抗議声明

抗 議 声 明


 大田昌秀沖縄県知事は、本日、軍用地強制使用手続の一環である裁決申請書の公告・縦覧手続の代行を受け入れることを表明した。

 県知事は、昨年九月、土地物件調書への代理署名手続を拒否した。これは、昨年九月四日に発生した三米海兵隊員による少女暴行事件に対する県民の怒りを背景に、五〇年余の沖縄県民の基地による重圧を取り除き、二一世紀に向けて、若者が夢と希望を持てる、平和で住みよい沖縄の実現を目指すためであった。

 県知事のかかる立場は、政府の軍用地強制使用に一貫して反対し、軍用地の返還を求めて長年闘ってきた私達の立場に共通するものであった。そのために、私達も県内外の各界各層の無数の国民と共に県知事を支援して闘ってきたと自負している。県知事の粘り強い政府折衝によって、沖縄の振興策についての一定の前進を見たことを評価するにやぶさかではないが、しかし、沖縄振興策は政府の責任に置いて当然になされるべき措置であり、軍用地の強制使用手続と取引されるべきものではない。

 先日の「首相談話」は、県民の悲願である基地の整理・縮小について、何ら道筋をつけていないばかりか、基地返還も普天間飛行場の例にみるように、県内、国内移設を条件とする、文字通り基地のタライ回しにしか過ぎないもので、県民の総意に大きく背くものである。真の基地の整理・縮小はまだ達成率ゼロであり、その見通しさえついていない。かかる状況下において、県知事が公告・縦覧代行を応諾し、軍用地の強制使用に自らが加担するに至ったことは、県民投票で示された基地撤去を求める圧倒的な県民の声に逆らうものであり、沖縄に思いを馳せる全国の仲間の期待をも裏切るものである。私達はこれに厳しく抗議する。同時に、私達は今後とも法廷、県収用委員会の内外において、政府による軍用地の不法占拠を糾弾すると共に、軍用地の返還と、軍事基地からの開放を求めて、広く県民、国民と共に闘い抜くことを表明する。

  一九九六年九月一三日

           沖縄軍用地違憲訴訟支援県民共闘会議
           権利と財産を守る軍用地主会(反戦地主会)
           同 弁 護 団


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