常任理事会だより

― 1996年度 緊急 ―

発行日 1997年5月2日(金)

発行 所沢高校PTA常任理事会

入学式についての説明会 1997年4月25日(金) / 18:30〜22:00 / 場所:視聴覚室

 今年度の入学式に関して説明会が開かれました。102名の保護者、21名の
先生方の参加があり、欠席を予定されていた校長先生も参加者の強い要請で急遽
出席されました。しかし、参加者の納得を得られる回答は得られず、第二回目の
説明会を開催することになりました。校長先生には、出席を強く要請しています。
保護者の皆様には多数ご出席をお願い致します。追って、詳しいお知らせを出し
ますのでよろしくお願い致します。

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      │ 第二回 入学式についての説明会      │
      │ 日時:5月17日(土)午後6時半     │
      │ 場所:視聴覚室              │
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話し合いの概要

会長:所沢高校の現状を認識して戴き、今後より良い学校にしていくために、説
  明会を開いた。疑問をぶつけて戴きたい。
教頭:平素PTA活動に対し、ご支援、ご協力感謝している。4月1日着任し、
  学校の内情について、あまり理解していなかったところはある。入学式は厳
  粛という意味では欠けた面があり、二度とあの様な儀式にならないように努
  力する。今日は校長の代理ではなく、オブザーバーという立場で参加してい
  る。
P:なぜ校長先生は来られないのか。説明がない。
教:校長は常任理事会でお話している。理事の方に話して頂きたい。
P:来る意志がないのですか。
教:校長としては話をしつくした。入学式後に話をしている。帰られた方には機
  会があれば話をしたいと言っている。
会:校長先生に出席を求める。
T:教職員を代表し、入学式の開式が遅れたことをお詫びします。入学式の原案
  は3月21日の職員会議で審議・決定されていた。4月8日の職員会議で校
  長から日の丸・君が代を実施したいとの話があり、職員会議での案と食い違
  いがあったので、8日、9日と長時間にわたり話し合ったが、平行線のまま
  だった。9日13:45校長・教頭・事務室長が職員会議を中断して入学式
  を始めた。式次第の下に「国歌斉唱」の入った小さな式次第を貼り、演台に
  日の丸の小旗をセットした。呼名は、棒読みで呼び続けられたため、新入生
  は返事ができず、抗議の声が出た。生徒会は4月1日「入学式に日の丸掲揚・
  君が代斉唱を行うなら前もって連絡して欲しい」と申し入れており、8日に
  話し合いを持ったが納得できず、当日も成り行きを見守っていたので、その
  場で抗議をした。校長からの入学許可の宣言の後、一時会場から新入生は教
  室に移動し、その間保護者に事情を説明した。校長も小さな声で話をしてい
  たが、そのことで説明はしてあるということらしい。その後、きちんと呼名
  をやり直し、式を終えた。
  校長には早く謝罪の文書を出すよう要請したが出さないので、職員会議、又
  は一年の担任団で文書を出すことも検討したが、校長から止められた。説明
  会開催の要請も拒否された。従ってPTAで説明会を開く事になった。

*教頭先生が校長先生に出席を求めるため退席

P:一年生の保護者。とてもショックだった。管理職・先生方・生徒会それぞれ
  の立場を主張していた。主役は誰であるのか忘れていたのではないか。誰が
  責任を取ってくれますか。
*校長先生が出席

校長:大勢の皆さんにお集まり戴いているので出席をする事にした。
P:きちんと目を合わせて話して戴きたい。
P:入学式がどうしてそういう状況になったのか説明して欲しい。職員会議・生
  徒会の合意がないところでやれば、あの様になるのは想像できたはず。説明
  会も本来学校側でするべき。
校:学校の責任者は私であるので、私の判断でやらせてもらった。学校運営に関
  することはPTAのPに口を出してもらっては困る。
P:校長先生としての人格に欠けていませんか。
P:なぜあの様な入学式を行ったのか。そうなったのか、三人で始めた理由を説
  明して欲しい。
校:校長として判断してやったこと。
P:責任をとって所高をやめて戴きたい。
P:きちんと入学式を行うというより、とにかく日の丸・君が代をやろうという
  ことが最優先されたように思われた。国旗・国歌の必要性を感じているが、
  あれでは納得がいかない。
校:国旗は校旗の後ろに掲揚した。ラジカセで国歌を流すのは予定通り。
P:校長先生は良い入学式だったと思っているのですか。
校:入学式が終わった後、私の考えは保護者の皆さんにお話した。厳粛でなかっ
  たところがあったのは残念。これからはその様にならない様努力する。
P:いままでの子ども達の取り組みは知っていたはず。子ども達の話は聞いた、
  でも判断はこちらでするというのでは、大人に対して持つ不信感は計り知れ
  ない。これまで築いてきた所高の自主・自立の校風を一人の人間が壊してし
  まって良いのか。
校:子ども達の話を聞かないとは言っていない。ただ、教師は指導する立場だか
  らこちらの判断でする。
P:所高の校風はよく知っていて入学してきた。誤解を恐れずに言えば「さすが
  所高」と思った。子ども達が先輩から引き継ぎ、築いてきた一人一人が考え
  る土壌がある。押え込んで厳粛な式になっても、それは望むところではない。
校:所高の歴史はよくわかるが、自主・自立といっても何をしても良いというも
  のではない。
P:県教育局が日の丸・君が代を強力に要請したのだと思う。校長先生の立場は
  わかるが、今回は所高の理念に基づいた入学式をするべきだった。これから
  校長先生の考えを生徒に話していくとして、今はきちんと謝意を表し、これ
  からはこの様なやり方はしませんと表明するべき。
校:公立高校では指導要領で国旗・国歌について示されている。選択の余地はな
  い。生徒に話をして、生徒の話しも聞いていく。でも、指導する立場にある
  のだから、生徒のいう通りにするというのではない。
P:指導要領について、文部省に問い合わせたところ、国旗掲揚・国歌斉唱は運
  動会・学芸会などと同じレベルのもので、その学校・地域の実情に合わせて
  努力して欲しいということで、強行しろ、強制しろとは全く言っていない。
  教育課程は学校で決めて良いとの事。だから実施されないからといって問題
  にされることはないと確認した。
校:実施するものとあるのだから、実施しなくてはならない。
P:あなたは教育者ですか。官僚の答弁のようだ。
P:今、個性が大切と叫ばれている。所高はこれにピッタリ。それをなぜ否定す
  るのか。
校:国旗・国歌を実施することが個性の否定にはつながらない。国旗・国歌を敬
  愛する気持ちを持つことは基礎・基本である。
P:実施そのものの問題ではなく、その前の過程の事。強制は個性を否定するこ
  と。
校:指導要領に示されていることをすることが強制だとは思わない。
P:日の丸・君が代は指導要領の特別活動の一つ。この目標に「望ましい集団活
  動を通して心身の調和のとれた発達を計り、個性を伸長すると共に集団の一
  員としての自覚を深め協力してより良い生活を築こうとする自主的・実践的
  態度を育て・・・」とある。所高での生徒会活動もこの目標に沿っている。
  指導要領を大切にするのならこれを大事にして欲しい。最終的に日の丸・君
  が代を実施するのかが問題ではなく、それまでの過程で子ども達がどういう
  話し合いをしてきて、その中で子ども達の自主的・実践的態度をどう養って
  いくかというところが重要。
校:特別活動に対してもいろいろな指導をしていかなければならない。
P:学校説明会から所高を目標にしてきたのに、新しい校長でガラッと学校が変
  わってしまうのはくやしい。
P:先生方は責任を感じていないのか。
T:お詫びのしようもない。ただ、所高では話し合いを大切にしてきた。強制に
  反対という決議文を生徒総会で確認しているが、そこまでのプロセスを大事
  にしてきている。職員会議と生徒の意見の違いがある場合は協議会を開き、
  代表者同士で話し合い、歩み寄り、納得して進めていく方法を取っている。
  この様に築き上げ、受け継がれてきたものが、危機にさらされている。守っ
  ていきたい。
P:妻から報告を聞いて煮えくり返る思いがした。校長は式の混乱の正当性をト
  クトクと述べている。あなたは子どもが好きですか。教育者としての良心の
  かけらも感じない。
校:なんですか、その質問は。なんで聞くんですか。
P:指導には信頼関係が必要。命令と服従ではない。
P:所高のここが良いと思っていたものが壊されようとしている。学校の最高責
  任者であれば、自分の言葉で文書を出すべき。
P:謝罪文を書いて欲しい。
P:いつも先生方は子どもの側に立って頑張ってくれた。所高は生徒が主人公で
  あることを実感できる学校である。所高には生徒会権利章典もある。「自由
  な高校生活を送ることは、所高生の普遍的な願いである。そのために必要な
  様々な権利がある。過去、所高生は数多くの努力を重ね、自由を手にしてき
  た。又その過程でいくつかの権利が保障され、その中には生徒と教員との信
  頼関係により得たものがある。それら手にしてきた自由を持ち続けるために
  私達は自治を確立する必要がある。自治が崩れるということはそれらの権利
  を失うということである。自治が崩れる危険がある場合、できる限りの努力
  をし、それを防がなければならない。」この様に自由=好き勝手、ではない
  という事は皆わかっている。
P:県教委の見解はどうなんですか。
P:高等学校二課は実施内容については要領に従って下さいと言っている。実施
  率は国旗100%、国歌は数%していない高校がある。文部省によると私立
  の実施率は半分程度。これは子どもの内心に立ち入って強制できないという
  理由から。
P:生徒との溝をどのようにして埋めていくのか。卒業式で同じ行動をとるのか。
校:学校内のことは学校にお任せ戴きたい。生徒には5月2日の生徒総会で話を
  する。卒業式については、今言うことは控えさせて戴く。
P:話し合って、歩み寄ってというシステムが壊れてしまう。決議文もまだ有効
  のはず。子ども達が権利を侵されそうであれば教えて欲しい。
会:全力で子どもを守ります。
P:今まで所高では、討議をして、民主主義・自主・自立を守ってきた。校長先
  生と先生方は、意見の違いはあったかも知れないが強行したことがこの様な
  事態を招いたように思う。校長先生は責任者であると言われたのだから、子
  ども達を守り、先生方の処分等がないようにお願いしたい。
校:生徒の方は充分指導していきたい。先生方のことは学校の中のことなので要
  望としてお聞きする。
P:今まで所高がこうあったのは先生方の努力。先生方を守ることが、これから
  の所高を守る事。
P:試案ですが儀式の企画・運営を子ども達に任せるという方法を提案したい。
P:謝罪文を出して欲しいという要望に対する返答をお聞きしたい。
校:文書を出すつもりはない。考えは充分述べた。学校のことはお任せ戴きたい。
P:謝罪文を書いて欲しい。保護者会でもずっとこの問題を取り上げていって欲
  しい。
P:謝罪文を出せないのなら、校長先生の教育観などを書いて出すというのはど
  うか。それに対して私たちが検討する。
P:校長先生は民主主義を破壊する立場をとっている。所沢高校の校長としてふ
  さわしくない。
P:謝罪文を書かなければ、PTAの署名をもって校長に対する何らかの処遇を
  考えたい。
P:次の説明会を設定して欲しい。校長先生の出席を強く要請する。
校:必要があると感じれば出ます。
P:私達は必要であると思っている。(賛同者多数)
司会:次回が決まり次第お知らせし、連絡網で流します。

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