わたしの雑記帳

2007/3/27 所沢高校・井田将紀くん(高3・17)裁判(2007/3/14)傍聴報告。

2007年3月14日(水)、さいたま地裁105号法廷で、井田将紀くんの裁判があった。
原告弁護士のほうから、この事件について埼玉の法務局が調査をおこなったということを聞いたが、本人が亡くなっており、親も申立人ではないので、情報公開はできないとの回答があった。裁判所命令で内容を開示させてほしいとの要望が出された。
通常であれば、遺族が法務局に人権救済の要望が出され、調査されることが多い。しかし、お母さんは知らないという。誰が、どういう経緯で、何の目的で、法務局に働きかけたものか。そして、その結果はどうなって、なぜ公開されないのか、遺族に報告せずに、誰に報告がなされたのだろうと思う。

そして、弁護団の一人、杉浦ひとみ弁護士から、5人の教師が前回、提出した反省文は母親に無理やり書かされたものであるという陳述書が出たことに対して、遺憾であるという内容の発言があった。この裁判は、将紀くんの母さんが所沢高校を訴えている。しかし、教師との対立を前面に押し出したものではなかった。「何もしなかったら、終わってしまう」「このままでは終われない」「二度と同じことを繰り返してほしいくない」という思いから生まれた。

それでも、多くの学校事故・事件の遺族と出会い、何があったか事実を何も知らされない遺族が多いと知るなかで、自分は恵まれていたと思ってきたという。疑問の残る部分はあるものの、その日何があったのか、教師たちの口から語られた。反省文ももらうことができた。
しかし、裁判になると、反省の言葉まで撤回された。せめて、あのときの反省の言葉は本当だったと信じたい。学校や教育委員会、弁護士に言わされているだけだと信じたい。

兵庫県川西市の中学校で、ラグビー部の練習中に、熱中症で亡くなった宮脇健斗くん(中1・13)の裁判(S990727にある面で似ていると思った。
事故発生直後に、同中学校内の複数の教員により「プロジェクトチーム」が組織され、当日の練習風景が再現されるなどした。警察が中学校に捜査を開始したという情報が市教委に伝わった頃から、市教委の対応に変化がみられ、原因究明等の取り組みの進捗がまったく感じられなくなり、事故経過の公表も消極的になった。
民事訴訟に踏み切った両親にも、「ここまでしてやったのに」と批判の声もあがったという。

多くの親が「わが子に何があったか知りたい」と思って、民事裁判を起こすのは事実だ。しかし、事実を知るということは、あくまでスタートラインでしかない。事実を知って納得がいかない、このまま終わりにはできないと思うから裁判を起こした。
二度と戻らない失われた命に対して、誰が、どう責任をとるか。
宮脇さんにとっても、井田さんにとっても、民事裁判を起こし、事実を明らかにし、再発防止につなげる。それが、親として子どもに何ができるか考えたあげくの責任の取り方だったのだと思う。
学校、教師と対立したかったわけではないと思う。むしろ共に、自分たちの何が足りなかったのか、どうすれば子どもをひとり死なさずにすんだのかを公の場で、真剣に議論したかったのだと思う。そして、二度と同じことが起きないように、しっかりと教訓を固定化したかったのだと思う。

個人的にはどんなに謝ってもらっても、次の命を救えなければ、やはり亡くなった子どもの命が無駄になってしまう。そして、熱中症にしても、教師の叱責による自殺にしても、反省は教育現場にとどまることなく、次から次へと新しい命が犠牲になっている。

井田将紀くんの裁判の次回は、5月16日(水)、午前10時15分から。さいたま地裁504号法廷にて、まだ書類のやりとりとなる。しかし、そろそろ誰を人証調べするかという段階になってきており、法廷での証人尋問も近い。

なお、傍聴には、以前にもこの裁判でお会いした杉原賢哉くん(2006/7/4 埼玉県越谷市で私立開智中学の杉原賢哉くん(中3・14)が鉄道自殺。賢哉くんは学校であった「盗難事件」について「大変なことが起きている」と母親に告げた翌日、自殺)のお父さんがいらしていた。
また、文部科学省を提訴中の中井佑美さん(2005/10/11 埼玉県北本市の市立中学校の中井佑美さん(中1・12)がいじめを苦に自殺)のお母さんも支援者の方とともに傍聴にいらしていた。

中井さんの裁判は、4月12日(木)東京地裁103号で、午後2時から。
杉原さんの裁判は、4月13日(金)さいたま地裁505号法廷で、午後1時15分から。


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