TKOPEACENEWS
 1面 NO.127 2014.1.10

新年のごあいさつ

東京平和センター議長 長谷川 信康

改憲のために登場した安倍政権を許さない闘いを!


 
昨年4月、安倍首相は植民地支配を謝罪した「村山談話」を見直すと発言し、国内外から批判を浴び、その後は歴史認識について発言せず、8月15日も靖国参拝を見送った。しかし、12月の特定秘密保護法案の強行採決、尖閣諸島・竹島問題を抱えている現状の中、集団的自衛権行使容認、武器輸出三原則見直しを唱え、靖国神社への参拝を強行しました。
 首相は参拝に当たり「恒久平和への誓い」と談話を発表しましたが、A級戦犯が合祀されている靖国神社への参拝は、国内のみならず、中国、韓国から猛烈な批判が集中し、米国からも「失望した」と批判され、国連からも懸念が示されました。一国の首相たる責任者が「積極的平和外交」・「不戦の誓い」と自分勝手な思いだけで行動しているのを見ると、なんと世間とずれているのか。安倍首相自身の靖国参拝は国益より
は上位であることが明確になったと言えます。
 昨年12月、安倍首相と仲井真沖縄県知事が会談し、政府の基地負担軽減策・沖縄振興策が示されました。それを受けて仲井真沖縄県知事は辺野古埋め立て容認を発表しましたが、昨年
1月には沖縄の市長村長が挙って上京し政府に反対の意思表示をした事を裏切ることです。安倍首相はオスプレイの訓練を軽減するとして、その半分を本土に移すと言っています。当初配備は予定していないと沖縄防衛局は言っていたが12機の配備と発表し、更に追加配備と称して倍の配備をしておいて何が負担を半分にすると言うのか。普天間飛基地の5年以内県外移設についても担保された訳でもありません。
 また、地位協定についても戦勝国の特権として続けてきた協定を米国は改訂する意思など全くなく、安倍首相の口約束は信じられないと沖縄の人々は怒っています。
 普天間基地が辺野古に移転すると、米兵の事件・事故が沖縄からなくなるのか、誰が保障してくれると言うのか。
改憲論者に「米国から押し付けられた憲法」と唱える方がいますが、この不平等条約の日米地位協定をそのままにしておいて筋が通らないのではないですか。
 安倍首相が仲井真知事に示した内容は、毎年三千億円以上の振興予算であり、金で県民を黙らせようとするものです。沖縄県民の多数は、お金が欲しくて基地の県外移設訴えてきたわけではありません。米兵の止まらない犯罪に立ち上がって10万人集会など島ぐるみで県外移設を訴えてきました。
 仲井真知事は辺野古埋め立て承認について、「沖縄の要望を全て受け止め、米国と交渉をまとめていくという強い姿勢を示された」と安倍首相の何ら担保もない口先だけの言葉をよりどころとしています。また、「国の辺野古埋め立て申請に不備はない」としていますが、知事は2010年の知事選で県外移設を公約に掲げた事と埋め立て承認の整合性を問われると「公約を変えたつもりはない」と、言っています。理解不能です。
 新基地建設と普天間からの移設に9年以上かかると言われており、それに対して「普天間の運用停止、早期返還を5年以内に」と求めていますが、新基地との取引問題ではないと思います。基地の移転を認めると沖縄を基地の島に固定してしまうことに他ならず、これまでと同じく米軍兵士の犯罪が未来永劫続くと言うことです。
仲 井真知事の辺野古埋め立て容認発表は、名護市長選挙前にすることで基地反対運動の封じ込めを狙ったものでありますが、安倍政権のこのような姑息なやり方でしか出来ない政権は長続きするとは思えません。
 特定秘密保護法のパブリックコメントは、通常の半分の15日間だけでしたが、反対意見は8割でした、他に比較して倍以上の意見件数を数えました。
国民に情報を知らせないばかりか、一握りの人間だけが情報を管理するもので、希代の悪法と言えます。
 原発問題についても、これまで何度も事故が起きても誰も責任をとらず、原子力利権に群がる人たちは原発再稼動を進めています。あの小泉元首相でさえ現職時、原発について何も知らされなかったと主張しています。
かつて、日米開戦前に米国と日本の軍事生産力の差を最高権力者にも国民にも隠し、大本営発表だけを信じ込まされ、戦争を始めたことに繋がるような気がしてなりません。情報操作で国民を思いのまま操ろうとしているのが見えます。
 国家犯罪と言える冤罪事件・裁判・「TPP参加」など山ほどの課題がありますが、平和運動の発展がこの国の未来を明るくすることだと思います。
今年も大変忙しくなるとは思いますが、明るく元気に運動を進めましょう。


三多摩平和運動センター
議長  畑  佳幸

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は東京平和運動センターそして三多摩平和運動センターに結集を頂き、様々な取り組みにご理解とご協力を頂きました各構成組織・会員の皆様に感謝を申し上げます。
 さて、昨年を振り返りますと、右傾化する安倍政権との対立の一年でした。憲法改悪から始まり、原発推進、特定秘密保護法、国家安全保障会議、国家安全保障基本法、集団的自衛権行使、オスプレイ配備、辺野古新基地建設、米軍基地問題、朝鮮高校無償化、労働諸法制の改悪など枚挙に暇がありません。

 今年はと考えますと、これらの問題はどれも継続している事柄ですので、今年もしっかりと平和運動を継続して展開・強化していかなくてはなりません。 とはいえ一昨年の衆議院選挙、昨年の都議会・参議院選挙の結果を見れば残念でなりません。これらの選挙結果が、今の安倍政権の独走を許してしまっています。自民党に圧倒的な議席を渡してしまえば、憲法改悪を始めとして現状の独走は目に見えていたはずなのに、低投票率のなかで政権交代とねじれ解消を許してしまいました。昨年12月の特定秘密保護法の強行採決をみれば、残り任期の間にどれだけの法案が強行採決されていくのか。そして、国家安全保障会議では遂に、国連を通じて他国の軍隊に武器提供することをいとも簡単に決定しました。今までの政府見解を覆した暴挙と言わざるを得ません。私たち有権者は国政選挙によって、遂に「パンドラの箱」開けてしまった感は否めません。明治憲法下では文民統制が機能せず、軍部の暴走により大戦に突入してしまいました。今度は、文民自らが暴走しようとしているのではないでしょうか。

 この状況を考えれば近い将来何が起きるのか考えただけでも恐ろしいことです。こういった状況を作らないためにも、本来はしっかりと組織された労働組合が平和運動や政治運動をけん引していかなくてはならないのだろうと思います。そういう視点からは、まさに労働運動の低下と言わざるを得ないのではないでしょうか。もちろんしっかりとした取り組みを行っている労働組合もあるでしょうが、残念ながら全体的な傾向ではないでしょうか。

 労働組合が組織率18%を切ってしまった今、労働運動の再生が急務だと思います。私の単組でも、平和運動や政治運動の必要性を若い組合員に理解を頂けるよう、取り組みを工夫し強化していきたいと思っています。その積み重ねが平和運動センターの発展に繋がるのだろうと思っています。本年は昨年に増して平和運動センターとして様々な諸課題が山積し、抗議行動・集会など多くの取り組みが予想されます。平和で安心して暮らせる社会の実現のため平和フォーラムに結集し、若い世代にもしっかりと平和運動の裾野を広げられるよう、三多摩平和運動センターとしても頑張っていく所存です。
 結びになりますが、平和運動センターに結集する皆さんの益々の発展とご健勝をご祈念申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。共に頑張りましょう。


もんじゅを廃炉へ!全国集会開開催

2013年12月07日

 高速増殖炉「もんじゅ」は、1995年12月8日のナトリウム漏洩事故をはじめ、2010年8月2日の炉内中継装置の落下など次々と大事故を起こし、昨年11月には1万点を超える機器の点検漏れが発覚、原子力規制委員会によって無期限の運転禁止を命じられています。そのナトリウム漏洩事故から18年目を迎える12月7日、「'13もんじゅを廃炉へ!全国集会」が福井県敦賀市で開催され、県内外から1200名が参加しました。

 「もんじゅ」を臨む白木海岸では、冷たい雨が降りしきるなか屋外集会とデモが行われ、その後日本原子力研究開発機構に申し入れを行いました。午後には「もんじゅ廃炉を求める全国集会」が開かれ、水上賢市さん(原子力発電に反対する福井県民会議)、鎌田慧さん(ルポライター)、武本和幸さん(柏崎刈羽原発反対地元三団体)、伴英幸さん(原子力資料情報室)、末田一秀さん(反原発運動全国連絡会)らが講演しました。屋内集会後には、敦賀駅前までのデモも行い、もんじゅの廃炉、軽水炉原発の再稼働反対を訴えました。

 この7日の集会に先立ち5日には岐阜県揖斐川町、滋賀県、滋賀県高島市、滋賀県長浜市にたいして、もんじゅの運転再開に反対し、実効性のある防災計画を策定するよう要請を行い、6日には福井県、福井県敦賀市にたいして、もんじゅの是非をあらためて県民に問い直すとともに、実効性のある防災計画の立案するよう要請しました。

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