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多摩源流祭




多摩源流祭に参加して

斎藤 博康 日水コン海外本部

 去る5月4日(月)、連休も終わりに近づいた祝日、下水文化研究会のメンバー6人は山梨県小菅村の第15回多摩源流祭に参加した。研究会は4日の源流祭に参加した後、小菅村に一泊し、翌5日(子どもの日)は多摩川の水源、笠取山(標高1,958m)の水干(みずひ)を訪ねる計画を立て、参加者を募集した。 4日の朝、指定されたJR八王子駅に集合したのは、藤森さん、谷口さん、酒井さん、山出さん、われわれ夫妻だった。
 折から降出した雨のため、中央道の上野原ICからの山越えは途中休息も取らず、景色を楽しむこともできず、小菅村の山水館に繰込んだ。運転は藤森さんにご苦労を願った。山水館は、船木浩二さんが経営する旅館で、氏は元都水道局長船木喜久郎さんの甥ごさん。雨中、玄関へ飛び込むと、当の船木さんが祭りに参加するため来ておられた。船木さんは小菅村の出身、名誉村民で、源流祭には欠かせない人だ。村は面積53km2のうち、 94%が山林で、主産物は林業と農産物。山間に約1,200人が住むが、下水普及率は100%である。

 源流祭は、小菅川の横、小学校の校庭を会場にして折からの強雨にも拘わらず、カラフルな傘を拡げた大勢の参加者が見守る中、踊りや歌が行われ、地元の物産展も行われ盛会だった。夜、暗くなって小菅川の河原で恒例のお松焼きと花火大会が行われた。お松焼きは、高さ10メ-トル程に積み上げたピラミッド型の松材を中にして、両脇に少し低い同様の松材を積み上げ、その三つのピラミッドに山伏に扮した地元の数人が順次、火を放ち、三つの火が天を焦がして燃え上がる壮大な行事である。火力が強かったので、河原の見物人は熱くて場所を移動した程。燃えさかる火は川面に美しく映え、舞上がる火の粉は幻想的だった。続いて打上げられた大きな花火は四方が山に囲まれ反響するので、煙と音と光の迫力は凄まじいかった。観衆は水と火の美しいコントラストにしばし、感銘。谷口さんは何度も来たが、雨に降られたのは始めてで、しかし、一番印象に残ったといった。

 翌日は、前夜の雨が嘘のようによく晴れ上がり、山は緑一色、快晴の登山日和になった。藤森さんの運転で、落合部落を経由、登山口手前で車を降り、鳥のさえずりを聞き、野草を眺め、ゆっくり山道を歩いた。渓流にキラキラ光る砂金を指さし、本物だと教えてくれたのは山出さん。この辺りは東京都が管理する水源林で、ハイカーのために登山道は良く整備され、看板、標識もセンスの良いイラスト入り説明文とに代わっていた。ゴールデンウィークだから登山者の混雑が心配されたが、前日の大雨のせいか殆ど人に会わなかった。全員無事に水干に到着、滴り落ちる原水のしずくを両手に受けて飲み、味わい、水の有難さを感謝した。東京湾の河口まで138キロメートルの多摩川はここから始まる。思わず、しっかり足もとを踏みしめた。登るのは苦労だったが、下山はスピードも出て快調。全員、快い疲労と満足感で無事に山を下った。そして、来年、また来ようと約束した。
 源流祭は水に感謝し、自然に触れ合う良い機会である。他の会員の皆様もぜひ参加して頂きたい。

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