戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動

有事法制にもイラク侵略戦争にも反対

5月4日 米軍ヨコスカ基地フィールドワークと学習交流会

主催:ピース・ニュース、基地はいらない!女たちのネットワーク、アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局、女たちは今・ヨコスカ

 汗ばむような素晴らしい五月晴れに恵まれた5月4日、戦争を止めよう! 平和を運ぼう!全国リレー行動の一環として「有事法制にもイラク侵略戦争にも反対!米軍ヨコスカ基地フィールドワークと学習交流会」が行われました。

 この行動は、”戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動”の第20回目の行動としても位置付けられるものでした。参加者は、22人。軍港横須賀を自分の目で見て、今後の平和のための運動に活かして行こうとの思いで集まりました。

 集合場所のウエルニー公園で今回のフィールドワーク、学習交流会の実現を可能にしていただいた ”女たちは今・ヨコスカ”の筧さんから挨拶の後、横須賀平和船団の鈴木茂樹さんの案内で、横須賀港を見学しました。


JR横須賀駅前のウエルニー公園に集合した

 横須賀港に出入港する米軍、海上自衛隊の艦船を平和を守る立場から常に監視しておられる鈴木さんは、まさに軍港としての横須賀港の生き字引のような方で、軍港、軍艦についてほとんど素人の参加者にもわかりやすい、説得力のある説明をしていただきました。

 港を見た後は、三笠公園に向かいましたが、途上、米軍の基地の2箇所のゲートの前で立ち止まり、写真を撮ろうとしたのですが、日本の警察、ゲート内の日本人(米軍に勤務の人でしょう)、米兵が写真撮影をやっきになって止めさせようとしました。基地従業員はショットガンを持ったまま、基地から私たちが歩いていた歩道(基地外)まで出てきて威嚇するのです。鈴木さんは強く抗議しましたが、ただ、写真撮影をやめてくれと繰り返すのみでした。




 ゲート内の写真ですから、たとえ撮影したとしても、軍事的に見て何ら意味のある写真が撮れるとは考えられませんが、ゲート付近、ゲート内の関係者が写真に過敏に反応するのには驚きました。


基地ゲート前 写真をとることを厳しく制限された


三笠公園
 
 三笠公園には、あの日露戦争で活躍したといわれる”三笠”が保存されています。この三笠公園から横須賀港内めぐりの船に乗りました。
 ウエルニー公園から見るのとはまた違って、横須賀港が軍港として重要な意味を持っているということが実感できました。


海上からしか見られない、米軍基地の優雅できれいな建物群
 
 イラク戦争の影響でしょうか、米の艦船が非常に少なかったようです。
ただ、2隻のイージス艦を見る事ができました。
 鈴木さんの説明にもあったのですが、日本の自衛隊は太平洋においては米と肩を並べるだけの軍備をしているとのこと。米海軍は308隻の艦船を装備しているが自衛隊は160隻といいます。自衛隊が世界有数の軍事国になっていることを強く認識しなければならないと思います。
この日は米の艦船が少なかったというものの、5月6日には空母キティホークの帰港、5月10日には原子力空母カールビンソンが入港が予定されており、ともに横須賀では抗議行動が行われようとしています。
まばゆいばかりの太陽の光を浴び、船に1時間ほど揺られたのでだいぶ疲れた後、横須賀総合福祉会館視聴覚室に移動して学習交流会が行われました。

まず、 ”女たちは今・ヨコスカ”の筧さんがビデオを上映してくれました。


学習交流会の様子

 一つは、「横須賀港12号バース拡張に伴う海洋汚染」を扱ったビデオ。基地の一部の土砂が港内に崩れ落ちて以来海水の汚染がひどくなっている事をビデオは伝えていました。異様な腫瘍を持ったり、背骨がひどく曲がってしまった”はぜ”の映像が映し出されました。もともと横須賀港を取り囲む土には砒素が多く含まれているというが、それだけではなく、かつては日本軍が、また最近では米軍がいろいろな化学薬品を使用しといて、それが土中に流れ込んでいたことも十分考えられる。恐ろしい事実である。この汚染については、もっと広く世の中に知らせて行くことも必要ではないでしょうか。

 もう一つのビデオは、厚木基地の戦闘機の爆音のすさまじさを扱った”これが爆音だ”というもの。厚木の第3次訴訟団の方々が制作されたビデオで、厚木基地を発着陸する戦闘機の爆音を克明に記録したものであった。時刻も正確に表示されており、訴訟を行うにあたっても重要なデータになるものと思われます。

ビデオ上映の後は、鈴木茂樹さんのお話と質疑。

・海上自衛隊の5つの港(大湊、舞鶴、佐世保、横須賀、呉)の中でも横須賀が一番艦船の集中度が高く、軍港として最重要の地位を占めている。
・イラク戦の影響で多くの米艦船が出て行っている。
・12号バースを400メートルまで延長する計画がある。空母の接岸に400メートルが必要というもの。
・劣化ウラン弾に関し、沖縄の鳥島に劣化ウラン弾が散乱していたといわれている。破壊力を大きくするため比重の高い劣化ウランを転用している。艦船には劣化ウランは使用していないと米軍は言っているが、廃棄した、とも言っていない。
・(米軍による環境汚染に対し、どうして放置したままになっているのか、という質問に対し):安保条約のもとで、日本は基地を提供しているという立場。米軍も環境汚染に対して現状回復をしようという考えはないようだ。
・米はベトナム戦争のような長期の戦争はやるつもりがないようだ。イラク戦争のように短期集中型の戦争をやっていくつもりではないか。
・(北朝鮮を巡って、横須賀の艦船の意味が重要になる。横須賀港を出入りする積荷に関し何か情報はないか、との質問に対し):相模補給廠監視団でさえ、何が保管され、また搬入されているかが全くわからない。横浜の本牧港からも軍事物資が積み出し、積み入れされている。

その後、イラク戦争について筧さんから発言がありました。
・イラク戦争では米軍の兵士に規制薬物(覚せい剤)が与えられていたとの報道がある。物理的に戦争は終わったかもしれないが、これからアメリカにおいて、帰還した兵士の中に、覚せい剤の副作用、また心理的な疲弊、社会復帰困難などの問題が出てくる可能性がある。

また、大阪から来られた中條さんから、”戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動”の紹介があり、5月23日に有事法制に反対して、リボンでつなぎ、国会を包囲する行動を行いたいとのアピールがありました。この国会への抗議行動、皆で成功させましょう。

最後に、やはり大阪から参加された吉田さんが、署名運動ニュースを配布され、”アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局”の活動の紹介がありました。事務局では、イラク戦争の被害の実態を調査しており、今後も劣化ウラン問題を追及、暴露していきたいとの決意が表明されました。

学習交流会の後、5時ごろから米軍横須賀基地「ベース前抗議行動」に参加しました。この基地前での抗議行動は、イラク戦争中は毎日行われていたそうです。今は日曜の夕方、約一時間にわたって、静かな、しかし怒りをこめた抗議行動が行われています。各自が”イラク解放で自由がもたらされるのではない!死者はかえらない!””米のイラク占領反対!”などのプラカード、横断幕を掲げ、基地をにらみながら抗議を行いました。

   
基地ゲート前で毎週静かに行われる抗議行動にリレー行動の参加者も合流


そして、この日の活動の最後は筧さんに手配していただき、横須賀市内の家庭料理の店で懇親会が開かれました。

−−5月5日厚木基地フィールドワークに続く−−