TKOPEACENEWS

  3面 NO.1号/99.11.22発行

東海・臨界事故に関する特別決議−原子力政策の根本的見直しを−

9月30日に東海村のJCOウラン加工施設で臨界事故による放射能漏れという、日本の原子力史上最悪の事故が起こりました。その後の報道により、ずさんな管理体制が次々と明るみに出てきています。また、この事故により多くの被曝者を生みだし、特に2名の労働者がいまも生命の危険に晒されています。
 政府や原子力推進側は、この事故をJCOだけの特殊な問題として盛んに宣伝しています。事故調査委員会を立ち上げ今年中に事故の結論を出し、国会では原子力防災新法なるものを成立させようとしています。このことは、事故をできるだけ過小にみせかけることによって、原子力行政や原子力産業へのダメージを少しでも少なくしようとする動きにほかなりません。
 今回の事故を見るまでもなく、原子力の商業利用の限界と矛盾が次々と明らかになっており、世界の流れも欧米を中心に原子力からの離脱が始まっています。日本でもプルトニウム利用政策や廃棄物問題など様々な問題が未解決であり、根本的転換が必要です。
 このような中で私たち「フォーラム平和・人権・環境」は、今回の事故が単にJCOウラン加工施設だけの問題ではなく、もんじゅや東海再処理工場の事故につながる今の原子力推進体制の矛盾そのものが引き起こした事故であり、今後も第二、第三の事故が続く恐れがあることを指摘しないわけにはいきません。
 また、原子力安全委員会が立ち上げた事故調査委員会の構成は、市民やNGOなどの参加もなく、原子力推進側の人々で構成され、公正さに欠ける委員会であり、もはや多くは期待できない。しかし事故を徹底究明するためには、公正、中立な第三者機関を設立し、独立した立場から事故を総合的に調査・究明しなければなりません。
 また、今国会で提案される原子力防災新法は、現場との徹底した対応のすり合わせがなされないまま先行することが懸念されます。地元自治体や住民との徹底した防災の合意形成をはかることが今後必要になってきます。しかし、防災にも限度があります。そのためにも一刻も早く原子力からの根本的離脱を始めることを求めます。
 私たち「フォーラム平和・人権・環境」は、今回の事故から以下のことを強く要求し活動します。

1 事故に関連するすべてのデータの徹底した公開を求めます。
2 公正・中立な第三者機関による徹底した調査を求めます。
3 周辺住民及び被曝労働者の長期にわたる健康調査と医療保障などのケアを求めます。
4 プルサーマル計画からの撤退と原子力政策の根本的転換を求めます。


1999年10月22日
内閣総理大臣 小渕恵三殿
「フォーラム平和・人権・環境」設立総会

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