現代企画室編集長・太田昌国の発言のページです。世界と日本の、社会・政治・文化・思想・文学の状況についてのそのときどきの発言が逐一記録されます。「20~21」とは、世紀の変わり目を表わしています。
1999年の発言

◆インタビュー「東ティモール多国籍軍評価をめぐって」(仮題)

◆書評:目取真俊著『魂込め』

◆チモール・ロロサエは国軍を持つというグスマンの言明について

◆ペルー大使公邸事件から三年

◆グスマンの「方針転換」について

◆私達にとっての東チモール問題

◆文学好きの少女M子、十七歳の秋

◆東チモール状況再論:若干の重複を厭わず

◆「おまえの敵はおまえだ」

◆東ティモール情勢を、PKF解除に
利用しようとする日本政府と右派言論


◆書評:伊高浩昭著「キューバ変貌」

◆「ふるさとへ」

◆アンケート特集/若い人たちにおくる三冊

◆書評  田中伸尚 『さよなら、「国民」「「記憶する「死者」の物語』

◆傍観か空爆か。少女の涙と大統領の周到な配慮。他の選択を許さぬ二者択一論と欺瞞的な二元論の狭間

◆「ほんとうは恐いガイドラインの話」

◆裁判長期化批判キャンペーン批判

◆時代につれて変わる出会い方、そのいくつかの形ーーラテンアメリカと私

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アンケート特集/若い人たちにおくる三冊
「週間読書人」1999年3月26日号掲載
太田昌国 


1.
朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』(未来社)。

2.
ラス・カサス『インディアス破壊を弾劾する簡略なる陳述』(石原保徳訳、現代企画室)/『インディアスの破壊についての簡潔な報告』(染田秀藤訳、岩波文庫)。

3.
ジャック・ロッシ『ラーゲリ強制収容所註解事典』(染谷茂校閲、恵雅堂出版)。


 薄暗い喫茶店が消え、眩いばかりに明るい街の光景ほどには現代の青春の心も単純ではないと知りつつ、翳りが希薄にはなっているらしいその心にも食い込む(ことを希望したい)本を三冊。


1.は二〇世紀の日本で、2.は一五〜一六世紀のアメリカでの異民族同士の出会い方をめぐる、深い問題提起の書。

3.はユートピア思想の実践が行き着いた果てを示して、いまなお夢を手放すまいと思う私も繰り返し頁を繰る。

 恐ろしいことが語られているがいずれも、読者を脅しつけ書の中に暴力的に引きずり込む方法とは無縁。深い内省をもって、人類史を顧みる縁となる。

 
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