常任理事会だより

― 1998年度 第12号 ―

発行日 1999年2月24日(水)

発行 所沢高校PTA常任理事会


常任理事会だより       発行日 1999年2月24日
― 1998年度 第12号 ―             発行 所沢高校PTA常任理事会

   もうすぐ卒業記念祭です      卒業式に代わる卒業記念祭を成功させましょう                                  1999.2.23                       所沢高等学校PTA会長 君島和彦  季節はもうすぐ3月、3年生は所沢高校3年間の生活にピリオドを打って、新しい 出発の時を迎えようとしています。  でも、今年の卒業行事はどうなるのだろうかとお思いの方も多いと思われます。生 徒は11月の生徒総会で「生徒主催の卒業記念祭を行う」と決定しました。ですが昨 年のことを考慮して、「しかし、話し合っていく中で柔軟な対応をし、最善の策を探っ ていく」という付帯条件をつけました。その後、生徒会活動方針の「日の丸・君が代 に関する決議文」にそって行動するという部分が職員会議で採決されず、年末から約 1ヶ月間、先生と生徒の協議会が開催され、1月の生徒総会と職員会議で方針が最終 的に決定されました。  現在、生徒は生徒総会と職員会議との決定を受けて、3月8日の「第2回卒業記念 祭」を成功させるために一生懸命準備に取り組んでいます。ですが、内田校長は、話 し合いを続けると言いながらも、協議会や生徒総会、職員会議の決定を尊重せずに 「卒業式と卒業記念祭」の2つを行うと言い続けています。  2つの行事でも良いのではないか、とお思いの方もいらっしゃるでしょう。そんな 方と一緒に昨年の第1回卒業記念祭がなぜ行われたかをもう一度考えてみたいと思い ます。現在の2年生の入学式が発端です。新任の内田校長は、前年度末に職員会議で 決定していた入学式の式次第を無視して「日の丸・君が代」を強行し、式は大混乱で した。この事態に驚いた生徒は、混乱なく卒業・入学行事を実施するために、「卒業 式に代わる卒業記念祭、入学式に代わる入学を祝う会を行う」と決定し、昨年、すば らしい卒業記念祭と入学を祝う会を成功させたのです。  今年も残念ながら、結果的には、事態に変化はなさそうです。生徒は生徒総会や協 議会で粘り強い話し合いを続け、その結果を受けて校長先生に説明しました。校長先 生は今年は話は聞いてくれました。でも、最終決定は校長が行うといっています。  PTAは生徒の話し合いや先生と生徒の協議会、1月の再度の生徒総会、職員会議 を注目してきました。重要なことは民主主義的手続きを経て卒業行事のあり方が決定 されることだと考えたからです。待つことは結構つらいことでした。でも学校という 教育の場で起こっていることは教育的に解決されるべきだと思ったからです。校長先 生には生徒の意志を尊重してほしいという要望書を出しました。埼玉県議会文教委員 会の議員にも事態の説明をしました。埼玉県教育委員会にも説明や要望にいきました。 学校のことは学校の中で解決させてほしいと訴えたのです。  今、生徒は卒業記念祭の準備に没頭しています。生徒の意志を尊重し「卒業式に代 わる卒業記念祭」の成功のためにご協力、お願いいたします。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 教職員・生徒の動き 11月 5日(木)11日(水)生徒総会。「日の丸・君が代決議文に基づいて活動       する。」という生徒会活動方針(4号議案)と「生徒主催の卒業記念祭・       入学を祝う会を行う。しかし、話し合っていく中で柔軟な対応をし、最       善の策を探っていく。」という卒実方針(6号議案)をめぐって議論が       進む。決議文の評価、卒業行事への不安など様々な生徒の思いが出され       たが、最終的には、両議案とも賛成多数で承認される。    21日(木)16日(月)19日(木)職員会議。生徒総会議案の承認につい       て議論。4号・6号議案以外承認。    24日(火)高校教育2課との話し合い(大谷・永松氏来校) 12月 3日(木)職員会議。生徒総会4号議案の承認について議論される。過半数       に達せず、承認されなかった。そのため、生徒と教職員の協議会の開催       が確認された。    17日(木)18日(金)21日(月)24日(木)協議会。4号議案で合意       点を見つけるよう議論を続けたが、最終的にA案(従来通り)・B案       (「原則として」を挿入)の2案併記で生徒総会に出すことを決定。    22日(火)職員会議。記念祭プログラム、承認。  1月 8日(金)12日(火)協議会。生徒総会への提案の仕方を確認。    12日(火)18日(月)卒実と校長との話し合い。       卒業行事に対する意見書(B5・20頁)を校長に渡し、話し合う。    14日(木)LHR。生徒総会議案のHR討議。    19日(火)臨時生徒総会。A案(従来通り)が過半数の賛成を得て採択され       る。    21日(木)職員会議。生徒総会4号議案・6号議案の承認について議論され、       最終的には両議案とも賛成多数で承認される。    27日(水)生徒と校長との話し合い。なぜ記念祭1本でやらせてくれないの       かと、様々な角度から校長に対し、質問・意見が出された。  2月16日(火)高校教育2課との話し合い(大谷・永松氏来校)。学習指導要領       に則った卒業式ができるよう指導してほしいとのお願いにきた。    18日(木)LHR。記念祭当日の最善の策についてのアンケート・意見交換    18日(木)職員会議。記念祭の実施時間について卒実原案を承認。    19日(金)卒実。アンケートの意向を受けて、記念祭の開始を10:30と       決定する。 PTAの動き  9月12、13日 所高祭でミニ学習会開催「学習指導要領とは?」「生徒は指導      される存在なの?」    21日 文部省、中教審答申で校長権限強化を打ち出す。 10月 3日 校長と面談、入学を祝う会の欠課問題、卒業、入学行事等について       問う。     6日 竹永先生処分に対する第一回公開口頭審理(校長が入学説明会で録音       テープを隠しどりしていた事が判明する。) 11月 4日 自由と教育を考える委員会、学習会「生徒達は何を訴えたの?」     7日 県教育局を訪れ、提出済の「県議会における当局の答弁内容に対する       意見、並びに話し合いの要望」に対する回答を求める。    15日 県教委、式への県議招待を各校に通知(その後撤回)    21日 PTA1、2、3年学年保護者会開催。各学年毎に校長への要望書       採択。1年は教育長への意見書も採択。 12月 3日 校長へ11.21日採択の要望書を音読して提出し、話し合いをもつ。    14日 県議会文教委員会、秋山高校教育第二課長が答弁で10.16付けで       所高に対し職員会議を諮問機関とするよう指導した事、又教員に生徒の       指導を指示した事等述べる。    16日 第二回公開口頭審理。    19日 自由と教育、学習会「所高生徒会の歴史をたどってみませんか?」  1月13日 定例記者会見で桐川教育長、所高について今後も校長を支援する事、       職員の処分もあり得る等と発言。    20日 第三回公開口頭審理。    30日 3学年保護者会、校長出席。  2月10日 校長に「所高教員人事に関する要望書」提出。    16日 県教育局来校、先生方に式への生徒指導を要請。    17日 第四回公開口頭審理。    17日 教育局を訪ね、定例記者会見での桐川教育長の発言への抗議文を手渡       し、内容をただす。       又、校長へ提出済の「所高教員人事に関する要望書」も併せて手渡す。    20日 常任理事会。校長、卒業式をやると表明。    20日 自由と教育「卒業記念祭の成功に向けて」開催。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓    卒業記念祭成功にむけて  2月20日(土)『卒業記念祭の成功にむけて』をテーマに「所高生の自由と教育 を考える委員会」の第4回会合が開かれました。卒業記念祭実行委員会(卒実)の生 徒さんや先生方・PTA会長からこれまでの経緯・今の取り組みについて報告があり、 その後保護者・先生からいろいろと意見が出されました。  生徒たちは、卒業式を行うと言い続けている校長先生に何とか生徒の総意を理解し てもらおうと、まず、2学期に校長先生が何を思っているのかを知るため質問という 形で3回話し合いをしました。この中で校長先生は、卒業式・入学式をやる、生徒と 校長は立場が違うので話し合うことはするが、話し合って決定を調整するということ はないと言っていたそうです。結局話し合いといっても生徒が校長先生の意志が変わ るのを待つしかないという形でした。3学期に入って、生徒総会の決定とこのような 校長先生の姿勢を踏まえて、さらに5回話し合いを持ちました。生徒総会の決定を理 論づけて納得してもらうために卒実の委員数名で約20ページの「意見書」を作成し、 話し合いに臨みました。生徒たちは学習指導要領をよく読むと生徒主催の卒業記念祭 はむしろその特別活動の趣旨に則っており、卒業式をやらずに記念祭で替えても法的 にも問題はない等、説得しました。しかし、校長先生は「日の丸・君が代はやるべ き」、「最終決定者の校長が式の中で卒業証書を授与したいと思っているのだからそ うすべき」として、結局、生徒の説得に応じませんでした。  この他にも、多くの生徒と話し合いたいとの校長先生の要望で1月27日に卒実以 外の生徒も含めて話し合いを持ちましたが、結果は同じでした。このままいくと校長 先生のいう卒業式をやることは免れないと判断し、どのように臨むかを卒実で話し合っ た結果、当日混乱を避け卒業生を気持ちよく送り出すため、敢えて卒業記念祭を卒業 式の時間帯にぶつけることはしないということになりました。この結果をロングホー ムルームにおろし各クラスで話し合った結果、ほとんどが卒実の意見に賛成でしたの で、卒業式の後に記念祭をすることが決定されました。  生徒たちは決して卒業式を容認しているわけではなく、式に替わるものとして卒業 記念祭を行うのですが、卒業式への出席に関しては個人個人に任せ、出る・出ないの 呼びかけをすることはないとのことです。とにかく、卒業記念祭に全員の生徒・先生・ 保護者が参加し、あたたかく卒業生を送り出せるよう、記念祭の成功に向けて力を合 わせて頑張ろうと、一生懸命準備に取り組んでいます。  会合に参加した保護者からこんな意見が出ました。「昨年度の卒業式に興味本位で 出席した人が多くいた。卒業式と卒業記念祭の意味をわかって出席したのならよいが、 おもしろそうだからとか、何人出席しているか見てこようといって会場に入っていっ た人達がいたのはとても残念ではがゆかった。」  私達保護者一人ひとりがなぜこの記念祭ができたのか、その出発点をきちんと考え、 理解することが大切ではないでしょうか。親としてきちんと子どもとこのことについ て話し合うのも生徒への支援の一つかも知れません。              文責・「所高生の自由と教育を考える委員会」M.H. 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓                             1999年1月23日 桐川卓雄 埼玉県教育長 殿                       埼玉県立所沢高等学校PTA理事会                          同  PTA会長 君島和彦    定例記者会見での桐川教育長の発言に強く抗議します  1999年1月14日の新聞各紙は、桐川教育長の定例記者会見での所沢高校に関 する発言を大きく報じています。この報道によれば、教育長は、所沢高校で学習指導 要領に基づく正常な卒業式が行われるよう校長を支援していくこと、校長から生徒へ の文書発送がありうること、校長と意見を異にする教職員への処分もありうることな どを述べたとされています。  これらの発言は、現在の所沢高校での事態をきわめて不十分にしか理解していない ものであり、かつ所沢高校の生徒や教職員に対し圧力を加えようとする内容であり、 所沢高校PTA理事会としては全く納得できないものです。  PTA理事会は以下の理由で桐川教育長に強く抗議します。  第1に、この時点での校長支援の発言は、所沢高校で話し合いが進行している事態 を全く無視するものであり、話し合いそのものに対する干渉に他なりません。所沢高 校では、昨年11月の生徒総会をはじめとして、長時間の討論を重ね、生徒会の方針 をめぐって教職員と生徒との協議会を数回にわたって開き、1月19日の再度の生徒 総会と21日の職員会議で十分議論した結果、卒業・入学行事に関する方針を決定し ました。  教育長の13日の記者会見での発言は、このような結論のでる前のものであり、話 し合いの過程で出されたものです。結論を見ることもなく、憶測や類推による校長支 援の発言は、教育現場、生徒の実態を見ようとしないものであり、教育の場に予断と 偏見に基づく圧力を加えようとするものです。  第2に、文書の発送に関してですが、昨年、内田校長は卒業行事に関しては生徒会 や職員会議の意向を無視した形で卒業生保護者に対し私信や文書を発送し、入学行事 に関しては教育委員会と校長の文書を新入生保護者に発送しました。このことがどれ だけ生徒・教職員・保護者の信頼を傷つけるものであったか、全く理解していないよ うに思われます。学校が卒業生や新入生にどのように対処するかは、本来、学校独自 の業務であり、職員会議をはじめとする学校内の民主的合意のもとに行われるべきも のです。教育長が文書の発送もあるなどと発言することは、当事者である内田所沢高 校長への信頼のなさを世間に公言するものです。またそのような人物を校長に任命し た教育委員会の見識が問われることにもなります。  第3に、教職員の「発言や行動」を根拠にした処分を予告するかのような発言は全 く納得できません。教育現場では校長と教職員の意見が違うことは日常的にあり得る ことです。その「発言や行動」が処分の対象になるかのような教育長の発言は、教育 現場での教職員の教育活動への圧力・干渉であり、教育活動の沈滞化を招くものです。  以上、3点の理由で桐川教育長の発言に強く抗議します。
(Web管理者記)   ビラの「教職員・生徒の動き」の11月のところには、 --------------------------------------------   「21日(木)16日(月)19日(木)職員会議。 -------------------------------------------- と記載してありましたが、「日にちと曜日が合致しない」ことと「日にちの順番が崩 れている」ことから、先頭の「21日(木)」は「12日(木)」の間違いと思われ ます。  「PTAの動き」の -------------------------------------------- 11月 4日 自由と教育を考える委員会、学習会「生徒達は何を訴えたの?」     7日 県教育局を訪れ、提出済の「県議会における当局の答弁内容に対する       意見、並びに話し合いの要望」に対する回答を求める。    15日 県教委、式への県議招待を各校に通知(その後撤回) -------------------------------------------- ですが、ここの「7日 県教育局を訪れ、」は「9日 県教育局を訪れ、」の間違い です。更に、「15日 県教委、式への県議招待を各校に通知(その後撤回)」です が、正確には「通知を出していたのは8月で、そのことが報道されたのは14日」と いうことになります。ただ、ほとんどの新聞では15日朝刊に掲載されましたが、朝 日新聞は14日夕刊に掲載しております。  また、「PTAの動き」の日付に関しては「日」は記載されておりませんでしたが、 「教職員・生徒の動き」の記載に合わせて分かりやすくするために「日」を付けまし た。  尚、このビラはB4用紙裏表にギッシリと詰めてありましたので、改行等を入れる など整形して読みやすくしました。
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