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日本下水文化研究会
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定例研究会




第34回 定例研究会

衛生改善は貧困削減に貢献する

アジャール・アリ・プラマニク氏



「衛生改善は貧困削減に貢献する」

 8月13日(土)、東京雨水国際会議参加のため来目されたバングラデシュのNGO、SPACEの事務局長アジャール・アリ・プラマニク氏に定例研究会講演を願いしました。演題は、「衛生改善は貧困削減に貢献する」です。運営委員の佐藤八雷さんから報告してもらいます。
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 アジャール氏は最初に「バ国」の貧しさの現状を紹介され、現在もなお国家戦略の発動にもかかわらず遅々として衛生状態が改善されない現状を話された。そして衛生環境の悪さが貧富の差をさらに広げることになる事例を、すなわち貧しいがゆえに益々貧しくなっていく理由をサニテーションと関連づけて細かに説明された。「バ国」の貧しい人たちは日常的に以下のような状態に置かれている。
 病気した時は予期せぬ出費のために、なけなしの貯金をはたいて、医者に掛からざるを得ない。金がない場合は、財産の一部あるいは家畜か家財道具を売るか、高利貸から高利の金を借金する羽目になる。働き手が病気になった場合は一時的に収入が途絶え、父親か母親の死を迎えた子供たちは悲惨な生活を余儀なくされる。
 子供たちが病気になった場合当分は学校へ行けなくなり、教育の機会が失われる。子供は5〜6人の内、2〜3人が生き残るのが常であるため、母親の出産回数が増え妊婦としてのリスクが増すと同時に、人口の抑制も困難となり女性の自立の障害となって社会参加が遅れる。貧しい家庭の女子は早すぎる結婚を強いられる場合がある。
 日常的に良い衛生環境に恵まれていると上記のリスクは解消され、貯蓄が出来て子供たちの教育の機会が十分に満たされることになるというわけである。人口爆発も抑制され、途上国の貧困が軽減されることになると。

(運営委員 佐藤八雷)

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