許せない卑劣な行為!ついにアルジャジーラを撤退に追い込む!
米侵略軍がイラク系・中東系メディアを狙い撃ち攻撃
○「血の市街戦」報道を封殺する狙いは明白。非常に危険な事態に。
○米大使館に非難と抗議を集中しよう。

(1)「血の市街戦」に向け準備着々。戦争報道で現場の目となり耳となってきたアルジャジーラがついにイラクから撤退を余儀なくされる。
 4月8日、米侵略軍のバグダッド攻略戦は一段と凶暴さを増し始めました。4月5日の最初のバグダッド突入からわずか3日。「心理的抵抗線」をなし崩し的に、そして一気に突破する残虐行為を始めました。今や米軍は、これまでの戦争に関する国際協定・国際合意など一気に打ち破り、ありとあらゆる残虐行為・破壊行為をむき出しにしています。イラクを植民地化するためなら何でもする単なる凶器、ならず者軍団、殺人集団になっているのです。

 米軍が昨日行ったのは、いずれも戦時国際法に違反する違法行為です。まず第一に、住宅密集地への非人道兵器バンカーバスターの使用です。第二に、米軍の残虐行為を報道するイラク国営メディア、中東系メディアに対する攻撃、記者殺害、恫喝です。これらの戦争犯罪は、これから米が始めるであろうバグダッド東部の旧市街地への突入と「血の市街戦」に向けた周到な準備行為と言ってもいいでしょう。

 そして最も恐れていたことが起こりました。アルジャジーラがイラクから撤退を余儀なくされたのです。市街戦の報道は一体どうなるのか。今も残る数少ない良心的な報道関係者、ジャーナリストたちも「血祭り」にあげられる危険が出てきました。非常に心配です。支局員の身の安全が、「独裁国」であるはずのイラクではなく、「正義の国」「自由の国」「解放軍」のアメリカから保証されず引き揚げざるを得なくなったのです。記者を殺され、爆撃され、脅迫されたあげくのことです。本当にはらわたが煮えくり返る思いです。
※アルジャジーラ、イラクから取材班を撤退へ(ロイター)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00000628-reu-int

(2)「フセイン殺害」を口実にすれば住民大量殺戮が正当化されるというのか。「血の市街戦」に備えて米軍兵士と報道機関を感覚麻痺させるため!?

フセインの居場所とやら (AP)
 米軍は昨日、フセイン親子を殺害するとしてマンスール地区の住宅密集地にバンカーバスターという超大型の硬化目標貫通弾を打ち込みました。正真正銘の非人道兵器です。周辺一帯は廃墟と化し、まるで「ジェニン」の様相を呈しています。
 ところが日本を含め世界の翼賛メディアは「フセイン親子は本当に死んだのかどうか」などふざけた報道をしています。報道陣たちよ、違うだろうが! 米軍がこれでどれだけ多くの住民を殺したのか。どれだけ多くの住民を生き埋めにしたのかが問題なのではないのか。翼賛メディアは完全に報道姿勢の原点“人間性”“客観性”を喪失してしまったとしか言いようがありません。そもそも今回の侵略も、国家元首の殺害も、それ自体が国際法を暴力的に破壊する戦争犯罪であるという法的原則が全く忘れられています。
※フセイン大統領ら狙い空爆 特殊貫通爆弾で集中空爆(共同通信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030408-00000118-kyodo-int
※バグダッドの指導部を攻撃、地下施設破壊用の誘導爆弾で(ロイター)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030408-00000502-reu-int


(ロイター/Oleg Popov)
 これから米軍兵士は何の罪もない住民を皆殺しにしなければなりません。平気で人殺しをするには正気ではできません。感覚を麻痺させる必要があります。兵士に思い切って虐殺行為を遂行させる「大義名分」(そんなものは大義名分でも何でもないのですが)を与えなければなりません。それが「フセイン親子を殺害するため」という口実なのです。この口実を使えば、空から非人道兵器を使うことも、市街戦で住民を大量殺戮することも「正当化」される。兵士とメディアと国際世論にそう思い込ませるのです。イスラエルが「ハマス」「テロ組織」を撲滅するという口実で、パレスチナ自治区に侵攻し住宅を破壊し尽くし住民を殺戮し尽くしているように。


(3)反米メディアを壊滅させ都合悪い「市街戦報道」を封殺する狙い。イラク国営メディア、アルジャジーラなど系統的メディア攻撃始まる。

殺されたアルジャジーラ記者
(「アルジャジーラ」サイトより)
 非常に危険な事態が起ころうとしています。「情報戦争」とは言いますが、比喩ではなかったのです。本当に報道機関や記者に爆撃・砲撃を実行し始めたのです。
 「血の市街戦」は最終局面に入った米軍の侵略作戦の期間と終わり方を決定付けます。短期決戦で決着を付けるにはフセイン大統領や政権閣僚と一緒に住民を皆殺しにする必要があります。でも凄惨な現場を世界に報道させては、「イラク国民の解放」の「大義名分」がウソであることが丸ばれになってしまうし、アラブ諸国の反発と反米感情、世界の反戦運動に一気に火を付けてしまいます。何としても世界の人々から虐殺現場を隠さねばなりません。報道をシャットアウトしてから皆殺しをしなければならないのです。

 だから米軍は、大量殺戮行為を世界中に報道する反米メディアの一掃を企てたのです。4月8日の米軍の作戦、それはメディア攻撃作戦の1日と言っても過言ではありません。@ その筆頭は、イラク国営TV、国営ラジオを叩き潰すことでした。昨日米軍はこの施設を攻撃し放送を中断させました。
※<イラク戦争>イラク国営テレビ・ラジオが放送中断(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00000108-mai-int

A 次は中東系メディアを沈黙させることです。米の戦争犯罪をしつこく追及し真実の報道につとめるアルジャジーラTV、アブダビTVなど中東系メディアは邪魔なのです。米軍は昨日、それらメディアを同時に狙い撃ちしました。そしてアルジャジーラをついに撤退に追い込みました。万事計算通りというわけでしょう。非道!卑劣!
※<イラク戦争>米軍が故意に標的の可能性 アルジャジーラ会見(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00001041-mai-int
※Al Jazeera correspondent dies in missile attack
 http://english.aljazeera.net/topics/article.asp?cu_no=1&item_no=2162&version=1&template_id=277&parent_id=258


殺されたロイター記者
(ロイター/Pawel Kopczynski)
B また米軍は同時に、各国記者団が滞在しプレスセンターになっているパレスチナホテルをも砲撃しました。ロイター通信の記者が殺害されました。欧米系ですがロイター通信なども被害映像を世界中に配信しており邪魔になったのでしょう。さすが翼賛報道の米欧系メディアもたまりかねた一部の記者が即刻これに抗議しました。現地中央軍のブルックス准将は、「これは自衛権の行使だ」「ホテルロビーから攻撃を受けたから応戦した」「イラクのせいだ」ととんでもない説明をしました。しかしウソはすぐにばれました。1Fロビーへの応戦になぜ高層階を砲撃したのか。現地記者のVTRを含む証言からはホテルからの攻撃はなかったと言います。明らかに米に都合の悪いメディアに対する意図的計画的犯行なのです。こんな連中が侵略軍を指揮しているのです。
※イラク戦争、相次ぐ記者死傷で批判の声(ロイター)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00000612-reu-int
※「自衛権行使」と主張 記者死傷で米中央軍(共同通信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00000004-kyodo-int
※砲撃で報道陣7人死傷=取材拠点のホテルを米戦車砲撃−イラク(時事通信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030408-00000723-jij-int
※ホテルから攻撃はなかった 米記者ら、米軍発表に反論(共同通信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00000000-kyodo-int

 言うことを聞かないメディアを壊滅させ恫喝し沈黙させようとする狙いは一つしかありません。これから米軍が行おうとしている「血の市街戦」の残虐行為を封じ込めることです。米英系の翼賛報道だけなら情報統制は簡単です。ところが米軍の命令に従わないメディアは「イラクの手先」だと決め付けているのです。「邪魔者は消えろ!」という訳です。

(4)米軍の計画的なメディア攻撃に抗議が殺到。
 しかしこうしたメディアを沈黙させる卑劣な攻撃に対し世界中から一斉に非難が集中しています。米市民団体「ジャーナリスト保護委員会」は8日、ラムズフェルド米国防長官に真相解明を求める書簡を送りました。米国防総省は同日の会見で、「戦場は危険な場所だから仕方がない」と開き直りました。
※<イラク戦争>記者宿泊先砲撃の真相究明を 米国防長官に書簡(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00001033-mai-int

 米軍はアルジャジーラTVの支局を攻撃し記者を殺害しましたが、同TVは記者会見で世界に向かって米軍の非道を訴える一方、急遽追悼番組を組み、殺害された記者を「殉教者」と呼び続けています。先のアフガニスタン戦争でもカブールの支局が攻撃され破壊されたことも想起すれば、今回の攻撃が意図的なものであることは明白です。アラブ世界の世論はこんな脅しで屈服することはないでしょう。
※<イラク戦争>記者死亡を緊急ニュースで伝える アルジャジーラ(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030409-00000065-mai-int

(5)今すぐ米大使館に抗議を集中しよう!
 今回のメディア爆攻撃は前代未聞のことであるはずです。こんな無法行為を許せば、真実は永久に葬られてしまいます。即刻抗議すべきです。日本の大手メディアは、なぜ抗議しないのか。なぜ非難の特集を組まないのか。腰砕けにもほどがあります。

 イラク戦争に反対する市民の皆さんに訴えます。今すぐアメリカ大使館に抗議の電話・FAX、メールを集中しましょう!私たちは、現に今起こっているバグダッドの市街戦での大量殺戮行為、そしてこれから始まろうとしている「血の市街戦」の実態、真実を封殺する卑劣極まりない米の違法行為を絶対許すわけには生きません。国際世論が監視し続け、反対し続け、注目し続けなければ、血に飢えた米軍は何をするか分かりません。現に昨日の記者会見で、ブルックス准将は、「市民に犠牲が出るのもやむを得ない」と言い始めています。これは住民大量虐殺宣言に他なりません。私たちは、現に目の前で起こるアメリカの戦争犯罪を、歴史の生き証人として告発し続けるでしょう。

2003年4月9日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



(関連情報)
■ 日本ビジュアルジャーナリスト協会:バグダッドジャーナリスト殺害に対する声明文

 広河隆一氏 HIROPRES.net サイトをご覧下さい。
  http://www.hiropress.net/2003/archive/x030409.php

 HIROPRES.net http://www.hiropress.net/
 日本ビジュアルジャーナリスト協会 http://www.hiropress.net/jvja/



米政府に抗議を集中しよう!


● アメリカ大使館

 〒107-8420 東京都港区赤坂1丁目10-5 アメリカ大使館
 駐日米国大使 ハワード・H・ベーカー駐日大使 様

 E-mail    mail-jpn@pd.state.gov
 Tel:03-3224-5000 Fax:03-3505-1862

● ホワイトハウス
 E-mail    president@whitehouse.gov

 President George W. Bush
 The White House
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 Washington, DC 20500, USA