[番組紹介]地球温暖化危機を加速するアメリカの石油浪費構造と石油のための戦争

はじめに

(1)私たちは、「『イラク戦争と地球温暖化』−−膨大な温室効果ガスを排出し、環境を破壊し続ける」において、石油を略奪するために膨大な石油を浪費してイラク侵略戦争をしつづけるブッシュ政権の政策を批判した。
『イラク戦争と地球温暖化』−−膨大な温室効果ガスを排出し、環境を破壊し続ける
 ここではさらに、地球温暖化危機の切迫の警鐘にもかかわらず、アメリカが石油・化石燃料依存構造を維持・拡大し、温暖化防止活動に対して一貫して敵対してきただけでなく、アフガン戦争・イラク戦争にとどまらず、中東からさらにアフリカにまで石油略奪のための軍事覇権を目論んでいる−−このようなブッシュ帝国の野望を暴露する番組を紹介したい。
 「中東からアフリカへ−−拡大するアメリカの石油確保戦略−−」と題したドイツの番組は、西アフリカでの石油確保のため軍事覇権をもくろんでいることを取材する。2005年放送だが、その後の米アフリカ軍の新設(2007年)によってこの目論見は見事に証明されたといえる。消費する石油の半分以上を輸入でまかなっているアメリカが、さらに石油消費が2025年までに1.5倍に増えるとと予測し「石油の確保」こそが米国の外交・軍事の重要な柱とする報告書「国家エネルギー政策」(2001年)が基調にある。
 「アメリカ 石油依存の構図〜遅れる温暖化対策」は、アメリカが石油の浪費構造を維持するために、徹底して温暖化対策に敵対してきたという2007年のアメリカの番組である。米政府は過去20年間、その異常な石油依存の社会経済構造にどっぷり浸かり、環境よりも企業の利益を優先し、地球温暖化の問題で犯罪的かつ欺瞞的対応をとり続けてきた。ハリケーン・カトリーナは、人々の温暖化問題に対する意識を変える転機となったという。しかし先のドイツの番組と絡めて考えるならば、ブッシュ政権は依然その石油浪費構造を維持するために軍事覇権と戦争政策をとり、温暖化問題に敵対している。私たちは地球温暖化危機を問題にする場合、このようなアメリカの帝国主義的浪費構造とそれをささえるための軍事覇権をまず第一に批判しないではいられない。
※BS世界のドキュメンタリー『中東からアフリカへ−−拡大するアメリカの石油確保戦略−−』2005年ドイツ http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/051016.html
※BS世界のドキュメンタリー『アメリカ 石油依存の構図〜遅れる温暖化対策』2007年アメリカ
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/071003.html

(2)地球温暖化問題は今年7月の洞爺湖サミットでも最大の課題の一つとなる。昨年発表された「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第4次評価報告書(AR4)の4つの報告書は、最新の科学的知見に基づいて地球温暖化が「人為起源の温室効果ガス増大」によるものだと結論づけた。
※IPCC第4次評価報告書について(環境省)
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th_rep.html
 AR4は、以下の諸点を国際的に合意された科学的見解として提示し、「温暖化は起きていない」「太陽活動の方が影響が大きい」「人間活動が原因でない」「温暖化は些末な問題」等々という根強く存在していた温暖化懐疑論、否定論に最後的に決着をつけた。
@大気と海洋の世界平均温度の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇の観測など膨大な信頼できる科学的データから、「地球の温暖化は疑う余地がない」こと。
A20世紀半ば以降の世界平均気温の上昇の大部分が、人間活動による温室効果ガス増大によってもたらされたこと。その排出の大部分が二酸化炭素であり、中でもエネルギー供給、輸送、工業部門における排出量が大幅に増加したこと。
B世界平均気温は今後上昇を続け、2100年には1.8〜4.0℃上昇すること。その結果、熱波、豪雨、洪水、干ばつ、台風など異常気象の頻発と強大化が引き起こされ、生態系変化、食糧生産低下、疾病増大等々、自然と人間社会に重大な影響を及ぼすこと。等々

 中でも地球の平均気温上昇をいかにして「2℃未満」に押さえるかが温暖化阻止にとっての最大の課題なっている。世界平均気温の産業革命前比で2℃上昇、この臨界点を超えれば気候変動は急激に増大し、人間社会に極めて深刻な打撃を与えるだけでなく、気温上昇が自動累進的に進行して気候変動の暴走が始まる。いや、人間より以前に、主要生態系の崩壊と生物種の大量絶滅を阻止しようとすれば、1.5℃未満にしなければならない。ところが、すでにこの100年間に0.74℃、産業革命前と比べれば0.8℃すでに上昇しており、現時点から許される上昇はせいぜい0.7〜1.2℃程度に過ぎない。温室効果ガスの熱的慣性を考慮すれば現在水準のままでも0.5〜1℃の気温上昇は不可避であり、逆転不可能となる「ポイント・オブ・ノーリターン」は10年後にも訪れると言われる。
 気温上昇2℃を阻止するためには、温室効果ガスの大気中濃度を少なくとも450ppm(CO2換算)以内に抑えなければならない。そのためには温室効果ガス外出量の50%削減(90年比)、先進国に限れば80〜95%削減が必要である。人類の生存環境そのものが崩壊の危機に立たされている。もはや時間は残されていない。
※ポイント・オブ・ノーリターンはすでに過ぎているという指摘さえある。
「地球環境の現状と気候変動+2℃を守るためのわが国の課題」(山本良一)
 http://www.ecoplaza.gr.jp/event/eco_seminar_report/report/190501/index.html

(3)地球温暖化はすでに始まり、その破壊的な影響は各地で出始めている。アフガニスタンにおける深刻な旱魃については、ペシャワール会の中村医師の「戦争どころではない。アフガンの最大の問題は砂漠化をどうくい止めるかだ」という言葉を何度も紹介してきた。気候変動の増大による集中豪雨や洪水の頻発、巨大ハリケーン・カトリーナによる深刻な被害、他方でオーストラリア、アフリカ北西部、米国西部、中央アジア等における干ばつの深刻化と農作物への壊滅的打撃、さらに氷河消失による水不足、ツバル、モルジブ等における海面上昇と国土消失の危機、等々。とくに途上国においては貧困、饑餓と感染症などの深刻化と結びつき、温暖化の影響が先鋭な形で真っ先に現れている。それは紛争や戦争の原因の一つとなっている。
[紹介]医者、用水路を拓く−−アフガンの大地から世界の虚構に挑む(署名事務局)
「対テロ戦争」への加担に反対し、イラク・インド洋からの自衛隊撤退を求めるシリーズ(その7)[投稿]ペシャワール会中村医師が語るアフガンの実状とテロ特措法の批判(署名事務局)
※暖かな破局(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/ecology/hakyoku/archive/news/2007/12/index.html
※「地球危機2008〜何気なく暮らしている人たちへ〜」(テレビ朝日)は、地球温暖化が与える破滅的な作用をレポートした。中でも、島の沈没に直面し全島民の移住計画をすすめる「世界最初に沈む島」=カートレット諸島の住民の言葉が印象的である。「これは大量虐殺です。何の罪もない私たちがなぜ島の暮らしを捨てなければならないのでしょう。」温暖化ガスをはき出すものがほとんど無い島に、温暖化ガスの犠牲が真っ先に現れる。別の住民がいう「これは先進国の責任だ。」

(4)ここでは地球温暖化そのものに詳しく立ち入ることはできないが、石油・石炭などの化石燃料をエネルギー源・原材料として、先進諸国が大量生産・大量消費・大量廃棄を行ってきたという究極の原因について問題にしておきたい。この構造は第二次世界大戦後に米国で形成され、1960年代の高度成長期に日本やヨーロッパなど先進資本主義国全体に広がった。世界中の油田が掘り尽くされ、超大型タンカーが特定の海上ルートを席巻し、パイプラインが広大な地域に張り巡らされた。乱掘されきった炭鉱、先進国に乱立する巨大発電所と長距離送電線網、大都市間に張り巡らされた高速道路網、大量の自動車・トラック輸送とモータリゼーションの波、次々と作られる空港と航空機、過剰に建設される港湾と大量の船の往来、石油精製・石油貯蔵タンクなど石油コンビナート、石油化学と膨大な数の石油製品(工業製品から包装・雑貨類まで)、過剰消費とコンシューマリズムの波、大量に捨てられるゴミ・廃棄物、等々。
 したがって、「産業革命以降」が問題にされるが、現在の危機との関係で言えば「第二次大戦後」、そしてとりわけ「80〜90年代以降」のグローバリゼーション=ネオリベラリズム戦略によって極限にまで推し進められた大量生産・大量消費・大量廃棄構造こそが問題なのである。人類と地球環境は一気に危機的段階に入った。グローバリゼーションの時代は、人類の生存条件そのものを脅かす地球的規模での自然環境と生態系に対する大規模な破壊の時代でもある。


(5)イラク戦争とアフガニスタン戦争、「テロとの戦い」は、もはや石油略奪のため、中東及びグローバルな軍事覇権のための侵略戦争であることは明らかである。これまでも、「血と油」は切っても切れないほど結び付き、化石燃料依存構造は帝国主義戦争や植民地主義支配と不可分一体のものとなってきた。中東から東南アジア、メキシコから南米諸国、アフリカ全域まで、石油資源のあるところは例外なく米軍と現地軍事独裁政権による抑圧政治・汚職政治が支配し、石油メジャーと多国籍企業が権益を拡大し、CIAや諜報機関が我が物顔で闊歩する陰謀と謀略の世界であった。言葉で表現できない悲惨な飢餓と貧困、部族・民族紛争・内戦の扇動と大量虐殺、都市・産業・インフラ基盤の破壊、農地の荒廃、医療・教育の崩壊、児童労働と人身売買、大量の避難民、等々。
グローバル経済が加速するアフリカの貧困と悲惨(署名事務局)
 私たちは、アメリカの侵略戦争とそれへの日本の加担に反対するだけでなく、その根底にある石油浪費構造、途上国支配の構造、それがもたらす地球温暖化に対しても反対していきたい。
 日本政府は、5月末のアフリカ開発会議と7月の洞爺湖サミットの議長国として主導権を握るべく、2050年排出量60〜80%削減(2005年比)を打ち出したが、これ自身法的規制のないアドバルーン的な長期目標に過ぎず、そこに至るプロセスさえ明らかにされていない。また、途上国への低利円借款による省エネ投資の支援などは「温暖化対策」に名を借りてさらなる途上国支配のテコとしようという目論見に他ならない。私たちは、京都議定書における「柔軟性措置」である、「排出権取引」や「クリーン開発メカニズム」(CDM)、「共同実施」(JI)などの補足的な対応に依拠するのではなく、国としての厳しい総量規制、国別排出量削減に乗り出すことを主張する。 90年比であれ05年比であれ、60〜80%というドラスチックな削減は、化石燃料依存構造からの転換というだけではおそらく不可能である。原発に依存したエネルギー構造の転換にも反対する。途上国人民を奴隷状態で働かせ、環境を破壊し、莫大な資源を投入して大量の商品生産を行ったあげくに、借金を負わせてまで人々に必要量をはるかに上回る消費を押しつけ、大量の余剰生産物を作り出し廃棄していくという無政府的生産・浪費構造そのものを転換させなければならない。

2008年5月17日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



[番組紹介]中東からアフリカへ〜拡大するアフリカの石油確保戦略〜(2005年ドイツ WDR)

 番組は、アメリカにとって、石油とイラク戦争、石油と軍事覇権がいかに不可分一体に結びついているかを明らかにする。それは、世界中から石油を供給するためのルートを確保するための軍事派遣であり、世界に張り巡らした基地帝国を維持するための石油確保でもある。
 「血と油」「世界資源戦争」の著者マイケル・クレアは、アメリカの「軍隊が世界的な石油保護サービス」を行っていると批判する。米政府は、世界に張り巡らせた軍事拠点を通じて、石油施設からパイプライン、輸送航路を含めた、生産から輸送に至るオイルルートを防衛しているのである。
 もちろんブッシュはその意図をあからさまにはしない。人道援助、食糧援助、エイズ対策などと「アフリカ支援」の体裁を取り繕う。だが実際は、とりわけ中国との資源争奪戦のための軍隊の派遣である。10〜15年後には頭打ちになるという「ピークオイル」という点でも、米政権は強い危機感をもち、中東にかわる新たな石油供給源を探し始めた。
マラッカ、ホルムズ、パナマ、スエズなどブッシュは産油国とその周辺に軍隊を派遣する。それ以外の資源戦略を持ち合わせていないのだ。その基礎には、2001年5月ハリバートンのCEOで副大統領のチェイニーが書いたという「国家エネルギー政策」がある。ここでは、アメリカによる石油の浪費構造が暴露される。アメリカはなんと今後25年間で石油消費量を1.5倍に増やすという全く時代錯誤的な政策をもっているのである。『戦争はなぜ必要か』の著者トマス・バーネットも登場し、「必要悪」として軍事派遣の意義を説く。
 チャドでは、融資団に世界銀行を加え、総額30億ドルという油田開発プロジェクトが立ち上がる。サントメ・プリンシペでも、周辺の海域に海底油田の存在が確認される。2007年にアメリカ中央軍から「アフリカ軍」が独立・創設され、2008年8月には運用が開始される。ブッシュは石油依存における西アフリカの比重を14%から25%に拡大するという。
(N)

[番組紹介]アメリカ 石油依存の構図〜遅れる温暖化対策
(米ボストン公共放送WGBH NHK 2007年)

 この番組は、ブッシュ(父)政権からクリントン政権を経て、現在のブッシュ政権に至る、米国の歴代政権の温暖化政策を歴史的にフォローしたものである。米政府は過去20年間、その異常な石油依存の社会経済構造にどっぷり浸かり、環境よりも企業の利益を優先し、地球温暖化の問題で犯罪的かつ欺瞞的対応をとり続けてきた。

クリントン=ゴア政権は自ら京都議定書の批准を取り下げた

 初代ブッシュ大統領は、地球サミットで気候変動枠組み条約に署名はしたが、アメリカは温室効果ガスの削減目標を義務ではなく任意とすると主張した。番組では、リオデジャネイロに行くかどうかで支持基盤であった財界や政権内で強い反対が巻き起こっていた事情を明らかにしている。番組はまた、クリントン政権の犯罪性を暴露する。我々は散々、京都に乗り込んだゴア副大統領の一喝で京都議定書が調印されたというパフォーマンスを見せつけられてきた。しかし、その後、ゴアを含むクリントン政権は、上院での批准を自ら取り下げたというのだ。共和党の反対ではなかった!しかも、クリントン政権が終わったとき、CO2排出量は90年代初頭より大幅に増えていた。当時、産業界は、御用科学者を総動員し、「温暖化はウソ!」というCMまで制作、反温暖化キャンペーンを行った。
 そして何と、あのブッシュは、選挙戦の最中に温室効果ガスの削減義務を公約としたという。大統領になると一転して公約を破棄、京都議定書からの離脱を宣言したことは言うまでもない。案の定、温暖化対策用に担ぎ出されたホイットマン・アメリカ環境保護庁(EPA)長官は、ハシゴを外され辞任させられた。

温暖化研究を検閲・妨害し石油依存の構造を突っ走るブッシュ政権

 ブッシュ=チェイニー政権は、「石油の確保こそがアメリカの安全保障の根幹」とする基本政策を打ち出すと、「CO2の削減は国益に反する」として、完全に投げ捨てられる。気候の変動がもたらす影響の研究は廃棄され、温暖化に関する刊行物は全て事前の検閲を受けなければならなくなった。科学者たちはエネルギー産業から買収され、地球温暖化の問題に懐疑論を持ち出した。しかし、アメリカも温暖化の影響を避けて通れるわけではない。変化は確実に始まっていた。
 ハリケーン・カトリーナ以前は、殆どのアメリカ人にとって地球温暖化は、子供あるいは孫の世代の問題だった。今、アメリカ人の多くが温暖化が自分たちの生活を脅かすと考えるようになった。人々の意識の変化は全米各地で見られる。
 テキサス州中部の牧場主たちは自分たちの周りで起きていることは温暖化によるものと考えている。暖冬が続きイナゴが冬になっても死なず活動をしている。ここ4年ぐらいはイナゴによる農作物の被害が以前より遙かに甚大なものになった。牧場主たちはテキサス最大の電力会社TXUをその原因の一つと考えている。TXUはテキサス州に新たに11の石炭火力発電所の建設を計画していた。牧場主たちは、環境保護団体と共に発電所の建設差し止めを裁判所に訴えた。これにはテキサス州各都市の市長も同調し支援した。

転機になったカトリーナ 温暖化の影響が州や国民の意識を変え始める

 全米各地で自治体や政治家が地球温暖化を懸念して行動を起こし始めている。2006年、カリフォルニア州では、共和党のシュワルツェネッガー知事がCO2の排出削減を義務づける全米初の画期的な法律を導入した。なぜ保守系知事が変身したのか。その背景には、切実な水事情がある。「カリフォルニア州はなかなか腰を上げない連邦政府にしびれを切らしたのです。州の水資源局の調査では既にシエラネバダ山脈の雪の量が大幅に減少している事が明らかになっている。州の飲料水や農業用水の3分の2を賄っているのがこの雪です。このままだと2050年には雪の量は3分の1になると言うことでした。」(カリフォルニア州環境問題顧問テリー・タンミネン)
 2007年2月、意外な団体が上院を訪れ、連邦レベルで地球温暖化に取り組むよう訴えた。この団体には、GE、デュポン、BP、キャタピラーなど世界的な大企業や、また、デューク電力、PG&Eと言った大手エネルギー関連企業も含まれていた。「United States Climate Action Partnership (SCAP)」という団体である。これら大手企業の代表たちは、温暖化の現実、州ごとに規制が敷かれる事への不安、さらには新しいビジネスチャンスへの期待からCO2の排出抑制を義務づけるよう連邦政府に要請した。
 テキサスの火力発電所建設を巡る闘いを終結に導いたのは正にこのような大企業だった。テキサス最大の電力会社TXUを買収したグループは、TXUを環境に優しい会社に変えると約束した。2007年2月、ウオール街の投資ファンド2社を中心とするグループが、環境保護団体と歩調を合わせて、TXUの買収に乗り出した。買収側は11の発電所建設計画の内8つを取りやめ、CO2の排出量を20%削減、さらに、風力発電に数百万ドルを投資すると約束した。この取引を仲介したのは、元環境局長官ウィリアム・ライリーだった。「今回の買収は環境と経済両方に良い結果をもたらすと信じています」(投資ファンドコンサルタント ウィリアム・ライリー)。
 2007年の始め、国連は大気中のCO2の量がかつてない速さで増大していると言う報告書を出した。温室効果ガスの排出を大幅に抑制しないと今世紀末までに地球の平均気温は最大で6度以上も上がる可能性があるとした。人類がかつて経験したことのない暑さである。

(T)