子どもたちは二度殺される【事例】



注 :
被害者の氏名は、一人ひとりの墓碑銘を私たちの心に深く刻むために、書籍等に掲載された氏名をそのまま使用させていただいています。ただし、加害者や担当教師名等については、個人に問題を帰すよりも、社会全体の、あるいは学校、教師全体の問題として捉えるべきではないかと考え、匿名にしてあります。
また、学校名については類似事件と区別するためと、隠蔽をはかるよりも、学校も、地域も、事実を事実として重く受けとめて、二度と同じ悲劇を繰り返さないで欲しいという願いを込めて、そのまま使用しています。
S.TAKEDA
960407 いじめ自殺 2003.6.22 2003.8更新
1996/4/7 愛媛県松山市の市立内宮中学校の女子生徒Aさん(中2・13)が、JR予讃線の踏切で自殺。
経 緯 1995/9/下旬 上級生2人からワンポイント入りの靴下を「校則に違反している」と言われ、それ以降、不登校になっていた。これ以外にも、同じ上級生から三つ編みの髪型を注意されたり、学校の廊下でポケットベル代金200円前後を要求され、Aさんは「なぜ出さなくてはいけないのか」と断ったことがあった。

また、同級生の女子生徒数人からいろいろ陰口を叩かれていた。(同級生の証言)

1995/10 Aさんは不登校になり、以降2学期は期末試験に出席しただけだった。
親の認知 Aさんは親に、友だち関係について悩んでいるとは言っていた。
4/6 (亡くなる前日)晩に「(学校には)行きたくなったら行くよ」と言って明るく笑っていた。
別の事件 1995/ 9月以前から、同じクラスの女子生徒Bさん(中2)が、Aさんをいじめていた女子生徒のうちの一人から、体型などについて言葉でいじめられていた。テニス部の仲間から「むかつく」と言われ、退部した。

1996/1/下旬 Bさんは「(いじめを)がまんしていたけども、やっぱりだめです」と言って、不登校になっていた。

同級生らはいじめを見るたびに、見かねて教師を呼びにいくことがあった。
担任は、いじめた生徒を職員室に呼んで何度か注意していた。
学校側はこれでいじめが解決したと認識していたという。
学校の対応 学校が市教委に報告した1995年度のいじめは2件。不登校は8件。
Bさんについては、いじめと不登校として報告していたが、Aさんについては、不登校とだけ報告していた。
校長は「昨年9月に先輩とのトラブルがあったが、すでに解決済み」、Aさんへのいじめについて全く知らなかったとした。

4/15 校長らが記者会見し、「上級生からのいじめが不登校の原因と考えられるが、自殺の原因はわからない」とし、「クラス内でのいじめは一切、確認されていない」とした。
参考資料 1996/3/20、3/22朝日新聞(「いじめ問題ハンドブック」/高徳忍著/つげ書房新社)1996/4/8讀賣新聞・大阪、1996/4/9西日本新聞(月刊「子ども論」1996年6月号/クレヨンハウス)



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