わたしの雑記帳

2008/4/1 岡崎哲(さとし)くん・殴打死 茨城県警の捜査を問う国家賠償訴訟 控訴審 第2回口頭弁論(3/24)


2008年3月24日(月)、午前11時から東京高裁808号法廷で、岡崎哲くん・殴打死の第二次訴訟【国・県に対する裁判】控訴審第2回口頭弁論が行われた。裁判長は大坪丘氏。裁判官は、宇田川基氏、新堀亮一氏。
この日、控訴人である岡崎さん側から、犯罪被害者学の第一人者である諸澤英道氏の意見陳述書が提出される予定だったが、多忙のため遅れているとのことで提出がされなかった。しかし、大坪丘裁判長は意見書に関心を示し、「必ず読みます」と言い、提出を待つと言う。さらに、岡崎さん側が主張している人証調べに対しては留保し検討するとした。

多くのひとは、一審の地裁で負けても高裁の審議があると思っているだろう。しかし現実には、よほど新しい証拠や主張が出てこない限り、高裁は書面だけをみて判断し、人証調べなど新たな証拠調べは行われないことも多い。
そんななかで、即日却下されずに検討してもらえるだけでもよいとしなければならない。

次回は6月11日(水)。東京高裁808号法廷で、10時00分から。

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茨城県警の不当な捜査を訴えているこの裁判中、3月23日(日)、茨城県土浦市のJR常磐線・荒川沖駅で、殺人事件で指名手配中の金川真大(かながわ・まさひろ)容疑者(24)に8人が刺傷される事件が起きた。次々に明らかになる茨城県警の不手際。捜査のやり方に批判が集中している。
3/27の『定例会見で小風本部長は、「警戒中の警察官の目前で、指名手配中の容疑者に第2の犯行を許すという失態について「(8人死傷という)結果が出ているので反省している」と述べ捜査態勢の不手際を認め、検証するとした。だが、犠牲者に対しては「捜査中に8人の死傷者を出して遺憾」と述べるにとどまり、謝罪の言葉はなかった。』(3/27産経ニュース)とあった。結局は、岡崎さんの事件、猪野さんの桶川ストーカー事件、須藤さんのリンチ殺人事件と同様、世間に騒がれている間は多少なりとも頭を下げてはみせても、しばらくすれば開き直って、警察に責任はないというだろう。

岡崎さんの裁判の証言で明らかになった警察官の初動捜査のいい加減さ(me030313 me030607)。 そのことに疑問を持つこともなく、反省もない警察。それでよしとする裁判官の感覚。
日ごろ、ほとんど批判されることがない国家権力が、歪みを生み、怠慢を生み、犯罪をはびこらせているのだと思う。殺傷された8人の犠牲者はそのツケを背負わされた。そして、おそらくまた、警察の責任を問うて裁判をし、負けてさらに傷を深くする被害者遺族らと同じ悔しさを背負うことになるだろうと思う。
国家賠償裁判で被告側が負けるようにならなければ、この体質は今後も変わらないだろうと思う。

「捜査は公共の利益のためにやっているのであって、被害者のためではない」この結論(me071001 参照)対して、これ以上の被害者を生み出さないためにも、岡崎さんの控訴審では「被害者の権利」を問う。どれだけ「被害者支援」のための法律ができても、実際に使えなければ、絵に描いた餅になってしまう。



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