[12日国会行動報告]
12日中央公聴会の参考人発言を審議に生かして、
教育基本法改悪法案を廃案にせよ!
−−ファックス・メールを集中しよう−−

 12月12日、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」の主催による院内集会と国会前集会が行われました。院内集会には200人が、国会前集会には1000人が結集し教基法反対を訴えました。また、中央公聴会では大内裕和さんが教基法改悪反対の立場から意見陳述を行い、廃案を要求しました。
 国会終盤の大詰めを迎えて、教基法改悪法案は、与党の強硬派と反対運動との激しいせめぎ合いの中にあります。数の力で圧倒的な優位にありながら与党が強行採決ができないのは、連日展開されている国会前の数千人規模の反対行動、そして全国からの反対の声と運動の力に他なりません。現局面では、与党は当初強行しようとしていた13日の締めくくり審議と委員会採決を断念し、いよいよ攻防は正真正銘の最終局面に入ります。
 12日、安倍政権の支持率急落の世論調査を主要メディアが一斉に報じました。マスコミの論調も、今国会採決を前提にした報道から、「与野党攻防」というトーンに変わってきています。
http://www.asahi.com/politics/update/1212/001.html(朝日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061211it16.htm(読売)
http://news.tbs.co.jp/top_news/top_news3444998.html(TBS)
http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2006/12/12/t20061212000015.html(NHK)

 安倍政権は決して盤石ではなく、党内には「復党問題」に象徴される矛盾と対立を抱え、求心力を低下させ、世論の逆風を受けながら、日本会議に基礎を置く右翼反動政権として強硬姿勢をとることで、政権を維持しているに過ぎません。12日の国会前集会後に議員会館前から首相官邸前まで移動する様子はさながら国会前のデモのようで、「安倍を倒して教基法を廃案に」というシュプレヒコールがこだましました。
 安倍政権に対する批判を強め、抵抗を続けていく中から、勝利の展望は開けて行くでしょう。
 大内さんは、中央公聴会で廃案を要求する自分の意見に対して与党議員は何の反論も意見も出すことができなかったこと、与党側の参考人も慎重審議を言わざるを得なかったことなどを明らかにしています。明らかに与党は追い込まれています。
 攻勢を強めましょう。できる限りのことをやりましょう。「中央公聴会に出た意見を生かせ」「教育基本法を廃案にせよ」のファックス、メールを集中しましょう! 


全国連絡会12/12参議院院内集会報告
「残りの一日一日が(日本の将来の)20年、30年を決める」

 国会前では連日「教育基本法改悪反対!」のシュプレヒコールがこだましています。小雨まじりの12月12日も同様の動きがある中、参議院議員会館で全国連絡会主催の院内集会が開催されました。100名の会場に実際に参加した人は200名。会場は熱気に包まれました。

 初めに全国連絡会の事務局長から、先週採決の危機を運動の力で阻止したことが力強く報告され、その後塩川議員(日本共産党)が立ち、国会の状況報告と決意表明がなされました。本日の理事懇で与党はやるべきことはやったとして13日の総括質問を提起。これに対し野党側は慎重審議を対置しこれを蹴ったことが報告されました。あわせてこの間の特徴として、国会の参考人・公述人が声を合わせて慎重審議を求め、また大学関係者からの要請行動がなされたこと、さらには埼玉の高校生から、大人が「やらせ」をやっているような国で、強制・競争に駆り立てられるような法律が通るのはおかしいといった声が寄せられたことを紹介し、「土俵際で寄り切る」闘いをしたいとの決意が述べられました。ついで議員は直接参加できなかったものの民主党議員の秘書が多数、集会に参加しているとの報告がありました。







 午前中の中央公聴会の公述を終えたばかりの大内氏が次に立ちました。氏は五人立った公述人のうち、改悪に反対したのは二名のみであったとまず述べました。しかし、国会がほとんど審議していないところの、改悪が格差社会の固定・拡大をもたらすということに論点を絞って氏が指摘をした際には、与党議員は誰も反論できず、民主党議員はうなずき、共産、社民の議員はいわば自分にエールを送る形となり、限られた時間で十分論議を尽くせた、「全部やった」と述べられました。そして今後参議院議員に対して「中央公聴会に出た意見を生かせ」「廃案にせよ」「慎重審議を」とのFAX、声を集中しようとの力強い訴えがありました。

 今回出席できなかった高橋哲哉氏からはメッセージが寄せられました。氏は伊吹文科大臣による、今回の教育基本法改悪法案は自民党新憲法草案との整合性のチェックを経たとの発言を捉え、まさにこのような憲法違反の法案を認めるわけにはいかないと厳しく糾弾しました。

 次に立った日弁連副会長伊藤氏は、「残りの一日一日が、(日本の将来の)20年、30年を決める」と前置きした上で、日弁連のこの間の取り組み、改悪法案についての意見を述べられました。ことに教育基本法10条を取り上げ、これが過去の侵略戦争に対する痛苦な反省を踏まえ、現代では諸外国もがそれを原則として確立してきたものなのに、改正法案16条では国家に対する規範的な意味がなくなること、教育のいわば「文化的」・理想主義的な性格や、専門的な技術、創造的な実践こそが子どもの発達を保証し、教育においては自主性・自立性が命であり、個人の人格が最大限に尊重されるべきであり、権力的な介入は抑制的であるべきなのに16条はこれを廃棄すること、そしてそうした立場は旭川学テ判決で斥けられた考え方を採用しているのだ、といったことが強調されました。また改定2条と16条が組み合わさることで、具体的な徳目が法定化され特定の価値が強制されることの危険性が指摘されました。徹底的な審議のないまま改定されることに反対――これが日弁連の立場であることを表明し、立法過程においては何より国民の声が反映されるかどうかということ、最後に希望を失わずに闘おうと締め括られました。

 その後各地からの訴えが続きました。北海道教組執行委員長からは明日も50名で国会前に座り込むこと、それだけでなく、現地では家庭訪問や小集会をくり返し、それが東京に集結しているのだということ、憲法改悪反対につながる怒りを組織することが強調されました。伊吹のお膝元京都の市民運動の代表からは、伊吹と30cmの距離でやり取りするといったような、教基法改悪と軌を一にした「教育改革」を誇る京都市での元気な闘いが紹介されました。さらに地元都教組書記長からは、学力テストと習熟度別学習の導入によりたった3年でメチャメチャにされた東京の義務制の実態が紹介され、「学校からの告発」という形で全国会議員に実態を知らせた地道な闘いが報告されました。

 集会の締めくくりに登場した連絡会世話人の三宅氏は、「一般ピープル」こそが自分たちの力で「危機の前夜でなく希望の前夜へ」と力強くアピール。また、小森氏は東京新聞はじめ、新教基法成立を当然視しなくなったこの間のマスメディアの変化を取り上げ、大江健三郎氏などかつての国民学校一期生たちがまさに「人間の壁」として、教基法・憲法を守り抜いたことを強調し、若い世代と共に民主主義の底力を示そうと力強く締め括りました。最後の最後に駆けつけた福島議員(社民党党首)は、いかなる観点からも教基法の採決に反対で野党が一致し、どんな形であろうと手段を尽くして、それこそ「いじめ」を放置し、民主主義に敵対する安倍不信任を提出してでもこの一週間闘い抜くことを表明しました。

 短時間の集会ではありましたが、きわめて内容の濃い、力溢れる集会でした。

大阪教員 M

12.12第11回国会前集会報告

一日一日、運動の力が強行採決を封じている

 12月12日、午後6時から衆議院第2議員会館前の歩道で教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会の11回目の国会前集会が行われた。集会は昼間に行われた中央公聴会を受け、与党が一挙の総括討論から採決に突き進もうとする極めて危険な状況の下で開かれ、参加者には憤りと緊張感があふれていた。
 冒頭にあいさつに立った連絡会の小森陽一さんは、「公聴会でも慎重に審議するべきだの声ばかりだ、一時はもう通ったと言わんばかりだったマスコミの扱いもかわりはじめた、私たちの力が大きくなっていることの証明だ、これから一日一日頑張ろう」と訴えた。
 日本共産党の井上哲士参院議員は、与党の側が13日の総括審議はあきらめたこと、与党は14日の総括審議を提案したが社民、共産は審議が尽くされていないと拒否したこと、民主は明日正式に提案しろと言い返したことを報告した。「公聴会などでの公述人が私たちの言ったことに答えていないという声明を出した、こんな事は全く異例なことでいかに彼らのやっていることに道理がないかを表している。与党の議員がたくさんFAXが届いて困っているとぼやいていた。市民の力が押し込んでいる」と報告した。




 社民党の保坂展人議員は「島根から東京まで来てタウンミーティング(TM)で発言させて欲しいといった人が特別扱いはできないと政府に拒否された。ところが自分たちはやらせで発言し、その人がもし当たったらどう対応するかもマニュアルまで作っていた!。」「文科省から地方への出向者が発言したり、公務員が職権で動員したりしている。これが彼らのやり口だ。いじめ問題などでも現場に声を上げさせないのが改悪法であり一番悪い。政府は明日「TMの報告書」を首相官邸で公表するが、特別委員会には出さないという。こんな事でいいのか、やらせ、さくら、規範で追及してぜひ廃案にしたい」と発言した。

「中央公聴会での教基法改悪反対意見を受け止めろ」

 この日、中央公聴会で話した埼玉大教育学部の学生は、「真面目な先生の悩みを見ようともせず教員や生徒をすぐ排除しようとするやり方に違和感がある。排除の教育なんかしたくない」。「普通は学生なんか公述人にならないらしいが、そんなことは知らずに応募したら、たまたま当たった。やらせではない!見えないところで頑張っている人たちと一緒に反対しよう」と元気にアピールした。
 同じく、公聴会で話した連絡会の大内裕和さんは、「公述人5人のうち3人は賛成だったのでおおっと思った。しかし、教育基本法改正案は格差社会の拡大につながる、廃案にすべきだときっぱり言ってしまった。ぼろかすに言い換えされるかと思ったが、与党議員は追及どころか質問もできず、社民、共産がこの問題でうまく質問をしてくれたので、逆に格差の拡大の重大性が全体の議論をリードした。中央公聴会で意見を聞いておきながら、全体に生かすこともせず、すぐに採決なんて許されない。公聴会での声を受け止めろという声を集中しよう」と話した。

各地からの連帯の声と闘争の報告

 神戸から駆けつけた若い弁護士は「事件を扱っていても心はいつも国会前にある。今日は心と体を一致させるために駆けつけた。」と会場を沸かせた。そして神戸では教育のシンポジウムをやれば時間を過ぎても終わらない、それくらい色々議論される。そんな問題を強行採決するな。市民の声を聞け、現場の声を聞けと訴えた。
 都教組の代表は座り込み闘争を続けていること、東京の教職員は子ども一人一人を大切に扱ってやっていきたいが、都教委は政治的介入を続けやりたい教育ができなくなっている。教基法が改悪されたら、それが当たり前になる。改めてこれは許せない。日の丸・君が代、愛国心など子どもには絶対に押しつけられない。あと何日か全力で頑張ろうとよびかけた。
 教基法全国ネット代表は反対の声が市民に広がっている、改正を急げという声は自民党支持者でも25%にすぎず、圧倒的多数が審議を尽くせと言う声だ。最後前頑張ろうとあいさつした。
 大阪の教員は11月9日に教職員の評価・育成システム(考課システム)が教基法、憲法に反して子どもの教育を破壊すると提訴した、教職員を校長や教育委員会に縛り付ける、やらせの教育は絶対にやらせない。教基法を変えさせるわけにはいかない!絶対とめようとアピールした。
 東京の予防訴訟の代表は、前日の毎日新聞の夕刊1面トップに君が代での被処分者160名が集団提訴の記事を取り上げていることを報告し、12月23日に原告団の結成、来年1月提訴を目指して闘いを進めていることを報告した。そしてマスコミの予想を覆してもう10日採決を以上許していない。9/21の判決も苦しい中で闘って勝ち取った、この闘いも戦い抜こうと訴えた。

大きな危機を希望の前夜に

 最後に、全国連絡会の三宅晶子さんが私たちは大きな危機の前夜にいる。しかし、私たちは一歩筒力を付けてきた。老人や若者が一緒に知恵を出し合って強めあってきた。先週は採決を止めてきた。今週は更に大きな力で採決をとめよう。一般の市民の力が国会を動かすことを示そう。大きな危機を希望の前夜に変えよう、そのために全国の力を信じて頑張ろうと訴えて集会を締めくくった。
 集会には1000人の市民が集まった。過去最大だった前回ほどは多くなかったが、集まった人々の気持ち、集会の雰囲気は前回を更に上回る、力強く決意に満ちたものとなった。

(Y)