスコ等の国際機関経由の支援として一・二億ドル相当、百三十四億円、それからイラクへの直接支援等として五・一億ドル相当、五百五十九億円、こういう事業を実施することを想定しております。

 このうち、イラクへの直接支援等の中身としては、電力、水・衛生それから保健医療、治安等の分野における支援を実施することを想定しております。

 具体的なプロジェクトの内容につきましては、今外務省で詳細を検討していただいているところでございますけれども、例えば電力分野では発電所の緊急リハビリといったこと、また、水・衛生分野では浄水機あるいはごみ収集車の供与、こういった検討が進められていると承知しております。

○首藤委員 いや、それは異なことをお聞きしますよね。補正予算というのは、これは緊急性を持っていて、すぐやらなきゃいけないというものですが、これから調べていこう、そんな予算が果たしてあるんでしょうかね。

 では、どういう本当に具体的な対象があるかということが当然問題となるんですが、どの程度、例えばここに上がりました五百五十九億円のうち、どの程度が具体的にもう既に当てはめられているのか、財務大臣、もう一度いかがですか。

○谷垣国務大臣 これは、今申し上げたようなことを今外務省で検討していただいているということであります。

○首藤委員 いや、年度内でこれを使おうと言っているのに、検討してもらうとは、一体どれだけ時間が残っているんですか。

 財務大臣、今、日本は不況で一円もおろそかにできない。中には、本当に中小企業の皆さんも苦労されていて、そして、地方でも本当に苦しんでいる。地方へ行けば、シャッター通りと言われるように商店街も次々と閉められていく。どうしてこんな、五百五十九億円に対して、補正で執行しなきゃいけないのに、その対象がわからないか。どういうことでしょうか。もう一度はっきりお願いします。

○谷垣国務大臣 今の五百五十九億円の内容としましては、一つは電力であります。これは発電所、変電所のリハビリ、整備、それから移動式発電機、変電機の供与というようなことを検討しております。それから、水・衛生では、上水、あるいは簡易浄水機の供与、それから衛生は、ごみ収集車、汚泥処理車の供与といったことであります。それから、保健医療では、病院リハビリ、医療器材の供与とか救急車供与、我が国が過去にかかわった病院等における医療器材、設備のリハビリ等を行う。それから、治安その他では、警察車両の供与、あるいは日本のNGOに対する支援、こういったことを考えております。

○首藤委員 いや、財務大臣、これはもう全然質問を理解されていませんね。結局、一体どこに、対象としてやるか。対象がAからZまであります、こんなもの、答弁じゃないですよ。

 今この緊急事態のときに一体どれだけのお金をどういう対象に振り分けるのか。そうしたら、私たちも予算審議の中で、いやそれは違う、それは緊急性が乏しい、むしろこちらの方じゃないかというふうに初めて国民の代表として予算を審議できるわけですよ。財務大臣がそんなことを言ったら、予算審議、何もできないじゃないですか。AからZまで品目があります、ここに出すというんだったら、対象にならないですよ。

 外務大臣、では、一体これを、今、五百五十九億円をどのような対象にこのお金を渡すかをお聞きしたいと思います。

 対象は、どのような対象かということは、プロジェクトではなくて、どのような受け皿かということですね。御存じのとおり、ODAの場合は、どのような受け皿に対してそれを出すのかというのが重要となります。外務大臣、いかがでしょうか。

○川口国務大臣 だれに、どのような対象に供与するかという御質問でございますけれども、これは、統治評議会の各省庁、それと地方政府ということでございまして、ちなみに、先般、パトカー六百二十台の供与ということを決定いたしましたけれども、これの対象は内務省でございます。

○首藤委員 いや、それは驚きましたね。いつイラク共和国というのがあるんですか。イラク共和国の内務省というのはどこにあるんですか。そんなものないじゃないですか。CPAじゃないんですか、それは。いかがですか。

○川口国務大臣 これは、イラクには省庁がございまして、内務省もございまして、大臣もおいでになります。

○首藤委員 いや、それはとてもまともな論議じゃないですよ。

 イラクというのは占領下にあって、暫定行政機構というのは国連で認められた、唯一の権威として認められているのが暫定行政機構、CPAなんですよ。その下でどうしてイラクの国家としての省庁がありますか。どうしてそれが我々の国民の税金を使う正統なる受け皿となりますか。外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 決議一五一一というのが前に国連の安保理で出ておりますけれども、その中の、これは主文の四でございますけれども、そこに、ガバニングカウンシルが、及びそのミニスターズがインテリム、要するに暫定行政機構のボディーである、主たる組織であるというふうに決まっております。そして、これがイラクという国家の主権をエンボディーしている、体現しているというふうに書かれているわけでございます。

○首藤委員 いや、そんなことはだれだって知っていますよ。しかし、問題なのは、果たしてそれが、本当に今苦しいこの状況の中で、私たちの税金の受け皿となり得るかということを聞いているんですよ。

 例えば、イラクにおいても、まだ選挙も行われていない。今の暫定政府が、ある場合にはフセイン政権の残党であったり、あるいは古い行政府がそのまま残っていたり、あるいはまだバース党の幹部が居座っていて、問題になっている。選挙が行われ、そして本当の政府が出て、そしてまた本当の行政機構が行ったとき、これは、おまえたちはだめだという可能性だってあるわけでしょう。ですから、どうしてそういうところに送れるかということですね。

 今までのODAの対象を見てください。国際機関ですね。NGOですね。国家ですね。果たして、国家以外の機関、国家の下部組織に、国家の主権を飛び越えて地方組織に、地方政府に供与したという実例がございますか。いかがですか、外務大臣。

○川口国務大臣 これは無償資金協力でございますけれども、これは今までも、例えば草の根・人間の安全保障無償、NGO支援無償ということで、相手国の中央政府以外の人たちに対しても援助を実施してきているというのが現実にございます。

 イラクにおきまして復興ニーズが非常に高いということを考えますと、これは、相手国の中央政府、要するに、六月以降の暫定政府の成立を待つことなく、できるだけ早期に援助を実施していくということが大事でございまして、政府としては、当面、各省庁や地方政府に対して資金を供与していくということにいたしております。

 それから、あわせまして、DACにおきましてイラクについての会議をいたしましたときにも、これが援助を受ける適格性がある、今のトランジションにあるイラクの政府が適格性を持っているということがDACにおいても合意をされております。

○首藤委員 そういったレベルで果たして受け皿として出していいものかですよ。

 憲法八十九条は何て書いてありますか、憲法八十九条に。国家のコントロールに属さないところには私たちは資金供与を直接にしてはいけないんですよ。ですから、NGOだって長い長い論議を経て、NGOに出すんではなくてプロジェクトに出していったわけでしょう。ですから、今回だって、プロジェクトがはっきりしなければそれは出せないということなんですよ。

 それから、この中で、おっしゃったように、暫定機構を聞きましょう。CPAを伺います。

 CPAへの直接供与というのは、これは川口大臣も御存じのとおり、これは占領行政への加担でありますから、これは憲法上の問題がある。そのとおりですね。では、直接に、おっしゃるように、よりNGO的な地方組織に直接出したらどうかという考え方は、当然おっしゃるようにあるわけですよ。

 そこで、受け皿となる可能性があるとしたら、地方での評議会というのがありますね。しかし、これは、そのことが実は大きな問題となってきているわけですよ。

 これは我が党の同僚議員の達増議員からいただいたわけですが、岩手日報に、図らずもサマワの評議会の問題というものが載っています。この岩手日報というのは、共同通信のニュースをピックアップして、ここのところが本当に我々にとって大きな問題だということを拾い上げた、大変すぐれたニュースだと思うんですけれども、そこに、サマワやルメイサで評議会が不在だ、支援調整の窓口がない。

 何が問題かというと、評議会、地方の政府がCPAと対立しているわけですよ。それはなぜか。当たり前でしょう。CPAというのは、正統な行政機構として、国家の、国民に選ばれた行政機構でないために、評議会、地域をまとめている、統括している人たちから見れば、それはCPAの意に服さないということがあるわけですよね。ですから、当然のことながら、CPAに対して反発があったり、あるいは全部が巡礼に出ていってしまっている。

 ですから、川口大臣のおっしゃったような、地方の行政組織に出したりするというのは、あくまでも、正統な政府があって、その下に行政機構があった場合なんですよ。問題なのはCPAなんですよ。

 では、CPAへの直接的な資金援助というのは、それは可能でしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。

○川口国務大臣 それは全く考えておりません。

○首藤委員 おっしゃるとおりです。これは、我が国の今までの法制局の判断からしても、憲法上からしても、それはできないんです。それを確認させていただけますか、もう一度、外務大臣。――委員長、ちょっと時間がないので、早くしてください。

○笹川委員長 はい。川口外務大臣。

○川口国務大臣 CPAには資金の援助はいたしません。

○首藤委員 それは法的にできないんですよ。

 では、する、しないじゃなくて、法的にできるかできないか、言明をお願いします。――ちょっと時間をとめてください。

○笹川委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○笹川委員長 速記を起こしてください。

 川口外務大臣。

○川口国務大臣 CPAに対してODAを供与するということについては、これは政策として考えておりません。

 それが法的に、あるいは憲法に照らしてどうかということについては、法制局に御判断をいただく事柄かと思います。

○首藤委員 法制局、では、法制局の意見を聞きましょう。

○秋山政府特別補佐人 政策的に考えておらないという状況でございますので、ちょっとまだ外務省とその点について協議はしておりませんので、この場での答弁は控えさせていただきます。

○首藤委員 これは絶対できないんですよ、要するに、簡単に言うと。できないんですよ、憲法上。

 では、この予算というのは一体何だということですよ。一体だれに、どこに出すのか。ユニセフに出すのは結構ですよ。UNDPに出すのは結構ですよ。IBRDに出すの、結構ですよ。しかし、ここに掲げて、政府案に書かれている予算は執行できないんですよ。だから、予算審議では、これはもう審議できないですよ、はっきり言って。そうじゃないですか。

 では、どうしてこんなことが起こっているのかということですね。それは、なぜならば、マドリッドで会議したときに、そうした国際機関分、そして日本が独自でやりたい、やらなければいけない、緊急にやらなきゃいけない、日本のプレゼンスを示さなきゃいけない、日本の税金で、国民の税金で来たお金を、私たちの顔が見える形で援助していかなきゃいけない、こうした崇高な目的で、みんな必死で外務省の人は走り回っていたんですよ。

 その中に奥さんと井ノ上さんもおられました。奥さんと井ノ上さんがお亡くなりになったわけですね。これこそ最大のテーマなんですよ。一体、どうしてこの二人があそこで死ななければならなかったのか、ここが最大の問題なんですよ。

 そして、ここで、こういう表現がありますね。これは政府特別補佐官の岡本行夫さんが、十二月八日ですか、テレビでおっしゃっていることですね。奥大使は、日本が供与を決めた無償資金十億ドルの具体的な使い道を確定するために走り回っていた、日本はマドリッドの復興会議で約五十億ドルぐらい決めたんだけれども、日本のその十億ドルの部分に関しては緊急性が高くて、日本が独自で決めなきゃいけない、それを決めるためにプロジェクトを探し回って決めてたんだと。したがって、この二人が死んでしまったために、日本は自分で供与する資金をもう自分で決めることができない、これはCPAに渡すしかないんだ、こういうことを政府の特別補佐官がおっしゃっていますね。

 この発言に対しては、外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 奥大使、井ノ上書記官がイラクの支援をするために、まさに各省庁、そして地方政府とコンタクトをしながらニーズを聞き、そして、いろいろな我が国としてできる支援ということを考えていたということは、全くおっしゃるとおりでございます。そういう意味では、非常に、私も大変にこういう結果が、お二人が亡くなられたということについては、もう心から残念だと思っております。その上で、CPAに対しては行わないということは先ほど来申し上げているわけです。

 岡本補佐官がおっしゃったことについて引用をなさいましたけれども、それについて、私は直接見てもおりませんし、岡本補佐官からそういうことを伺ったわけでもございませんので、コメントはいたしません。

 申し上げているのは、CPAに政府としてODAを供与するということは考えていない、そういういうことであります。

○首藤委員 これはもうおかしなことですね。これは十二月の初めの、奥さんや井ノ上さんがお亡くなりになった直後に出てきた話なんですよ。私もこれを聞いて、テレビで見て、え、そんなことがあるのかと驚きました。しかし、これはただの評論家が言っているんじゃなくて、イラク問題の評論家が言っているんじゃなくて、政府の特別補佐官がこういうふうにおっしゃっているわけですね。

 ですから、これは本当にそうしたシステムなんでしょう。どうですか。政府の中で答えられるのは官房長官ですか。統一見解をぜひ出してください。

○笹川委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○笹川委員長 速記を起こして。

 川口外務大臣。

○川口国務大臣 政府の中で意見が異なるということはございませんで、これについては、CPAに対してODAを供与することはしない、そういうことでございます。

○首藤委員 だから、どうして、では、このお金、五百億を実行できますか、プロジェクトも決まっていなくて。そんなだったら、一体、その岡本さんというのは、どこかにいる人じゃなくて、もう毎日毎日テレビへ出て、政府の広告塔をやっている人ですから、当然のことながら、このことは当然、一番内実をよく知っている人ですよ。

 それなら委員長、私は、岡本行夫さんの参考人招致を求めます。いかがでしょうか。

○笹川委員長 理事会において協議させていただきます。

○首藤委員 時間がないので、次のテーマに行かなければいけませんが、私たちは予算審議をなぜしているかというと、私たちは、選挙でも何でもそうですが、国民の税金を一円もむだにしない、そのために我々はやっているんですよ。だから、この審議が本当に重要なんですよ。

 特に重要なのは、この前の国会で何が問題になりましたか。北方四島の問題だって、一部の政治家のために、もうめちゃくちゃになりましたよ。北方四島の帰還を一日千秋の思いで待っている人たちはどうなったんですか。めちゃくちゃになってしまいましたよ。

 ODAに関してだって、エイズの対策の支援の問題に関してだって、日本のODAはどんどんどんどん減らしている。世界ではODAは倍増しようといっているときに、日本ではどんどんどんどん逆になっているわけですよ。それぐらい、今、ODAに対して、あるいは海外への援助に対して、もう日本の国民がネガティブな気持ちになっているわけですよ。

 ですから、私たちは、このお金の使い道、たとえ緊急であっても、それが不公正であり、不効率であり、間違った社会の方向に使われてはいけない、そう思うんですよ。

 ところが、現実に見てみなさい。今、アメリカで何が問題になっているか。

 この援助を一括して受けているハリバートンという会社がありますね。それが、いろいろ使って、移動したときのガソリン代の水増しでハリバートンはもう大変な責任を問われて、その契約も打ち切りになろうとしている。あるいは、最近の例では、二人のスタッフが腐敗行為を行っていた。約六億円がおかしなことだとなっているんですよ。ですから、この会社に関しては、今ハリバートンとの契約そのものをどうしようかというふうに言われているんですね。

 このハリバートンの問題は、チェイニー副大統領がもとそこに勤めていたということで、皆さんもよく御存じの問題です。こういうことがあってはいけないと本当に思うんですよね。

 ですから、こうした援助に関しては、我々は徹底的に一つ一つの案件を精査しなければ、今、拙速でやってこの五百五十九億円をばらまいた結果、もしそれが本当にイラクの復興のためにならないとなれば、私たちはまたまたこういうものに対して否定的な見方になってしまうと思うんですね。

 例えば、サマワには、もちろん我々は、水という問題もあります。しかし、同時に雇用も回復しなきゃいけない。サマワにおける工場は何があるだろうか。病院はある。日本がつくった病院だ。恐らくいろいろ雇用してほしいと思います。

 産業は何だろうか。サマワにはセメント工場があります。だれがつくったんだか知らない。しかし、セメント工場。このセメント工場に対して、例えば日本政府は、この復旧とか改善とか、こういうものの支援をする計画がおありでしょうか。外務大臣、いかがでしょうか。

○川口国務大臣 セメント工場については、この十五億ドルの積算、これの中には、先ほどの一千百八十八億円ですね、その中には入っておりません。ただ、これは、今後事態の進展につれて、そういった生活基盤の強化ということは一つ考えられる可能性ではあるかもしれません。

 それから、先ほど谷垣大臣が若干おっしゃいましたので、この五百五十九億円の内訳については省略をさせていただきましたけれども、これはそれぞれ決まっておりまして、全部申し上げれば、例えば電力について言えば、発電所、発電所のリハビリ、整備、それから移動式発電機、変電機の供与。水・衛生部門につきましては、上水、簡易浄水機の供与ですが、及び衛生、ごみ収集車、汚泥処理車の供与。保健医療につきましては、病院のリハビリ、すなわち医療器材の供与、救急車の供与。それから、治安その他につきましても警察車両の供与等、それから日本のNGOに対する支援ということで、内訳は決まっておりますし、それぞれについて相手方も考えられているわけでございます。

 それから、委員の御質問の背景にある考え方というのが、このイラクの人たちに対する支援をするなということではなくて、これを十分に透明性を持って、国民の税金を使う以上はきちんとやるべきであるということであるというふうに私は考えますけれども、政府といたしましても全くこれは同じ考え方をいたしております。

 それで、例えば、地方政府であれば中央政府に供与するよりも透明性が低くなるのではないだろうかとか、そういうような御心配もあおりになるかもしれませんけれども、イラクへの直接支援の使途、それから資金管理に関する透明性、効率性、公正性、これにつきましては、例えば、十分に知見あるいは実績を持っている専門的な機関に案件管理をさせるとか、供与先に報告書や会計報告を提出させるということによりまして十分に確保をしてまいりたいというふうに考えておりますし、いずれこの支出が終わった後で、実施が終わった後で十分な情報公開も、相手方の、供与先の了承が得られればという前提でございますけれども、十分なる情報公開をやっていきたいというふうに考えております。

○首藤委員 それは正しい。しかし、それは時間かかりますよ。今回の補正ではできないですよ。まず第一に、その詳細を可能な限り公開してください。そして、私なりにもう知っているものがあります。この会社はやめた方がいいんじゃないか、この会社は元アメリカの何とかコンサルタントとかやっていたんじゃないか、そういうことがあります。ですから、ぜひ公開して、もう一度この委員会の場で、予算委員会の場で予算審議をさせていただきたい。よろしいですね、外務大臣。外務大臣。

○川口国務大臣 いずれにいたしましても、今の五百五十九億円、これにつきましては、私企業を対象にするということではございませんで、先ほど申しましたように、地方政府、それからそういった団体等でございますね、ということでございますので、委員のその御心配のことはございません。

 いずれ、これはイラクへの支援というのは何年間か続くということでございまして、そういった段階での援助の仕方については、これは日本政府全体として決まったルールがございますから、当然にそういうルールに基づいていくのは当然でございます。

 ことしやるその五百五十九億円につきましては、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、透明性、公正性、効率性ということを十分に確保していきたいというふうに考えております。

○首藤委員 これは、委員長、重ねて資料要求いたします。これは理事会で討議していただきたいと思います。それがなかったら、これ以上の論議はできません。これは予算委員会なんです。外務委員会じゃないんです。予算を決める委員会ですから、ぜひそれは委員長におかれては、資料の提出を私は求めます。いかがでしょうか。

○笹川委員長 理事会に諮って詰めさせていただきます。

 速記をとめて。

    〔速記中止〕

○笹川委員長 速記を起こして。

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