ブッシュ2004年『一般教書』−−−
イラク侵略を正当化。ウソと虚構に満ちた選挙宣伝
−−世界中で戦争、殺戮、破壊をあと4年も続けるのか。
−−「終わりのない戦争」で財政を食い潰す近未来の姿を示す。


(1)侵略、殺戮、破壊の次の4年を約束するブッシュの新しい『一般教書』。
 軍事的経済的に世界の覇権を牛耳るアメリカが、あと4年もこんなことを続ければ一体世界はどうなるのか。ブッシュ第一期最後のこの『一般教書』は、米国民だけではなく、全世界の人々にとって不幸と災いの宣言である。

 1月20日のブッシュ大統領の『一般教書』演説は、ブッシュのアメリカ帝国主義の行く末と近未来を鮮明に指し示すものとなった。それは、一方で侵略戦争と軍事冒険主義、超軍拡、世界中の石油資源の強奪でしかない「対テロ戦争」の正しさを再確認し、他方で景気回復を自画自賛する下で財政と経済そのものを掘り崩して行くという自滅的で破局的な未来を暗示した。
 しかしTVでこの演説を見ていてゾッとする思いをしたのは私たちだけであろうか。後半の経済実績を自画自賛する場面では、議場半分の共和党員だけが拍手喝采だったが、「対テロ戦争」の「成果」を鼓舞する場面では、多くの民主党議員も含めて、議場全体が立ち上がって拍手をする異様な様子が映し出されていた。

 大げさではない。ブッシュがもう一期、4年務めるか否かは、世界平和と地球環境、人類の生存そのものにとって死活問題である。一つ、二つ、ちょっと想像力を働かすだけで十分ではないか。彼が再選されれば、次はシリアかイランか、または北朝鮮か、ギリギリまで戦争挑発を行い、その地域と世界全体を武力で脅しつけ、相手を軍事力でねじ伏せるまで追い詰めようとするだろう。
 イラクの泥沼化で米の軍事的経済的資源が消尽し疲弊してしまえば、それもままならないかも知れない。しかし、日本を筆頭に、他の西側帝国主義諸国が軍事的にも経済的にもブッシュを救済すれば、話は変わってくる。一番危険なのはイラク問題で国連や仏独露が米英にすり寄り屈服すること、米に成り代わって泥沼化の責任を背負い込むことである。アフガニスタンは現にそうなっている。こうした対米接近・対米救済が進み、米が十分疲弊しないままブッシュ再選となれば一体どうなるのか。米は軍事基地と石油だけを押さえたままイラクを投げだし、必ずや「次の獲物」を狙いにかかるだろう。
 あと何人の民衆が殺されればいいのか、あと何カ国がブッシュの軍事的餌食になればいいのか。ブッシュが無傷のまま再選されれば、世界中で戦争や軍事介入、反米諸国への内政干渉や指導者追放、殺戮や破壊があと4年も続くことになる。

 戦争だけではない。地球環境破壊も同じである。昨年12月のミラノでの気候変動枠組み条約第9回締約国会議(COP9)で明らかになったように、再選ブッシュは京都議定書から離脱しただけではなく、地球温暖化の解決からほど遠いこの議定書の進展さえ潰してしまい、環境問題解決の道を完全に挫折させてしまうだろう。ブッシュは世界平和の敵であるだけではなく、地球環境の敵でもあるのだ。

(2)ウソと虚構に満ちたイラク侵略戦争。
 今回の『一般教書』の最大の弱点は、それがウソと虚構に満ちていることである。このブッシュのウソと虚構を突き崩すことが今決定的に重要になっている。
 何よりもまず、イラク大量破壊兵器問題で、相も変わらずウソを付いている。「我々は、イラクの大量破壊兵器関連プログラム活動を発見した」と。しかしブッシュが教書でこう演説したわずか数日後、デビッド・ケイ捜索チーム前団長は、「決定的証拠がなかった」ばかりか、まともな「開発計画すらなかった」と、爆弾証言を行った。しかも教書の以前にすでにカーネギー研究所のWMDに関する組織的なねつ造疑惑のレポート、オニール前財務長官の暴露発言が明らかになっている。「戦争の大義」は完全に崩れたのである。

 ブッシュは、教書の前半部分で、イラク戦争・占領は何の問題もないかのように正当化しようとしている。未だにこんなウソ・デタラメに酔いしれ騙される人々が大勢存在するとすれば、そのこと自体が空恐ろしいことである。
 曰く。「国の状態が強く信頼性に満ちたものである」「我々の最大の責任は米国民を守るということだ」「イラク国民を解放した」「新生イラクの国造りは正しい」「米国の指導力と決意により世界はよりよい方向に変化してきている」「米国は世界で最も危険な兵器を、世界で最も危険な体制から取り上げるという努力を続けている」「もし我々が行動を起こさなかったなら、独裁者の大量破壊兵器開発計画は今も続いていただろう」等々。

 「効果的な外交を行うには、言葉に信頼性がなければならない。今、米国の言葉を疑う者はいない。」「我々は支配する欲望も帝国になる野望も持たない。」と言うに至ってはブラックジョークだ。−−イラク大量破壊兵器の脅威、差し迫った脅威をでっち上げた。国連や国際社会の圧倒的反対を押し切って「大義」なしにイラクに侵略した。イラク民衆の反対にも関わらず軍政を敷いている。石油メジャーと石油浪費経済維持のために油田を奪い支配している。これら全部を「イラク解放」と強弁している。等々。これだけ好き勝手なことをしながらよくも平気で言えるものである。

 ブッシュは今回の『一般教書』で、「対テロ戦争」という人為的で解決不可能な、そして終わることのない「永久戦争」、単独行動主義、先制攻撃戦略に世界中を巻き込んでいく決意を改めて明らかにした。ところが日本のメディアの一部は「硬軟両にらみ」「硬軟使い分け」と報道した。国連への配慮があるとも、「単独覇権主義はなくなった」とも報道した。しかし、これらは全てデタラメである。ブッシュは単独行動主義、先制攻撃戦争戦略を堅持している。放棄する、間違っていたとはどこにも書いていない。

 平気でウソを付いても、平気で国際法を蹂躙しても何もとがめられない現状。世界はこれをひっくりかえさねばならない。米国の民衆と世界の民衆が再びブッシュにごまかされるのか、それともそのウソ・はったりを見抜き、彼をそのネオコン的取り巻きと共に政権の座から引きずり降ろすのか。ここに21世紀の戦争と平和、地球環境の破壊か延命か、人類全体の運命がかかっている。

(3)イラク侵略・占領支配と超軍拡が掘り崩す財政基盤−−“あとは野となれ山となれ”。
 唖然とするのは、後半部分の超軍拡と金持ち減税によるブッシュの“軍事的ケインズ主義”によるバラ色の景気回復論である。確かに昨年第2四半期にはGDPが8.2%もの高成長を記録した。ブッシュも政権当事者もウォール・ストリートも楽観論一色のように見える。
 ところがそれは、歴史的記録的な財政膨張と財政破綻切迫への無関心、膨大な対外経常収支赤字への無自覚と表裏一体のものである。教書はまるで財政が湯水の如く湧き出てくるかのように浪費項目を並べ立てている。大減税の「恒久化」。健康保険の拡充。軍事費増大。宇宙軍拡。国内テロ対策予算増額。等々。「あとは野となれ山となれ」。ブッシュは財政垂れ流しで再選を図ろうとしているのだ。

 誰もこうした異常な財政浪費構造が長続きするとは思ってない。経済法則を完全に無視した異常な拡大政策は早晩破綻する。滅茶苦茶な財政の大盤振る舞いと危機の爆発が11月の選挙まで持つか持たないか、これが切迫した問題になっている。「ブッシュ再選までは仕方ない」「今の調子だと選挙までは持つだろう」という楽観論と期待感が勝つのか、その前に危機が爆発するのか。誰も予測できない。

(4)イラク戦争・占領と超軍拡を支える日本の「ドル買い介入」。日本の対米為替協調なしにはブッシュはイラク占領も超軍拡もできない。
 大きな地雷原の上での大宴会−−この虚構の宴会があたかもうまく行っているかのように見えている背景には、ドルの「秩序だった低下」がある。ドルが低下しているにもかかわらず、ブッシュ政権がイラク泥沼化で膨大な予算を注ぎ込むことができるのも、超軍拡を推進することができるのも、5千億ドルに迫る財政収支赤字と5千億ドルを超える経常収支赤字を垂れ流すことができているのも、ドル暴落とそれによる長期金利の急騰を避けることができているからである。言い換えれば、ドル暴落と長期金利の暴騰がない限り、ブッシュの軍事冒険主義、軍事ケインズ主義は続けることができる。

 そしてそこで決定的に重要な役割を果たしているのが、ここでも日本の対米為替協力であり小泉政権なのである。ヨーロッパからの資金流入が急減した分を日本が米国へ還流させることでドル本位制を維持し補完しているのである。誤解を恐れずに言えば、50億ドルのイラク復興支援への拠出よりも、自衛隊派兵よりも、ドル暴落を阻止するための「ドル買い介入」、それによる米国債購入と米国への資金環流体制の維持こそが、現在のブッシュのイラク戦争・占領への、戦争経済と「戦時体制」維持への「最大の貢献」なのである。早い話が、ブッシュは小泉の「ドル買い介入」なにしは、イラク占領も自国の軍拡も出来ない状況なのである。その意味で、『一般教書』の影の主役は、実は日本なのである。

(5)ブッシュ『一般教書』への私たち日本の運動の回答−−小泉政権との闘いを通じてブッシュ政権と闘う。
 これほどデタラメな『一般教書』である。米メディアの間でも、あまり重視されなかった。専ら関心は、民主党の大統領候補選出の予備選であった。
 ブッシュの侵略的冒険主義は、すでに世界の多くの人々に危機感を抱かせている。相次ぐ戦争とイラク戦争の泥沼化、際限なく膨れ上がる軍事費は、クリントン政権の8年を通じてやっとのことで黒字を達成した米国の財政的基盤を文字通り急激に、わずかここ1〜2年で掘り崩しつつある。基軸通貨ドルの暴落、アメリカ経済と世界経済の混乱、米国家財政の自己破綻が軍事的冒険主義の野望を根底から瓦解させる可能性が着実に高まっている。

 しかし、いずれはブッシュの軍事冒険主義と超軍拡は破綻が避けられないのだが、それまで世界中でどれだけの悲劇と惨禍を生み出すのか想像も付かない。アフガンとイラクだけで十分ではないか。もうこれ以上の虐殺、これ以上の破壊を許してはならない。

 ブッシュ再選阻止は、何も米国の民衆の課題であるだけではない。私たち日本の運動の課題でもある。もちろん選挙権を行使することによってではない。自衛隊派兵を撤回させ、財政負担を含めて小泉政権による一切の対米加担を阻止することによってである。小泉政権との闘いを通じてブッシュ政権とも闘う。これこそが私たちのブッシュ『一般教書』への回答であり、日本の運動の課題である。

**********************

 以下に翻訳し紹介するのは、米のリベラル系研究所「政策調査研究所」のフィリス・ベニス氏の論説「論点−−ブッシュ一般教書」である。今回のブッシュ『一般教書』には、何が欠落しているか?ブッシュが偽って否定していることは何か?ブッシュの新たなウソと復活したウソは何か?我々が忘れたり見落としたりすることをブッシュが望んでいる事柄は何か?−−ウソと虚構に満ちた教書の論点を箇条書きで分かりやすく解説している。
 彼女の論説は最後に問いかける。「もしブッシュの一般教書の優先事項がまかり通れば、どんな結果になるか?」
* ウソが米国の政治の土台であり続ける。
* イラク、アフガニスタン、パレスチナ、イスラエル、その他で、人々が死に続ける。
* 財政赤字が増大し続ける。
* ペンタゴンの予算が増え続ける。
* 社会的支出−−保健、教育、児童福祉、社会保障−−は縮小する。
* 貧富の差は拡大し続ける。
* 米国と世界の人々は、よりいっそう大きな危険に直面する。

2004年2月3日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局

(2月6日一部訂正)


翻訳
論点−−ブッシュ一般教書

by フィリス・ベニス
Institute for Policy Studies
2004.1.22
Talking Points:
State of the Union 2004
Phyllis Bennis
Institute for Policy Studies, 21 January 2004
http://www.tni.org/archives/bennis/points16.htm


* ブッシュの一般教書演説は、ポリシー(政策・方針)についてのものではなく、選挙という関心に駆りたてられた、ポリティックス(政治的かけひき)であった。それは、富裕層と保守層にアピールすることを意図した極右的議題を反映していた。つまり、「信仰に基礎を置いた発議(faith-based initiatives)」、同性婚姻問題、スポーツ界の薬物 問題、禁欲などである。

* ブッシュのポリシー(政策・方針)は、国内的にも国際的にも、全く依然として向こう見ずで、危険で、不公正である。

* ブッシュは、恐怖心(fear)というファクターが低下しないよう歯止めをかけておくことに頼り続けている。−−恐怖心は、2004年選挙の支持を獲得するブッシュのプランにおいて要点をなす構成要素である。

 一般教書演説は、重大な遺漏と否定とウソによって特徴づけられるものであった。


何が欠落しているか?

イラクに関して:
* 数千数万の死者(500人以上の米兵、16,000人以上のイラク人)についての 言及がない。
 −−米兵の死亡:1.6人/日 ; 米兵の負傷:9.2人/日

* 2003年一般教書その他でのウソについての言及がない。
 −−イラクは、大量破壊兵器を持っている。−−おっと、持ってはいない。
 −−イラクは、「アフリカ」からウラニウム・イェローケーキを購入した。−−おっと、そんな事実はなかった。
 −−イラクは、アルカイダと結びついていて、9.11と結びついている。−−おっと、そんな事実はない。

* 米国の占領の結果として生じている、イラクの現在の治安悪化についての言及がない。

* 「イラクの主権移譲」のための米国のプランに対するイラク人の巨大な反対についての言及がない。

* イスラエルの占領に対する米国の無条件の経済的、外交的、軍事的支持によって大いにたきつけられている、イスラエル・パレスチナの危機の悪化についての言及がない。

経済に関して:
* 戦争のコスト(人的および経済的)についての言及がない。−−戦争のコストはこれまでに 1,620億ドル以上。

* 5,000億ドルの財政赤字についての言及がない。−−ブッシュは、1,270億ドルの黒字から出発した。

* 240万人がブッシュ政権のもとで職を失ったことについての言及がない。−−現在、900万人が失業している。

* 4,000万人の米国人が健康保険のない状態であることについての言及がない。

その他:
* アフリカについての言及がない。

* 人種差別についての言及がない。

* 環境についての言及がない。

* ラテンアメリカやアジアについての言及がない。


ブッシュが偽って否定していること

イラクに関して:
* 米国人は、イラク戦争以来(またそれゆえに)テロのいっそう大きな危険にさらされているということを否定した。

* サダム・フセインの逮捕にもかかわらず、イラク人は米国による戦争以前よりもいっそう大きな問題(治安悪化、水と電気の不足、失業、等々)に直面しているということを否定した。

* 米国の対イラク戦争は、国連憲章と国際法に違反して、重大な国際的支持なしに行なわれた不法で一方的な戦争であるということを否定した。

* 米国の占領に対する反対は、「サダム・フセイン体制の残存勢力」よりも広範であり、実際、縮小するよりは成長しているということを否定した。

* 「完全なイラクの主権移譲」のためのプランが、米国の軍事占領の終結を含んでいないということを否定した。−−そこでは、100,000人の米軍部隊が残存することに なる。

* 米国は、前世紀のどの時点にもまして国際的に孤立している、ということを否定した。

経済に関して:
* 「経済成長」にもかかわらず、経済は大部分の米国人にとって失敗であるということを否定した。

* 減税は金持ちを普通の納税者よりもはるかに利したということを否定した。(そして、最初のブッシュ政権閣僚の平均個人資産は 1,100万ドルであることに知らんふりをした。)

* 減税は実際には人民を痛めつけたということを否定した。−−貧困家庭に対する光熱費補助の最近の3億ドル削減に知らんふりをした。−−金持ちはいっそう豊かになり、貧乏人はいっそう寒さに震える。


ブッシュの新たなウソと復活したウソ

イラクに関して:
* 我々は、イラクの「大量破壊兵器関連プログラム活動」を発見した。−−実戦配備されている大量破壊兵器という以前の主張をぼやけさせている。また、最近の「カーネギー報告」と矛盾している。

* イラクは自由になり、民主主義への途上にある。−−直接選挙への米国の反対と矛盾している。また、イラクにおける生活の悪化とも矛盾している。

* イラク戦争はテロとの戦争の一部である、というのはイラク政府がテロリストに核兵器、化学兵器、生物兵器を供与することができたからである。−−イラクにそのような兵器は全くなかったということ、およびイラクとアルカイダとの結びつきもなかったということと矛盾している。

* 米国の対イラク戦争は、「国連の要求を強制執行した」ものである。−−国連が戦争への呼びかけの支持を拒否したことと矛盾している。

* 我々は、テロとの戦争に勝利しつつある。−−オサマ・ビン・ラーディンが依然として活動していて、米国が依然として高い段階のテロの脅威のもとにあるとされているために「アラート(警戒)」状態のままであることと矛盾している。

* 「米国の言葉(the word of America)を疑うことができる者は誰もいない。」リビ アでさえ国際核査察に同意したのだから。−−戦争に対する大衆レベルと政府レベルの大規模な国際的反対と矛盾している。また、戦争のための偽りの主張に対する信頼性に関しての、米情報機関に対する新たな政府レベルでの疑惑と矛盾している。(また、リビアの決定は、戦争によって促されたというよりも長期にわたる外交によって促された側面の方がずっと強い。)

経済に関して:
* 雇用は上昇している。−−全体として240万人の雇用喪失と矛盾している。12月には新規雇用はたった 1,000人であった。

* 減税、自由貿易、「経済成長促進策」が、繁栄をもたらした。−−大部分の納税者には恩恵が及ばないこと、および減税のために社会的諸計画にしわ寄せされる莫大なコストと矛盾している。


我々が忘れたり見落としたりすることをブッシュが望んでいる事柄

イラクに関して:
* 戦争はウソにもとづいていた。−−米国人民に対して、イラク人に対して、アフガン人に対して、米国の同盟諸国、国連、および国際社会全体に対してのウソ。

* 戦争は、歴史上最も統一された大規模な公然たる大衆的反抗を生み出した。−−市民社会から、多くの政府から、国連からも。

* 大量破壊兵器は、イラクで見つからなかった。−−(大量破壊)兵器の未確認の「計画」や「関心」は、2002年の主張からはるかにかけ離れた泣き言である。当時は、現存する大量破壊兵器が米国人に対する差し迫った脅威であると主張していた。

* サダム・フセインの政府は、最悪の人権侵害を行なっていた1980年代を通じて、米国とその同盟諸国とによって武装され財政融資され政治的軍事的に支援されていた。−−1983〜4年にドナルド・ラムズフェルドが真心のこもったビジネス訪問でバグダッドを訪れたこと(新たな石油パイプライン建設を受注しようとするベクテルの努力の一環)は、長年続いた協力関係のほんの小さな一部にすぎない。

* 一方で、米軍にはイラクで戦うために「必要なものは何でも」与えると誓約しながら、ブッシュは、政府からの食料補助の資格を得ている米兵がいるという事実を無視し、現役兵と退役軍人への十分な保健医療サービスの欠如、在郷軍人局(VA)基金の大幅削減などを無視している。

経済に関して:
* ブッシュの経済政策は、人々をいっそう貧困にし、経済的に不安な状態にし、保健医療サービスをいっそう得がたくした。

* ブッシュの政策は、一貫して貧困層と中間層を犠牲にして最富裕層に報いている。

* 「愛国法(Patriot Act)」は、225都市が反対決議をあげたことも含めて、大衆的 反対に直面している。

選挙に関して:
* ブッシュの支持率は下がり続けている。−−2001年の90%から下がり続けて、現在53%である。

* ブッシュが合法的に選ばれたと考えている米国人は54%しかいない。


もしブッシュの一般教書の優先事項がまかり通れば、どんな結果になるか

* ウソが米国の政治の土台であり続ける。

* イラク、アフガニスタン、パレスチナ、イスラエル、その他で、人々が死に続ける。
* 財政赤字が増大し続ける。

* ペンタゴンの予算が増え続ける。

* 社会的支出−−保健、教育、児童福祉、社会保障−−は縮小する。

* 貧富の差は拡大し続ける。

* 米国と世界の人々は、よりいっそう大きな危険に直面する。