アフガニスタン被害報道日誌



(重複、不確定情報などもありますが、死亡者数等できるだけ被害実態をリアルに知るために載せていきます。適宜、変更・追加を行います。)

● 「被害報道日誌」ではアメリカのアフガンへの空爆開始以降、主としてアフガニスタンの被害を中心にレポートしてきましたが、アメリカの軍事行動が「対テロ作戦の第二段階」に入り、フィリピン、コロンビア、グルジア、イエメンへと急速に拡大し、イラクへの侵攻も予想されることから、これらの国々への軍事介入・戦争の状況も限定的に伝えていきます。詳しくはそれぞれの記事をご覧ください。なお、パレスチナ情勢については、パレスチナのコーナーをご覧ください。(3/1)


■ 8/15
 米ニューヨーク市当局は8月15日、9.11の死者を2819人と訂正発表した。遺体によって死亡が確認された犠牲者は1345人である。この事件の犠牲者数は当初7000人近くにのぼるとされていたが重複を削除するなどして減少した。一方米軍は、7/1のアフガン南部での結婚式爆撃事件でも、「遺体が確認されていない」として大量殺戮を否定している。

■ 7/5
 ウルズガン州での米軍誤爆事件に関して7/5の朝日新聞はAP通信などの情報としていくつかの重要な証言を伝えている。その一つは、攻撃前の数時間は祝砲はなかったというものである。これは「祝宴の祝砲を米軍が対空砲火と誤認した」という米軍の主張する誤爆説を覆す。すなわち、米軍は明らかに狙ったのだ。もう一つは、攻撃後に米軍とアフガン人部隊がやってきて人々に家に入るように命じ、アフガン人部隊が犠牲者の遺体を埋め始めたというものである。米国防総省のクラーク報道官は3日、米国とアフガニスタンの合同調査団の捜索では血痕が見つかっただけで、遺体も遺体を埋めた墓も発見されていないと語ったが、隠蔽工作を図ったことが明らかになったのである。

■ 7/4
 米軍機による「誤爆」事件に対して、カブールで4日、100人を超える市民による抗議デモがあり、犠牲者の家族への補償や再発防止を求める声明文を国連事務所に手渡した。昨年10月に米軍が攻撃を開始して以来、米軍への抗議行動が表面化したのは初めてである。米国を最大の後ろ盾とするカルザイは表向き米国非難を表明し、誤爆であることを強調することによって反米が高まることをかわそうとしてきた。朝日新聞によれば、デモを組織したのは「アフガン民主戦線」という欧米からの帰国難民らの団体である。米国大使館への抗議も検討したが、警戒が厳しく断念し、国連事務所へ向かった。参加者の半数はブルカをすっぽりかぶった女性だった。主催者の一人、ナジブさん(32)は「我々は反米ではないが、市民の犠牲は初めてではない。ここで声を上げないとまた繰り返される。無実の人を殺すなといいたい」と語った。参加者も口々に「米兵を裁判にかけるべきだ」などと叫んだ。

■ 7/3
 ロイター通信によれば、アフガニスタン南部ウルズガン州で1日、米軍が結婚式場を誤爆したとされる事件で、死者には新郎新婦も含まれていたことが明らかになった。
 民間人爆撃の原因について、米政権内部で対立が生じている。ホワイトハウスは誤爆説を主張しているが、国防総省は誤爆説への疑念を強くにおわせ、謀略説を主張する幹部もいる。つまり、カルザイに反発する地元勢力の争いに米軍が巻き込まれ、爆撃を加えたのである。

■ 7/1
 米軍が空爆し多数の死傷者を出した民家は、結婚式場であったことが明らかになった。現場では結婚式の披露宴が行われていた。地元のアフガン当局者によると約40人が死亡、約70人が負傷した。100人以上が死亡したとの情報もあり、死傷者は増える可能性がある。
 地元のアフガン当局者によると、結婚を祝福するため住民らが空に銃を発射したところ、米軍機が約2時間にわたって爆撃をしたという。一方、米政府当局者によると、米軍機がパトロール飛行中、対空砲火を受けて反撃、少なくとも標的をそれた攻撃が1回あったという。アフガンでは結婚披露宴で空に祝砲を撃つ習慣があるという。
 負傷者はカンダハルなどの病院に運ばれた。カンダハルの病院関係者によると、死傷者の多くが子どもや女性だった。
 現場のカクラカイ村は、カンダハルの北東約175キロ。ウルズガン州はタリバーンの最高指導者オマール師の出身地。米軍はオマール師拘束のため作戦を展開していたとされる。

■ 6/30
 米空軍のB52爆撃機、AC130対地攻撃機などが6月30日から7月1日にかけてアフガン南部ウルズガン州で大規模な空爆を加え、多数の民間人を殺戮した。

■ 6/12
 米の民主党やマスコミは、先にブッシュ政権が「ダーティーボム(放射性物質爆弾)」によるテロ計画があったと発表したのは、議会の聴聞会などの政権の難関を乗り切るためのマヌーバーの可能性が高い、との疑惑を集中的に取り上げ始めた。まずマスコミが問題にしているのが、発表の時点。CIAとFBIの「9・11テロ」の対応と責任問題を追及する議会の聴聞会に合わせて、「ダーティーボムテロ計画」と容疑者を発表。更にその発表が、ロシア訪問中のアシュクロフト司法長官の予定にないテレビの生中継での発表であったことも疑惑が持たれている。また発表内容も疑惑に満ちている。11日のタイムは「逮捕されたアブドラ・アル・ムハジルが具体的なテロの陰謀を図ったとは考えにくい」と報じた。ダーティボムを作るには、まず放射性物質の確保が前提条件となるが、ムハジルがこれを手に入れた証拠が全くないというのである。また仮に、ムハジルが放射性物質を確保しても、彼がダーティーボムを作れるだけの技術と設備を備えていたかも疑問。そして、容疑者ムハジルは、弁護士の接見権すら与えられないまま、軍刑務所に移されるという人権侵害そのものの扱いを受けており、拘禁期間も設けずに拘禁されているのは、違法そのもの。 

■ 6/11
 ブッシュ大統領は、高校での演説で、「国土を守る最良の道は攻め続けることだ。」と、今後も先制攻撃を続けていく決意を明らかにした。現在ブッシュ政権は、核を使った先制攻撃や奇襲攻撃など先制攻撃を最重視する新戦略を策定中だが、その動きと歩調を合わせるように、大統領が自らの言葉で「攻撃」の重要性を強調した。
 ラムズフェルド国防長官は、ペルシャ湾岸地域における米軍の規模は、昨年のアフガニスタン空爆開始時より大きくなっていることを明らかにした。

■ 6/10
 米ブッシュ政権は、新たな国家安全保障戦略として、先制攻撃戦略を策定中と米政府関係者が明らかにした。このドクトリンは今年秋の国家戦略に盛り込まれる予定。
 冷戦時代の抑止・封じ込め戦略から米軍が先制攻撃を実施することに重点が変わり、米が「テロリスト、圧制者」「大量破壊兵器の開発に携わっている国」と勝手に断定すれば、いつでもどこでも先制攻撃をかけるというきわめて危険で、戦争をもてあそぶ戦略なのである。

■ 6/8
 中谷防衛庁長官が今月始めにシンガポールを訪れた際、ウォルフォウィッツ米国防副長官が、アフガニスタンに陸上自衛隊の衛生部隊や施設部隊を派遣するように打診していたことが分かった。

■ 6/6
 海上自衛隊は、6日、新たに海上自衛隊の補給艦「はまな」等艦艇2隻をインド洋に派遣すると発表。8日に出港し、米艦艇への燃料補給にあたるという。4月25日からは、点検修理のため海上自衛隊のインド洋への派遣艦艇は3隻に減っていたが、これで再び5隻になる。

■ 6/5
 米のアシュクロフト司法長官は、5日、中東諸国等からの旅行者や留学生に対し、指紋押捺や写真撮影、住所登録を義務付ける新制度を導入すると発表。この制度について、民主党や全米移民フォーラム、アラブ・アメリカ協会などは、「あからさまな人種差別だ。」と厳しく批判している。

■ 6/4
 アフガン東部の地元部隊司令官が明らかにしたところによると、米軍と共にアルカイダ追跡などをしている部隊に対し、米軍は兵士1人当り月200ドルの報酬を払っているという。まさに金をばらまくことで、米軍の軍事作戦の最前線を地元部隊に担わせているのである。

■ 5/31
 アフガニスタン東部ガルデス近郊で、米特殊部隊が、アフガン暫定政権と協力関係にある地元部隊を誤って攻撃し、3人が死亡、2人が負傷した。

■ 5/30
 米のアシュクロフト司法長官は、今後「テロ防止」を名目として、FBIの権限を大幅に強化して、恒常的な監視活動や個人の人権蹂躙を行う事を発表した。これは、インターネットや図書館のデータベースをFBIが自由に調べる事ができ、更に政治団体や宗教団体への監視活動の規制をなくそうとするものである。これに対し、米の人権団体米市民連合は「過去の権力乱用を繰り返す事になりかねない。テロを予測できなかった失敗の原因を問わずに、権限拡大で報いるのか」と厳しく非難している。

■ 5/29
 カブール29日発、共同の記事によると、多くのアフガニスタン遊牧民が、米軍と多国籍軍の訓練で貴重な財産であるラクダやヒツジを失う被害を受けているという。以下共同通信から引用。
 多くの遊牧民が住むアフガニスタンで首都カブール周辺の治安回復に伴い、数千人が高地へ移動を始めたが、米軍など多国籍軍の訓練のために貴重な財産であるラクダやヒツジを失う事件が相次いでいる。
 カブールの北約50キロ。草原の中の一本道のそばに米軍らの射撃訓練場がある。
周辺には数十の遊牧民テント。ここは移動の通り道だ。「これからどうしたらいいの」。訓練場から数百メートルの所で座り込み泣き叫ぶバスビビさんの前で、首を撃たれた雌ラクダが死んでいた。放牧中、銃声や爆音に驚いたのか、突然走りだし被弾したという。ヒツジが数匹も射殺された日があったと別の遊牧民も訴えた。

■ 5/24
 米統合参謀本部ペース副議長は、アフガニスタンでの多国籍軍による軍事行動で、タリバンの軍事施設と思われる施設を攻撃し、相手側に対し、1人を死亡させ、2人を負傷させたと発表。更に約50人の身柄を拘束したと発表。

■ 5/23
 またもや米軍機がイラクを爆撃。2人が死亡し、2人が負傷した。

■ 5/20
 クウェートとサウジから飛び立った米軍機は、20日、イラクのムサナ州の民間施設を爆撃。4人が負傷した。

■ 5/17
 カブール郊外のバグラム空軍基地に駐留する英軍幹部は17日、英米やオーストラリア軍などでつくる多国籍部隊が、アルカイダやタリバーンに対する新たな掃討作戦「コンドル作戦」を始めたと明らかにした。米軍機の空爆の支援を得て、約1000人が東部パクティア州の山岳地帯に展開しているという。
 日本政府は17日午前の閣議で、「テロ特措法」に基づく基本計画で今月19日までとなっている自衛艦の派遣期間を半年間延長し、11月19日までとすることを決めた。新たに生じる費用負担は、「3月31日までに使用した91億円の1・5倍にあたる、百数十億円程度」 にも上る。これらを足した額を少な目に見積もって200億円としても、これはアフガニスタンの飢餓人口に匹敵する850万人が1年間食べていける額である(10人家族一ヶ月の生活費2000円とのペシャワール会の試算による)。日本政府は、200億円をアフガン人の食糧ではなく、アフガン破壊のための米艦船に燃料として食らわせるのである。すでに自衛隊は、米英の艦艇に75回、約13万キロリットルの燃料補給を行い、米軍基地への52回の物資輸送を行っている。
 さらに中谷元防衛庁長官は閣議後会見で「イージス艦は広範囲なレーダーの捜索能力や優れた指揮・調整能力を持っている。様々な意見があるので、幅広く意見を聞きながら適切に判断したい」と語り、イージス艦の派遣をも視野に入れていることを明らかにした。

■ 5/16
 米軍は16日夜、アフガン東部ホスト州の集落を誤って空爆し、住民10人以上が死亡した。AP通信が治安当局者の話として伝えた。アフガン・イスラム通信によると、結婚式を祝っていた住民らが夜空に向けて銃を発射したのを、上空で警戒中だった米軍機がアル・カーイダ兵士からの攻撃と誤認したという。

■ 5/15
 ニューヨーク・タイムズは「ビンラディンを引き合いに出した攻撃前メモ」(「Pre-Attack Memo Cited Bin Laden」2000/05/15)というスクープを報道し、米政権が9.11テロを事前に察知していたことを明らかにした。
ブッシュは同時多発テロを事前に知っていた!

■ 5/2
 米軍との共同軍事演習に参加中のフィリピン軍F−5戦闘機が、ルソン島北部の村の学校に墜落。学校はもちろんこと、付近の住宅も炎上、多くの負傷者が出ているという。

■ 5/1
 米軍は、アフガニスタン東部山岳地帯及びパキスタン山岳地帯で新たな大規模な戦闘軍事行動を開始した。(ワシントン・ポスト報道)米陸軍101空挺師団2個大隊が東部山岳地帯に移動し、最終的にはその兵力は1000人を超える規模になるという。そして、先に国境地帯への移動を終えている英軍特殊部隊数百人と合流し、「1〜2週間以内に大規模な追撃作戦」を展開するという。これに先立ち、29、30の両日、東部山岳地帯で米英軍は、アルカイダと見られる兵士と交戦し4人を殺害した。
 この日、米軍はまたしてもイラク北部を爆撃した。

 またまた沖縄の米軍基地で事故が起こった。今回は、嘉手納飛行場から米国ワシントン州マッコード空軍基地所属のC17大型輸送機が離陸を行おうとした時、何らかのトラブルが生じ、急遽離陸を中止した。同機は、後輪部分から数メートルの白煙が数秒間生じ、滑走路周辺には消防車8台が緊急出動した。
 沖縄県内の民間空港への米軍機の着陸回数が2001年は大幅に増えたことが明らかになった。(国土交通省のまとめ)2000年は、那覇空港に1回、石垣空港に5回の計6回だったが、2001年は下地島空港に25回、波照間空港に13回、計38回と急増。全国的には微減だったが、沖縄に限れば6倍強の大幅増加になった。この両空港への着陸は、米フィリピン合同軍事演習に参加の際の給油が主な目的。今年に入っても、4月22日、地元の反対の声や県の自粛要請を押しきって、下地島空港に米フィリピン合同軍事演習に参加する米軍機5機が給油のため着陸。一方、自衛隊機の民間空港への着陸回数は、演習の増加などで、全国的にも急増している。そのトップが沖縄の那覇空港で1万1006回の着陸回数で、昨年に比べ、453回も増えた。その他にも、名古屋空港でも400回以上増えており、秋田、長崎では、200回以上、新潟では100回以上と軒並み急増している。

■ 4/30
 米軍はグルジアでの軍事作戦行動のため、米軍特殊部隊20人が第1陣として首都トビリシに到着した。最終的には、150〜200人がグルジア入りするという。5月下旬からグルジア軍との合同の本格的訓練が始まる。

■ 4/29
 ワシントンを訪問した与党3党幹事長に対し、ウォルフォビッツ国防副長官は、アフガニスタンでの軍事行動=戦争にはなお時間がかかるとして、米軍の後方支援活動での自衛隊派遣の行動基本計画の延長を求めた上で、イージス艦と対潜哨戒機P3Cの派遣を初めて公式に要請した。

■ 4/28
 28日付ニューヨークタイムズは、米ブッシュ政権が来年初頭にイラクへの本格的軍事攻撃への立案中と報じた。この攻撃案によれば、陸空合わせて7〜25万人と言う大規模な部隊を動員し、英軍の参加も見込み、空爆や地上作戦による大規模な攻撃を実施すると言う。この攻撃は、アフガン型ではなく湾岸戦争規模の大規模戦争になると報じた。

■ 4/26
 有事法制3法案の国会での審議が始まった。「新たに定義された武力攻撃事態とはいかなるものか」や「なぜ今有事法制が必要なのか」等、質問全てに対して、小泉首相の答弁は、あいまいで抽象的なものに終始した。
 大阪防衛施設局は、石川県小松市、加賀市両市に対し、「昼休み時間の離着陸の制限」「滑走路東部(住宅地のすぐそば)での編隊離陸禁止」の見直しを要請した。申し入れでは、昼休み時間にも離着陸を求め、更に現在東側が住宅地であるため騒音規制により1機ごとに行っている離陸を編隊(2機)でも可能となるよう申し入れた。基地地元住民の騒音被害などお構いなしに、自由な軍事行動を行おうとするもの。これこそまさしく有事法制の先取り。

■ 4/25
 アフガニスタンの国防省幹部は、アフガニスタンとの国境近くのパキスタン西部地帯に数週間前から、米特殊部隊デルタフォースが展開し、小規模な戦闘を続けていると語った。米は、パキスタンへも侵略=戦争行動を拡大した。
 メディア規制法案である個人情報保護法案の国会での審議が始まった。
 沖縄嘉手納基地で、空母キティーホーク所属のC−2Aグレイハウンド輸送機が、離陸直後の高さ約50メートル上空から燃料が洩れ始め、そのまま近隣の沖縄市、嘉手納町、読谷村上空を旋回後、嘉手納基地に緊急着陸した。着陸後滑走路には約265リットルの燃料が流れ出た。この事故を目撃した人は、「最初は白煙かと思ったが、白煙にしてはものすごい量だった。機体の4倍くらいの白い煙が出ていた。」と事故を生々しく証言し、更に、「離陸直後から異臭を感じ、しばらくして目のかゆみを感じ、約30分くらい続き、唇をなめると苦かった。」とも証言している。

■ 4/24
 海上自衛隊は、米軍のアフガン戦争への参戦の中心としてインド洋に派遣している自衛艦の燃料補給実績を発表した。それによると、12月2日から4月23日までの間に、米艦艇に65回、英艦艇に3回、計11万5千キロリットルの艦艇用燃料(軽油)を補給した。その費用約40億円は、全て日本の国家費用から支出される。
 この日の午前中沖縄本島南東沖海上で訓練中の嘉手納基地所属F15戦闘機が、風防ガラスを落下させるという事故を起こした。この風防ガラスは、強化プラスチック製で長さ約2メートル、幅約1メートルのもの。

■ 4/23
 中谷防衛庁長官は、この日の参議院外交防衛委員会で、米のアフガン戦争への参戦としてインド洋に派遣している自衛艦が攻撃を受けた場合は、「我が国への武力攻撃と判断する」と述べ、有事法制の「武力攻撃事態」と認定することもあり得るとの見解を示した。すなわち、自衛隊の海外への参戦で、攻撃を受ければ、「有事」の事態となり、すぐさま有事法制が発動されるのである。
 ベネズエラの国会議員は23日、4月上旬のチャベス大統領失脚を狙った政変に米国の駐ベネズエラ大使館が組織的に深く関与していたと非難した。それによると、米の大使館付き武官2名が、この政変時、反乱軍の本部にいたこと、また、シャピロ米ベネズエラ大使が、反乱軍の中心人物カルモナと面会していた。

■ 4/22
 新たな米・フィリピン合同軍事演習が始まった。既に合同軍事演習「バリカタン02―1」の名の下にはじめている軍事介入とは別に、北部ルソン島を中心に行われる、「バリカタン02―2」と呼ばれる軍事演習。米軍約2700人、フィリピン軍約2900人が参加し、5月6日まで、ルソン島中部クラーク基地を中心にして行われる予定。フィリピンでの米の戦争を、南部だけでなく北部も含めた全域に広げようとするもの。
 この日から、日、米、韓国、豪州、シンガポール5ヶ国が参加する「西太平洋潜水艦救難訓練」が、佐世保市を中心に始まった。潜水艦救難医療のシンポジウムなどの後、4月25日から5月2日までは、鹿児島沖の東シナ海で5カ国の潜水艦や潜水艦救難母艦、掃海母艦等計8隻、乗員750人が参加する深海(約120メートル)での救難訓練が行われる。自衛隊が、憲法で禁止している集団的自衛権行使の多国間訓練を主導するのは初めて。山下防衛庁政務官は「今後も多国間共同訓練を積極的に取り組みたい」と述べ、集団的自衛権行使の実績作りを積極的に行うことを表明。

■ 4/21
 小泉首相は、この日朝、突然靖国神社を参拝した。またまた、その右翼的本質をむき出しにした。
 外務省沖縄事務所は、21日、フィリピン北部で行われる米フィリピン合同軍事演習に参加する普天間基地所属のKC130空中給油機1機とCH46E輸送ヘリ4機が、途中給油のため、沖縄県伊良部町の民間空港・下地島空港を22日午前使用することを明らかにした。

■ 4/19
 米軍F16戦闘機を中心とした米英軍8機の攻撃機が、イラク北部を爆撃した。イラクは政府は、民間施設への爆撃として強く非難した。
 19日付朝日新聞によると、米は、アフガニスタンに続いて、イラクへの軍事侵略行動を想定し、日本への更なる軍事協力の強化を打診した。具体的には、イージス艦や対潜哨戒機P3Cのアラビア海への派遣等が米の主な要望。米がイラクを攻撃する場合、現在アラビア海にある米のイージス艦がペルシャ湾まで侵攻するため、代わって、日本のイージス艦がアラビア海に展開して欲しいとの要望。日本がイージス艦を展開すれば、イージス艦は、米の同艦船と情報を共有する高度なシステムを搭載しているため、米の侵略行動と一体化して武力行使を行うものとなる。
 フィリピンのアロヨ大統領は、19日、米軍の増派を承認。米軍は今までにアブサヤフ掃討の軍事作戦行動に660人を派兵し、実際の戦闘行動に参加しているが、これに加え、沖縄駐留の海軍工兵大隊340人が加わることになる。すでに部隊はフィリピン沖で待機しており、1両日中にも上陸する見通し。いよいよ1000人を超える米軍大部隊が、フィリピンでの軍事戦争行動に参加する。

■ 4/18
 アーミテージ国務副長官は、米議会で、「アルカイダ」組織等がエクアドルの国境地帯で活動していると発言。これに関連して、ブッシュ政権は、「対テロ戦争」の一環としてエクアドルに270億ドル(約3兆5千億円)の緊急軍事支出を行うよう議会に求めており、南米のエクアドルにも戦争を拡大する一歩を踏み出そうとしている。

■ 4/17
 米中央軍司令部は、米のF16戦闘機が、カンダハル近郊で、米軍と共同訓練を行っていたカナダ軍兵士に向けてレーザー誘導爆弾を誤爆し、カナダ兵士4人が死亡、8人が負傷したと発表。
 AP通信によると、フィリピンで行われているアブサヤフ掃討軍事作戦に増派された沖縄駐留海軍工兵隊約300人が17日までにフィリピン沖に到着した。フィリピン政府の上陸許可が出ればすぐさま上陸して軍事作戦に加わる状態。
 17日、沖縄普天間基地でCH53型輸送ヘリから補助燃料タンクが落下する事故が起きた。事故現場は民間地域からわずか700メートルの位置。万が一民間地域や学校などに落ちれば大惨事になるところ。今月8日にも嘉手納基地上空で照明弾落下事故が起きたばかりで、地元自治会長は、「最近の落下事故はまるでポイ捨て感覚だ」と怒りを通し越して半ば呆れ顔に語った。
 17日、同時テロ後不当に身柄を拘束されたとして、アメリカ在住のイスラム教徒3人が、アシュクラフト司法長官らに損害賠償を求める集団訴訟をニューヨーク連邦地裁に起こした。テロ直後から米司法当局は、アラブ系市民やイスラム教徒を網羅的に尋問。ビザの期限切れなど軽微な違反をあげ、不当に1200人を拘束した。現在もなお200人が拘束されている。この拘束に際しては、家族や弁護士との連絡を許さず、礼拝も禁じた。原告代理人の弁護士は、「罪名も告げられず、起訴もされないまま、不当に長い間独房に閉じ込められ、看守から暴言を浴びた」と訴えた。同様の不当拘束された人達も訴訟に参加する準備を進めており、最終的には原告団は87人達すると言う。

■ 4/16
 アフガニスタンの首都カブール北方のバグラム空軍基地に駐在する英軍広報官によると、英軍はアフガン東方の山岳地帯で、タリバンとアル・カーイダの残存兵を掃討する新たな作戦を開始した。作戦名は「ターミガン(ライチョウ)作戦」という。英軍主体で、米軍とアフガン地元兵も参加し、数日前に開始された。同作戦は、米軍などが3月に実施した「アナコンダ(大蛇)作戦」よりは小規模だが、「相当数の兵が参加している」という。特に、15日からはイギリス海兵隊1700人が加わった。このようなイギリス海兵隊の大規模な戦闘行動への参加は82年のフォークランド紛争以来。現在英海兵隊は3000メートル級の山岳地帯で戦闘行動に入っている。
 現在の対アフガン作戦は、オサマビンラディン氏の「新しい情報」の「リーク」や、アルカイダの「反撃」を報じることによって正当性を印象づけて進められている。その目的は、新型兵器の実験、新戦術の実地訓練と、長期にわたる米軍の駐留に他ならない。

 ベネズエラのチャベス政権転覆へのクーデターに、米が深く関与していたことがわかった。16日、ブッシュ政権のフライシャー報道官は数ヶ月前からクーデター指導者とブッシュ政権の高官が頻繁に会談していたことを認めた。また、チャベス大統領は、一時的に拘束された軍基地で米軍機を目撃している。
 
■ 4/15
 米中央軍は15日、米戦闘機がイラクを空爆したと発表。イラク側は、民間施設への爆撃と非難。

 米軍三沢基地所属のF16戦闘機1機が、午前11時半頃、青森県深浦沖の日本海に墜落した。青森県によると米軍三沢基地所属のF16戦闘機は、1985年の配備以来今回で計8回9機の国内での墜落となる。昨年4月3日にも三沢市内にある対地射爆撃場付近の太平洋上に墜落したばかりだった。

■ 4/14
 「大阪港に米軍艦はいらない」等のシュプレヒコールや入港に反対する市民の抗議集会が展開される中、米海軍第7艦隊の旗艦ブルーリッジが大阪港に入港した。この入港は、有事法制の先取りを狙うだけでなく、米総領事や米海軍将校が述べたように、特に関西で日米同盟の強固さを示そうとしたもの。

■ 4/12
 米議会予算局は、米軍のアフガン戦争の戦費が昨年10月から今年9月までの1年間で総額102億ドル(約1兆3千億円)に達するとの試算を発表した。議会の試算の内訳で最も大きいのは、航空機や艦艇の運用・地上部隊の装備・弾薬類の調達費用などで計79億ドル、部隊や装備の移動費用に12億ドル、兵士らの特別給与に11億ドルかかるとみている。米国防総省は、議会に対し、空爆開始から今年2月までの約4ヶ月間の「アフガン戦費」は、総額44億ドル(約5千8百億円)かかったと報告している。
 4月12日付け朝日新聞によると、米フィリピン合同軍事演習「バリカタン02−1」に沖縄駐留の米軍約350人が増派される見通しと報道。米軍が増派の中心として検討しているのは、沖縄駐留の米軍工兵大隊。演習の中心地バシラン島での道路建設などを行うという。派遣期間は4〜6ヶ月。更にこの工兵の安全確保のための米軍兵士も増員される予定で、結局350〜400人が増派されるという。
  米海軍横須賀基地配備のミサイル駆逐艦「カーティスウィルバー」が12日夕、鹿児島港に入港した。岸壁では平和運動団体が「鹿児島港から出て行け」「軍港化は許さない」などと抗議した。今年、米艦船の鹿児島港入港は2月末の掃海艦2隻以来。同艦の艦長は、米艦船の鹿児島港入港が相次いでいることについて「フィリピンや日本海域での演習場にも近く便利」と強調。フィリピンでの演習や北朝鮮への戦争兆発の示威行動の一環であることを明らかにした。

■ 4/11
 ラムズフェルド国防長官は、核弾頭を搭載した迎撃ミサイルを使用する研究を行うよう、自らの軍事研究諮問機関に指示した。(11日付けワシントン・ポスト報道)現在の「非核」のミサイル迎撃構想は、直撃そのものも、また敵ミサイルの周囲におとりがある場合も、おとりとミサイルを識別して命中させるのは技術的に非常に困難といわれている。この技術上の困難から、ラムズフェルド国防長官は、迎撃ミサイルに核兵器を搭載して迎撃すれば、ミサイルに命中しなくても周囲で核爆発を起こすだけで、おとりも含めて全て破壊でき迎撃が「成功」するというのが、今回の指示の理由。国防長官のこの動きは、ブッシュ政権が最近核兵器を実際に使用する戦略へと転換する動きの一環でもある。

■ 4/7
 アフガニスタンへの米軍の空爆開始(昨年10月7日)から7日で半年が経過したが、読売新聞によれば、カブールではこの日、米の空爆で肉親を失った遺族らが集会を開き、米政府に補償を求めた。米国大使館前で行われた集会・抗議行動は、米民間活動団体「グローバル・エクスチェンジ」が企画したもので、アフガン各地から15家族60人が、同じ境遇にある計400家族の嘆願書を持参し悲しみと生活の苦労を訴えた。昨年10月の空爆でクンドゥズ州の家を破壊され、16人の家族を1度に失った男性ジャマカンさん(45)は、ただ1人生き残った娘ハミナちゃん(8)と2人で参加。ハミナちゃんは「兄弟と仲良く遊んだ思い出を返してください」と語った。グローバル・エクスチェンジは「2万人の遺族がいると見られ、調査を進めている。我々は米国に、1家族当たり1万ドルの補償金を求める」と語っている。遺族らは補償を求める請願書を提出しようとしたが、大使館の警備兵らに解散させられた。米は補償をかたくなに拒否している。(毎日新聞では、参加したのは30家族60人、嘆願書は450人分)

■ 3/29
 米中東軍フランクス司令官は、この日の会見で、ペルシャ湾岸地域における指揮管理系統を中心とした米軍の実質的な強化を図っていることを明らかにした。更に、米軍駐留への反発が強いサウジアラビアからクウェートやカタールに弾薬や装備を移転し、イラク攻撃への準備を含め湾岸地域での米軍の機動性を強化していることもあわせて明らかにした。
 同日の会見で、フランクス米中東軍司令官は、米軍が3月上旬にアフガニスタン東部で行った大規模な戦争・軍事行動=アナコンダ作戦で死亡した米兵8人の内、少なくとも1人は、米軍の低空攻撃機AC130による誤爆で死亡した可能性がきわめて高いことを明らかにした。

■ 3/28
 ラムズフェルド米国防長官は、ガンタナモ基地などで拘留しているタリバン・アルカイダ兵士に関して、軍事審問委員会でたとえ無罪判決が出たとしても、釈放せずに、アメリカが対テロ戦争終結を宣言するまで拘置を続ける方針であることを表明した。結局、米政権は、捕虜をほぼ永久的に拘置し続けようとしているのである。

■ 3/26
 25日未明から26日にかけて、アフガニスタン北東部を断続的に強い地震が襲った。国連は死者は800〜1200人に上ると発表。(アフガン暫定行政機構高官は4800人に達すると声明)また、死者の多くは、家屋の倒壊によるものと思われ
る。最も被害のひどかったバグラン州ナフリンでは、全市がほぼ壊滅。およそ10万人に相当する2万世帯が家屋に何らかの被害を受けた。
 そしてこの地震の救出・救援活動が、更に困難を極めている。というのは、このナフリン一帯は大量の地雷が埋設されているばかりか、米軍の空爆によってクラスター爆弾の子爆弾の不発弾が大量にあることによって、事実上、ナフリンへ通じる道路を封鎖しているため。地雷除去のNGOハロー・トラストのガイ・ウィロビー氏は「ナフリンへ通じる道路は、大量の対戦車用地雷が埋設されている。(ナフリンは)北部同盟とタリバンの戦闘の最前線であり、北部同盟はナフリン陥落を防ぐために、大量の対戦車用地雷を埋めた」と語った。この地雷に加え、米軍が投下したクラスター爆弾の子爆弾の不発弾があたり一面を覆っていると言われている。
 地雷やクラスター爆弾の子爆弾によって救援活動さえ困難となっているという状況は、地震が天災であるとしても、干ばつと飢饉がアメリカの制裁による影響であったのと同様、この地震被害もまたアメリカの戦争の結果の一端であることを示している。


■ 3/22
 ロイター通信が明らかにしたところによると、米は、実際の配備核弾頭とは別に、2400個もの核弾頭を「早期対応戦力」として温存する方針。表向きは今後10年間で戦略核弾頭を2200~1700個に削減するとしながら、実際は大量の予備弾頭を保有するため、4600〜4100の核弾頭保有となる。米は、将来再び、米ロ関係が悪化した場合など、速やかに核戦力を増強するために、大量の予備弾頭を温存するという。

■ 3/21
 ラムズフェルド国防長官は、グアンタナモ基地やアフガン国内で拘束しているアルカイダ兵やタリバン兵を裁く軍事法廷(軍事審問委員会)の内容を明らかにした。まず、有罪判決を受けた被告は控訴することは認められず、判決も「大統領と国防長官の承認があるまで最終のものとならない」とされる。また、米が「機密保護」が必要と判断した場合は、非公開となり、被告人も退席させられる。更に、証拠採用基準も甘い。(一方では、国際社会からの批判があるため表向きは、原則公開、推定無罪の原則の適用、弁護人があてがわれる等々の形式は取っているが。)
 21日付ニューヨークタイムズは、米軍が、パキスタン国内でのアルカイダ・タリバン兵の掃討作戦を計画し、フランクス米中央軍司令官がムシャラフパキスタン大統領に合同軍事作戦への参加を要請したと報じた。
 米ブッシュ政権は、国防総省が、「対テロ」戦争のため、緊急の資金を必要としているとして、271億ドルの「対テロ」戦争対策費を要求した。この資金の半分以上がアフガニスタンや他のところでの軍事作戦に当てられるという。更に、米国内の警備強化などに53億ドル、他の国が「対テロ」戦争をした場合の支援として16億ドル、等も必要と要請している。


■ 3/15
  世界保健機関(WHO)は15日、アフガニスタン西部のゴール州で壊血病患者が大量に発生し700万錠のビタミンCが緊急に必要だとして、各国政府・機関の支援を求める声明を発表した。
 同州ではこれまでに原因不明の出血熱で40人が死亡。15日までにWHOの医療チーム5人が調査のため現地入りした。その報告では、干ばつや空爆による農業の破壊による農作物の不足などから同州の15村で住民約7500人の大半が壊血病に罹患。これによる体力の消耗が出血熱の二次感染を引き起こしている可能性が強いという。


■ 3/13
 ブッシュ米大統領は13日、ホワイトハウスで記者会見し、「イラクのような国家が大量破壊兵器を開発し、我々の将来を脅かす事態を断じて許さない。あらゆる選択肢が用意されている」と述べ、あらためてイラク攻撃を言明すると共に、体制転覆に向け核攻撃も含めたあらゆる軍事行動を行う立場を明らかにし、非核保有国に対しても核攻撃を排除せずとの米国の戦略を大統領自らが示した。更に、核兵器の小型化、高性能化を進め、いつでも使用できる兵器とする方針を明らかにした。
以下の記事が共同通信より配信されています。
「家族失い、村民散り散りに 空爆で消えたコラム村」(3/13共同通信より)
 アルカイダの施設があったとされ、昨年10月に米軍の空爆で全壊したアフガニスタン東部ナンガルハル州のコラム村は、今では住む人は一人もなく、村はゴーストタウンになっていた。四方を岩山に囲まれ、家畜を飼って自活していたこの小さな村に本当にアルカイダの施設があったのだろうか。そして、かつてこの村に住んでいた人々はどこへ行ってしまったのか。
 「この子しか、もうわたしには残っていない。妻もほかの子供もみんな死んでしまった」。父親のラルジャンさん(35)は五歳の女児ジャンビビちゃんを腕でそっと包み込んで抱き寄せた。
 コラム村から車で約30分のアジマバ村にラルジャンさん父娘は住んでいた。
 空爆で一瞬にして10人家族のうち妻と子供ら八人を失った。記者が空爆の質問を始めると、ラルジャンさんは力無く地べたに座り込んでしまった。
 空爆で切断した左手四本の指先をなでながらラルジャンさんは「古里のコラムへ帰りたい。でも家畜なしには生きていけない。生き残った村人も親類などを頼って方々の村に散らばってしまった」と消え入りそうな声でつぶやいた。
 横で父親をじっと見つめるジャンビビちゃんの緑色の瞳には涙がにじむ。ラルジャンさんによると、空爆時、村には33世帯、約150人が住んでいたが、約30人が死亡、800頭以上の家畜が犠牲になった。
 「タリバンやアルカイダなんて村に来たこともないし、共産政権と戦ったムジャヒディン(イスラム戦士)でさえ一人も来たこともない平和な村だった。きっとだれかが誤った情報を米軍に流したに違いない」とラルジャンさん。
 「米軍はにくいに決まっている。でも、わたしたちみたいな貧しい者はどうやって抗議したらいいんだ。ここには米軍はいないし…」と悲しみの声を絞り出した。
 子供3人を亡くしたというコラム村出身のカシームさん(35)は別の村に住んでいた。「コラムは車も人もめったに来たことのない、いわば辺境の地。タリバンもアラブ兵もいるわけないし、軍事基地なんてあるはずない」と説明する。
 黒こげの地面、崩れた家屋、至る所に散らばる家畜の骨―。コラム村では、積み上げられた石が家屋の痕跡をとどめているだけだ。
 鳥の鳴き声すらしない山奥の無音の世界。生き物を拒絶したかのような岩石ばかりの村内には、空爆で死亡した村民の墓が作られてあった。犠牲になった子供は約十五人。一メートルにも満たない小さな盛り土ばかりが目についた。(アフガニスタン東部コラム=清水健太郎)。
http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/revenge/news/20020313-950.html

■ 3/12
 米中東軍当局者は12日、アフガニスタン東部パクティア州のシキン近郊で6日、米軍機2機が車1台を攻撃し子供や女性を含む14人が死亡、子供1人が負傷したことを明らかにした。殺されたものの中には、女性や子供も含まれている。
 米国防総省のクラーク報道官は12日の会見で、イエメンに米中東軍司令部が約20人の軍事顧問団を派遣したことを明らかにした。米政府はフィリピン、グルジアに続き、イエメンにも数百人規模の米軍特殊部隊を派遣する予定で、イエメン軍特殊部隊の訓練という名目でのいわゆる「フィリピン型」侵略戦争をイエメンでも開始した。


■ 3/11
 米統合参謀本部のジョン・ロサ氏(空軍准将)は、アフガニスタン東部でのアルカイダ掃討作戦は11日間におよび、2500発の爆弾を投下したが、なお終了してはいないと述べた。同氏は記者団に対し、「アルカイダ兵は、人数が減少しているとはいえ、なお分散して潜伏している。アナコンダ作戦は継続中だ。過去24時間に100発以上の爆弾を投下した。作戦開始以来の累計は2500発を超えた」と述べた。
 アフガニスタンでの米の侵略戦争への日本の参戦に関して、自衛隊統合幕僚会議から米太平洋軍司令部(ハワイ)に派遣され、米軍と活動の調整に当たっている連絡官の浅野博義一等陸佐は11日、国防総省で記者団に対し、テロ対策特別措置法に基づく基本計画で定めた5月19日までの自衛隊活動期限後も支援継続への期待感が米側に強いことを明らかにした。浅野氏は、活動期間の延長の是非について「これから日本政府が調整し判断していく政治の話だ」と指摘。その上で「(テロ掃討)作戦はまだ初期の段階と認識している。日本の参加に対し、各国からの期待を非常に強く感じている」と述べ、期限後も自衛隊の米侵略戦争への参戦を引き続き行うべきとの思惑を色濃くにじみだした。
  米誌タイム最新号(11日発売)は、先週のアフガニスタン東部での米軍主導の大規模な軍事作戦で約800人のタリバン、アルカイダ兵士が死亡したと報じた。

■ 3/10
 3月10日付英の日曜紙オブザーバー紙は、米国がイギリスに対して、イラク攻撃のため2万5千人の派兵を要請していると報じた。そしてブレア首相は11日訪英するチェイニー副大統領とこの問題を話し合うという。同紙によると、ブッシュ政権は、イラク攻撃の3つの選択肢の内、地上軍25万人をイラクに侵略させる場合、その1割をイギリス地上軍で担うよう求めた。すでにイギリス政府は、この要請を受け、国防、外務など関係各省で検討を始めたという。
 ところが、ブレア首相の米のイラク攻撃支持に対して、60人以上の与党労働党議員がイラク攻撃に反対する動議に署名。また最近のイギリスの閣議では、複数の閣僚がイラク攻撃反対を突きつけ、分裂状態という。
10日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、ブッシュ米政権が地下の生物・化学兵器貯蔵庫を破壊する新戦術核爆弾の開発を議会に提案したと報じた。また、米国防総省が議会に提出した機密文書の「核戦力体制見直し報告」(NPR)に関しても、新型の戦術核兵器の開発が必要としている。この問題に関連して、ライス大統領補佐官は同日、米テレビに対し、壊滅的な報復」を招くことを明確にしておく必要があると語り、ブッシュ政権が「悪の枢軸」と呼ぶ北朝鮮やイラン、イラクなどの大量破壊兵器使用に対し、核による報復も辞さない方針を示した。

■  3/9
 9日付の米紙ロサンゼルス・タイムズによると、ブッシュ米政権は軍に対し、ロシア、中国、北朝鮮、イラク、イラン、リビア、シリアの少なくとも7か国を対象とした核攻撃のシナリオ策定と、限定的な核攻撃を想定した小型の戦術用核兵器の開発を指示した。1月に国防総省が連邦議会へ送付した8年ぶりの「核戦略体制見直し報告」(NPR)の機密部分に基づき、同紙が報じた。同紙によると、新たな計画では、<1>通常兵器で破壊しきれない標的への攻撃<2>核・生物・化学兵器攻撃に対する報復<3>突発的な軍事情勢――での核使用の可能性を列挙。また、イラクによるイスラエル攻撃、中国の台湾攻撃、北朝鮮が韓国を攻撃した場合なども核兵器の使用を想定しているという。NPRは、核兵器に大きく依存した冷戦期型の抑止戦略に代わり、攻撃用の最先端兵器と防衛システムなど核・通常戦力を複合的に組み合わせた新戦略を採ると打ち出していた。
 この暴露記事は、ブッシュ政権が本気で核兵器を使用しようとしていることを明らかにしている。


■  3/8
 アフガニスタン東部で7日夜、米軍主導のアルカイダ掃討戦で、多数のアルカイダ兵が死亡した。カブール郊外のバグラム空軍基地で行われた記者会見で、米軍広報官のスミス中佐が発表した。(ロイター通信)
 ブッシュ米大統領は8日、フロリダ州で演説し、今後も米兵に死傷者が出る可能性を指摘し、アフガニスタンでの大規模空爆と地上戦を継続することを訴えた。大統領は涙声で訴えたとされるが、独特のパフォーマンスである。ブッシュはレーガン時代のPR担当者を側近に迎えている。
 米議会上院は8日、ブッシュ大統領が進める対テロ戦争を全面的に支持し、前線の米兵に感謝する決議を全会一致で可決した。民主党は先月末から対テロ戦争の批判に転換していたがアフガニスタンで展開中の「アナコンダ作戦」で米兵に8人の死者が出る事態を受け、再び軌道修正を図った。民主党の戦争反対の底の浅さとを露呈した。
 カブールの世界保健機関(WHO)の報道官は8日記者会見し、アフガニスタン中部ゴール州の12の村で、これまでに計40人がアフリカなどで流行している出血熱とみられる症状で死亡したことを明らかにした。直接の感染源は、家屋の中で飼っている家畜と見られるが、栄養状態と衛生状態の極度の悪化が、出血熱の感染を流行させた最大の原因。
 MSNレポートは、昨年秋、米はアフガニスタンへの援助食料に対して毒物を混入する計画を持っていたことを明らかにした。「この毒物作戦の話は本当だったのか。詳しく調べる必要がある。」としている。確かにタリバン政権は、アメリカの悪名高い「食糧投下」に対して毒が混入されている危険性があるとして、食べないように警告していた時期があった。もしかしたら、何らかの形でタリバン政権に情報が伝わっていたのかもしれない。
−−−−以下記事全文−−−−−
「アフガンへ毒入り食料を供給せよ」ワシントンポストがしり込みした暴露記事(スコット・シュガー、Slate)2002年3月8日
   「ペンタゴン(米国防総省)が米国同時多発テロへの報復として、アフガンで供給される食料への毒物混入を検討していた」。こんな衝撃的なニュースをワシントン・ポスト紙が報じた。だが、同紙はその証拠をチラッと暴露したかと思うと、あわてて同時多発テロ発生当初のブッシュ政権のつまらない対応を振り返る8回の連載を掲載し、毒物作戦のニュースを葬り去ってしまった。この毒物作戦の話は本当だったのか。詳しく調べる必要がある。
   ボブ・ウッドワード、ダン・ボールツ両記者による記事の核心部分は次の通りだ。
 ラムズフェルド国防長官は、ブッシュ大統領が詳細なブリーフィングを受けることを望んでいた。長官は特殊作戦がかなり大がかりなものになることを確信していた。そのため大統領へのブリーフィング用に特殊作戦本部から1人の少将が送り込まれた。
ライス国家安全保障担当大統領補佐官とフランク・ミラー国家安全保障会議上級スタッフ(国防担当)は、大統領に同行して、ペンタゴンに赴いた。ブリーフィングの前に、ミラーは、ブッシュ大統領のために用意された機密扱いのプレゼンテーション用スライドを点検した。そして、驚愕した。アフガンでの特殊作戦に関する一枚のスライドにこうあったのだ。
   「タブーなき戦略へ――食料への毒物混入」
   ミラーは衝撃を受け、ライスにそのスライドを見せた。そしてこう念を押した。「合衆国はそんな技術は持ち合わせていないし、われわれはそのような手段を許されていないのだ」食料への毒物混入などということをすれば事実上の化学・生物戦となる。生物化学兵器が1972年の生物兵器条約など米国も調印した諸条約によって禁止されているのは明らかだ。ライスはスライドをラムズフェルドのところに持っていき、「このスライドを大統領に見せるわけにはいかないわね」と言った。ラムズフェルドは了承した。「その通りだ」。
ペンタゴン当局者は後に「部内での検討でも、法に抵触するそのスライドは問題になっていた。大統領やラムズフェルドが見る機会はなかったのでは」と語っている。
 以上の記事は、食料に毒物を混入することは違法だという点に関しては的を射ている。だが、これが1972年の生物兵器条約によって「事実上」禁止されているとして問題にするのは、必要以上にきわどく、わかりにくい議論だ。食料に毒物を混入することは、戦争法の基本であるハーグの「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約」(米国の批准は1902年)によって明白に禁止されている。「毒物または有毒兵器の使用を特に禁ずる」(同23条)。この短いの文言のどこが、ペンタゴンの毒物作戦の立案者たちには理解できなかったのだろうか。さらに、この計画の立案者は一体だれなのだろうか。情報源のスライドが絶妙なタイミングで露見したおかげで、ミラーが警鐘を鳴らすことができた。そして、ライスとラムズフェルドはそのスライドを断固、排除する姿勢をとった(もっとも、もしミラーが問題にしなかったなら、彼らも毅然たる態度はとらなかったかと思われる)。
 だが、そもそもだれがそのスライドをそこに紛れ込ませたのか。
ウッドワードとボールズ両記者はこの「犯人」について、驚くほど無関心にみえる。あるいは(さらに悪いことだが)おそらく彼らは「犯人」を知っており、その人物を守ることにしたのかもしれない。いずれしろ、彼らはブリーフィングのために送り込まれた「少将」の名すらも明らかにしていないのだ。なぜ少将の名前を書かないのか。多分、毒物作戦の情報を漏らしたのは彼かその配下だったのだろう。国民はそのどうしようもない男の正体を知らされるのが当然ではないだろうか。
−−−−−アフガン北部でパシュトゥン人迫害強まる(共同通信より)−−−−−−−
 「パシュトゥン人の女に生まれてきたというのに、わが娘たちはハザラ人どもに陵辱されおった。もはや嫁のもらい手なぞない。この子たちの人生はおしまいだよ」。アフガニスタン北部マザリシャリフ郊外のバルフ地区にあるパシュトゥン人居住地アカベグダム村。ほそぼそと農業を営むジャマルディンさん(60)の土壁の家に、ハザラ人部隊の兵士5人が押し入ったのは1月下旬の夜だった。
 タリバン政権崩壊後、アフガン北部では、タリバンを構成していた主要民族であるパシュトゥン人への、他民族による迫害が後を絶たない。タリバン時代に血で血を洗う戦闘を続けたハザラ人やウズベク人など他民族のおん念が一気に噴き出た形で、本格的な民族浄化を恐れるパシュトゥン人は外出もままならず、ひっそりと息を潜めるように暮らしている。
 アカベグダム村に隣接するサイダアバード村では、カユムさん(80)とハラクダッドさん(35)の親子が昨年12月、ハザラ人部隊に襲われた。手投げ弾の爆発で父は腰に、息子は足に裂傷を負った。
 「武器の捜索だと言って家に入ってきて、金を要求された。5千万アフガニ(約18万円)とじゅうたんを差し出したが、2晩居座り、食料を食べ尽くした末に、大暴れだ」とカユムさんが憤る。
 同村には、隣接するジョージャン州の州都シェベルガーンから、パシュトゥン人の11家族が親類や友人を頼って逃れてきた。その一人モハマド・ガウスさん(30)は「少なくとも50―百人がウズベク人に殺された。逃げられたわれわれは本当に運が良かった。このまま放っておけば、そのうち大虐殺が起きる」と心配そうに語る。
 アフガン北部でのパシュトゥン人迫害については、米国の国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが七日、殺人や集団暴行が頻発しているとして、国際治安支援部隊(ISAF)の増強配備を促す声明を出している。
 同村の長老シール・モハマドさん(70)に、「こんな状態が続くようなら、タリバンに戻ってきてほしいか」と聞いてみた。
 「いや、いや、タリバンは対立をあおるからいかん。米国の犬どもの方がましだよ」と、皮肉を込めて暫定政権を評価した後、続けた。「民族間の対立を解決するには、すべての勢力から武器を回収するしか方法はない。武装が続く限り、この問題は終わらない」 アフガンの民族和解の道は遠く険しい。


■  3/7
 ロイター通信によると、アフガニスタン東部で米軍のB52爆撃機が、タリバンやアルカイダの拠点を標的とする空爆を再開した。7日の空爆は前日より規模を拡大して行われ、前日には余り見られなかったB52爆撃機が再び確認された。このほか、F16ジェット機や攻撃ヘリコプターが投入された。これはじゅうたん爆撃が行われ、また、空からの無抵抗な人々への狙い撃ちが行われていることを意味している。
 米軍当局者は昨日の戦闘だけでアルカイダ兵とタリバン兵とその家族100人が死亡したことを明らかにした。米はこれによって自らの戦争犯罪を暴露した。非戦闘員に対する殺戮行為はジュネーブ協定違反の明確な戦争犯罪である。家族は戦闘員ではないし、ましてや子どもたちにどのような罪もない。米はいまだに、タリバンやアルカイダはいうまでもなく、オサマビンラディン氏の罪状さえ明確にしないまま、「捕獲」作戦と殺戮行為を続けているのである。

   アフガニスタンからの報道によると、同国東部パクティカ州バルマル地区のイスラム霊廟で7日、米軍機による空爆で民間人23人が死亡した。このうち半数以上が女性や子どもだったと見られる。 16人という情報もある。アフガン・イスラム通信(AIP)によると、犠牲者は、アルカイダとの関係を疑われて米軍に逮捕されたアフガン人の家族や友人。釈放を祈願していたという。


■  3/6
 米当局者は6日、パクティア州ガルデズ近郊に200〜300人の米兵と攻撃ヘリなどを増派したことを明らかにした。増派された攻撃ヘリは、5機の「コブラ」と10機前後の「アパッチ」で、数機のA10攻撃機も投入された。現地の米兵は増派によって1200人前後となり、米軍を支援する反タリバン勢力も約5000人に兵力を増強しつつある。一帯では地上攻勢に加え、激しい空爆が続いている。
 一方、アフガン駐留の米軍当局者によると、アルカイダとタリバンは計500人以上が戦闘で死亡、少なくとも半分以下の兵力になったとしている。


■  3/4
 米軍は4日もアフガニスタン東部のアルカイダ兵がたてこもる洞窟への激しい空爆と地上戦を続行。その中で、戦闘ヘリ2機が撃墜され、米軍兵士が少なくとも8人が死亡。そのため米軍は今後の侵略軍事作戦を、再び空爆中心に変更する模様。
 また、フランス国防省は、過去24時間に実施されたアフガニスタン東部のアルカイダの3つの攻撃目標に対する空爆に、フランス軍戦闘機が参加したことを明らかにした。アフガン空爆開始以降フランスが正式に空爆への参加を表明したのは初めて。フランス国防省は声明を発表し、空母シャルルドゴールから発進した戦闘機のほか、キルギスタンの基地から発進したミラージュ戦闘機がこの空爆に参加したとしたと述べた。
 米軍が「アナコンダ」と命名した今回の作戦は、アフガン東部ガルデズ周辺の洞くつに潜むテロ組織アルカイダやイスラム原理主義組織タリバンの残党掃討が目的だが、現地は標高2000メートル以上とみられ、空気が薄いため軍用ヘリの機能は低下している。ラムズフェルド国防長官は「人間だけでなく、ヘリにも厳しい環境だ」と語った。米紙によると、現地の米軍は塹壕も掘らずに前進しようとした模様で、残存勢力の戦闘能力を甘く見たようだ。現地からの報道によると、戦術の見直しを迫られた米軍は、当面空爆によって洞くつを攻撃、アルカイダの抵抗を弱める方針だ。
 4日、フィリピンでの軍事作戦を展開中の米軍は、特殊部隊のグリーンベレーが、フィリピン・バシラン島にあるイスラム過激派が拠点としていた密林地帯で探査・捜索の軍事行動を行い、同組織掃討を目指す軍事演習を本格的に開始した。この日の調査には、米軍兵士少なくとも9人と200人規模のフィリピン海兵部隊が参加した。フィリピン軍関係者はロイター通信に対し、「訓練が始まった」と述べた。また、同島の他の地域も、同様の作戦が実施されたとみられている。


■  3/3
 この日のアフガニスタン東部ガルデス近郊への空爆で、米軍は、新型特殊大型兵器「サーモバリック」(熱圧爆弾)を初めて使用。B52から2発を投下した。この熱圧爆弾は、起爆すると爆薬が拡散し高熱の熱風と強い衝撃波を生み出す、きわめて殺傷力が強い爆弾。洞くつや地下施設に潜む敵は、高熱と激しい衝撃波にさらされるうえ、内部の酸素が奪われて窒息死にも至るという、非人道兵器の見本のような大型爆弾。米軍は、アフガン侵略戦争に突入してすぐに、洞くつに潜む敵を殺傷するため、この新型爆弾の開発に着手し、昨年12月下旬に実験に成功したシロモノ。
 更に、米軍はこの新型爆弾投下だけでなく、B52、B1爆撃機、F15、戦闘ヘリ「アパッチ」等を大量投入しての大規模空爆も行っている。また、地上でも激しい戦闘が継続された。前日から始まった空爆で、米軍は、270発以上の爆弾を投下。また地上戦には、米軍だけでなく、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリア、デンマーク、ノルウェーの各部隊も参加し、米軍と共に、アルカイダ兵等との戦闘に加わっている。


■  3/2
 1日未明から2日にかけて、米軍は昨年10月7日の空爆開始以来最大規模の空爆と地上戦を開始した。東部パクティア州の州都ガルデス近郊に激しい空爆を加え、また、同地区に潜伏しているとされているアルカイダ兵等との地上戦に、アフガン侵攻作戦後初めて大量の米正規軍を投入した。投入された正規軍の規模は、第101空挺師団等の2千人以上。米軍は今後数日間は、同様の大規模攻撃を継続する計画という。

■  3/1
  米国務省は1日、「国際麻薬統制戦略報告」(02年版)を発表した。アフガニスタンでは旧タリバン政権下でケシ栽培が禁止され、アヘンの生産量が激減したが、同報告書は「アフガンの農業関係者はタリバン政権の崩壊をよいことにケシ栽培を再開した形跡がある」と指摘、今年1月にケシ栽培禁止令を出したアフガン暫定政権の対応に注目している。また、世界屈指のケシ栽培国だったアフガンは在庫が豊富で、麻薬類の取引は減っていないという。同報告書によると、00年のアフガンのケシ栽培面積は6万4510ヘクタールで、推定3656トンのケシが生産された。同年7月にタリバンの最高指導者オマル師がケシ栽培を禁じた結果、01年の栽培面積は1685ヘクタール、推定生産量は74トンに激減した。
 01年の栽培面積のうち1600ヘクタールは反タリバン連合(北部同盟)の支配地域で、タリバン支配地域での栽培は、わずか85ヘクタール。タリバン支配地域ではケシ栽培がほぼ根絶されいたわけで、米軍の侵略戦争でタリバン政権を崩壊させたがために、ケシ栽培が大量に復活した。それを米国務省が認めたのである。
 ブッシュ米政権は1日までに、米軍部隊数百人規模をアラビア半島南部のイエメンに派遣することを決定した。テロ組織アル・カーイダの残党掃討を目的に、イエメン軍を訓練するとともに助言を与える。1日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が米軍幹部の話として報じ、イエメン政府高官もロイター通信に対し、米部隊が近く到着すると語っている。報道によると、イエメンでの作戦は、現在フィリピンで行われているテロ掃討合同軍事訓練と同様の形態で、600人程度になる見通し。

● 3/1 「被害報道日誌」ではアメリカのアフガンへの空爆開始以降、主としてアフガニスタンの被害を中心にレポートしてきましたが、アメリカの軍事行動が「対テロ作戦の第二段階」に入り、フィリピン、コロンビア、グルジア、イエメンへと急速に拡大し、イラクへの侵攻も予想されることから、これらの国々への軍事介入・戦争の状況も限定的に伝えていきます。

■ 2/28
 AP通信によると、キューバ南東部グアンタナモ米海軍基地に収容中のテロ組織アル・カーイダ兵士ら300人のうち、3分の2近い190人が28日までに、ハンガーストライキを始めた。収容者の抗議行動は米軍による基地移送以来初めてである。ハンストが起きたのは、米軍監視兵2人が26日夜、イスラム教の礼拝中だった収容者のターバンを強引にはぎ取ったためで、捕虜達の生活慣習や自尊心を踏みにじる人権蹂躙である。米軍側は「中に凶器を隠す危険性がある」として、ターバン着用を禁じていたが、収容者たちは配給品のタオルやシーツをターバンにして着用していた。ハンスト参加者は徐々に増えており、収容所の責任者レナート准将は28日夜、所内の拡声器で急きょ着用を認める放送を流した。
 AP通信によれば、アフガニスタンの首都カブール東方約65キロのサロビの小学校に28日、迫撃砲弾が落下して児童1人が死亡、同30人が負傷した。死傷したのは全員男子だった。何者による砲撃かは特定されていない。いずれにしても暫定行政機構による支配とそれに反発する地元勢力との抗争の犠牲になったのは間違いない。


■  2/27
 2/27、アメリカが、グルジアに対して、対テロ対策として特殊部隊の派遣を検討していることが明らかになった。グルジアの特殊部隊員600人に訓練を施すといわれ、100〜200人の規模になるとされる。すでにこの日軍事代表団がグルジアの首都トビリシに入り、協議を始めている。これが実施されると、アフガン、フィリピンに次ぐ米の対テロの軍事行動である。ロシアのイワノフ外相はこれを非難した。

■  2/26
 2月19日付けニューヨーク・タイムズ紙によって米国防総省内部の「ブラック・プロパガンダ」専門部局の存在が暴露された問題で、ラムズフェルト国防長官は26日、専門部局を廃止することを決定した。この問題は、同省内に世論操作用の偽情報を組織的に垂れ流す新部局「戦略影響局」が設置され、同盟国を含めて「テロとの戦争」を首尾良く遂行するプロパガンダを系統的に配信する計画だったというものである。テロ後の11月に設置されアフガニスタンで宣伝用のチラシなどを発行していた。ラムズフェルトは、「偽情報は流すが、同盟国は欺くことはない」「局は作ったが偽情報は流していない」等々といいわけをしていた。もちろんこの廃止自身がどこまで本当か疑わしいし、マスコミ統制、情報操作は他の部局で続けるという。しかし、戦争賛美一色であった米マスコミの中からこのような暴露がなされたことはブッシュの「悪の枢軸」発言への批判や反発がアメリカ国内でも生まれ始めていることを示している。
 国際麻薬統制委員会(国連関連機関)は2/26、2001年の年次報告書を提出し、アフガニスタンでアヘン生産が世界一になる危険性を指摘した。タリバン政権のもとで2000年7月に出されたケシ栽培禁止令で、2001年のケシ収穫量は前年比1/10に激減していたが、北部同盟の支配地域の拡大によって、ケシ栽培は急増している。アメリカは、内戦や難民増、飢餓を拡大しただけでなく、麻薬をも拡大させたのである。

■  2/25
 アメリカの人権団体「ヒューマンライツウォッチ」は、暫定政権内の抗争や治安の悪化、盗賊や強盗の横行、米軍の爆撃を恐れ、帰国をためらっているという報告書を発表した。パキスタン、イランが国境を封鎖していることを非難し、国際機関には難民の帰還を急がないように求めている。報告書によれば、この数週間だけで新たな難民が数万人流入している。

■  2/22
 コロンビアでは、38年に及ぶ和平プロセスをうち切り、米の支援を受けた国軍が、コロンビア革命軍(FARC)支配地域に大規模な空爆を行い、侵攻を強めている。ブッシュ大統領は、22日コロンビア国軍への軍事支援を強化する方針を打ち出した。すでに米は10億ドルもの資金を「麻薬撲滅」と称してつぎ込んできたが、本格的な軍事支援の検討に入っっている。9.11テロ後、対コロンビア軍支援を拡大し、昨年11月頃国軍のレーダー施設建設に協力し、緊急展開部隊の軍事訓練を指導してきた。今年一月には攻撃用ヘリなどを14機を供与した。そして2月に入って兵士の装備と訓練に1億ドルの追加拠出を決めている。

■  2/19
 時事通信によれば米軍がアフガニスタンからキューバのグァンタナモ米海軍基地に移送したタリバンやテロ組織アルカイダの兵士のうち、英国人2人とオーストラリア人1人の家族が19日、拘束を続ける法的根拠はないとして司法省を相手取り、3人の釈放を求める訴訟をワシントンの連邦地裁に起こした。グァンタナモには現在約300人のタリバン、アルカイダ兵が拘束されているが拘束者側からこの種の訴えが起こされたのは初めてである。原告側は3人は裁判を受けることも、弁護士と接触することもなく、違法に拘束されていると指摘。3人がタリバンやアルカイダの兵士であるとしても、ジュネーブ条約で各種の権利を保障された戦争捕虜として扱うべきだと主張している。

■  2/17
 遂にブッシュ大統領が来日した。今後の「対テロ」戦争への日本の協力を要請し、米のアフガニスタン戦争への協力への「謝意」を表わしに。来日直前、アラスカ州のエルメンドルフ空軍基地での演説では、名指しこそしなかったが、北朝鮮、イラン、イラクの「行い」を正すために「圧力をかけ続ける」と。さらに、「アメリカは自由を守るためにはなんでもする」といつものように軍事行動を示唆した。
 来日と同日に、アメリカは、フィリピンで第二の戦争を開始した。米特殊部隊30人がフィリピン南部のバシラン島に始めて入り、いよいよアブサヤフとの本格的戦闘が始まった。この日バシラン島入りした米兵の多くは、沖縄トリイ通信施設所属のエリート特殊部隊員。このゲリラ狩りである米比合同軍事演習「バリカタン02−1」には、最終的に米軍兵士160人がバシラン島入りし、フィリピン軍3800人と共にジャングルで演習と称した激しい戦闘をする予定。米軍兵士は、あくまで「演習」と言っているが、ヘリに乗りこむ直前の米軍兵士は、「演習なんかのために来たのではない。軍事作戦で来たのだ」と本音を漏らす。そして「いよいよスタートだ。戦いだ。」と。
 16日に起きたアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)の銃撃戦は、武装グループによる襲撃との報道だったが、実は、現地民間人への誤射であることがわかった。被害を受けたのは、現場近くで産気づいた妻を病院まで運ぼうとした家族に向けての国際治安支援部隊(ISAF)側の誤射。この妻の夫の弟が死亡し、夫や妻を含め家族4人が負傷した。


■  2/16
 アフガニスタン暫定政権は、先日の航空・観光相の殺害は複数の政府高官が関与する暗殺だったと発表。暫定政権が発表した殺害犯は、全て政権内の元マスード国防相派。殺された航空・観光相は、元マスード派であったが、国王派に鞍替えした人物。政権内に深刻な対立があることが浮き彫りに。
 16日夜、マザリシャリフ近郊で、ドスタム将軍派とラバニ元大統領派が再び交戦し、地元の援助団体の倉庫が被弾。

■  2/15
 国連難民高等弁務官事務所は、過去1週間に、略奪行為や、民族間の紛争、食糧不足などで、アフガニスタンからパキスタンへの難民の流入が1万人を超えることを明らかにした。難民の多くはパシュトゥン人。ジャノウスキー報道官は、記者会見で「パキスタン南西部で、略奪行為、対抗民族の報復などから逃れるアフガニスタン人の大移動が見られる。」と述べた。

■  2/14
 アメリカとイギリスは共同で、アメリカのネバダ州の地下核実験場で、未臨界核実験を行った。米国による実験は、97年7月から16回目で、ブッシュ政権になって以降は3回目。イギリスは、始めての未臨界核実験となる。
 実験の目的は、長期保有の核兵器の破壊力が維持されているかの検証。包括的核実験禁止条約(CTBT)の抜け穴。
 日本の国内でもすぐさま、米・英に抗議が巻き起こる。広島の平和資料館の館長は、怒りを込めて次のように語った。「わずか半年で3回も核実験が実施された。だんだん間隔が短くなっており、怒りを覚える。」
 カブール空港で、アフガニスタン暫定行政機構のアブドル・ラフマン航空・観光相が殺された。AFP通信などが伝えたところによると、サウジアラビアの聖地メッカへの巡礼に向かう飛行機を3日以上空港で待たされた人達が、航空相が、インドの家族に会いに行くために航空機を一人で利用しようとしたことに、怒りが爆発した模様。待たされた人達は千人以上に上り、高齢の巡礼者は、寒さに耐えきれず、4人が死亡したと言う。


■  2/13
 テロ対策特別措置法に基づく米軍などの軍事行動支援のため、昨年11月にインド洋へ派遣された艦隊と一部交代する第二次艦隊として、海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)の護衛艦「さわかぜ」(3950トン)が13日朝、佐世保港を出航した。第二次艦隊3隻の乗員総数は約700人。すでに12日に京都・舞鶴基地の護衛艦「はるな」、神奈川・横須賀基地の補給艦「ときわ」の2隻が出航しており、日本近海で合流する。佐世保や舞鶴では抗議行動が行われた。インド洋北部アラビア海では現在、海自の補給艦2隻、護衛艦3隻が派遣され、12月2日より米艦艇への燃料補給を支援している。言うまでもなく、日本は12月以降に行われた米軍による空爆と殺戮、現在の「捕捉作戦」について、そして今後の米軍によって引き起こされる被害について直接に共犯者として責任を負わなければならない。
 アメリカでは、米軍によるアフガニスタンの犠牲者への補償を要求する運動が始まっている。米国の人権団体「グローバル・エクスチェンジ」はアフガニスタンの被害者約10人とともに2月13日、カブールの米大使館に補償を求める要望書を提出した。同団体は空爆が行われた地域で「誤爆」の実態調査を進め、補償要求を拡大していこうとしている。

■  2/11
 11日付の米紙ワシントン・ポストは、4日に米無人偵察機がアルカイダとみられるグループをアフガニスタン東部ザワルで攻撃して死者が出たとされる問題で、死亡した人々が一般市民だったとする現地からの証言を伝えた。同紙記者がザワルに入り、村人の証言として報じた。それによると、現場で死亡した三人はアルカイダの隠れ家とみられた場所でくず鉄を集めていた近隣の村民。ウサマ・ビンラディン氏ではないかと疑われた「長身の男性」はミル・アハマドという名前の五人の子持ち男性だったという。現場は米軍部隊が封鎖して近づけないが、同紙は米軍が攻撃の際に頼りにしている情報源は「信頼度が低い」とする地元治安部隊関係者の証言を伝え、誤爆の可能性を強く示唆した。

■  2/10
 空爆のもたらしたもの―子供たちの人身売買の横行―
 国際赤十字のイスラマバード事務所は、アフガニスタン西部の現地調査をまとめた。それによると、調査したのは12の村落。そこでは、たった100キロの小麦と引き換えにわずか10歳の少女が「花嫁」として売られていたり、子供たちが木の根を食べて飢えをしのいでいる姿も目撃。調査した12の村落の住民約1万人の中に、孤児が510人、夫を失った女性が261人、海外の親戚からの送金に頼っている高齢者が699人に上っていた。
 2月10日付の朝日新聞に掲載された写真では、アフガニスタン北部の難民キャンプの男性の姿が映し出されていた。彼は、2歳の息子をわずか約30ドル(4000円)で隣村に売ったという。


■  2/8
 米のラムズフェルド国防長官は、タリバン兵やアルカイダ兵の捕虜の処遇に関して、今後も「全く変わりがない」と言明し、全世界から批判が噴出しているにもかかわらず、虐待を続行することを言明。更に、前日、ブッシュ大統領が「ジュネーブ条約をタリバン兵には適用」としたことは、今後、米が戦争を拡大し、米軍兵士が捕虜となった場合に、ジュネーブ条約に従って処遇されるようにするための布石であることも明らかにした。(なんと身勝手極まりない国際法解釈。米に敵対した兵士捕虜は軍隊の兵士ではないなどの難癖をつけ虐待し、自軍兵士の捕虜には、厳格なジュネーブ条約の適用を求める!!!あきれかえるばかり。)

■  2/7
 ブッシュ政権は、アフガニスタンで捕らえたタリバン兵、アルカイダ兵などに、捕虜資格を否定し、今まで通りの虐待を続けることを言明。米の人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は直ちに抗議声明を出した。
 2月7日付朝日新聞に、ヘラート北西にある世界最大規模のマスラック難民キャンプの様子が写真入りで紹介された。ユニセフ・ヘラート事務所によると、約7万世帯35万人が土作りの家やテントで生活し、今なお難民は増え続けていると言う。食糧配給所には、容器を手にした子供達の長い行列ができ、夜は零下の寒さになると言う。


■  2/6
 米CBSテレビは、4日にCIAの無人偵察機が、アフガニスタン東部ザワル地区のアルカイダと見られるグループをミサイルで攻撃し、3人を死亡させたと報道。
 米中央軍司令部は、先月23日に米特殊部隊がカンダハル北方のウルズガンで行った急襲作戦の際、住民27人をタリバン兵と誤認し拘束してしまったと発表。27人は、6日、アフガン司法当局に引き渡した。またこの急襲作戦で、少なくとも15人がタリバンとは無関係なのに殺された。
 米ブッシュ政権内で、最も対イラク攻撃に慎重であったパウエル国務長官が、「考えうる最も深刻な行動もありえる」「米国だけで行わなければならない」と、米国単独でもイラクへの本格的軍事行動に踏み切ることを示唆。


■  2/4
 米英軍は、イラク北部主要都市モスルの民間施設を爆撃し、民間人4人を死亡させた。
 ブッシュ政権は、03会計年度の予算教書を発表した。既報の通り、国防予算が突出した伸びを見せた「戦時予算」。軍事費は、総額で3790億ドルを計上(約50兆円)。全年度実績見込みからは480億ドルも伸び、前年度予算教書と比べると22%増という信じられないほど軍事に傾斜した予算となっている。更にこの軍事費とは別に、国内の安全保障対策費として377億ドルも計上(約5兆円)。この軍事予算の中身としては、兵器近代化に重点が置かれ、新兵器の調達として、前年度比13%増の687億ドル、研究開発費として、前年度比10%増の550億ドルとなっている。中心となるのは、アフガニスタン戦争で威力を発揮した無人偵察機グローバルホークやプレデターの性能向上や追加購入(約10億ドル)、トライデント型潜水艦を「トマホーク」搭載型に変更(約10億ドル)、レーザー連動型の精密誘導爆弾の開発(約10億ドル)、無人戦闘機の開発、次期主力戦闘機F22の23機購入(約46億ドル)、次期支援戦闘機「JSF」開発(約35億ドル)、等々。また、ミサイル防衛関連としては、研究開発費に78億ドル投入、更に、アフガニスタン以後の戦争予備費として94億ドルの特別枠を創設。これだけでも信じられないほどの巨額の軍事予算であるにもかかわらず、更に、今後5年間で1200億ドルも増額することも同時に計画している。何がなんでも戦争をし、兵器を購入し、アメリカの巨大軍産複合体に巨額の金を惜しげもなく撒き散らそうとするとんでもない予算。そのもとで世界の民衆がどれだけ殺されるのであろうか。
 2月4日付のパキスタンの英字紙ステーツマンは、米英軍の空爆でアフガニスタン全土の学校約2200校の内、8割以上に当る約1800校の校舎が破壊され、使用不可能になっているというアフガニスタン教育省の調査結果を報道した。カブールやカンダハルでの破壊が特にひどく、教員や文具のなどの不足も深刻で、学校教育はほぼ壊滅状態。
 フィリピン国軍は、4日、南部ホロ島でのヘリコプターを使っての攻撃でアブサヤフ等のゲリラ15人を殺したと発表。(2月1日の1人殺害に続いて)いよいよアフガニスタンに続く第2戦線でも戦闘は激化し始めた。


■  2/2
 ロイター通信が2日伝えたところによると、アフガニスタン北部のバルフ州で1日、ラバニ元大統領派と暫定政権国防次官のドスタム将軍派の部隊の間で戦闘が起き、約40人が死亡した。戦闘は2日までに収束し、両派が和解に向けた交渉に入った。両派は同州などでのタリバン追放に貢献したが、追放後の支配権などをめぐり対立していたという。カブール市内で殺人・強盗などの凶悪犯が頻発しているという情報もある(朝日新聞)。
 暫定政権、「復興会議」が始まったことによって、群雄割拠状態にある地元の実行支配勢力との間での軋轢を生み出し、復興や安定どころか、内戦や紛争の頻発という事態が生じている。 
 米太平洋軍ブレア司令官は、毎年5月に実施しているタイとの合同軍事演習コブラゴールドについて、「対テロ作戦」を演習に付け加えると語った。すでに始まっているフィリピンとの軍事演習バリカタンとともに大規模なアジア対テロ作戦、軍事介入に発展する危険性がある。


■  2/1
 米政府高官は1日、米軍が1月23日にアフガニスタンのタリバン兵士と判断して殺害した15人の中に、タリバンとは関係がなく、本来なら攻撃対象にならない人々が含まれていた可能性が高いことを明らかにした。米高官は、15人のうち何人かは暫定政権の支持者だったと思われると語り、誤認による殺害の可能性を認めた
 アムネスティ・インターナショナルは、1日、アフガニスタン国内で拘束されている数千人の捕虜が、食糧や衣料品、また厳しい冬から守るシェルターも与えられずに生命の危機にある、との見解を明らかにした。アムネスティは、発表した声明のなかで、「拘留施設への訪問者から、拘留施設は危険なまでに込み合っており、適切な食糧、衣料品を与えられず、また冬の厳しい寒さから守られていない、との報告を受けている」と述べた。また1/28のレポートでは北部シェベルガンの収容所には800人の施設に3000人が詰め込まれ、多数の死者が出ているとし捕虜の悲惨な扱いをつづっている。アムネスティは、アフガニスタンの暫定行政機構を発足させたボン会議の合意に基づき、正式には同機構が拘留施設に責任を持つべきだとする一方で、捕虜の身柄を引き渡した米国政府も、拘留施設の扱いには国際法に基づく責任がある、としている。
http://www.amnesty.org(アムネスティ)
http://www.web.amnesty.org/web/news.nsf/thisweek?openview(2/1プレスリリース)
http://www.phrusa.org/research/afghanistan/report.html(1/28のレポート)

http://www.phrusa.org/research/afghanistan/photos_jan02.html(捕虜収容所の写真)

■ 1/31
 
 アフガン・イスラム通信(AIP)が伝えたところによると、アフガニスタン東部パクティア州で州知事派と武力衝突していた地元の意思決定機関である評議会(シューラ)当局者は1月31日、暫定政権が任命したパチャハン・ザドラン知事を州都ガルデスから追放したと言明した。同当局者は「ガルデスは完全に評議会の支配下にある」としている。地元有力者や聖職者らからなる評議会が勝利したとすれば、暫定政権でアフガンを支配しようとする米の意図はスタート時点で破綻していることになる。
 AIPによると、30日と31日の2日間の戦闘で、最大で50人が死亡し、20人が負傷。暫定政権関係者によると、100人以上が死亡したとの情報もある。

■  1/30
 ラムズフェルド米国防長官は30日の会見で、ブッシュ大統領が一般教書演説で示唆した北朝鮮に対する軍事行動の可能性について、「世界が我々に決断を迫り、大統領が決断すれば、米国は懸案を解決する態勢に入る」と北朝鮮に強い警告を発した。マイヤーズ統合参謀本部議長はこれに関連し、アフガニスタンでも大量使用された精密誘導兵器の増産を米軍が発注したことも明らかにした。
 日本の「不審船事件」による北朝鮮脅威の扇動は米の意図と一致していることがますます明らかになってきた。

■  1/29
 米・フィリピン両軍は、1月31日からアブサヤフ掃討の軍事作戦を展開する合同軍事演習「バリカタン02−1」を本格実施することを発表した。この軍事作戦期間は少なくても6か月以上。そして、最終的には、米軍は特殊部隊を中心に650人が参加する。表向きは、米軍は対テロ作戦のノウハウをフィリピン軍に伝えるとしているが、事実上はフィリピン軍と一緒になって、アブサヤフ掃討作戦を担う。実際、作戦中は、アブサヤフの本拠地と言われるサンボアンガ沖のバシラン島に何度も上陸作戦を行う。(この作戦は明らかにフィリピンの憲法違反。フィリピンは、憲法で外国軍のフィリピン国内での長期駐留や国内での交戦を禁止している。)
ブッシュ大統領は29日、連邦議会の上下両院合同本会議で就任後初の一般教書演説を行い、〈1〉国防予算の大幅増を伴う反テロ戦争の断固遂行〈2〉本土防衛の強化を、景気対策と並ぶ重要な柱として提起した。大統領は、北朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸」と位置づけ、反テロ戦争の対象とし得ることを示唆した。


■  1/28
 カンダハルからの情報によると、米軍特殊部隊とカンダハルの治安部隊は28日、「アルカイダ」メンバー6人が立てこもるカンダハル市内の病院を急襲した。6人全員が死亡した。特殊部隊は同日未明に周辺の道路を封鎖し、病院内や屋根に展開。治安当局者は投降交渉の期限を設定し説得したが、投降に応じなかったため、特殊部隊とカンダハル治安部隊が突入した。ロイター通信によると、大きな爆発音が5回起こり、銃撃戦が続いたという。6人は「近づけば手りゅう弾で自爆する」と威かくしていたことから、自爆した可能性もあると言われている。
  オーストラリアの南オーストラリア州ウーメラ難民収容センターで、収容期間の長期化や施設内の待遇に不満を募らせた不法入国者が18日から、ハンガーストライキを行っている。 移民省によると、ハンストに入ったのはアフガニスタンやイラク、イランなどから入国した259人。この動きは他州の収容センターにも飛び火し、西オーストラリア州の2カ所で約20人がハンストを開始した。 


■  1/27
 ラムズフェルド米国防長官は、アフガニスタンから移送されたアルカイダやタリバンの兵士ら158人が収容されているキューバのグアンタナモ米海軍基地を訪問し、同基地で拘束されている兵士らを戦争捕虜とは認めない考えを示した。同長官は同行した記者らに対し、「彼らは戦争捕虜ではないし、捕虜と認められることもないだろう」と述べた。
 米各紙は週末、捕虜の認定をめぐりブッシュ政権内で協議が行われたと報じたが、チェイニー副大統領はABCのテレビ番組で、政権内では戦争捕虜と認定しないとの考えで一致していると述べた。


■  1/25
 スタッフルビーム統合作戦副部長は、24日に、AC130攻撃機で、タリバンの武器庫を破壊したことを明らかにした。

■  1/24
 ラムズフェルド国防長官は、「我々は、(アフガン復興の)プロセスに参加し、支援する義務がある」と、少なくとも6月まではアフガニスタンに米軍が駐留することを言明した。
 ニューヨークタイムスによると、アフガニスタン南部で24日、米軍が暫定政権の関係施設を誤って攻撃した可能性が高いことが、地元住民の話で明らかになった。米国防総省はタリバンかアルカイダの施設に対する攻撃で、正当な軍事目標だと説明した。しかし、地元住民によると、この施設は依然タリバンが利用していたが、現在は暫定政権が利用している。目撃者によると米軍の攻撃後現場に十数人の死体があったという(朝日新聞)。
 ロイター通信によると ラムズフェルド米国防長官は、アフガニスタンに展開中の米特殊部隊が同国南部で武装組織関連施設2カ所を攻撃し、タリバン兵15人前後が死亡し、27人が捕虜となったことを明らかにした。米特殊部隊の兵士1人も負傷した、という。同国防長官は、同国南部の都市、カンダハルの北部での米特殊部隊の軍事作戦により、タリバン政権とアルカイダの崩壊にもかかわらず、アフガン国内には依然として抵抗地域が散在することが示された、との見解を示した。
 同国防長官およびマイヤーズ統合参謀本部議長は、この攻撃で死亡したタリバン兵の数については明らかにしなかったが、同議長は27人が捕虜となり、米兵1人が足首に負傷を負ったことを明らかにした。複数の国防総省筋は匿名で、タリバン兵15人前後が死亡した、と述べた
(ニューヨークタイムスとロイターの報道が同じ事件のことか、別の事件のことかは不明。)


■  1/23
 米ブッシュ政権は、03会計年度の軍事予算を480億ドル、日本円にして約6兆4500億円、率にしてなんと15%もの大幅増額することを明らかにした。この増額分は、戦争準備金に100億ドルの他、新型兵器購入やミサイル防衛に当てるとしている。これで、米の03会計年度の軍事予算は総額3800億ドル、日本円にして約51兆円という途方もない予算となる。同日ワシントンで講演したブッシュ大統領は、「我々のテロとの戦いはアフガニスタンで始まったが、そこでは終わらない。テロとの戦いに勝つためには最新兵器が必要だ」と語り、今後も次々と戦争を行うことを再度宣言した。02会計年度に260億ドル増と冷戦終了後最大の増額をしておきながら、これをはるかに上回る軍事予算の増額要求となっている。アフガニスタン始め全世界に戦争をしかけ、途上国の人民の命を次々と奪うことで、肥え太るブッシュ政権と米軍部、そして米の巨大軍需独占体の姿がまたも露骨に出てきた。

■  1/21
 米・英軍は、イラク南部の対空砲火施設を空爆。
   空爆と飢えと零下の寒さに苦しめられているアフガニスタン民衆を置き去りにして、アメリカ、日本、欧州の醜い主導権争いが繰り広げられる「アフガニスタン復興支援国際会議」が東京で始まった。
 まずなんといっても、3ヶ月以上に及ぶ連日の空爆で、アフガニスタン民衆の多数を殺害し、カブール、カンダハルなど多くの都市を破壊し尽くし、農業・水資源などをズタズタにしておきながら、その張本人たちが「復興」を担うとは「喜劇」以外の何物でもない。最大の破壊者・米は、自国の支出を極力押さえ同盟国に負担を押しつけながら、政治的意図を貫徹しようとしている。復興の目的が「テロの温床をなくす」とされていること自身、この「復興計画」がアフガニスタンの人々のためではなく、破壊者達のためのものであることを示している。
「復興会議」が始まった途端に、新聞各紙が一斉に、これまで押さえられてきたアフガンの被害の状況を、特に物品の損壊状況を報じ始めた印象がある。それを端的に物語るのが、1月20日付朝日新聞に載った病院長の言葉だ。アフガニスタンで最高の医療水準を持つというカブール陸軍病院のアザール・シアワシ院長はまず真っ先に「この窓ガラスを見てくれ」と叫ぶ。この大病院では、空爆のために窓ガラスが割れ、零下の外気が否応なく吹き付ける。なんとかビニールシートで覆って吹きこむ風を防ぐのに精一杯。この病院では、空爆前は、1000人の入院が可能だったが、現在は150人が限界という。このような状況は、現に空爆が起こっているときにはほとんど報道されてこなかった。破壊した張本人達による好き勝手な「復興援助」のためではなく、空爆の弾劾のために私たちはこのような事実を記録したい。
 この国際会議は、米・日本・欧州がそれぞれの利害をむき出しにして、アフガニスタンへの「援助額」とその内容の駆け引きを行っている。それぞれが「復興支援」という名目で、自国製品の売りこみに躍起になっている。米は農業支援だけに限定し、自国の巨大アグリビジネスの「種まき用種子」を、日本はインフラ整備の名目で土建を、等々数え上げればキリがないほど。醜悪極まりない。
 更にこの国際会議を醜くさせたのが、自らの権益を確保するため、NGOの参加を止めさせようとした日本の外務省の姿である。
 21日朝、アフガン・イスラム通信によると、米軍特殊部隊は、アフガニスタン東部ホースト西10キロのザニケル村をヘリコプター数機で急襲。
 21日付ワシントン・ポストによると、91年にフォートデトリックの米陸軍生物兵器研究施設より、炭疽菌の細菌サンプルが紛失していたことを明らかにした。また、同紙は、炭疽菌事件の犯人として、同施設で働いているか、過去に働いていた科学者の可能性が高いとも報じた。

■  1/20
 AP通信は、米軍ガンタナモ基地での捕虜の写真を公開した。アルカイダ兵の捕虜は、目隠しされ、マスクをつけられ、ひざまずかされていた。すなわち、人間の五感を全て奪われている状態で収容されていた。イギリスの新聞によると、このようにされると幻覚に襲われるようになるという。
 米空軍のC130輸送機3機が、米・フィリピン合同軍事演習「バリカタン02−1」への本格参加に向けミンダナオ島に到着した。いよいよ対テロ訓練という名目での米軍のフィリピン南部諸島での軍事作戦が開始されようとしている。
 アフガニスタンのクンドゥズ州では、反タリバン勢力のラバニ派とドスタム派の間で再び深刻な対立が起こり、11人が死亡する銃撃戦が起こった。

■  1/16
 16日、ラムズフェルド国防長官は、フィリピンでの合同軍事演習、事実上の侵略行動に米軍兵士がすでに250人参加していることを明らかにし、更に、「フィリピンで進行していることは(対テロ戦争が)地球規模の問題であることを明らかにした。」とアフガニスタンに続く軍事行動を開始したことを明らかにした。

■  1/15
 15日より、米・フィリピン合同軍事演習が開始された。いよいよ、軍事演習に名を借りたアフガニスタンに続く第2の米軍の侵略活動が開始された。演習の内容は、対テロ訓練とされているが、事実上、米軍が前線にたっての、フィリピン南部のミンダナオ島、バシラン島でのイスラム武装組織「アブ・サヤフ」掃討の軍事行動。
 それを裏付けるかのように、フィリピンのレイエス国防相は、演習は6月末まで続くが、期間は今年末まで続く可能性がある事を明らかにし、最終的には、米軍は660人参加すると言う。そして、この660人参加する米軍兵士は、ハワイと沖縄の部隊であり、うち演習に直接参加するのは160人。そのほとんどは沖縄のトリイ通信施設の陸軍特殊部隊(グリーンベレー)からの派遣であることも明らかにした。また、国防相は会見の中で「米兵は演習評価のために前線へ行くことができる。自衛のためであれば、銃の携帯と使用も許される」と米軍の軍事行動を容認した。


■  1/14
 米軍は14日、アフガニスタン東部のザワル地区へのこれまでで最大規模の空爆を行った。AP通信は同日の空爆によって、「地元住民を含む多数の死者が出ている」という目撃証言を伝えた。
 同日の会見で、米統合参謀本部スタッフルビーム作戦副部長は、「ここ数日の空爆で、60棟以上の建物と50箇所以上の洞窟を破壊した」と語り、更に、「ザワル・キリ(地区)での作戦は終了し、次なる目標を選定している」と更なる空爆地域の拡大を宣言した。

■  1/12
 米軍は12日朝も、アフガニスタン東部ホースト近郊ザワル地区への空爆を続行した。地元部族長らによると、これまでよりも強力な爆弾を使用しているようだという。周辺住民の多くは避難している。

■  1/11
 11日夜、米軍は東部ホースト近郊ザワル地区への大規模空爆を再開した。
 この空爆再開に抗議して、11日、米軍の大規模空爆が続くアフガニスタン東部ホースト近郊4地区の住民代表が作る地方議会(ジルカ)が、「米軍の爆撃反対」の声明を出した。これら地方議会は、米軍とアフガン暫定政権に対し、「アルカイダやタリバンの部隊はこの地域にはいない。きっちり調べるべきだ。」と空爆の停止と厳密な調査を要求した。
  11日の発表によると、米のテロ犠牲者が2893人と3000人を切ることが明らかになった。米のマーク・ヘラルド教授が集計したアフガニスタンでの民間人の死者は、昨年12月6日現在で3767人とテロ犠牲者を大きく上回る。(驚くべきことに、米国防総省は、米のアフガニスタン空爆を「歴史上最も民間人の犠牲者が少ない戦争」と胸を張っていると言う)(別報告に詳述、そちらを参照して下さい)
 ラムズフェルド国防長官は、11日、アフガニスタンで拘束したアルカイダヤタリバンの兵士に対し、「捕虜ではない。不法な戦闘員であり、ジュネーブ条約に基づく権利はない」と述べ、今後も非人道的な待遇で扱うことを言明した。これらの「捕虜」は、キューバガンタナモ基地への移送の際には、反乱を起こすかもしれないとの口実で、座席に縛り付けられたままで移送された。また、彼らの収容所の独房の広さは、縦1.8メートル、横2.4メートルしかなく、更に鎖で壁につながれている。アムネスティは「人道的処遇の最低基準を満たしていない」と批判している。

■  1/10
 AP通信などに米国防総省が明らかにしたところによると、米軍は、フィリピンに10日までに特殊部隊を派遣した。フィリピンで活動を始めたのは、約20人の特殊部隊の先遣隊で、1週間以内にもフィリピンに到着する本部隊の駐留準備を進めるためという。最終的には、特殊部隊員100人を含む総勢500人規模の米軍の展開になるという。この作戦は、フィリピン国軍と共同で、イスラム武装組織「アブサヤフ」を掃討するためと言う。すでに、昨年11月には、フィリピン国軍に1億ドル掃討の武器供与を決め、C130輸送機、多目的ヘリ8機、ライフル銃3万丁などを供与したという。
 米ブッシュ大統領は、総額3172億ドル(約42兆円)に及ぶ巨額の02会計年度の国防軍事予算と対テロ軍事作戦経費200億ドル支出に署名し成立させた。米の軍事予算は対前年度比260億ドル増(9%増)と冷戦崩壊後最大の増額となった。特にミサイル防衛予算には、対前年度比30億ドル増の80億ドルが認められ、また新たな武器購入費も610億ドルが計上された。更に03会計年度の国防予算案の要求額を02会計年度歳出ベースより200億ドル以上増額すると発表。「テロとの戦い」を合言葉に軍事費の急増が続けられている。

<荒廃のソマリア、おびえる日々―1月10日朝日新聞>
 「すでに先制攻撃を受けた。これは戦争だ。」米国によってソマリア最大の送金会社「アルバラカット」は資産凍結された。現在、国内経済が破綻したソマリアでは、海外に移住した親戚からの送金がソマリアの人達の生活を支えている。このため、米による資産凍結は人々の生活を直撃している。さらに、この資産凍結のあおりを受けて、国内最大の電話回線会社の国際電話が使えなくなり、当然ソマリア最大のインターネット会社も閉鎖状態に追い込まれている。
 さらに、毎日新聞によると、世界食糧計画(WFP)は、近年の相次ぐかんばつと米による資産凍結で、「ソマリア南部では少なくとも50万人が飢餓に陥る」と警告を発したことを明らかにした。


■  1/9
 米軍は、9日夜から10日にかけて、東部パクティア州コスト南西のチャワル周辺を集中的に空爆した。また、100〜150人規模の部隊をヘリで送りこんだ。
 米国防総省は、9日、米の新たな核戦略の概要を発表した。この報告書の中で、将来の地下核実験の再開を想定し、実験準備期間の短縮を勧告。フライシャー報道官は、「将来の実験実施の可能性を排除しない」と述べ、必要とあらば地下核実験再開も辞さないことを宣言した。

■  1/7
 7日、米統合参謀本部スタッフルビーム作戦副部長は、アフガニスタン東部のホースと近郊に集中した大規模空爆を続行していることを明らかにした。6日の空爆では、B52爆撃機、B1爆撃機、空母艦載機など合わせて118機を投入しての大規模空爆。主に、ホーストから30キロ離れたザワラの洞くつ群に空爆を集中しているという。空爆は、この地域に展開している米特殊部隊からの標的情報を基に、「精度の高い」爆弾の投下をしていると強調。

■  1/5
 米軍は5日夜、東部ナンガハル州山岳地帯を6回にわたり空爆。

■  1/4
 4日も、米軍は3日に引き続き、アフガニスタン東部ザワル一帯を激しく空爆。アフガン・イスラム通信が伝えた目撃談によると、これまでに付近の村落で少なくとも住民32人が死亡し、10人以上の負傷者が出ているという。

■  1/3
 米軍は、3日、アフガニスタン東部のホスト近郊に大規模な空爆を行った。B1爆撃機、FA18戦闘機、AC130対地攻撃機を投入した大規模な攻撃。当日記者会見したラムズフェルド国防長官は、「対テロ戦争は初期段階に過ぎない」と今後も継続して空爆を行うことを言明し、「仮にビンラディンやオマルを明日捕まえたとしても、我々の仕事は完了とは程遠い」とアフガニスタン以外への攻撃の拡大もあらためて宣言した。
 ロイター通信が伝えたところによると、国連筋は、12月29〜30日にかけて行われた米軍の大規模空爆で少なくとも52人の民間人が死亡したと発表。米軍高官は、この攻撃はアルカイダの武器庫を狙ったもので民間人への被害はなかったと言い張っていたが、国連のバンカー報道官は、空爆を行った村落には、タリバン又はアルカイダの兵士がいた証拠はなかったと記者会見した。

■  1/2
 国連のアフガニスタン人道援助調整官事務所(UNOCHA)のバンカー報道官によると、パキスタン入国を求める難民4〜5千人がカンダハルに近い国境の町チャマンに突如現れたという。カンダハル周辺の治安の悪化や米軍の空爆からの避難という。さらに、カンダハルで活動するNGOによると、カンダハルの住民の間では、パキスタンに避難を希望する住民が急増しているという。

■  1/1
 米中央軍は、アフガニスタン南部のカンダハル周辺のタリバン施設とオマル師の捜索に向けて、海兵隊約200人と攻撃ヘリを投入。
 アフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に参加するEU12ヶ国の先遣隊が、カブールに到着。この外国人治安部隊を巡っては、その規模、駐留期間、駐留地などを巡って暫定政権内部で深刻な内部対立。また、首都カブールでは、これらの外国人部隊や国連職員、NGO等が殺到し、カブールの高級住宅地の家賃が急騰。空爆開始前の10倍にはねあがった。

■  12/30
 米軍は30日、東部パクティア州のニアジカラ村を戦闘機1機、B52爆撃機、対地攻撃ヘリコプター2機で空爆し、住民100人以上が死亡した。ロイター通信が伝えたところによると、死者の数は107人に上り、負傷者も10人以上になるという。村民らの証言によると、村には、アルカイダやタリバンの関係者はいなかったという。

■  12/29
 米軍は、28日夜から29日未明にかけて、アフガニスタン東部のパクティア州シェカーン村に対し、複数回に渡って空爆を行った。女性、子供を含む少なくとも15人が死亡した。(アフガン・イスラム通信)また、米中東軍は、B1B爆撃機2機が29日、タリバン指導部の施設をミサイル攻撃したと発表。
 アフガニスタンからパキスタンに逃れたアルカイダの多くのメンバーが、パキスタン治安当局だけでなく、米連邦捜査局(FBI)の尋問も受けていることがわかった。FBI捜査員10人がパキスタン北西辺境州コハトの刑務所で尋問を行っているという。 
 日本の警察は、米同時テロ事件後約3ヶ月間にイスラム諸国の外国人約180人を不法残留で検挙した。この内8割はパキスタン人。検挙者は、米英軍が空爆を開始した10月7日以降急増した。検挙は、パキスタン、ウズベキスタン、アフガニスタン、アルジェリア等9ヶ国を重点対象国とし、これらの国々の人の不法残留を名目とした摘発を進めたもの。


■  12/28
 アフガニスタン暫定行政機構からの空爆停止の要求に対し、米のブッシュ大統領は、休暇先のテキサス州で、「米軍のアフガン駐留は長期にわたる」と、空爆停止や撤退には応じない考えをあらためて表明した。
 アフガン・イスラム通信によると、28日、米軍はアフガニスタン東部のコースト周辺で、「アルカイダ兵士を保護してはならない。米軍はアルカイダのいる場所はどこでも空爆する」とのビラを空から大量に投下した。更にビラには、「空爆に苦情を言うことはできない」との脅し文句も付け加えられていた。

■  12/27
    アフガン・イスラム通信によるとアフガニスタン東部のパクティア州ナカ村で27日未明ごろ米軍が激しい空爆を行い、少なくとも住民25人が死亡し、4人が負傷した。犠牲者のほとんどが女性と子供だった。タリバン司令官の自宅を爆撃したとされるが、司令官は不在で、住宅5棟が壊滅した。
    ラムズフェルド米国防長官は二十七日の記者会見で、「組織壊滅のため追わなければならない」と述べ、アフガニスタン東部の山岳地帯トラボラにある洞くつなどの捜索や、同国での空爆を継続すると表明した。米軍による相次ぐ民間人殺戮によって、アフガン暫定政権内部にも空爆停止を求める声が出始めている。米政府はあくまで空爆を継続しようとしている。これは新たな矛盾を生み出すだろう。

■  12/24
大規模空爆再開糾弾!

   米国防総省スポークスマンは、トラボラに対する攻撃を大幅に強化する方針を明らかにするとともに、英独軍と共同で「新たな攻撃」を仕掛ける準備を進めていることを明らかにした。


■  12/23
 米は、B52戦略爆撃機で、アフガニスタン南部カンダハル北方に対する大規模空爆を再開した。波状的な空爆がなされている。洞窟や弾薬集積場が標的とされている模様だが、じゅうたん爆撃によって、民間人の被害は不可避である。

■  12/21
 米軍は、ビンラディン氏の「捕捉作戦」の行き詰まりを見せる中で、再び、民間人を巻き込んだ無差別攻撃、非人道兵器の使用を再開し始めた。
 米統合参謀本部のペース副議長は、米軍のAC―130対地攻撃機とF―14戦闘機などが21日、パキスタン国境に近いアフガニスタン東部パクティア州コストの西方約40キロの地点近郊を移動中のタリバン及びアル・カーイダ部隊を攻撃した、と会見した。AP通信によると、空爆を受けたのは最大12台のトラックを連ねた部隊で、地元目撃者によると少なくとも65人が死亡した。米軍機は、同トラック部隊が出発した施設も爆撃、破壊した。しかし現地からの情報によると、首都カブールへ向かっていた一般市民が攻撃を受け、計65人が死亡したという。誤った情報提供による誤爆の可能性が強まっている。アルカイダの疑いがあるというだけで、移動するものは何でも爆撃するという形で、一般住民が犠牲になっている。
 さらに米国防総省高官は21日、アフガン東部トラボラでのビンラディン氏の組織「アルカイダ」掃討作戦のために、洞くつ内で高熱を発する新型爆弾を使用する方針を明らかにした。毎日新聞によると、爆弾の詳細は不明だが、地中貫通能力が高く、通常の爆弾より爆発力が強い。高熱を発するため、洞くつ内で使用した場合は殺傷力が大きいという。
米英軍のキース報道官は、タリバン兵、アルカイダ兵の捕虜は7000人に達していると発表した。また別の報道で、アフガン人の死者は1万人は下らないとされている。
 AFP通信によれば、ソマリアで、テロに関与したとして8人が逮捕された。


■  12/20
 国連安保理は、「多国籍軍」「国際治安支援部隊」のアフガン派遣を全会一致で採択した。英多国籍軍がアフガン入りした。

■  12/19
 米軍は、ビン・ラディン氏「捕捉作戦」を継続しているが、トラボラ上空を旋回しながらも、空爆はしていない。しかし、ラムズフェルト1国防長官は、19日の記者会見で、衛星や無人偵察機による偵察活動をパキスタンにまで拡大し、「作戦」を強化することを言明した。空爆はいつ再開されるかわからない状況にある。
 ユニセフのベラミー事務局長は食糧不足や厳しい寒さで、女性や子供が生死の危機に瀕していると訴えた。特に「北部で十分に行き渡っていない」としている。


■  12/18
 トラボラでは、反タリバン勢力のハズトアリ司令官が作戦終結を宣言した。
 ウォルフォヴィッツ米国防副長官は、テロリストをかくまう国も攻撃の対象とすると再確認し、戦線拡大の可能性を示した。


■  12/17
 米軍はトラボラから約13キロのパキスタン国境に対して激しい空爆を行った。

■  12/16
 反タリバン勢力ザマン司令官は「もはや空爆の必要はない」とし、「完全制圧」宣言した。しかし、米軍は空爆を継続。

■  12/14
 トラボラへの激しい空爆と包囲が続けられている。連日200発の爆弾が投下されている。

■  12/13
 トラボラ地区への空爆と包囲、激しい戦闘が続いている。
 米はネバダ州で、未臨界実験を行った。米は弾道弾迎撃ミサイル制限(ABM)条約からの脱退をロシアに通告した。米は、アフガンへの空爆を継続する一方、「対テロ」を口実に次々と、時代に逆行した核軍拡政策を遂行している。

■  12/12
 アルカイダの「投降期限」が過ぎ、米軍はトラボラへの空爆を再開した。

■  12/11
 読売新聞によれば、米は、「イスラム過激派」の拠点のある複数の国に対して米特殊部隊を直接投入し、テロリストを一掃する作戦を検討しているという。投入先は目下、ソマリア、フィリピンが有力とされている。11日付けのワシントンポストによれば、米情報機関員と見られる5人がソマリア西部に入り、下見や協力を探った可能性があるという。

■  12/9 
 米軍は9日、トラボラに、核爆弾のような爆発効果を持つ大型特殊爆弾「デージーカッター」BLU−82を投下した。心理効果、破壊効果に加え、通信傍受を目的としているとされる。投下後、米特殊部隊が、死亡したアルカイダ兵を発見した、としている。

■  12/7
 国際移住機構(IMO)が7日発表したところによると、アフガニスタン北部のクンドゥズ近くの難民キャンプで、過去4週間に177人が飢えと寒さにより死亡した。犠牲者の大多数は子供だったという。

■  12/6
 カンダハルでは、タリバン完全撤退の交渉が決着したが、米軍は、東部山岳・洞くつ地帯への空爆を続行。統合参謀本部ペース副議長は、この空爆に機動性に優れたF18を投入し、また、岩石を破壊する2000ポンド級の精密誘導爆弾を投下していると発表。
 アフガン暫定政権は早くも亀裂が表面化した。ウズベク人指導者ドスタム将軍は、同じ北部同盟ながらタジク人勢力が主要閣僚を独占したとして、新政権をボイコットすると表明。マザリシャリフでは、ドスタム将軍部隊とタジク人のラバニ派舞台の衝突が続いている。また、合意文書に署名した4派のひとつ「ペシャワール・グループ」も「閣僚の配分が不当だ」と不満を表明。


■  12/5
 国境なき医師団によると、1日から3日にかけてのアフガニスタン東部のトラボラ地区への米軍の激しい空爆によって、周辺の村落から80人の遺体が搬出され、負傷者50人がジャララバードの病院へ収容された。また、ジャララバード周辺の難民キャンプ収容人数は、12月1日には、まだ500世帯であったのが、激しい空爆によって4日までのわずか3日で2000世帯に膨れ上がった。
 米中東軍は、5日未明のB52戦略爆撃機による「誤爆」によって、米軍兵士3人が死亡し、19人が負傷したと発表。またこの爆撃で、アフガン暫定政権の首相に決まったハミド・カルザイ氏も爆撃の衝撃で巻き上がった石に当り負傷した。この誤爆で使われた爆弾は、「スマート爆弾」であることがわかった。これは、JDAM(ジョイント・ダイレクト・アタック・ミュニション)という爆弾で、湾岸戦争以降に、昼夜を問わず、また霧や雲などの悪天候でも地上の標的を正確に狙うことのできる兵器。なぜ誤爆したのかは明らかでない。
 5日、アフガニスタンの反タリバン4派は、ドイツのボンで、アフガン暫定行政機構に関しての合意文書に署名した。しかし、この会議は、最初から、米・独・国連による結論があり、それに「力づくで」無理やりに署名させたもの。その最大の象徴が「閣僚名簿」。4派それぞれが閣僚推薦名簿を提出しながら、実際の最終合意文書での閣僚名簿はそれとは全く違ったものとなっている。米と国連の「めがねにかなう」人物しか閣僚になれない。なぜ、ここまで4派とりわけても北部同盟が譲歩したのかは、カンダハルとトラボラへの敵味方の区別のない米軍の激しい空爆を見せ付けられたことと国連の「言うことをきかなければ復興資金を凍結する」という「脅し文句」。

■  12/4
   この日も米軍はカンダハルと東部トラボラを激しく空爆。また、カンダハルでは、タリバンと反タリバン武装勢力の交戦が激しさを増し、双方に多くの死傷者が出た。
 米のブッシュ大統領は、ABCテレビのインタビューで「攻撃は非常に重要だ。(アフガニスタンとは)別の場所で軍事力を行使する必要がでてくるだろう。」と述べ、アフガニスタン以外へと侵略戦争を拡大する意向を再度表明。


■  12/3
 米軍はこの日も、カンダハルと東部トラボラを激しく空爆。トラボラでは、この空爆で少なくとも58人が死亡。
 米NBCテレビなどが報じたところによると、カンダハル近郊の前線基地に展開した米海兵隊は1200人に達し、カンダハル制圧に向け、市街への突入準備に着手した模様。
 先月下旬に起きたマザリシャリフ近郊の捕虜収容所で起きた虐殺事件で、奇跡的に生き残った米タリバン兵が、その虐殺の模様を語った。捕虜収容所での銃撃戦でこの兵士は右足を撃たれ、他のタリバン兵と共に地下室に逃げ込んだ。7日間何も食べずに潜んでいたと言う。この間、地下室にガソリンをまかれて火をつけられたり、水を流し込まれたりし、更に何個かの手榴弾も放り込まれたという。地下室はタリバン兵士の死体で一杯だったと。
 マザリシャリフでは、北部同盟の内部対立による激しい戦闘が起きており、治安が急激に悪化している。国連は3日までに同市にいた全ての機関の国連職員全員をマザリシャリフから撤退させた。北部同盟が同市を制圧してから、まだ1ヶ月もたたない内に、最も心配されていた内部対立、内戦が現実のものとなった。
 3日付のニューヨークタイムズ紙が報道したところによると、10月下旬から米政府施設、議会、マスコミに送りつけられ、5人が死亡した、いわゆる「炭疽菌テロ」は、米軍から漏れたものであり、犯人は米軍の生物兵器開発に関与した人物であるとの見方を米FBIが強め、詰めの捜査を急いでいるという。
 民主党のダシュル上院院内総務宛てに送られた炭疽菌を分析したところ、菌の粉末は1グラム中に1兆個の超微粒子であることがわかった。専門家によると、通常の技術では1グラム中に5千億個の粒子を精製するのが限界で、1グラム当り1兆個もの微粒子を精製する技術があるのは米軍だけ。米軍は69年に廃止を宣言するまで、生物兵器を開発し続けており、その時、フリーズドライと化学処理を組み合わせて超微粒子の作成に成功している。これからしても、犯人は、米国の生物兵器開発に携わり、最高水準の生物兵器開発技術を持つ人物。


■  12/2
 米軍は、先月30日から2日にかけて東部ジャララバード周辺に、多くの一般市民や味方の反タリバン勢力司令部までもを激しく空爆し、多数の犠牲者が出た。1日には、ジャララバード南50キロの3つの村に爆撃し、少なくとも50人が死亡。1つの村は全滅した。また2日には、ジャララバード南25キロの村を爆撃し、少なくとも8人が死亡した。病院には手足を失った少年や焼け焦げた男性の死体などが運び込まれていると言う。
 また、ジャララバード郊外の反タリバン勢力の司令部も米軍の爆撃を受け、少なくとも8人が死亡。
 米軍は、1日未明から2日にかけて、カンダハルに対しても、激しい空爆を続行。アフガン・イスラム通信によると、この米軍の空爆により、民間人13人が死亡した。
 また、AFP電が伝えたパキスタン国境の消息筋によると、昼夜を問わない空爆を恐れ、多くの人がカンダハルから脱出を試みていると言う。ところが、米軍は幹線道路上も狙い撃ちするため、安全な移動手段が確保できない。避難民への支援物資輸送も困難となっており、国境の町スピンボルダックの難民キャンプでは、食糧や水が不足。衛生状態も急速に悪化している。
 国連難民高等弁務官事務所のケスラー報道官は、南部カンダハルからの難民が急増、この数日間でカンダハルからパキスタン国境に数千人が押し寄せていることを明らかにした。
 2日付の英紙サンデー・テレグラフは、英軍幹部が先週米フロリダ州の米中央軍司令部を訪れた際、米軍側からソマリアに対する軍事行動を準備するよう要請されたと報じた。また、英のブレア首相は、同日付けの英紙インデペンデント・オン・サンデーとのインタビューで、「私達は、(反テロの軍事行動には)第2段階があると言って来た」と述べ、アフガニスタン以外での空爆・攻撃の可能性を改めて強調した。


■  12/1
 この日、米軍は空爆開始以来最大規模となる空爆をカンダハル周辺に向けて行う。特に、カンダハルからパキスタン国境に通じる幹線道路上では、道路を走るもの全てを標的にし、無差別に爆撃を敢行。アフガンイスラム通信によると、この爆撃によって、道路を走っていたバス5台、トラクター4台が爆撃され、バスに乗っていた民間人30人が少なくとも死亡した。
 また、東部国境地帯のトラボラ地区にも、ビンラディン氏が潜んでいるとして、激しい空爆を敢行。米CNNテレビは、この米軍の空爆によって2つの村で少なくとも住民50人が死亡したと報じた。また、ジャララバードからの情報によると、空爆を受けた住民の話として、「がれきの中から少なくとも100人の遺体が収容された」という。この日の空爆は午前4時ごろから始まった。断食月(ラマダン)のため、住民達は夜明け前に食事をする。そのため、米軍が空爆を始めた時は、多くの家に明かりがついており、これが米軍の爆撃の標的になったようだ。
 12月1日の毎日新聞によると、アフガニスタンでの国連の人道支援活動が武装強盗の横行で行き詰まっている。世界食糧計画(WFP)の報道官は「各地に大変な数の強盗がいる」と説明。すでに物資を運ぶトラック多数が奪われ、運転手が殺された他、6人のアフガン人職員が行方不明になっている。北部マザリシャリフでは、支援物資を運ぶトラックが全て奪われ、国連職員はトラックやタクシーを借りて活動している。東部では、パキスタンのペシャワールからカブールまでの幹線道路が再開されながら、武装した強盗が数キロおきに「関所」を作って通行料を要求したり、支援物資を強奪する事件が相次いでいる。東部中心都市ジャララバードでは、兵士がNGOや国連の施設を襲う事件も起きた、という。


■  11/30
 米軍機は、タリバン最後の拠点カンダハルの空港へ集中的に空爆を加えている。この日の空爆は、10月7日の空爆開始以来最大規模のものという。アフガニスタンからの情報によると、住民2人が死亡、20人が負傷したという。
 また、カンダハル周辺の要衝でも、激しい攻防戦が展開しており、双方で数百人の死者が出ているという。
 またパキスタンのニューズ紙が伝えたところによると、米軍の空爆でマザリシャリフの学校に収容されていたタリバン側義勇兵の捕虜67人が殺されたとのこと。ナチスドイツのユダヤ人ゲットーで行われたホロコーストと同じことが行われているのか。
 米のバウチャー国務省報道官は、北朝鮮に対し、国際原子力機間の査察を直ちに受け入れるよう恫喝を加えた。アフガニスタン、イラクに続く米軍の攻撃の「対象」とするための口実作りが始まった。


■  11/29
 この日もタリバンの拠点カンダハルに激しい空爆。また、カンダハル州の幾つかの要衝では、タリバンと反タリバン勢力の間で激しい戦闘が起こっている。
 国連の人道支援物資の輸送・配給活動が、治安の悪化、特に武装強盗の横行で、ほとんどできない状態になっていることが次々と明らかになってきた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現場報告によると、カンダハル、ジャララバード、マザリシャリフ、に続き、29日は西部ヘラートの事務所が略奪にあい、貯蔵していた小麦や国内の難民に向け配給しようとしていた毛布やテントを奪われたとのこと。今や、UNHCRや世界食糧計画がかろうじて人道支援活動できるのは首都カブールだけ。
 イスラマバードの国連機間に入った連絡によると、21日、西部ヘラート州で、米軍が投下した支援物資を拾うとして地雷原に踏み込んだ子供のうち、2人が死亡、3人がケガをした。
 米軍の報道官は、米軍機がアフガニスタンで実施している大型梱包を使った難民物資の空中投下を一時中止することを明らかにした。


■  11/28
 ケガの治療のためパキスタンのクエッタに来たタリバン軍指揮官によると、米軍はカンダハル攻撃に対し、対地攻撃ヘリや戦車をすでに展開し、一部は激しい地上戦を繰り広げていることを明らかにした。また、米軍は、連日激しい空爆を続け、以前の巡航ミサイルに加え、新たな破壊力の大きな新型爆弾を投下していることも明らかにした。27日までに市内に3発が着弾し、オマル師の住居近くにも2発が投下され、一般市民9人が犠牲になったという。
 この日、米軍機が投下した食糧などの人道援助物資の大型梱包が民家を直撃し、女性と子供の計2人が死亡した、と米中央軍が発表した。現場はウズベキスタン国境に近いところで、小麦や毛布などの大型梱包にパラシュートをつけて高高度から投下したが、その一部が民家を直撃したという。まさに死の救援物資となった。
 28日、アムネスティーがアフガニスタン北部カライジャンギにある北部同盟捕虜収容所で起きたタリバン投降兵の「暴動」と、その鎮圧のために米軍が空爆を加え、捕虜の大半を虐殺したことに対し、緊急に調査するよう要請した。
 この日、南部カンダハル州でタリバンと闘っているパシュトゥン人武装勢力司令官は、投降を拒否したタリバン兵士160人を処刑したことを明らかにした。
 米軍は、1000人を超える海兵隊投入に続き、ウズベキスタンに駐留している陸軍の山岳師団をアフガニスタンに投入することを決定し、マザリシャリフ周辺に展開し始めた。また、スタッフルビーム統合作戦本部作戦副部長は、カンダハル周辺や東部ジャララバード近郊のタリバンやアルカイダの司令部と見られる施設に集中して爆撃を行っていることを明らかにした。
 イギリスのブレア首相は、「アフガン攻撃は第1段階、第2段階は国際的なテロリズムに対しあらゆる方法で対処する」と述べ、イラク、スーダンなどアフガニスタン以外の国への空爆・攻撃の拡大もありうるとの見解を表明し、26日のブッシュ演説に完全に同調することを明らかにした。また、イギリスに続いて、トルコもイラクへの攻撃を容認することを示唆した。
 米国防省は12月1日に、7月中旬以来のミサイル防衛システムの迎撃実験を行うことを固めた。ペンタゴンは一方でアフガニスタンへの空爆、もう一方でミサイル防衛。まさに戦争マシーン。


■  11/27
 遂に米・英軍は、アフガニスタンに続いてイラク南部に爆撃を敢行。イラクが国連の査察を拒否したことに対する報復として。
 またアフガニスタンでも、タリバン最高幹部が潜伏していると思われるカンダハル南部の施設に爆撃を続行。


■  11/26
 カンダハルに進出した米海兵隊は、高速対地攻撃ヘリ「コブラ」による攻撃を開始。米軍発表では、タリバン施設や軍用装甲車両への攻撃としているが、実際は「人間狩り」。
 26日、ブッシュ大統領はホワイトハウスでの会見で、フセインイラク大統領を名指しに批判し、「査察官の入国を許可し大量破壊兵器を開発していないことを示す必要がる」とし、もしそれをイラクが拒否した場合は即座に大規模爆撃などの軍事行動を行うことを示した。これは、アフガニスタンへの空爆の口実とされたテロ組織を支える国を敵とするいわゆる「ブッシュ・ドクトリン」では、イラクを攻撃できないため、攻撃するための口実作りとして、国連の査察受け入れを要求したもの。このブッシュ政権の姿勢は何がなんでも次ぎから次ぎへと世界中で戦争を起こそうとするもの。米巨大軍需独占体と一心同体のブッシュ政権の「戦争屋」としての性格が何の臆面も無く露骨に現れ出した。


■  11/25
 この日、米空・海軍は110機もの戦闘機・爆撃機を投入して、タリバン支配地域として最後に残ったカンダハルに激しい空爆を続行。
 更に、カンダハルでの地上戦闘に向けて、米軍は、海兵隊1500人をカンダハル近郊に投入。カンダハル近郊の空港を海兵隊が占拠し、次々にヘリで兵員及び戦車・装甲車両を運び込み、本格的地上戦に向けて着々と準備。
 マザリシャリフのタリバン投降兵士の捕虜収容所で「暴動」があり、それを鎮圧するために、米軍はこの捕虜収容所を激しく空爆。収容されていた捕虜800人のほとんどが死亡。更にこの空爆で、タリバンと応戦していた北部同盟兵士も40人が死亡。また米軍兵士も自軍の空爆で5人が負傷、内2人は重傷。これこそ、米軍による「暴動鎮圧」に名を借りた大量虐殺に他ならない。

■  11/24
 この日も米軍は、タリバンの拠点北部クンドゥーズと南部カンダハルに激しい空爆を続行。
 遂に北部に唯一残っていたタリバンの拠点クンドゥ−ズが北部同盟に制圧される。これで、タリバンが支配する地域はカンダハル周辺だけになる。


■  11/23
 米中東軍ローウェル報道官は、23日、米軍が21日の空爆で南部カンダハルのタリバン陣地に、世界最大の通常兵器BLU−82(重量約7トン、通称デージー・カッター)を投下したことを明らかにした。これは空爆開始以来3度目。更に、22日の空爆では、70機の戦闘機を投入し、カンダハルとクンドゥーズに激しい空爆を行ったことも明らかにした。
 この日も、南部カンダハルと北部クンドゥーズに米軍は激しい空爆を加えた。タリバンのスポークスマンの話によると、タリバン側に多数の死傷者が出た模様。
 アフガニスタンでは、タリバンが撤退した地方で急速に治安が悪化し、国連や外国報道陣への襲撃が相次いでいる。19日には、西部ヘラート州で世界食料計画の輸送車両が武装兵士に襲われ、難民への配給食糧小麦185トンが奪われた。また同日カブールとジャララバードを結ぶ幹線道路上でロイター通信の記者が乗った車が銃撃され、4人が殺害され、高価な通信機材などが全て奪われた。タリバンが撤退した権力の空白を地元の武装勢力などが埋めており、これらの勢力が自ら犯罪を行っているとの見方もある。特に現在では、本格的に輸送が再開された国連の支援物資を積んだ車両や高価な通信・撮影機材を積んだ外国報道陣の車は格好の強盗集団の標的になっている。
 また、世界有数の麻薬生産国アフガニスタンから隣国パキスタンへ流れ込む麻薬が急増している。空爆開始以後1ヶ月半で麻薬の流入量は25%も増えている。


■  11/22
 この日も、タリバンが拠点としている北部クンドゥーズと南部カンダハルに激しい空爆。
 22日、北部同盟は、タリバンがたてこもる北部のクンドゥーズへの総攻撃を開始した。この攻撃は、タリバンとの間で、兵士の投降交渉を通じてクンドゥーズに影響力を拡大しようと計っていた北部同盟のドスタム将軍の動きに、同じ北部同盟のラバニ派が反発し、攻撃をしかけたもの。ここでもタリバン敗北で最も懸念されていた北部同盟の内紛が露骨に現れ始めた。
 22日、赤十字国際委員会はタリバンが撤退したマザリシャリフで、400〜600体にものぼる遺体を発見した。この遺体は、北部同盟によるタリバン兵士・支持者への処刑なのか、それとも戦闘によるものなのかは不明。


■  11/21
 この日も、南部カンダハルと北部クンドゥーズを中心に、激しい空爆が続けられる。カンダハルでは少なくとも2人が死亡。

■  11/20
 19日よるから20日にかけて、カンダハル周辺や北部クンドゥーズに激しい空爆が続けられた。この空爆で、カンダハルでは、タリバン施設のほか、世界食料計画の倉庫や2つの学校などの建物が完全に破壊された。この空爆による被害で学校にいた多くのタリバン兵士が死亡したという。また北部クンドゥーズでは、タリバン軍が北部同盟によって包囲されたという。また、19日の空爆と地上戦闘で多くのタリバン兵士が死亡したとも伝えられている。
 
<カブールの惨状――朝日新聞11月20日掲載>
 カブール市内北西部のアカベタペヒマル地区。航空レーダーがある丘のふもとに比較的貧しい人々が住む。住人のサブヘッドさん(40)は、2週間ほど前に米軍の空爆を受けた。爆弾は3件の家を直撃し、10人が死亡、3人がケガをした。サブヘッドさんの8歳の娘と1歳の息子も亡くなった。近くのモスクで礼拝を済ませて自宅に帰った時だった。米軍機が500メーターほど離れたレーダー施設に爆撃を始めた。寝ていた4人の子供を起こし、再び通りに出ると突然地面が揺れ、吹っ飛ばされた。振りかえるとがれきの山ができていた。かきわけて家族を助け出したが、2人が死亡した。「ラジオではタリバンの施設だけを狙っているといっていたのに……。妻は今も泣いている。家も金も子供も失った。アメリカに人生を壊された。」と嘆く。自宅は柱が数本残るだけで家具の破片が散らばる。隣のグラマトさん宅では、7人が死亡し、次男(13)だけが生き残った。
 アパートが並ぶマクロロヤン地区にも何日にも分けて爆弾が落ちた。団地入り口の通路には直径10メーターの穴があいて水がたまり、アパートの前にはコンクリートの破片が散乱している。バジルさん(34)は、10月17日の空爆で長女のナジーラちゃん(5)を失った。爆弾は自宅から300メーターほど離れた兵舎を狙ったようだった。しかし、アパートの前で遊んでいた長女を巻き込み、長女はコンクリートの破片の下敷きになり死亡した。「誤爆だ。」とバジルさんは言う。「ナジーラは、頭が割れ、脳が飛び出していた。賢くて可愛くて自慢の娘だった。遺体があまりにも傷んでいたので、誰もひつぎを見なかった。」という。


■  11/19
 パキスタンの有力紙「ドーン」は、先週末の爆撃でクンドゥーズでタリバン兵士800人、30キロ東方のハナバードでも250人の兵士の死者が出ていることを明らかにした。
 この日も北部のクンドゥーズにB52戦略爆撃機等による激しい爆撃が行われた。また、北東部ナンガハル州のパキスタン国境付近にも爆撃が加えられ、タリバン撤退後同州を掌握したパシュトゥン人勢力の7人が死亡した。


■  11/18
 17日夜から18日未明にかけて、米軍は南部カンダハル州等に激しい空爆を加えた。カンダハル州では、民間人46人が死亡。また東部ナンガハル州のシャムシャドでも空爆が行われ、住民30人が死亡。数人が負傷。
 イギリスのロンドンで、18日、米・英軍によるアフガニスタンへの空爆・攻撃の中止を求める大規模な抗議集会・デモが行われた。参加者は、約10万人。反戦団体「核軍縮運動(CND)」や労働組合、在英イスラム教徒らの参加者は「今日は何人の子供たちを殺したのか」等と叫びながら、ハイドパークからトラファルガー広場までデモ行進した。


■  11/17
 16日夜から17日未明にかけて、アフガニスタン東部のホストを激しく空爆。タリバンのハッカニ国境相の自宅や近接する神学校を爆撃。神学校の学生34人が死亡。またホストの南10キロの村では砲弾が民家に当り、女性や子供を含む1家19人と住民9人が死亡。この空爆で合計62人が死亡。
 北部同盟が占拠したマザリシャリフで、早くも内紛が発生。ハザラ人主体のイスラム統一党とタジク人主体のラバニ前大統領派が2時間にも渡る市街戦を展開。少なくとも8人が死亡、5人が負傷。


■  11/16
 イスラム教にとって最重要なラマダンに入った16日も、米軍は激しい空爆を続行。国防総省のマグロー報道官は「米軍は(ラマダン入りした)今日も空爆を実施している。ラマダンによって作戦を変更することはない。」と今後も引き続き空爆を続行することを言明。
 15日夜から16日朝にかけて、タリバンの本拠地カンダハルを爆撃。市内のモスクなどが破壊され、民間人11人が死亡。25人以上が負傷。また、北部のクンドゥーズ近郊にも爆撃を加えた。
 16日、米国防総省は、同日、東部ホストにあるモスクを誤って誤爆したことを明らかにした。ラマダンの初日でモスクには多くのアフガニスタン住民が集っていた可能性があるが、「負傷者についてはわからない」と言う。誤爆は、アルカイダの施設を爆撃中、2発は命中したが、3発目が「レーダー誘導装置の誤作動で標的をはずし、近くにあるモスクに被害を与えた」という。


■  11/15
 カンダハルで激戦が続く。そのため、市内は混乱状態。
 米軍はこの日もカンダハル周辺を空爆、8人が死亡。また、タリバン軍が集結している北部クンドゥズ市にもB52戦略爆撃機による激しい空爆。


■  11/14
 14日、タリバン軍は中東部5州から撤退。多くの州は、反タリバンでありまた反北部同盟である地元パシュトゥン人主体の組織によって制圧された。まさに群雄割拠状態。(ジャララバードを州都とするナンガハル州はイスラム党ハリス派、ロガール州はヘクマチアル派司令官が実験を握り、クナール州でも地元の反タリバン勢力が実権。等々)
タリバン政権の本拠地カンダハルでもタリバン政権側と地元反タリバン勢力との間で激しい攻防戦が展開されている。
 14日、米のチェイニー副大統領は、タリバンは崩壊したとしながらも「今後も攻撃は継続する」と表明。
 また、ラムズフェルド国防長官は、特殊部隊を南部に派遣し、すでに道路での検問、敵と遭遇した場合の交戦許可も与えていることを表明。

■  11/13
 13日、遂に首都カブールを「北部同盟」が制圧。ほとんど戦闘らしき戦闘がない状態での制圧。タリバンは戦車や軍用車両を南部の拠点カンダハルに向け撤退。
 早くもタリバンのビルなどで略奪が始まる。
 また、カブール市内では、早くも北部同盟各派による市内分割占拠が始まった。92年の共産党政権崩壊後の泥沼の内戦に突入した時と同じ構図。マザリシャリフでは、北部同盟内のイスラム統一党とラバニ派が衝突。
 13日、米のラムズフェルド国防長官は、「戦いはまだ終わっていない」と今後も空爆を継続することを表明。あわせて、特殊部隊を派遣していくことも表明し、すでに、カブールとマザリシャリフの空港に特殊部隊を派遣したことを発表。
 13日、国連のアフガニスタン人道援助調整事務所(UNOCHA)報道官は、10日マザリシャリフで、同市に進撃した北部同盟によって、タリバン側の少年兵100人が処刑されたことを明らかにした。少年兵の多くは17〜18歳と非常に若く、戦闘中でなかったと言われている。また、米CNNテレビ(電子版)は、処刑されたのは600人になると伝えた。
 13日、カブールにある「アルジャジーラ」の事務所が爆撃を受け破壊された。


■  11/12
 12日、西部の中心都市ヘラートを「北部同盟」が制圧。また首都カブールへの進撃も開始。これに合わせて米軍の爆撃も。
 アフガン・イスラム通信によるとタロカン陥落でタリバン兵士200人が死亡。


■  11/11
 11日、中部の拠点バーミヤンも「北部同盟」が制圧。また、西のバドギス州から東のタカール州までアフガニスタン北部全域を「北部同盟」が支配下に置いた。更にタカール州の州都タロカンも制圧。
 この日も米軍は首都カブール周辺に激しい空爆。カブールでは、イスラム系人道組織「ワファ」の事務所を爆撃し、サウジアラビア人5人とオマーン人1人が死亡。


<空爆開始後、地雷の被害、4割増――朝日新聞11月11日掲載>
 アフガニスタンへの米軍の空爆を逃れ、郊外や山間部へ向かう避難民らが、地雷を踏んで死傷する被害が相次いでいる。地雷除去に取り組むNGOは「被害は空爆前の4割増」とみている。
 カブールの元警察官ダスタギルさん(42)は、東部の都市ジャララバードで地雷を踏み亡くなった。空爆後ダスタギルさん一家は、カブールからジャララバードに避難したが、ジャララバードも空爆されたため、ダスタギルさんはパキスタン行きを決意。家族を待機させ、友人と一緒に国境越えの道を探しに出かけた。だが、知人宅から1キロの道端で地雷を踏んでしまった。即死だった。友人2人も負傷した。残された妻のアフガニーさんは言った。「空爆の被害は市民ばかり。どうして生きていけばよいのか」と。
 カブールで造花業を営むマティンさん(22)も先月半ばに被害に遭った。近くの住宅地への爆撃が始まったため友人と共に郊外の山すそへ走って逃げたが、自宅から2キロの山腹で地雷を踏んでしまった。両足を吹き飛ばされ、5時間後に亡くなった。
 ペシャワールから南の村ラチ。パキスタンのこの村でも9月中旬の2週間で10人が片足を失ったと言う。大半はアフガニスタン都市部から逃れてきた人だ。車を乗り継ぎ12時間かけてアフガンからラチに逃れてきたモハメドさん(55)は言う。「ラチの村人なら長年の勘で危険な場所もわかる。石を赤く塗って目印にしている所もある。でも我々(アフガニスタンからの避難民)にはわからんよ」と。


<アフガニスタン住民支援NGOの実情――毎日新聞11月11日掲載>
 アフガニスタン国内の住民を支援しようと日本の多くのNGOが様々な取り組みを行い、小麦、毛布など多くの援助物資が集り始めているが、最大の問題は、アフガニスタン国内には入れないという現状。そのため、本当に援助物資が届いたのかを確認できないで歯ぎしりしている状態。
 このようなNGOの現状と比べれば、「ペシャワール会」の活動がいかに特筆すべきものかがわかる。11月11日の「ペシャワール会」の現地報告によると、カブールへの食料の搬送によって、首都カブールの約半分の人達が1ヶ月半飢えをしのげる食料を搬送すると言う。すごいの一言。


■  11/10
 この日より、アフガニスタン国内の地上戦の戦局が大きく動き出し始めた。今まで、タリバン政権と反タリバン「北部同盟」との間の戦闘は一進一退を続けていたが、10日未明、遂に最大の激戦地であり、アフガニスタン北部要衝都市マザリシャリフからタリバン軍が撤退。(これを境にして「堰を切ったように」「坂を転げ落ちるように」と言った形容がピッタリするようにタリバン軍は敗走を重ねて行く)
 北部同盟がマザリシャリフを制圧してから数時間も経たないうちに、米軍のB52戦略爆撃機がカブール北方25キロのタリバン前線の塹壕を爆撃。15発の爆弾を投下。
 アフガン・イスラム通信によると、カンダハル西方のハークレイズ地区の3つの村が米軍の激しい空爆を受け、多数の民家が破壊され、133人が死亡したと発表。


■  11/9
 オルアラ・オトゥヌ国連事務総長特別代表(子供と武力紛争問題担当)は、9日、米・英軍の空爆が続くアフガニスタンでは、170万人の子供が飢えと寒さによる生命の危機に瀕していると説明。
 同代表によると、アフガンの子供の半数は栄養失調状態にあり、全体の25%が5歳までに死亡する。200万人の子供が難民又は避難民となっており、小学校に通える子供は男性で40%以下、女性が10%以下。首都カブールに住む子供の40%以上は父母のどちらかか両方を失っているという。
 この日も米軍は、首都カブールや北部要衝のマザリシャリフなどを激しく空爆。


■  11/8
 8日午後、B52爆撃による大規模爆撃が続けられる。多数の爆弾を投下。カンダハルでも激しい空爆。

■  11/7
 米軍は6日夜から7日にかけて首都カブール周辺やマザリシャリフの前線に激しい空爆。「北部同盟」の目撃情報によると、この日、カブール北方30キロのバグラム空港近くのタリバン前線に向けて、B52戦略爆撃機より、巨大な破壊力を持つ爆弾が投下された。11/4の史上最大の通常爆弾BLU―82(通称デェイジー・カッター)2発投下に続く投下の可能性が高い。(AP通信の写真では、カブールから55キロ離れたパラワン州の村で米軍の空爆を受けてキノコ状の雲が巻き上がっている)
 タリバン政権は7日の空爆で民間人が少なくとも23人が死亡したと発表。
 米軍のペース統合参謀本部副議長は、7日の空爆には、80機の戦闘機、爆撃機を投入したことを明らかにした。
 また、10月7日の空爆開始以降、1ケ月にわたる空爆で延べ2000機以上の航空機が出撃したことも同時に発表した。
 パキスタン西部のバルチスタン州の山中で、羊飼いの男性が地面に落ちていた約30個の直系30センチのものの内1個を石でたたいたところ爆発し、顔や手に大怪我を負った。これらの地面に落ちていたのは、米軍のクラスター爆弾の不発弾と推測される。
 アメリカは、パキスタン政府に圧力をかけ、タリバン政権の駐パキスタン大使の会見を中止させた。その上、カラチにあるタリバン政権の領事館も閉鎖させた。ここまで言論を封圧することが「自由の国」アメリカの本性。

――空爆開始後1ヶ月が経ち、パキスタンの2つの難民流入都市からのレポート――

<ペシャワールから(朝日新聞11/8掲載より)>
 ペシャワール郊外の病院には、国境を越えて運ばれてきた空爆による被害者が20人以上に上る。内2人は病院でなくなった。アフガン東部のクラム村から運ばれてきた主婦マリアンさん(35)。のどと左腹部に爆弾の破片によるものと思われる傷を負い、おなかにいた子供は死産した。付き添いの親類の男性シェール・ハンさん(45)らによると、12日朝の空爆で被害に遭ったという。マリアンさんの家など約15世帯の土造りの家が崩れた。マリアンさんの1家13人の内子供4人を含む8人が家の下敷きになって亡くなった。友人の家にいて難を逃れたハンさんは、「アフガンはもう逃げるところが無い。空爆は許せない。」と長いひげを震わせた。
 カブール郊外の小学教師のマフムードさん(33)は自宅で爆発音を聞いた。屋根に登ると市場が土の山に変わっていた。そこで数人の遺体やケガ人が運び出されるのを見た。「ボン、ボン、」破片が残る手で抱いていた次男のダネシュちゃん(1)がしきりに声を出す。「空爆の音を覚えちゃった。」。 マフムードさんらによると、首都を脱出する住民の流れは止まらないと言う。先月下旬には「周りに住んでいた住民の7割が消えた。街はがらんとしている」。残っているのは逃げるお金や体力の無い人ばかりだという。空爆の影響で仕事も出来ず現金収入も無い。
 ペシャワールで空爆被害者への献血を呼びかけるアフガンのNGOラル・グルさんによると、カブールの病院では停電のため、血液保存の冷蔵庫が使えず、輸血用の血液が送れないという。「一番、必要なところに送れない。こんなやりきれないことはない。」

 
<クエッタより(11月8日毎日新聞掲載)>
 クエッタ中心部にある公立病院。空爆で大怪我をしたアフガニスタンからの重傷患者で満室状態だ。6日に搬送されたばかりの男性は、空爆で頭部と両足を負傷し記憶を失っていた。
 頭部に何針も縫うほどの重傷を負ったハメドゥラちゃん(1)、カンダハル近郊の村から運ばれてきた。標的となるタリバン政権や軍の施設などない村に住んでいたが、一晩で4、5発の爆弾が落とされた。父親のマルーフさん(38)は、泣きじゃくるハメドゥラちゃんをあやしながら、「今は空からの攻撃だが、地上戦になったら必ず(アメリカに)復讐する。」
 西部のヘラートの病院から20日かけて運ばれた男性(35)は、「ヘラートまで4時間も掛かる村に住んでいたが、3発の爆弾を落とされた。軍の施設などない静かな村なのに。なぜ爆撃されたのか見当もつかない」と。


 米の空爆開始から一ヶ月がたち、私たちの「アフガニスタン被害報道日誌」も一ヶ月を迎えました。金曜の礼拝のため攻撃が控えられた10/12以外全て被害報道で埋まり、攻撃の激しさを増しています。米の空爆で犠牲になっているのは子供や女性達です。空爆一ヶ月を機に新たに「子供達の被害報道写真」のコーナーを設けます。「被害報道日誌」同様、米が空爆を始めた翌日の10月8日から子供達が犠牲になっていたことがわかります。そしてポリオワクチン投与ができないなど(11.6)、影響は単なる空爆の被害だけにとどまっていません。飢え、渇き、伝染病、小児病の流行、そして餓死へ影響ははかりしれません。このコーナーでは、そのような各メディアで紹介されている子供達の被害や生活を撮った写真のコメントを中心に紹介していきます。これは日本のマスコミではほとんど紹介されていません。特に空爆で傷ついた血まみれの子供達や、子供の遺体の前で泣き叫ぶ母親など、許し難い現実があります。「アフガニスタン被害報道日誌」では、米軍の攻撃や被害の内容、犠牲者の数などが中心になりますが、当然、負傷し犠牲になった子供の一人一人に名前があり生活があり悲しみ怒る家族があります。これを知ることによって反戦の訴えも、私たちの意志もより強いものになることでしょう。(2001.11.7.)

■  11/6
 米統合参謀本部のペース副議長は、6日の会見で、米軍が先週末のアフガニスタン空爆で、通常兵器としては世界最大の「BLU82爆弾」(通称デージー・カッター)を2発はじめて投下したことを正式に認めた。この爆弾は、重量約6.8トン、1発の投下でアメリカンフットボール場5面分を一挙にクレーターにする計り知れない破壊力を持つ。ペース米統合参謀本部副議長は、「C130輸送機の後方からパラシュートで投下され、地上約90センチで爆発する。爆発すると地獄になる。目的は人を殺すことだ。」とますます無差別殺戮を強めることを臆面もなく宣言した。
 米軍はこの日も首都カブール北部の空港付近などに激しい空爆を続行。
 ラムズフェルド米国防長官は、アフガン国内に投入した米特殊部隊が先週に比べ2.5倍に増えたことを確認し、今後も増強を続けると言明した。更に「少なくとも1日60波、最近では多ければ120波の空爆を続けている」と付け加えた。


■  11/5
 5日、米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長が会見し、4日の過去最大の「じゅうたん爆撃」に75機の攻撃機と7〜10機の長距離戦略爆撃機が参加したことを明らかにした。
 米軍によるアフガニスタンへの空爆はますます激しさを増し、首都カブール、北部のバラフ、西部のヘラート、サマルガン州等アフガニスタン全土10州で、激しい空爆を行った。この日初めて、首都カブールで攻撃ヘリの低空飛行からの爆撃が行われた。これにより、市民を含め15人が死亡。マザリシャリフ南方100キロのケシェンデでは、爆撃で民家が被害を受け、少数民族ハザラ人6人が死亡。ヘラートでは空港が爆撃を受け、民間人2人が死亡。
 タリバン政権は国連に避難民援助を要請したが、国連は、職員の安全が確保されないとして、消極姿勢に終始。同日、タリバンのザイーフ大使は、「我々は国連にアフガニスタン領内にいる国民への援助を求めている」と語ったが、国連のバンカー報道官は「法秩序の欠如やスタッフへの嫌がらせが援助活動の妨げになる」と消極姿勢に終始した。
    一方で国連は7億ドルの食料支援として、主にアフガニスタン北部への、すなわちタリバンと対立する「北部同盟」への食料支援を近日中に行うと発表。まさしく、米軍の爆弾と同様に、「食料」という爆弾でタリバンを追い込もうとしているのが国連。(もちろん国連が言うように、雪が降り積もり始めたアフガニスタン北部山岳地帯に逃げ込んだ難民が、最も援助を必要としているのは間違いないが。)


■  11/4
 米軍は「じゅうたん爆撃」開始以降、最大規模の爆撃を行った。CNNによると4日未明から7時間に渡り、北部の要衝マザリシャリフを中心にB52戦略爆撃機等による空爆を続行。少なくとも100発以上の爆弾を投下。カブールでは攻撃ヘリから発射されたロケット弾がトラックを直撃。乗っていたタリバン兵ら9人が負傷。
 アフガニスタン難民視察のため、パキスタンを訪れていた社民党調査団が、現地の様子を語った。まず、国連難民高等弁務官事務所のイスラマバード事務所から「昨年来のかんばつと今回の戦争による食糧難がひどく、このままでは首都カブールだけで10万人が餓死する」と説明を受けた。続いて、ペシャワールでは、「ペシャワール会」のメンバーと合流し、特に現地スタッフの献身的な活動に接した。特に印象に残ったのは、アフガン難民の間での反日感情の急速な高まり。ペシャワール近郊の難民キャンプでは、「ヒロシマ、ナガサキの苦しみを知る日本が、なぜアメリカ軍を支援するのか」と詰め寄られ、また「ペシャワール会」でさえ、そのトラックは『JAPAN』の文字を消していた。


■  11/3
 この日もB52戦略爆撃機によるカブール近郊と北部前線へのじゅうたん爆撃が続けられた。更にこの日はアラビア海北部に展開している強襲揚陸艦ペリリューから、米海兵隊攻撃機AV8Bハリアー4機が、初めてアフガニスタン空爆に加わった。4機は約230キロの爆弾4発を搭載して発進。(ただし1機は通信不良のため引き返した)

■  11/2
 この日もB52戦略爆撃機による「じゅうたん爆撃」続行。カブールの北とアフガニスタン北部のタリバン前線に対して。カブール周辺では2波に渡りB52が飛来。北部前線では、3波に渡りB52が飛来し爆撃。前線での爆撃で当り一帯はほこりや煙に包まれ、30キロも離れた建物の窓ガラスが揺れるほどの猛烈な爆撃。
 同日、米ニューヨークで、世界貿易センタービル跡地の捜索活動を大幅に縮小しようとする、市長に抗議するニューヨーク市消防士のデモ行進が行われた。市長は捜索体制を現在の5分の1に縮小しようと画策。これに対し、消防士の怒りが爆発。デモには約1000人の消防士が参加。「捜索を打ち切り、仲間の遺体をがれき扱いするつもりか」「同志の遺体をゴミ扱いするな」「我々の兄弟を家に返して」とプラカードやシュプレヒコールで市長に訴えた。(同時テロ事件で消防士は計343人が犠牲となり、まだ約250人が以前行方不明のまま)
 国連の大島事務次長が会見し、アフガン国内の北部山岳地帯に逃げ込んだ国内避難民が冬を前に「凍死も起きかねない深刻な状態」と強調。同次長によると、アフガン国内では現在約600万人が援助を必要としている。内100万人以上が国内避難民で、その内約60万人が北部、北西部山岳地帯に集中している。米・英軍の空爆開始後は、援助物資を搬送するトラックや運転手が不足し、国連世界食料計画は食糧、医薬品、冬用の衣類などを航空機から投下することも検討を始めた。また、アナン事務総長の呼びかけに対し、国際社会から7億ドルの拠出金の約束があったが、実際に集ったのはまだ30%に過ぎない。次長は、このままで推移すればどれだけの死者が出るかわからないが、昨年の冬には西部ヘラートの子供だけで150人の凍死者が出た。


■  11/1
 タリバン政権のモタキ教育相は、南部ヘルマンド州にあるアフガニスタン最大のダムが1日未明の空爆で大きな被害を受け、決壊寸前にあると語った。そして、これ以上被害を受ければダムは決壊し、数千人が命を落とす危険があると語った。
 前日に引き続き、米軍はこの日もB52戦略爆撃機等による「じゅうたん爆撃」を続行。
 国連でアフガニスタン問題を担当するブラヒミ事務総長特別代表は、パキスタンで記者会見し、アフガンへの緊急援助が再開されなければ、この冬で90万人の餓死者が出る可能性があると強調し、米に空爆の即時停止を求めた。


■  10/31
 タリバン政権のザイーフ駐パキスタン大使は、31日、25日前から始まった米軍の空爆で一般市民の犠牲者が1500人に達したと発表した。また、米軍は殺傷能力の高いクラスター爆弾を食料貯蔵庫などに投下していると非難し、また、クラスター爆弾の使用で女性や子供の犠牲者が増えていると強く非難した。
 米軍は31日より、以前の誘導爆弾による軍事目標への爆撃からB52戦略爆撃機等による「じゅうたん」爆撃へと空爆の作戦を変更した。まさしく無差別大量殺戮。
 31日の空爆でカンダハル近郊の診療所が被弾し、患者や医療スタッフ少なくとも11人が死亡。この診療所は赤十字によって運営されていた。
 同日、外国人記者にはじめて爆撃を受け、死の街と化した南部中心都市カンダハルが公開された。電力供給施設を破壊された街は、暗闇と静寂が支配していた。市街は自家発電で細々と照明をともすガソリンスタンド以外は、電灯のついた建物が無い。バザールは全ての商店が閉まり、道路には止まっている車さえない。全てが死に絶えたかのようだった。またこの街から逃れた人の話によると、カンダハル市民の75%はパキスタンとの国境地帯や山岳地帯に逃れたと言う。


■  10/30
 米軍はこの日も空爆を続行。南部カンダハル、首都カブール、北部のタリバン前線基地周辺や西部ヘラート、東部ジャララバードなど広範囲に空爆。民間人7人、兵士1人が死亡。
 米軍は「アフガニスタンの皆さん、注意して下さい。我々が落としている黄色い四角の包みは食料ですが、黄色い缶のほうは爆弾です。」と警告のラジオ放送を始めた。米軍が「人道支援」と称して投下している食料は、黄色の四角い包み。一方、全世界から避難されながら、アフガン空爆で盛んに使われている非人道兵器「クラスター爆弾」の不発弾も、表面は黄色に塗られている。同じように目立つ黄色のため、食料パックと勘違いして拾った住民が、不発弾を拾ってしまい起爆、犠牲になってしまうという。
 国連難民高等弁務官事務所は、30日、9月の米同時テロ後、アフガニスタンからパキスタンに新たに流出した難民が累計で10万を突破したと発表。
 また同日、国連のアナン事務総長はアフガニスタンへの援助物資供給のため米軍の軍事行動を早急に終了するよう求めた。「全ての軍事行動を可能な限り早く終了し、人道支援を進めることが重要。冬に備えて今のうちにできるだけ多くの食料を提供することが必要。」また、「赤十字への攻撃は容認できるものではない」と語った。


<ペシャワール近郊の難民キャンプルポ>
毎晩空爆が続く街が怖くてたまらなかった
 空爆を逃れた来た難民は言う。「タリバンは空爆の難を逃れている。空爆は庶民を傷つけるだけだ」と米軍を非難。カブールから家族7人で逃れてきたデルジョンさんは、「被曝しなくても、毎晩空爆が続く街が怖くてたまらなかった」そして、自宅のドアが空爆の揺れで崩れ、パキスタンへ行きを決心した。また次の様に空爆の様子を語った。
 空爆の最中は周囲が明るくなり、地揺れが続く。市民の存在に米軍が気付けば空爆は止むかと広場に集ったが、効果は無かった。
 アカジョンさんは、娘は今も空爆を思い出し夜中に突然泣き出す。「早く終わって欲しい。空爆が終わればすぐに故郷に帰る。」と。

 
■  10/29
 タリバン政権のアッバス保険相とアフガン人医師がカブールで会見。「米軍がアフガン空爆で化学兵器や劣化ウラン弾を使用している疑いがある」と語った。
 空爆で負傷した患者らを治療しているワジリ医師は、「12歳と15歳の少女、15歳の少年が空爆で負傷して運ばれてきた。3人とも外見は軽傷だったが、呼吸困難をきたしたほか、内出血し、数時間で死亡した。」と言う。更に同医師は、「他にも同様の空爆犠牲者を診たが、いずれも呼吸困難と内出血が特徴だ。」とし、「米軍が化学兵器を使用している疑いが濃厚だ。」と語った。続いて会見したアッバス保険相は、「米軍はコソボで使った劣化ウラン弾をアフガンでも使っている疑いがある。」と語った。
 29日も米軍は空爆を継続。東部山岳地帯ゲラ・タンギなどを空爆し、民間人5人が死亡。東部パクティア州では、少なくとも爆弾2個を投下。村人2人が死亡。カンダハルでも民間人2人が死亡した。
 パキスタンのNGOは、29日「空爆を逃れてパキスタンに越境してきた難民に、今度は地雷の危険が迫っている」と指摘。国境地域のパキスタン側の地雷は長年放置され来ており、「(新たな)難民キャンプ設置予定地には地雷がある。」と警告。


■  10/28
 米軍のアフガニスタン空爆で首都カブールの民家などが爆撃を受け、12人が死亡。目撃証言によると犠牲者の中には、朝食を取っていた父親と子供7人が含まれている。民家にはミサイルが直撃したとみられており、近隣住民2人も死亡。また別の場所でも小型バスが路上で攻撃を受け、2人が死亡。

■  10/27
 米軍は26日未明から27日にかけて、首都カブールで過去最大規模の空爆を行った。空爆は11時間にも渡り、20発以上の爆弾を投下し、住宅街の近くにも着弾した。この日の空爆で、カブール北東のカピサ州では9人、西部ヘラートでは1人、カンダハルでは2人が死亡。
 また「北部同盟」が支配するカブール北東のガニヒル村で、27日夕ミサイルが民家を直撃。2人が死亡し、8人が重軽傷を負った。「北部同盟」支配地域で米軍の誤爆による被害者が出たのははじめて。英ニューステレビ「スカイニュース」によれば、家の中にいた10人が死亡、19人が重軽傷を負ったという。「米国に対する村人の怒りは一気に膨らんだ」と報じた。
 27日、パキスタンのムシャラフ大統領は、イスラマバードで会見し、「(パキスタンにはすでに250万人のアフガニスタンからの難民がおり)もし国境を再び開けば、新たに200万人の難民が流入してくるだろう」と述べた。
(現地の被害の実態が少しずつ明らかになってきています。幾つかの新聞やその他のメディアに流された現地の最新ルポも掲載します)


<アフガン難民キャンプルポ――毎日新聞10月27日朝刊掲載>
 「爆弾を落とす人間(米軍)から食料をもらう人間はいない」
 NGO「ペシャワール会」の一時帰国したメンバーが、米国の連日の空爆と餓死の危機に直面するアフガニスタンの現状を語った。空爆の開始直後は正確に軍事拠点を爆撃していたが、その後は市民への被害も聞くようになった。難民キャンプの中には、米軍が投下した食料を集めて焼却しているところもある。「爆弾を落とす人間から食料をもらう人間はいない。米国に対する怒りが渦巻いている。」また、現地スタッフから聞いた話として、空爆開始後丘の上で「空爆が始まるのを待っている」家族がいた。避難するように言っても動かない。父親は「爆弾がおちて破裂した後、くず鉄を拾って売るんだ。」
 さらに、餓死の危機も確実に忍び寄っている。「ペシャワール会」では、約150万人が住むカブールで約1万家族(10万人)が餓死する危険があるという。また、かんばつの影響も深刻だ。どう会が掘削した井戸約540ヶ所の内約3割が枯れたという。「5〜6時間かけて水くみに来て、1つの井戸2100人が並ぶ。乳児10人の内2人が亡くなっていたのが、アメーバ赤痢の影響などで10人中7人になった。」
 最後にメンバーは語る。「難民として国境を越えてくるのを待つのではなく、貧しくて難民になれなくて留まっている人達を救わなければならない」と。


■  10/26
 米国防総省は、26日、カブールの赤十字国際委員会の倉庫群を誤爆したことを認めた。発表によると、26日未明2機のFA18戦闘攻撃機からそれぞれ1発ずつ発射された2000ポンドの高性能レーザー誘導爆弾が目標を外れ赤十字国際委員会の倉庫群を爆撃。同時にこの倉庫から200メートル離れた住宅街も誤爆した。更にそれからわずか8時間しか経たない同日午前にもB52戦略爆撃機2機から3発ずつ発射した高性能レーザー誘導爆弾が再び赤十字国際委員会の倉庫群を直撃した。
 赤十字国際委員会イスラマバード事務所によると、この空爆によって倉庫2棟が炎上、1棟が被害を受け、計3棟が消失。カブール周辺の住民に配給する食糧が消失した。
 また、北部タハル州の州都タロカーンに対する空爆では、マーケットが爆撃され、2人が死亡。
 国連は、アフガニスタン東部ジャララバード近郊で伝染病マラリアがまん延する懸念があると発表。もともと、ジャララバード近郊は、住民の健康や衛生状態がよくなかったことに加え、米英軍の空爆と食料不足、冬の到来の影響でここ数週間でマラリア感染の被害が拡大する兆しがあると言う。


■  10/25
 米軍のアフガニスタン空爆で使われた悪名高き非人道兵器「クラスター爆弾」の被害の実態が明らかになった。国連アフガニスタン調整事務所報道官は、西部ヘラートの村チャカカラで22日夜から23日にかけて、クラスター爆弾が米軍によって投下され、9人が死亡と発表。その内8人は、空爆時に死亡。残り1人はその後不発弾に触れたため爆発で死亡。村にあった民家45軒のうち20軒が破壊された。飛散した小弾頭の内約1割は不発で残っている。
 この日も米軍は激しい空爆を続行。カンダハルでは、攻撃ヘリコプターが発射したミサイルが満員の大型バスを直撃し、少なくとも10人が死亡。西部ヘラートでは、モスク近くが爆撃され、20人が死亡、8人が負傷。

■  10/24
 首都カブールで最大規模の空爆が続けられる。カブールでは、民間人7人が死亡。
 この日のニュースで、米海軍が3年ぶりに「トマホーク」の生産を再開し、800基増産することがわかった。ラムズフェルド国防長官に対し、9億6000万ドル(約1200億円)の予算措置を講じるよう要請。現在、この改良型トマホークは約2000基の在庫があり、この増産は、アフガニスタン以外への軍事作戦に向けた準備を念頭に置いたいると見られる。アフガニスタン民衆への空爆で莫大な利益を得るのが、ペンタゴンと巨大軍需産業であることをはからずも明らかにした。


■  10/23
 この日も首都カブールや北部に展開し「北部同盟」と対峙するタリバンの前線への激しい空爆が続く。西部ヘラートでは、モスクが爆撃され、15人が死亡。また、タンクローリー隊列も爆撃され、運転手ら5人が死亡し10人が負傷。カンダハル北東40キロの村チャコルカーズも爆撃され、52人が死亡。犠牲者の多くは遊牧民だった。
 米軍はこの日の記者会見で2件の誤爆を認める。1件は21日のヘラートでの誤爆。FA18戦闘機が軍用倉庫を空爆しようとしたところ、90メートル離れた高齢者施設近くに着弾し、高齢者施設を破壊。(タリバン政権は、この破壊された施設は病院で100人以上が死亡したと発表)もう1件は20日のカブールでの誤爆。F14戦闘機が目標としていた軍用駐車場から2.4キロも離れた住宅地を誤爆。


■  10/22

 タリバン政権のザイーフ大使は、西部ヘラートの病院が爆撃を受け100人以上が死亡し、またこれまでの空爆で死亡した民間人は1000人にのぼると語った。更に大使は、「軍事施設から遠く離れた住宅地を意図的に標的にしている。テロ行為そのものだ。」と米軍を強く非難。
 カブールから北部に逃れた難民の証言では、「(最初は)被弾しているのは軍事施設ばかりで空爆は正確だと思った。が、1週間ほど前から昼間も空爆が続き巻き添えが出ている」と。

■  10/21
 この日も激しい空爆。カブールでは、ハイルハナの住宅地の民家に爆弾が直撃。カブールとヘラートで子供4人を含め少なくとも28人が死亡。この日AP通信記者がカブールの空爆による破壊された跡を取材したが、そこではすぐに5体の遺体が発見された。(3体は女性、2体は小さな子供)更に取材した記者に、住民は「米軍機のパイロットは目が見えないのか。ここには軍事施設も何もない。無実の住民ばかりだ。」と激しい怒りに満ちた口調で語った。
 ついに、パキスタンに押し寄せた難民とパキスタン国境警備隊の間で衝突が発生。少年を含む5人が負傷。パキスタンではビザを持たない者は、入国させないため、着の身着のままで、米軍の空爆から逃れたアフガン難民の多くは国境を越えられない。その不満が爆発。特に19日から難民は急増し、20日には1日5千人に。それでも国境のアフガニスタン側には、1万から1万5千人の難民がパキスタンへの入国のため集っている。 

■  10/20
 19日の地上作戦に続いて、20日もアフガニスタン全土で激しい空爆。そしてこの日から米軍は首都カブールへの攻撃にAC130「ガンシップ」と共に、はじめて攻撃用ヘリを投入。ヘラートでは、病院が爆撃される。タリバン政権報道官は少なくとも29人の民間人が死亡と発表。
 パキスタン西部の国境の町チャマンでは、難民の流入が激増。20日だけで5000人のアフガニスタンからの難民がパキスタンに入った。更にチャマンのアフガニスタン側国境付近にはパキスタンへの入国を待っている難民が約1万人集っている。
 国連難民高等弁務官ルベルス氏はアフガン難民の数が急増しており、7日の米・英軍の空爆開始以来、パキスタンに5万人、アフガン国内の山間部には25万人が逃げ込んでいる模様と発表。

■  10/19

 ついに米軍は地上部隊をアフガニスタンに侵攻させた。
 米CBSテレビによると、米軍は、最大200人の米陸軍レンジャー部隊をアフガニスタン南部に侵攻させ、タリバンの拠点攻撃を行っていると報道。ワシントン・ポスト等は米特殊部隊がアフガニスタン南部で地上作戦開始と報道。FOXテレビは、首都カブールにも米特殊部隊が3つのチームに分かれて送りこまれ、偵察・破壊活動に着手と報道。ロイター通信は、米軍8人が「北部同盟」と行動を共にしていると報道。パキスタン政府筋の話では、アフガニスタン南部に投入された米特殊部隊は、横須賀を母港とする空母キティホークから10日ヘリコプターでパキスタンに降り立ち、その後、パキスタン特殊部隊の協力のもと、カラチ近郊の山間部の訓練センターで戦闘訓練に入っていた。まだ詳細はわかっていないが、上記の報道を総合すると、当初日本で報道された極小規模の特殊部隊が潜入・偵察活動を行うというのとは様相が異なり、かなり大規模な侵略攻撃活動が地上においても行われる可能性が高い。

 19日早朝も米軍は、カブールやカンダハルを空爆。カンダハルでは、バザールが爆撃され、7人が死亡、15人が負傷。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、約3500人の爆撃を逃れたアフガニスタン難民が、パキスタン国境の町チャマンに流入。難民は見るからにパニック状態で食料も何も持たずに逃げてきている。また、1日に流入した難民の数としては、米軍の空爆開始以来最大。 

■  10/18
 タリバン政権の報道官は、「アルジャジーラ」のビデオ電話インタビューで「がれきの下に埋まっている確認できない犠牲者が数多くいることから、空爆開始から現在までに600〜900人の死者・行方不明者がいる。」と語った。さらに「負傷者は何千人にも及ぶが、正確な人数はつかめていない」とも。
 17日未明から18日にかけてもカブールやカンダハルでは引き続き大規模な空爆が行われた。

 アフガニスタンの被害とは直接関係ないが、日本政府・法務省はタリバン政権から逃れ日本に来たが、難民認定を受けられなかったアフガン人男性に対し、強制退去命令を出した。支援団体の人が言っているように、このことは、「死ねと言っているようなもの。今、戦争の真っ只中の国に返すという状況を考えて即時釈放して欲しい。」(現在この男性は茨木氏の西日本出入国管理センターに収容され、退去命令が規定どおり執行されれば、今だ空爆の続くアフガニスタンへ強制送還される)
 上記のことを見るだけでも、日本政府・小泉政権の言う「人道支援」がいかにデタラメで嘘っぱちであるかがわかる。

■  10/17

 米軍は17日もアフガニスタン空爆を続け、首都カブールなど各地を集中的に爆撃した。現地からの報道によると多数の死傷者が出ている。アフガン・イスラム通信は同日、南部カンダハル近郊の二つの診療所が爆撃を受け、8人が死亡、20人が負傷したと伝えた。空爆開始以来、使われた爆弾やミサイルは2000発を超えた。

 UNHCRは17日、アフガニスタンからパキスタンに難民流出が本格化し、この4日間だけで8000人と急増しているとしている。

■  10/16

 米国防総省は16日声明を出し、アフガン・カブール近くの国際赤十字委員会の倉庫を米軍機が誤って爆撃したと発表した。現地時間の16日、米海軍FA18戦闘機の1000ポンド爆弾が「不注意で」命中したという。攻撃目標とした軍事物資貯蔵倉庫群の一部を国際赤十字が使用していることを知らなかったと釈明している。

■  10/15

 10月15日、英国防当局者によると、米軍主導のアフガニスタン攻撃は、開始から1週間で、60カ所の攻撃目標を破壊した。
 アフガン・イスラム通信によると、米軍は15日朝から午後にかけてアフガニスタンの首都カブール、東部ジャララバード、北部マザリシャリフなどで空爆を行った。ロイター通信によると、15日朝に爆撃を受けた北部バドギス州のカライナウでは12人が死亡、32人が負傷した。

■  10/14

 アフガニスタンを実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンの当局者らは、米軍戦闘機による攻撃で、同国東部ジャララバード近郊の村で最大200人が死亡した可能性があるとして、14日、ジャーナリストに同地域を公開した。 (10日のカラム村攻撃のこと)

■  10/13

   米国防総省は、米軍機がアフガニスタンの首都カブールの空港にあるタリバン軍拠点を狙って投下した爆弾が標的を外れ、約1.6キロ離れた民間の住宅地に着弾したことを認めた。
 同省は、米軍が標的を定める際、民間人の犠牲者を出さないために十分な注意を払っていることを強調した上で、民間人が巻き込まれたことに遺憾の意を表明した。
 同省の声明によると、空母から離艦した海軍のF/A18戦闘攻撃機がヘリコプター基地を狙って投下した衛星誘導型爆弾が、座標の誤入力で別の場所に着弾したという。
 この誤爆で少なくとも1人が死亡、4人が負傷したとみられている
 米CNNテレビは13日、アフガンニスタンを攻撃中の米軍機が首都カブールの住宅街を誤爆したと報じた。米国防総省筋の話として伝え、「ミサイル1発が予定された標的から外れた」という。死傷者は明らかにされていない。米政府がアフガン攻撃で誤爆を認めたのは2度目。
 AIPによれば6日間(8〜13日)の空爆で少なくとも300人もの一般市民が犠牲となっている。

■  10/12

■  10/11

   アフガニスタン空爆を続ける米軍は11日午後(日本時間同日夜)、首都カブールの空港近くのタリバン軍事施設を爆撃した。ロイター通信などが目撃者の話を引用して伝えた。7日の開始以来5日連続の空爆で、カブールが日中に爆撃されたのは初めて。この攻撃の際、上空を旋回する戦闘機が目撃された。
 一方、ロイター通信はジャララバードではモスク(イスラム礼拝堂)も攻撃されたと報じた。
 カンダハルでは11日朝も空爆が続き、現地からの情報では住民らがパキスタン国境に向かって避難を始めた。アフガン・イスラム通信は住民の話として「米軍機が人口密集地を攻撃した。死傷者のほとんどは女性と子供だ」と伝えた。
病院、ホテル、商店街に被害が出ている。

■  10/10

 これまでで最大規模となった10日夜のカブール空爆では、ミサイルが民家を直撃し、女性や子供を含む計10人が死亡した。アフガン・イスラム通信が報じた。タリバンの本拠地カンダハルや東部のジャララバードも激しい空爆を受けた。カンダハルでは市民18人が死亡。特にジャララバードから西約35キロのカラム村は爆撃で壊滅し、100人以上が死亡したと同通信は伝えている。
 10月10日夜から11日未明にかけ東部の町ジャララバードの隣村カラム村への無差別爆撃が加えられ、民家約60戸が破壊され、村は壊滅し、160人が死亡した。

■  10/9

   カンダハルへの白昼の空爆を開始。(カンダハルでは)最低20人が死亡。

■  10/8

 地雷撤去を進めるNGO事務所が爆撃され職員4名が死亡。空爆は1000万個残るといわれる地雷撤去作業を中断させ、地雷の場所の特定を困難にし、撤去機器などを破壊してしまう危険性がある。

■  10/7

 米英の空爆が開始。アフガンイスラム通信によると、米英の攻撃で市民25人以上が死亡した。