ピースリンク広島・呉・岩国 20230224呉地方総監部申し入れ(報告)

ピースリンク広島・呉・岩国 20230224呉地方総監部申し入れ(報告)
2023年2月24日
内閣総理大臣 岸田文雄様
防衛大臣   浜田靖一様
海上自衛隊呉地方総監 伊藤弘様

国際平和都市ヒロシマにつながる広島湾での軍事演習に強く抗議し中止を求める
日本国憲法を無視し、東アジアの脅威を煽る「安保3文書」の撤回を求める

海上幕僚監部の「お知らせ」によると、海上自衛隊は、今月27日から日米共同訓練を広島湾で初めて実施すると発表した。訓練は広島湾及び九州西方から沖縄周辺で今月27日から来月12日まで実施。海上自衛隊とアメリカ海軍からそれぞれ約200人が参加する。期間中、広島湾では海上自衛隊呉基地に所属する輸送艦「おおすみ」と、アメリカ海軍の輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」が参加。エアクッション型揚陸艇を相互に入れ替え、発進や収容を行う訓練が計画されている。その他、海上自衛隊は掃海艇「ひらしま」同「やくしま」、米海軍は強襲揚陸艦「アメリカ」、ドック型揚陸艦「アシュランド」などが参加する。具体的な場所や日時は明らかにしていない。広島湾での日米共同の共同訓練はこれが初めてで、県は安全対策をしっかりするよう国に要請したと報道された。
今回の日米共同訓練に参加する輸送艦「おおすみ」は満載排水量1万3000トン、全長178m、1998年、呉を定係港に就役し、全長24.7m、全幅13.3m、60トンの積載可能なエアクッション型揚陸艇(以下LCAC)2隻を積載する戦車揚陸艦(LST)である。他方、米海軍のドック型輸送揚陸艦「グリーンベイ」は排水量2万4333トン、全長208m、2009年に就役し、佐世保海軍基地を母港とし、LCAC2隻を積載する。
LCACは、空気を海面や地面にたたきつけて浮上するので、すさまじい騒音が発生する。98年の開設時に呉湾周辺4市町(当時)は佐世保市に騒音調査の視察を行なっており、海自では江田島市の整備所付近をはじめ呉湾では自力走行しないことを約束し大音量を出さないよう留意されてきた。しかるに広島湾で日米共同訓練ということになれば、本当にすさまじい騒音を周囲にまき散らすことが懸念される。また、広島湾は、通常多くの船舶が航行する内海の海域である。2014年、輸送艦「おおすみ」は大竹市の阿多田島近くで釣り船と衝突事故を起こし釣り船の船長と乗客2名が死亡している。将に危険極まりないものである。
さらに、離島防衛を想定した陸上自衛隊と米海兵隊との日米共同実動訓練「アイアン・フィスト」も日本国内で初めて行われている。今回の訓練では大分県の日出生台でも行われ、日米のオスプレイも投入され、その欠陥に地元からも大きな懸念の声が出ている。また、この訓練拠点として米軍岩国基地が利用され、海兵隊員の輸送にも岩国が利用されて可能性が高く、こうしたなし崩し的な基地強化も許されない。
日本政府は、昨年12月、安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)を閣議決定し、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有、防衛費対GDP比2%、5年間で43兆円、武器輸出など、国会の議論も説明もなく決定した。これは日本国憲法に明白に違反する内容であり、また「台湾有事」をあおって鹿児島・奄美・沖縄の基地建設を強行している。軍事力という武力ではなく、外交・対話で緊張を解き、憲法の平和主義に立ち返ることを心から求めたい。
この背景には昨年5月の日米共同宣言で、岸田首相はバイデン大統領と約束を交わしたことにあり、国会をも無視して民主主義を否定する行為である。さらに軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に参加したほか、5月には広島でNATOの中核となる首脳が参加するG7サミットを開催しようとしている。「軍都廣島」「軍港呉」を繰り返してはならない。
以上より、以下、要請する。 
1.広島湾における日米共同訓練を中止すること。
1.安保法制に基づく日米軍事一体化の動きを辞めること。
1.「安保3文書」を即時撤回すること。
 
入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機! ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)
広島世話人:新田秀樹  呉世話人:西岡由紀夫  岩国世話人:田村順玄
  連絡先:呉市幸町3-1 呉YWCA気付 090-9736-8895(西岡)