シゴキ死 sigokishi000821
2000/8/21 神奈川県川崎市中原区の市立中原中学校で、夏休みの野球部の練習中に、森本桂多くん(中2・13)が熱中症で倒れて死亡。
経 緯 8/21 午前8時から炎天下、多摩川河川敷でノック練習。2時間以上続けたあと、約5分間の給水休憩をとる。
10時50分から約5キロのランニング。途中、桂多くんは友だちの肩を借りて走っていた。
11時30分頃、スタートから約4キロ走った地点で、桂多くんは意識を失って倒れる。
顧問教師は先頭を走っており、すでに河川敷の野球場に着いていたため、生徒の異変に気付かなかった。
11時50分頃、部員から知らせを受けた顧問が119番通報。(携帯電話を持っておらず、取りに行っていたため、通報が遅れた?)
午後8時40分頃、熱中症に起因する多臓器不全による出血性ショックで死亡
指導教師 顧問K(38)は日頃、部員に対して体罰を行っていた。

市教育委員会を通して、「保護者の方に心からお詫びを申し上げます。今も心が痛んでいます」とのコメントを発表。
市教育委員会の対応 川崎市教育委員会は学校に対して熱中症に対する注意を促していた。

顧問教師を6ヶ月間10分の1の減給処分。別の中学校に移籍し、市総合教育センターで2年間研修命令。(2002/9/現在)
教師の処分 両親が「教諭の対応に問題があった」として、中原署に告訴状を提出。
2001/7/ 中原署は、教師を業務上過失致死の疑いで書類送検。
その後 2002年の夏にも、市内中学校で熱中症による生徒の死亡事故発生。
裁 判 2002/7/29 横浜地検川崎支部が教師を在宅起訴。
川崎支部は、「熱中症に備えて、水や救急箱、携帯電話を持って後方から監視するなどの注意義務を怠った」とした。また、両親が「法廷で明らかになることを期待している」と訴えたことを重く見た。

2002/9/30 顧問教師に罰金40万円(求刑50万円)の有罪判決
栗田健一裁判長は、「持久走のような運動をさせる場合は水や救急箱、携帯電話などを持って、ランニング集団の集団の後方から監視するなどの態勢で指導監督するべきだった」「体力的に充分な成長を遂げているとはいえない中学生の部活動の指導を託され、保健体育の教諭として熱中症について相当な知識があったにもかかわらず、注意義務を怠ったことは厳しく非難されるべき」「部員の健康状態への配慮や適切な救護措置をとる態勢に欠けていた」として、業務上過失致死罪を適用。
参考資料 2002/7/30朝日新聞、2002/7/30神奈川新聞(サイト)、2002/9/30神奈川新聞(サイト)、2002/10/1讀賣新聞横浜版、裁判の傍聴、ほか 



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