常任理事会だより

― 1999年度 第12号 ―

発行日 2000年3月15日(水)

発行 所沢高校PTA常任理事会


常任理事会だより       発行日 2000年 3月15日
― 1999年度 第12号 ―             発行 所沢高校PTA常任理事会

     卒業行事を終えて                             PTA会長 清水康幸  3月8日、無事に卒業行事が終わりました。とりわけ、卒業記念祭における在校生、 卒業生からの言葉は、感動的なものでした。激動の3年間をしめくくるにふさわしく、 生徒たちの所高への思いが率直に語られ、思わず目頭が熱くなりました。  今回は「卒業式」と「卒業記念祭」が双方開催という形になり、昨年までのいわゆ る「分裂開催」を脱することになりました。このことは、これまで外部から「混乱」 と言われていた事態を収拾していく上で、重要な一歩であったと思います。これはい うまでもなく、11月の生徒総会で「式については肯定も否定もしない」「記念祭は 式の意味を含むもの」という趣旨の決定が行われ、また「混乱をなくしたい」という 3年生の意思が表明されていたことを受け、先生方が話し合いを進めてきた結果です。  PTAは、この過程を注意深く見守ってきました。卒業式については生徒がこれを 否定していないこと、先生方が総務を構成しその内容について合意を図ってきたこと から、来賓招待を受けた会長はこれに出席する、しかしもし思想信条の自由に触れる ことがあれば、個人の価値観を優先させていただくという判断をしました。もちろん、 保護者はご自由に判断してくださいという前提の上でのことです(常任理事会だより 11号)。  この間の経過でもっとも重要なことは、意見がなかなかまとまらない状況の中でも、 生徒たちがねばり強く話し合いを続け、一つの結論を出したというプロセスそのもの にあると思います。話し合いで物事を決めていくという所高の伝統、そして民主主義 の基本でもある話し合いのルールがきちんと実行されたというこ、とです。昨年まで は生徒・教職員の決定が無視されていたわけですから、それを是正する上で、重要な プロセスであったと思われます。  しかし、これで全ての問題が解決したわけではないことも確かです。私の新聞コメ ントで「今後は何の問題もなくなるだろう」(裏面、朝日新聞)とあるのは、「分裂 開催」を脱したことを評価したものですので、誤解のないよう申し添えておきます。 PTAは卒業行事に際して、校長先生に、(1) 97年入学式の混乱に対する謝罪、 (2) 参加者の思想信条の自由に対する十分な配慮、を要望してきましたが、いずれも 不徹底な結果に終わりました。校長先生が様々なことを考慮せざるを得ない事情はわ かりますが、卒業生や保護者の気持ちを第一に考えてほしいという私達の要望にとっ ては、残念なことでした。このことは、4月の入学行事に対しても引き続き要望して いきたいと思っています。  ともあれ、所沢高校は新しい一歩を歩み始めました。問題は残っていますが、今後 とも「話し合いのルール」を徹底することが全ての鍵であると信じています。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓  3年生保護者の方がいろいろな感想を寄せて下さいました。  感動的な卒業生のスピーチに比べて、校長の言葉のなんと虚しく響くことか。保護 者として悲しくなりました。額面通り受け取れば、あれは入学式の状況説明であって、 謝罪ではない。厚生省の医系技官が書いたお役所の掟なる中に役人はあやまらない、 とあったが、校長職というのは教育現場を預かる役人なのだろうか。大いなる矛盾を 抱え込んだ所高生が精一杯考え、議論し、行動した3年間の苦しみの涙の重みをもっ と真摯に受け止めて戴きたかった。  卒業式や記念祭で、校長の口から、当然3年前の式について「混乱させて申し訳な かった・・・」との一言が聞けると思いましたが、それが無く、本当にかっがりしま した。  子どもたちの堂々とした立派さに、校長先生が小さく、かすんで見えました。官僚 的組織の末端の情けなさを感じました。  校長の言葉は期待していませんでしたが、思っていたよりも97年の入学式につい て語ってくれたと思いました。  記念祭は生徒の若さやエネルギーを感じてよかった。ふだんそういう姿を見ること ができないので、出てよかった。エネルギーをもらいました。  これからの所高を心配していたが、卒業記念祭で所高の良さ、、子どもたちのパワ ーや温かさを感じ「まだ大丈夫」とホッとした。卒業実行委員会が卒業生の為に一生 懸命考えて準備したことが伝わる心のこもったものだった。3年のクラス毎の紹介も 和やかでほほえましくてよかった。美しい全体合唱のあと、「さっきの歌を聞いて、 がらにもなく泣いてしまいました。用意した紙が読めないので、、、、」と原稿を読 まずに語った卒業生代表のMくんの言葉に保護者達も感動していた。  卒実をはじめとした在校生のみなさんに卒業生の保護者として心からお礼を言いた い。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――             つ・ぶ・や・き  常任理事会だよりを発行するたびに思う。正確な事実を掴み、 的確に表現し、タイムリーに伝えることのなんと難しいことか。 よりよい紙面を目指して一つ一つ努力を積み重ねているところだ。                         (Y.I.) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓                 卒業式 校長式辞  明るい陽ざしの中に、春の訪れが感じられます今日、  PTA会長様、  後援 会長様、 同窓会副会長様、市内中学校の校長先生方をはじめ、多くのご来賓のご臨 席を賜り、また、多数の保護者の皆様のご臨席のもと、ここに第52回卒業式を挙行 できますことは、この上ない喜びであります。ご臨席いただきました皆様に心よりお 礼申し上げます。  395名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。勉強や部活動、学校行事 そして進路対策などいろいろ取り組んだ高校生活は、楽しいこともあれば、苦しいこ ともあったと思います。皆さんは、今、それらの一つ一つを思い起こしていることと 思いますが、入学以来のたゆみない努力が実を結び、ここにめでたく卒業の栄誉を得 たわけであります。心からお祝い申し上げます。  高校生活のスタートの入学式を皆さんは心の痛むかたちで迎えました。その後も、 所沢高校が大きく揺れた時期でもありましたが、その間、皆さんは自分を見失わずに 学業に励むとともに、卒業式を迎えるに当たって、入学式にはいろいろな思いがある 中で、後輩のために道を開拓していただいたことに深く感銘を受けたところでありま す。  さて、21世紀を目の前にし、日本は、今、大きな変革の中にあります。近代日本 の経済成長を支え、追いつきこ追い超せの時代を担って来た様々な社会システムが確 実に崩壊し始め、新たな秩序形成に向けて世の中全体が動き始めていると言われてい ます。そして、このような変革の時代には、定められたマニュアルを記憶し、それを こなしていくだけでなく、自ら学び、自ら考える、いわゆる自立した人、また、物事 に柔軟に対応できる“柔らかい精神”を持ち、自らを厳しくコントロールできる人間 が求められて来ると言われています。  卒業生の皆さんには、所沢高校で培った自主・自立の精神を一層発展させるととも に、それに柔軟牲と自己規制の精神を加味し、豊かなバランス感覚を養いながら、変 化する時代の荒波を乗り超えて行ってほしいと思います。  次に、在校生の皆さんに一言話しておきたいと思います。  今までいろいろとお世話になって来た先輩とは本日をもっていよいよお別れです。 皆さんには、先輩が築き上げた伝統を継承し、それをさらに充実・発展させ、地域か ら一層信頼される所沢高校をつくっていってほしいと思います。先輩に感謝し、また、 安心していただくためにも、勉強や部活動、学校行事などに積極的に取り組んでいっ てほしいと思います。  ここで、保護者の皆様に申し上げます。  お子様のご卒業、誠におめでとうごぎいます。今日の卒業を誰よりも喜んでおられ ますのは、ご家族の皆様であると拝察する次第であります。心からお祝い申し上げま す。  入学式では開式が遅れたことやその他いろいろとご心配をおかけしました。以来3 年間、保護者の皆様には、一言では尽きせぬ様々な思いをお持ちの中で、生徒達を見 守っていただきました。生徒達は学業に精進し、立派に高校生活をやり遂げました。 これもひとえに、日頃の教育活動の推進にご理解とご支援・ご協力をいただきました 賜物と衷心から厚くお礼申し上げます。今後とも本校発展のために一層のお力添えを お願い申し上げます。  終わりにあたり、395名の卒業生の皆さんの限りない発展をお祈り申し上げ、ま た、ご多忙の中、ご臨席賜りましたご来賓の皆様、保護者の皆様に心からお礼を申し 上げ、式辞といたします。                       平成12年3月8日                       埼玉県立所沢高等学校長                              長沢 攻 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓  [朝日新聞 2000年3月9日(木曜日) 埼玉版]    「考え悩み卒業の日」は省略。  [朝日新聞 2000年3月11日(土曜日)]    コラム「鉛筆」は省略。  [埼玉新聞 2000年3月9日(木曜日)]    「式辞での謝罪聞かれず残念」は省略。
(Web管理者記)
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