TKOPEACENEWS
 2面 NO.127 2014.1.10

2013年12月26日
安倍晋三首相の靖国神社参拝への抗議声明

フォーラム平和・人権・環境
代表 福山真劫


 2013年12月26日、安倍晋三首相は靖国神社に参拝しました。現職の首相が参拝するのは、2009年の小泉純一郎首相以来7年ぶりとなります。

 今春の靖国神社例大祭には、麻生副総理以下4閣僚及び168人の国会議員が参拝しました。安倍首相は、アジア諸国の批判に対して「我が国の閣僚はどんな脅しにも屈しない」と発言しました。また、侵略戦争についての国会答弁において「侵略という定義は国際的にも定まっていない。どちらの国から見るかで違う」とし、日本が犯した侵略戦争の過ちを否定するかのような発言を行っています。また、8月15日の全国戦没者追悼式の式辞においても、歴代首相が言及してきた侵略戦争における加害責任に対する反省や哀悼の言葉を省略しました。第一次安倍内閣時代に参拝しなかったことを「痛恨の極み」と表現してきた安倍首相にとっては、当然の行為なのでしょうが、しかし、これまでの経過を顧みない個人的主張に沿った発言や行為は、一国のあり方を危ういものにすると考えられます。

 8月26日、韓国において国連のパンギムン(潘基文)事務総長は「日本政府や政治指導者は、とても深く自らを省みて、国際的で未来志向のビジョンを持つことが必要だ」と述べ、日韓における歴史認識問題に対して日本側の対応を非難しました。韓国のみならず国際的な受け止めの中で、きわめて異例の発言に至ったと考えられます。日本の政治家は、この発言を真摯に受け止めなくてはなりません。

 現在、日本と中国・韓国は、領土問題や歴史認識をめぐって対立的関係に陥っています。しかし、一方で2012年の日本の貿易は、財務省貿易統計で見ると輸出入とも第一位は中国であり、輸出総額の54.6%、輸入総額の44.2%はアジア諸国となっています。日本がアジアの一員であること、そしてアジアとの関係なくしては将来を構想できないことは明らかなのです。安倍首相は、衆議院総選挙に先立つ自民党総裁選から「強い日本をつくる、日本を取り戻す」と発言をしてきました。安倍首相の言う「強い日本」とは、アジア諸国を差別し侵略と植民地支配に邁進した戦前の日本なのでしょうか。「私を右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼びなさい」と開き直る姿勢は、そのことへの懸念をいっそう深いものにしています。

 平和フォーラムは、侵略戦争と植民地支配の歴史の反省に立ち、アジア諸国民への加害の責任を果たし、新しい友好と協調の関係を構築していくこと、加えて東アジア地域の経済的統合をめざす中で平和と繁栄の社会を構築していくことを主張してきました。そのためには、アジア諸国民が納得する歴史認識と戦後責任を明確にしていくことが重要であると考えています。アジア諸国が過去の侵略戦争の象徴と考え、その首謀者として断罪された戦争犯罪人を合祀する靖国神社への安倍首相の参拝が、日本の将来にとって何の意味があるのでしょうか。戦前の社会で、戦争の遂行に果たしてきた靖国神社の役割を考えるとき、アジア諸国を含めて多くの反対を押し切って靖国参拝を強行する安倍首相は「軍国主義者」そのものと考えられるのではないでしょうか。

 今回の安倍首相による靖国神社参拝が、日本の将来にとって大きな禍根を残すものであり、決して許すことはできません。平和フォーラムは、アジア諸国との新しい友好と協調の連帯のために、日本における平和の火を絶やすことのないよう重大な決意を持って、安倍晋三首相の靖国神社参拝に対して満身の力をもって抗議します。

2013年12月27日
辺野古新基地建設容認に対する抗議声明

フォーラム平和・人権・環境
代表 福山真劫


 2013年1月27日、日比谷野外音楽堂での「オスプレイの配備撤回」「普天間基地の閉鎖・撤去」を求める集会に、沖縄県内の41市町村すべての長および議会議長が集合した。「安倍首相は日本を取り戻すと言っているが、その中に沖縄は入っているのか」。翁長雄志那覇市長の発言に続いて、沖縄県内からの多くの発言が続いた。どの声も宜野湾市の米軍普天間基地へのCV−22オスプレイの配備に強く反対していた。オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会から安倍晋三首相に宛てた「建白書」には、オスプレイ配備反対の要求とともに「米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること」との文言が示されていた。沖縄県は、保革一致して普天間基地の県外移設を要求していた。このことは、県民全体の悲願であり、政治判断が入り込む余地のない一枚岩とも言える堅固な要求であったはずだ。
 しかし2013年11月27日、自民党沖縄県連は中央の圧力に屈し、普天間基地県外移設の方針を名護市辺野古での新基地建設容認へと変更した。そして12月25日、安倍晋三首相の示す沖縄振興策と基地負担軽減策を了として、仲井真弘多沖縄県知事は移設先の辺野古の埋め立て申請を承認する意向を固めた。「驚くべき立派な内容を提示いただいた」との仲井真知事の発言を沖縄県民はどのように聞いたのか。
 安倍首相の示した負担軽減策は交渉の開始を示唆するもので、具体的な内容は、オスプレイの訓練飛行の全国展開しかない。しかし、安全性への疑問も解消されず、航空法上も認められないオスプレイの全国展開が、市民社会の合意を得るとは考えられない。沖縄では、日米合同委員会の合意を無視して飛び回るオスプレイに、きびしい抗議の声が上がっているが、日本政府は何の手立ても講じていない。市民社会は、日本政府の負担軽減の言葉に全く信頼を置いていない。日米地位協定の改定や基地返還の前倒しなども不確実な「空手形」であって具体性はない。また、毎年3000億円台という沖縄振興策も、これまでもそうだったように、沖縄県民一人ひとりの生活を向上させるものでないことは明白である。北部振興策が名護市民の生活向上に何ら寄与しなかったことは、2010年の市長選挙での選択に表明されている。そもそも交付金政策が基地問題や原発問題で何をもたらしたか、沖縄県民は騙されまい。
 1872年から始まる「琉球処分」以降、沖縄の歴史は中央政府からの弾圧と差別の歴史である。沖縄文化の破壊と差別、「本土決戦の捨て石」とされた沖縄戦の悲劇、戦後の米軍政下での苦難、沖縄の近現代は沖縄県民の苦難の歴史である。狭い県域に全国の米軍基地の74%を引き受ける沖縄、賃金水準も失業率も全国最低水準に置かれる沖縄。そして今、沖縄県民の多くが反対するなか、辺野古へ新基地建設を押しつけようとしている。県民の主権者としての権利はどこに存在するのか。

 平和フォーラムは、沖縄県民の声に寄り添い、基地のない沖縄をめざしてとりくんできた。「米軍は日本を守るために存在する」という幻想に惑わされてはならない。米軍は自らの利益のために存在する。そのことを忘れてはならない。沖縄を今なお縛り続けている「国への従属」「中央への従属」「米国への従属」、この3つの従属を解消しなくてはならない。平和フォーラムは、今後も、沖縄県民とともに闘うことを決意する。そして、県民の声を無視した辺野古新基地建設に反対し、政府・自民党並びに沖縄県知事・自民党沖縄県連に対し、米国従属の政策を改め、普天間基地の米国内移転と即時返還、在日米軍基地の縮小・撤去への交渉を直ちに開始することを強く要求する。


★活動日誌

12.10  不戦を誓う三多摩集会(いずみホール)
12.15  朝鮮学園を支援する会全国交流会(13:30〜東京朝鮮中高級学校多目的ホール)
12.19  狭山東京実行委員会総会(18:00田町交通ビル)

★今後の活動

2014年
01.25 「国連・人権勧告の実現を!」集会とデモ(13:00〜代々木公園 野外ステージ)
01.12  沖縄・名護市長選挙告示
01.19  沖縄・名護市長選挙投票
01.23  東京都知事選挙告示 
01.29  沖縄を再び戦場にするな、辺野古新基地建設反対集会(18:30〜東京・全電通労働会館ホール)
02.09  東京都知事選挙投票
02.11 「建国記念の日」を考える集会(13:30〜全水道会館)
02.18  東京平和運動センター常任幹事会(15:30田町交通ビル) 
02.18  狭山事件の再審を求める情宣活動(17:30 池袋駅東口)
02.25  狭山事件の再審を求める東京集会(18:30台東区民会館)

03.08  福島県民集会(郡山・いわき・福島)
03.15  フクシマを忘れない!さようなら原発3.15脱原発集会(13:30〜東京・日比谷野外音楽堂)

★ご案内

「沖縄を再び戦場にするな、辺野古新基地建設反対集会」

日 時 1月29日(水)18:30〜20:10
会 場 東京・全電通労働会館ホール、JR中央・総武線御茶ノ水駅聖橋口5分
内 容 報告
決意表明(山城博治沖縄県平和運動センター議長、ほか)等。
参加費 500円

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