東京平和運動センター97-1

TKOPEACENEWS

　1面　NO.97　2010.8.30


沖縄の名護市議選・県知事選に勝利し普天間基地の即時閉鎖と辺野古新基地建設を阻止しよう！！

　鳩山前政権は５月28日、日米安全保障協議委員会（２＋２）で合意された「普天間基地の移設先を辺野古崎周辺とする共同発表」の内容を閣議決定しました。また共同発表には、移設先の位置、工法の検討を８月までに完了するとの具体的な日程も記されています。そして鳩山首相は６月２日に「政治とカネ」｢普天間基地問題｣の混乱を理由に突然辞任しました。その後、成立した菅新政権は、実現には地元の合意が必要と言いつつも、「日米合意は尊重する」との考え方を示しています。７月26・27日の専門家協議で移設案原案を決めました。しかし、菅政権は９月12日の名護市議選、11月28日の沖縄県知事選を控え、知事選以降に先送りする意向を示し米側も大筋了解したとされる。普天間移設報告書案は原案が出来ており、原案によると工法は埋め立てで辺野古崎の先端を横切る。滑走路は現行計画に沿った２本によるＶ字型と１本のＩ字型を併記。Ｖ字型の総面積205ヘクタールで、うち埋め立てが160ヘクタールを占める。Ｉ字型は総計150ヘクタールになり、うち埋め立ては120ヘクタールと比較的小さい。滑走路の１本の長さはＶ字型、Ｉ字型とも1800メートル。Ｉ字型は、辺野古崎の付け根部分に別途、20ヘクタール余りの米軍と自衛隊の共同使用区域を想定している。しかし、地元の沖縄は、県議会決議や名護市長選挙では「基地建設反対派の稲嶺氏」の勝利や９万人の県民集会など経る中で、普天間基地の閉鎖・返還、辺野古新基地建設反対の強い意志は閣議決定の政府方針を認めず、問題は一切解決していません。
　菅政権はひたすら名護市議選と知事選まで時間稼ぎを費やし、この間の県民や名護市長選の結果については無視を決め込んだ姑息な政治手法を駆使している。また、前原誠司沖縄担当相は、８月中旬に都内で仲井真弘多知事、島袋吉和前名護市長ら非公式に会談をした。前市長に加え、大城康昌辺野古区長、城間正昭豊原区間代替施設等対策委員長も同席している。民主党は、反対派候補の伊波宜野湾市長と自公政権時に原案を賛成した仲井真現知事の一騎打ちに対し、第３の候補を画策しているとも言われている。９月14日には、民主党代表選が行われる。対米従属を濃くした菅体制なのか、それとも小沢自身かあるいは小沢派なのか不明であるが、何よりもこの国のかたちを軸に代表戦を行ってもらいたいものである。
　　　
　今年の被爆65周年世界大会で秋葉広島市長は、平和宣言でオリンピックの招致と非核三原則の法制化、「核の傘」からの離脱を宣言し、潘基文（バンギブン）国連事務総長は、核兵器禁止条約についての必要性を訴えました。ところが、菅首相は、秋葉市長の「核の傘」離脱宣言について、唯一の被爆国である立場を顧みず、「国際社会に大規模な軍事力がまだ存在しており、核抑止力は日本にとって引き続き必要だ」と「核の傘離脱」の宣言に即座に反論をしました。核攻撃は荒廃と放射性毒物によって使用できなくなった領土を占拠することを意味します。そこにはまた、管理しがたい生存者たちが大惨事の中で取り残されるという、非人道的な結果をもたらします。抑止と挑発は紙一重であり、通常の平和時の状態においては安全な抑止力だと感じられる戦力が、危機の期間に於いては、敵対者の認識において挑発に変化するかもしれません。核抑止力は世界の均衡をめざすものでなく、戦争状態に追い込むことなのです。核戦争には勝者がないという事実と、核兵器と人間は共存できない。ＮＰＴ核不拡散条約再検討会議においても、核廃絶に一歩踏み出しました。このような時、唯一の被爆国日本が世界に向けて強く「核廃絶」を訴えること求められており、菅政権はどちらを向いているのかと糾したい。併せて日印原子力協定交渉が、政府間で行われているが、ＮＰＴ非加盟のインドと協定を結ぶのはダブルスタンダードであり、許すわけにはいかない。
　８月19日、イラクの駐留米軍戦闘部隊が撤退しました。今後は残留部隊５万人規模が、イラクの治安部隊を（約66万人）訓練し、来年末まで完全撤退する方針と伝えている。イラクの「大量破壊兵器」を口実に侵攻し、2003年３月から７年５カ月に及んだ戦争で、米軍戦闘部隊が撤退することは当然のことである。しかしこの戦争で11万人のイラク人が死亡し、米軍兵士の死者も4400人に達した。米日などの識者や政治家は、「大量破壊兵器」はなかったが、独裁者フセイン政権を崩壊させ、民主国家を打ち立てるなど叫び、石油利権を含め争奪戦が繰り広げられた。アメリカは今も数多くの民間軍人を雇用し、将来的にも駐留を続け、様々な利権を漁ろうとしている。今年の３月のイラク連邦議会総選挙後も連立政権協議は難航し、新政権は発足していない。電力不足や失業問題も深刻で戦争孤児の問題もある。イラクのＮＰＯによると、父親か母親、その両方を失ったイラクの子どもたちは推定310万人。劣化ウラン弾が原因とされる水頭症など被害は蔓延している。

　国連やアメリカなどイラク人死者11万人と発表しているが、戦争孤児が310万人というならば、数十万から百万の殺戮が行われたと推定できる。イラク・アフガンからの完全撤退を勝ち取るまで、頑張りましょう。

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