シリーズ<マスコミが伝えないイラク戦争・占領の現実>その13
米軍の即時帰還を求めるツアー
9月21日、ワシントンで合流し、ホワイトハウス行動へ


 キャンプケーシーから始まった「米軍の即時帰還を求めるツアー」は最終局面に入った。9月20日、「北部ツアー」がニュージーランド州のニューアークから、「中央ツアー」がすでに18日から滞在していたメリーランド州のボルティモアに合流した。「南部ツアー」はバージニア州のリッチモンドおよびノーフォークにある。このバスツアーは、8月31日から始まり、3ルートに分かれて、全米28州、51都市で、200を越えるイベントを企画してきた。そして9月21日、いよいよすべてのツアーがワシントンに到着し、9月24日の大行動に向けたアクションを開始する。


ブッシュ大統領への質問を突き付ける
○イラク戦争の崇高な大義とは何か
○あとどれだけ多くの命を犠牲にするつもりなのか
○この戦争を終わらせるために何をしようとしているのか 


 9月21日の午後1時30分、「米軍の即時帰還を求めるツアー」はホワイトハウスを訪れ、ブッシュ大統領への質問を届ける。すなわち、「崇高な大義とは何か」「あとどれだけ多くの命を犠牲にするつもりなのか」「この戦争を終わらせるために何をしようとしているのか」の三つの質問である。その後、コンスティテューション・ガーデンズにキャンプ・ケーシー記念広場をつくる。23日にはこの記念広場で平和のビジルが行われる。この行動は、24日の大行動の前段集会となるだろう。
http://bringthemhomenowtour.org/


平和のための戦死者家族の会のアル・ザッパラとシンディ・シーハン /集会に妨害が入る前。
9月19日、ニューヨークシティのユニオンスクエアで行われた集会に警察による妨害活動が行われた。露骨な弾圧が行われたのはこのツアー始まって以来初めてのことである。シンディ・シーハンさんが演説を終える直前に集会の音響システムが切断され、スタッフの一人が逮捕されたのだ。集会には、帰還兵や、イラク派遣中の米兵の家族、そしてイラクで殺された米兵の両親らが参加していた。息子がイラクで3度目の任務に就いているという参加者の一人アンナ・ロースラーは「イラク戦争で生み出された痛みや喪失を最も直接に語る人々の声を圧殺しようとしている」とこの弾圧を糾弾した。ワシントン行動に向け緊張が高まっている。
 

声明:Statement by the Bring Them Home Now Tour, September 19th, New York City
http://bringthemhomenowtour.org/article.php?id=211


「私の息子は消耗品じゃない。」−−
「米軍の即時帰還を求めるツアー」は兵士の母に、声を上げるよう呼びかける(抄訳)
 ペギー・ローグ オハイオ州
 私の19歳の息子は、イラクに展開するリマ海兵隊に所属しています。彼の部隊の1/3が殺されるか負傷しています。8月のはじめには、一週間以内に22人もの海兵隊員が殺されました。私は息子の命を案じ、信念に導かれて、この国の進路を変えるためにこの旅を始めました。
−−−−−−−−−−
 私は、海兵隊の家族の集まりに参加し、主催者や参加者の前で語りました。オハイオ州の海兵隊を帰還させるときがきています。私は叫びました、「私の息子は消耗品じゃない。」私は上院議員の人たちに助けを求めて手紙を書きましたが返事は来ません。でも私は無力になるのがいやでした。私は、母親たちが国を説き伏せるためには、ワシントンで母親たちの行進をしなければならないと考え始めていたのです。そのとき、キャンプ・ケーシーや発言する兵士家族の会、平和のための退役軍人会、そして戦争に反対するイラク帰還兵の会のことを知りました。私はそれまでこの人たちのことを全く知りませんでした。そして24日に大行動があることも知りました。わーすごい。マーチを企画する苦労をしなくてもいいわ!絶対いかなくちゃ!
 そしてこれは私に語りました−−運動はますます大きくなる・・・それは私たちの体の中にあって、表に出始めようとしているのだ。 
−−−−−−−−−−
 24日は歴史的なものになるでしょう。私たちの国は歴史的な転換点にきていると確信しています。そして、それは大衆が先導していくでしょう。
 私は息子にいいました。「マイク、おまえが私やお父さん、お兄さんやお姉さんにとってどんなに大事なのかわかっていないのね」
 「わかっているよ」
 「私たちはこんなに簡単におまえを再び送り出したくないんだよ」  
「お母さんたちが望んでいないのはわかっているよ」
 「マイク、私は海兵隊なんか恐れていないわ、私は政府なんか恐れていないわ、もちろん大統領も恐れていない。私はおまえのお母さんなのよ」
 「ママ、愛してるよ」 
 Bring Them Home Now Tour Asks Military Mom to Speak Out
http://bringthemhomenowtour.org/article.php?id=178


軍葬ラッパを吹くジェフ・キー(戦争に反対するイラク帰還兵の会)。フィラデルフィア
悲しみと決意を込めて

中央ツアーは、9月14日フィラデルフィア市に入り大歓迎を受けた。市議会では、このツアーに敬意を表し、米軍の即時帰還を求める決議が、16対1の圧倒的多数で可決された。

With Sadness and Determination
http://bringthemhomenowtour.org/article.php?id=207
フィラデルフィア市議会の決議文:
http://www.bringthemhomenowtour.org/downloads/PhiladelphiaResolution.pdf

各ツアーからのレポートは以下
http://bringthemhomenowtour.org/article.php?list=type&type=12

写真は以下
http://www.flickr.com/photos/bringthemhomenowtour/
http://www.flickr.com/photos/bringthemhomenowtour/sets/910828/
http://www.flickr.com/photos/bringthemhomenowtour/sets/910875/
http://www.flickr.com/photos/bringthemhomenowtour/sets/910882/
http://www.flickr.com/photos/bringthemhomenowtour/sets/911054/


2005年9月21日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



米軍の即時帰還を求めるツアーを支える4つのグループ


「戦争に反対するイラク帰還兵の会」
(Iraq Veterans Against the War)

「発言する兵士家族の会」
(Military Families Speak Out)

「平和のための退役軍人会」
(Veterans For Peace)

平和のための戦死者家族の会
(Gold Star Families for Peace)


十字架、軍靴、棺、顔写真など様々な形でイラク戦争の犠牲者を表現した






9/11の集会 ピッツバーグ

集会参加者の前で演説するシーハンさん

HONOR THE WARRIOR/ NOT THE WAR
兵士は讃えるが、戦争は讃えない

「崇高な使命のためとは何なのか」
−−キャンプケーシーの闘いの原点となる問いである。

イラクの犠牲者10万人を忘れることは出来ない。