TKOPEACENEWS
  2面 NO.26/02.3.27発行

被災48周年 3・1ビキニデー全国集会

核の時計残り7分に

米の大学、2分進む
【ワシントン27日=大牟田透】人類に終末をもたらす核戦争までの残り時間を象徴的に示す「核の時計」が27日、シカゴ大学で2分進められ、残り7分とされた=写真、AFP時事。時計が発表された55年前の振り出しに戻った。世界で核物質の管理に懸念が高まっていることや、米国の核軍縮への消極姿勢が理由。


  ■開会のあいさつ  太田 敏夫 平和フォーラム事務局長代行
  ■主催者あいさつ  岩松 繁俊 原水禁国民会議議長
  ■歓迎あいさつ   市川 邦夫 静岡県平和国民運動センター会長
  ■講演と提起          
    「米国の核戦略と核軍縮の課題」 黒沢  満 大阪大学教授
  ■報告(1)「浜岡原発事故の現状報告」 鈴木 伸昭 県原水禁代表委員
  ■報告(2)「浜岡原発事故と老朽化原発問題」 上沢 千尋 原子力資料情報室
  ■被爆57周年原水禁世界大会の構想  五十川 孝 平和フォーラム事務局次長
  ■集会アピール 沼  宣子 自治労静岡
  ■閉会あいさつ 菊田  昭 原水禁静岡県民会議

  ★司会:鈴木嘉代子(静岡県平和国民運動センター副会長)

   日 時 2002年3月1日(金)18:00〜20:00      

   会 場 静岡県勤労者総合会館6F大ホール

   主 催 3・1ビキニデー全国集会実行委員会
       (原水爆禁止日本国民会議/東海ブロック原水禁連絡会議/原水禁静岡県)


●核兵器をとりまく現状ー「核の時計残り7分」
 世界の終末を午前0時と見立てた「核の時計」の針は、冷戦の終結で91年に17分まで戻されたが、95、98年、そして今回と3回連続で進められた。(写真参照)「核の時計」を管理するのは米科学誌「原子力科学者会報」。戦後まもない47年に登場したときは、今回と同じ7分前だった。もっも危うかったのは、米ソが水爆実験をしたことをうけての53年で2分前までちかずいた。今回のマイナス材料として、核物質管理への懸念の増大、米国の弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約脱退、核兵器をもつインド、パキスタンの対立、核兵器取得を狙うテロリストの存在などをあげた。

●被爆57周年原水爆禁止世界大会開催のよびかけ
 昨年9月11日の米中枢同時テロは、世界秩序のあり方たをすっかり変えようとしています。いまや単純な善悪二元論が世界を覆い、平和のためという名目でいたるところで武力が行使されています。そして正義の側に立つならば、核兵器の使用すら正当化されかねない勢いです。
 私たちはこれまで核兵器と原子力発電につよく反対してきました。それは破壊力の大きさと環境に放出される死の灰によって、人類を含む地球上のさまざまな種が絶滅の危険にさらされるからです。
 私たちの訴えは少しづつ広がり、成果をあげてきました。包括的核実験禁止条約(CTBT)が国連で可決され、核保有国は核拡散防止条約(NPT)再検討会議で「核兵器の廃絶」への明確な約束をおこないました。スウェーデンやドイツで脱原発の流れが加速してきました。人類は21世紀に向けて希望を見いだしたかに見えました。
 しかし、アメリカでブッシュ政権が誕生して以来、CTBTの実質的な無力化、ABN条約の一方的破棄、ミサイル防衛(MD)の推進など、まさに傍若無人のふるまいです。9・11の悲劇はあのりにも悲惨ではありますが、しかしその後のアフガン攻撃もまた悲惨な結果を作り出しています。最近ではイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」とよび、アフガン後の今劇目標にしようとしています。しかもこうした安易な武力使用の風潮のなかにインド、パキスタン紛争も位置しているといっていいでしょう。それが人々の生死に大きく関わるがゆえに、私たちは強い危機感をだきます。
 このような世界の流れの中で、私たちは今年の「被爆57周年原水爆禁止世界大会」を開催します。
 私たちに全く希望が無いわけではありません。昨年の「メッセージfromヒロシマ」で見せた子どもたちのパワーや平和への思い。また、脱原発の流れはヨーロッパだけでなく、日本でも、巻町ー柏崎・刈羽ー海山町と人々の大きな動きを作り出し、それは日本の原発政策に大きく影響を与えるものです。そうしてこうした人々の理性と行動は、核兵器についても再び大きな流れを創り出すと信じています。
 広島、長崎のヒバクシャは高齢化しています。とりわけ外国に居住するヒバクシャに対する救援が急務となっています。さらにチェルノブイリや東海村JCO事故のヒバクシャ、いまだ明らかにされず、救援もされない核実験場のヒバクシャなど、放置できない多くの問題が私たちの前にあります。
 残念ながら日本政府は、私たちの求める方向とは相反しています。こうした状況をきりひらくのは私たち一人一人の強い意思と行動です。
 武力ではなく、対話による平和を!私たちはこのようなスローガンを掲げて開催する原水爆禁止世界大会に、多くの人が参加し、さらなる叡智と行動を求めるものです。
  2002年3月1日
   フォーラム平和・人権・環境
   原水爆禁止日本国民会議
   議 長 岩松 繁俊

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