豊橋市が導入の同型焼却炉
ドイツでガス漏れ 稼動中止


 豊橋市などが導入を決定し、次世代型の焼却技術として世界で注目されている熱分解・高温燃焼(溶融)炉は、”稼動1号機”となるはずだったシーメンス社のフィルトプラント(ドイツバイエルン洲)が、今月に入り、大きなガス漏れ事故を起こしている事が分かった。この施設は、豊橋市が随時契約した三井造船社のベースとなった焼却炉。同市では「調査中」(環境事業部長)としているが、契約を前に”最後の質疑”をとなる19日の廃棄物処分調査特別委員会(清水委員長)にも大きな波紋を投げかけそうだ。

契約直前 大きな波紋

 事故は、7日から9日まで豊橋を訪れ、同焼却炉の問題点などを講演したフィルト市議ガラスク氏を通じ、豊橋市内の女性団体に入った連絡で明らかになった。
 連絡によると、ガス漏れ事故が起きたのは、同プラントが実証運転中の12日午前8時40分ごろ。同プラントの工業機器・熱分解ドラム付近から大量の有毒ガスが漏れ、8人が病院に運ばれたのをはじめ、黄色のガスを吸った職員や周辺の住民60人が目の炎症、呼吸困難などを訴えた。
 この事故で、同国政府は、シーメンス社に対し、施設の稼動中止を申し渡し、バイエルン環境庁、洲検察官も調査を開始したという。
 三井造船は同社と技術提携し、熱分解ドラムを採用。市には、三井造船を通じ17日午前、報告があった。「事実関係を調査中」(同部長)としている。

1998年8月18日 東愛知新聞

ドイツ国内の新聞

 フィルトSBAでかなり深刻な事故があった
 59人の人が乾留有毒ガスで、被害を被った

○少なくとも59人の人が、昨日SBAの事故のために、被害を被った。
○ドラムから(おそらくドラムの中の継ぎ合わせの部分が、つながっていなくて穴から)ガス、粉末状のものが、漏れでた。それが施設内の建物に広がり、黄色のガスとなり、外に出た。(警察、フィルト市の発表による)
○SBAでは修理が行われていた数週間前、試験的な稼動の段階での事故。
○中部フランケンの地方庁からは、この施設を止めるように一次の達しがあるまでは、稼動させてはいけないとの達しあり。
○被害を受けた方のうち、ほとんどの人が、近くの自動車会社の職員であった。
○赤十字もこの事故に呼ばれた。責任者の話では、ガスの吸引による中毒、刺激性物質による目の炎症、呼吸困難が主なものという。
○6人の被害者(自動車会社従業員)がまず病院に運ばれた。その他に2人のSBA職員も含まれる。昨夜診察を受けたが詳細は不明。


ドラムに空いた穴から有毒ガスが出た
 59人、被害に合う。8人が病院が運ばれた。政府は施設の運転中止を決定。今までにもSBAは故障が多く、話題をふりまいてきた。今夏このマイナスでまたまた新聞を賑わせることになった。
 警察によると、繋ぎ目がきちんとしてなかった。8:15、ガスと粉末物質が熱分解ドラムにできた穴から出た。部屋に充満したガスは開いていた窓から外へ、黄色の雲状になって出た。ほんの数週間前、ようやくスタートしたばかりの施設内での出来事である。
 フィルト市の広報担当者によれば、「被害を受けたほとんどの人が、メルセデス・ベンツの従業員。病状は、ガス吸引の中毒、目の炎症、呼吸困難などを患者は訴えていた。6名が病院へ。事故が起きた時にドラムの近くにいたSBAの2人も、病院に運ばれた。
 昼頃に記者会見があった。UTM(ニュルンベルクの子会社、管理委託先)の責任者(設備の技術部門)であるヘルムート。フォルクマン氏によると、「住民に対して、この事故による危険性はない。消防車が出動して、大気中の有毒ガス測定チームが測定したが、有毒ガスは測定されず。事故が起きたら、全てのデータを、隠さずに報告する。当社はあらゆる情報をオープンにしている」「事故の原因究明には、まだ数日かかる見込み。」と述べている。
 UTMは8:42に事故があったことを消防署に報告。消防署はその電話を受けて、80人以上の消防隊員を出動させた。
 警察によると、3キロ四方の住民に、スピーカーや、警察のパトロール、ラジオで、事故の連絡がなされ、窓を閉めるように注意があった。これはお昼ごろには解除になった。
 フィルの「ゴミと環境協会」のコメント
 こうした発表にもかかわらず、不安を隠し切れない。住民側からの事故の心配があったにもかかわらず、今回の事故に関しての報告が即刻になされたわけでない。住民の不安はますます高まっている。
○政府は稼動を中止させた。
○設備を運転しているUTMが、いつ稼動するかは、この事故の原因を究明して、報告書をだしてから、もう一度こうした事故が起こる子も知れないので、その可能性も詳しく報告書が出てから、最稼動の返事をすると政府筋は言っている。再発の可能性がどれくらい高いかについて、きちんと報告することが求められている。
○州の環境庁(環境保護局)も、同じコメントを出して、稼動の許可を与えてはならぬとした。
○同時に刑事警察が動き出した。この事故が刑法上の処罰対象になるかどうか検討中。
○ゴミ関係(ヴォルフガング=グラーフ:ランガウにある、ゴミ処分をする事になって契約をしている人達のグループの代表)この事故に対して不安を抱いている。動かない事には困る。いつの日にか、これだけのテクニックを駆使したものだから、当たり前に事故がなく動くはずだと思うが、そんな日が来る事を願う。不安である。


 ガス漏れ発生
 住民への詳しい説明がない、SBA(シーメンス社のガス化溶融炉)のあたりは、直後に人気がなくなり、さながらゴーストタウン。戸や窓を閉め切って、人々は閉じこもった。(女性)の記憶によれば、ヘリコプターが飛んできたりして、チェルノブイリの状況がよみがえってきた。

○幼稚園の先生:子供たちを外に連れ出せないので、戸や窓を閉めて部屋に止まっていた。天気が良かったのに子供たちを外で遊ばせることが出来なかった。両親に電話して、早めに迎えを頼もうかと思った。
○女性:車で向かう途中、立ち入り禁止の警告が出ていた。SBAの煤塵スモッグの海に幼稚園が沈んでいる状態であった。
○アレクサンダー:SBAの向いに園芸農園を開いている。今日は見習いの終了試験を行うつもりだったが、出来なかった。こうした問題が起きると、人間は無力だ。SBAのおうな大きなプロジェクトの事故の説明がされても、住民の不安への考慮がない。住民はいつも後回しにされる。
○9時に警報がなったあと、アッツエンホークの警察が駆けつけて来て、その辺りに住む住民に、すぐ家の中に引きこもるようにと言った。


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