常任理事会だより

― 1997年度 (第1号) ―

発行日 1997年6月11日(水)

発行 所沢高校PTA常任理事会

1997年度 PTA総会 1997年5月31日(土) / 15:15〜19:45 / 於:講堂

1997年度 PTA総会
県教育局教育長への「校長先生の配転等を含めての対処要請」を総会出席者の圧倒 的多数で支持。会員の総意を得るための臨時総会(7月5日13:30より)開催決定。  PTA総会は、後援会総会・百周年記念事業推進委員会開催後、15時15分より始ま りました。(会員数1310 出席280 委任状689により成立)) (1)1996年度活動報告、決算報告 (2)1997年度活動計画・予算 (3)1997年度 役員承認、終了後 (4)その他の議事の中で、入学式の問題について討議を行いまし た。校長先生、PTA会長、副会長より状況説明等を行い、いくつかの事実確認がさ れた後、5月15日付けで校長先生に出されていた公開質問状の回答が口頭で示されま した。内容については裏に記したとおりです。(総会後、校長先生により一部訂正) 回答は、これまでの所沢高校のあり方に、理解を示したものとは思われませんでした。 その後質疑応答が行われましたが、校長先生は、管理職3人で入学式を行ったことに ついて、非を認めず調査中であるので答えられない、と繰り返されました。 (質疑応答の内容は裏面)  19時ころ、PTA会長より「教育長には所沢高校の現状をふまえ校長等管理職に 指導を行うよう要請いたします。また、校長に改善が見られない場合には、校長の配 置転換を含めて適切な対応をするよう強く要望するものです」(臨時総会に提案する 全文は右に掲載)が提案され、圧倒的多数で支持されました。  本来ならばこの圧倒的多数の支持で、議決が成立していました。しかし、校長先生 の進退に関わる極めて異例なことであり、全会員に要請文について知らせるべきと確 認され臨時総会の開催が決議されました。  今後、各支部において、入学式後の経過を含め臨時総会に向けての説明会を開くこ とを常任理事会で決定しました。また、保護者の校長先生への声を集め、校長先生に 届けます。 PTA臨時総会に向けて ・各支部で説明会を開催します(日程表・別添) ・所高生の自由と教育を考える委員会主催学習会    6月13日(金)「学習指導要領について」 所高会議室19:00より ・校長先生に保護者の「声」を届けます(別添) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−                 要 請 文 (案)  所沢高校では長い間、自主自立の校風のもと、生徒たちの意見が尊重され、いろい ろな行事を生徒たちが自主的に企画・運営してきました。こうした生徒たちの活動を 先生方も暖かく見守り、何事をするにも充分な話し合いを重ね、納得のいく形で学校 生活が進められてきています。自分たちで考え討議し、それが反映される場が保証さ れていること、ここにこそ所沢高校の生徒たちのエネルギーの源があると言えるでしょ う。  私たち保護者も、無気力に陥る若者が多い時代に、子どもたちがこうした校風の中 でのびのびとエネルギッシュに青春を送っていることに驚きかつエールをおくるもの です。まさに今望まれている個性・創造力を培う教育がなされていると言えるのでは ないでしょうか。  しかし、今年4月赴任された内田校長は、今までの生徒、先生たちとの話し合いの 結果を尊重せず、充分な話し合いもないままに、入学式において従来の形でない式を 管理職3人でしかも稚拙なやり方で強引に行い混乱を招きました。そこには新入生及 び保護者を暖かく迎え入れようとする姿勢は感じられませんでした。  そればかりか、問題は、その後の生徒たち、保護者、先生たちへの対応に学校の責 任者として、また、教育者としての誠意が感じられないことです。  生徒に対しては、生徒総会、ホームルーム委員会主催の話し合いなどが行われたも のの、一方通行的であり、ほとんどの生徒が納得しないままに終わっています。  私たち保護者に対しては、「学校のことは学校にお任せ下さい」を繰り返すばかり で、素朴な質問に対してすら真筆に応えようという気持ちが感じられず、あまりの誠 意のなさに「所沢高校の校長としてふさわしくない」という声があがっています。P TA活動に関しても「学校のことにPTAは口を出さないでほしい」という発言を繰 り返しています。定例の場(常任理事会・理事会・PTA総会等)以外の会には「必 要ない」となかなか出席していただけない状態です。これらのことは、常任理事たち が当局に何度か足を運び、事情を話し「説明の場に出席して下さるよう声をかけてい ただきたい」と伝えているので充分ご承知のことと思います。  事の発端は、稚拙なやり方で強引に行った入学式でしたが、それに対し何の反省も なくこころの伝わらない対応をするばかりの内田校長に対し、わたしたち保護者は不 信感を強め、いまや教育者としての資質を疑わざるを得なくなるにいたっています。 今後の学校運営はもちろんのこと、まさに所沢高校の自主自立の校風そのものが崩さ れ、生徒たちがやる気をなくしていくのではないかと危惧しています。  21世紀を担う有為なる若者を育てようとされている教育長には、所沢高校の現状 をふまえ校長等管理職に指導を行うよう要請いたします。また、校長に改善がみられ ない場合には、校長の配置転換を含めて適切な対応をするよう強く要望するものです。  以上、決議いたします。                              1997年7月5日                        埼玉県立所沢高校PTA臨時総会 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−              公 開 質 問(校長回答)                               1997.5.31 1.「自分の考えで判断し、行動し、その責任を自分で取るとする」所沢高校の在り  方に憧れて私達父母は子ども達を入学させました。この在り方をそのまま認めます  か。   この在り方は自主・自立という点で望ましい面があるが場合によっては自己本位  に陥る可能性もあり、すべてがよいとは言い切れない。生徒を育成する上で適切な  指導が必要である。 2.所沢高校の伝統である「自主・自立」の校風をどのように受け止め、どのように  伸ばすべきであると考えますか。   「自主・自立」の校風は主体的に取り組む点で大変よいことだが、絶えず、謙虚  に反省する態度を併せ持たせることが大切である。 3.生徒達が歴史的に培ってきた生徒会権利章典を尊重しますか。   生徒会活動も学習指導要領に位置づけられた教育活動である。従って、生徒会権  利章典も当然学習指導要領の範囲内のものでなければならない。 4.学校運営上保護者との協力・信頼関係は不可欠であると認識されていますか、  またPTAとの関わり方に対してどのように考えていますか。   県立高校には県立高校としての使命がある。PTAは学校の教育方針に理解を示  し、協力するのが望ましい。 5.教育の在り方として所沢高校の生徒・教職員・保護者が共通理解を持つと同時に  それぞれの立場を尊重して、一方的にならないように配慮し、協議する姿勢が大切  であると考えますか。   生徒は教職員から教育(指導)を受ける、保護者は生徒の保護者として、学校教  育に協力するのが望ましい。 6.今回の事態をどのように受け止め、どのように対処する考えですか。   国旗掲揚、国歌斉唱指導についての理解を広げてまいりたい。 7.今回の事態は近隣の中学校にも伝わっていると考えられます。来年度の入試に際  し、受験生の信頼回復のためにどのような方策を考えていますか。   自主・自立の気風の中にも規律を守り、知・徳・体のバランスの取れた生徒の育  成と「県民から信頼される学校づくり」を今後も目指したい。 ---------------------------------------------------------------------------- 質疑応答 P:1990年に採択された「生徒会権利章典」は、学習指導要領の範囲内であるの   かないのか。逸脱しているとしたらどの部分が逸脱していると思われるのか。 校:学習指導要領を基準にして「権利章典」を一字一句考えていかなければ、どこが   どうだとは申し上げられない。これから検討していきたい。まあ回答にならない   が……。 P:子どもと先生、先生と保護者、この信頼関係がなかったら、一番被害を受けるの   は子どもたちではないか。校長先生の社会人としての人間としての基本的なマナー   について、強く憤りを感じる。 校:信頼関係は大事であるとは思っている。 P:3人で行った入学式は、新入生を迎える場としてふさわしいものだったのか。 校:入学式のやり方については最終的に私が判断をして決めて、ああいうふうにした。 P:判断してやられたのは解っている。あのやり方が入学式として良かったのかをお   聞きしたい。 校:厳粛な部分に欠ける入学式であったことを申し訳なく思う。 P:ということは、3人でやったこと自体が厳粛でなかったと言うことか。 校:入学式については調査中だ。 P:3人でやった入学式はあれは間違っていたと思う。あれだけの賢い子どもたちを   引っ張っていくのに、3人だけで学校運営はできない。校長先生は口を開けば   「学習指導要領」とおっしやるが、水戸黄門の印篭ではないんだから、これが目   に入らぬかと指し示しても、子どもたちは納得できないと思う。うちの子どもも   校長先生のお話しは前の事の繰り返しでちっともわからないと言っている。校長   先生も信念を持って教育に当たられているのだったら、校長先生は校長先生のお   言葉で子どもたちに当たって欲しい。 P:「県民から借頼される……」とあるが、たかだかこの所沢高校の何百人の父母に   信頼されない先生が、どうして県民から信頼されるのか。(会場拍手) P:所高生のなかに日の丸君が代に反対する生徒がどのくらいいるのか。 会:去年の卒業式の取り組みでは、強制反対の署名者が、3年生450名中391名   だった。 P:学校教育の場に、命令や服従はなじまない。所高の教育は先生方と校長先生が、   いろいろな考え方の本当に一致する点で、学校行事やいろいろなものが組まれ40   年来行われてきて、それが、所高の伝統だと思う。それは、憲法、教育基本法、   子どもの権利条約、学習指導要領に照らしても全く問題がないことは、昨年の卒   業式、第一回第二回の入学式の説明会を通じて明らかになった。問題がないのに、   校長がおかしな行事を導入したことが問題だ。 P:これから話し合いに参加してもらえるか。 校:話し合いは同じようなことになると思う。その意味があるのかどうかも含めて今   すぐは答えられない。 P:(日の丸君が代を)強制しないことを守ってもらえるか。 校:強制という認識ではない。学習指導要領でするものとする(※)となっているの   だから、それを実施することが強制だとは考えない。 P:1年の親。子どもは入学式に大変ショックを受け、その後2か月になるが、ずっ   と悩んでいる。400人のうちの一人かもしれないが、校長先生が決めたとおっ   しゃった入学式に、それだけのショックを受けた生徒がいることを是非認識して   いただきたい。 P:入学式について再調査するということは、生徒に対して何らかのことをやるつも   りがあるのか。 校:……。 会:きわめて危険な状況にあると私自身は認識している。  尚、紙面の都合上、全文を記載する事はできませんでした。ご了承ください。  ※ 正しくは、指導するものとする

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