ハリケーン「カトリ−ナ」による大災害は人災


ブッシュ政権は、
この自然災害に備えるために必要な財源を
イラクでの征服戦争のための財源へと転用した!



インターナショナル・アクション・センターの声明 (その2)
Statement from the International Action Center
2005.9.2


 こちらには詳しい論評が載っています
 ブッシュの被災者放置=人種差別とイラク戦争政策最優先に怒りが爆発
(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局へのリンク)


 インターナショナル・アクション・センターセンターの声明を前回(その1)に続き紹介します。
(翻訳ピース・ニュース)



 人命の損失は避けられた - キューバ国連モデル

 決定を下すもの達が予算を戦争と占領にではなく、緊急時の対策に拠出する気があれば、ルイジアナとミシシッピでの大規模な人命の損失は避けることができるものであった。たくさんのハリケーンのまさに通り道にあたるキューバは、人命の損失はいつも最小限である。なぜなら政府は整然とした避難を援助し、緊急のシェルターを提供し、年配者と障害者、貧困者の世話をする準備万端のシステムを持っているからである。

 2001年、暴風雨レベル4であったハリケーン「ミッシェル」が毎時125マイルで吹き荒れる暴風と広範囲にわたる洪水で直撃した時、70万人以上の人々が避難した。この暴風雨で亡くなったのはわずか5名のキューバ人のみであった。

 2004年9月、持続する毎時124マイルの暴風でカリブ海を直撃した史上5番目大きさのハリケーン「イワン」に対しキューバは持ちこたえた。キューバは総人口の15%以上にもあたる約2百万人を避難させた。10万人が3時間以内に避難した。信じがたいことにこれらの避難者の78%は他の人々の家に歓待された。全寮制学校の子供たちは移送された。動物や鳥も移送された。死者はいなかった。国連はこれを大惨事の準備のモデルケースと宣言したのである。

 米国により45年間にわたり封鎖され隔離された国であるキューバは百万人の人々を人命を失うことなく整然と避難させることができているのである。自然災害が必ずしも惨禍となるわけではないのである。

 
 石油の暴利
 
 被災地域での恐ろしい人命と住宅の損失に加えて、労働者大衆はどこでもガソリン1ガロン当たり3ドル以上を支払わなければならなくなるだろう。その一方で石油会社が記録的な利益をかき集めている。地域によってはガソリン代は一ガロンあたり5ドルにもなっている。

 石油戦略備蓄からの放出は被災地域の石油精製不足を簡単に埋め合わせることができる。テキサスとルイジアナ湾岸の地下岩塩空洞には7億バレル近い石油が貯蔵されている。この貯蓄はエネルギー危機あるいはその他の緊急事態において石油市場のショックを和らげるために設立された。しかし石油を放出するのではなくそのまま貯蔵しているため、ガソリン価格が高くなり石油会社により大きな利益を保証することになっているのである。

 上昇する石油価格によりジョージ・ブッシュと彼の大石油会社の友人たちはより大金持ちになり、ブッシュ政権の政策により苦しんでいる労働者人民は、仕事や学校へ行くためのガソリンを買うため、その引き下げられた給料からさらに多くを支払わなければならない。

 ベネズエラの援助申し出に対しワシントンは行動を拒絶
 
 ヒューゴ・チャベス大統領は合衆国の労働者と貧しい民衆への関心をジョージ・ブッシュ以上に示した。チャベスはベネズエラが貧しい人々に対してシッゴー・チェーン(訳者注;アメリカのガソリンスタンド名。たいてい他のガソリン店より安い)を通じてガソリンの割引をすると申し出た。

 彼はまた百万ドル以上の石油、食料、装備をその地域に送ると提案した。更に加えてベネズエラ政府は150人を受け入れる能力のある移動病院ユニット2式、救助活動専門家120人、浄水プラント10式、850kw発電機18式、20tの飲料水、缶詰食料50tの提供を申し出た。

 合衆国政府高官はベネヅエラの申し出を知らないと述べ、さらにそれは「逆効果を招く」として拒絶した。

 
 本当の略奪:戦争と企業の貧欲を満たすために労働者大衆から搾取するブッシュ政権

 企業メディアは連邦および州の政府の犯罪的な無策に焦点を当てるのではなく、本当の危険は略奪だと報じている。ブッシュ政権の政策への非難をそらすためにニュース・ネットワークは犠牲者を悪者として描いている。あからさまに人種差別にアピールするために、ニュース上の「略奪者」は例外なく黒人男性として描かれている。

 数万の貧しい民衆は無策という政策に取り残されたのである。多くが食料も新鮮な水も乳幼児用のミルクも薬品もなく、そして政府は基本的な救援さえも供給することを拒絶したのである。

 本当の略奪者は見捨てられた企業スーパーマーケットから必要なものを取る腹の減った人々ではない。本当の犯罪行為は、人間的なニーズよりも前に戦争と企業利益を優先させる政府により、人々がこのような状態におかれたことなのである。

 ブッシュ政権はイラクの人々を征服するための戦争を賄うために、基本的必需品を供給する予算をカットすることや、自然災害に備えるのが目標である政府機関から奪うことにより、数十億ドルもの人民の金を盗んでいる。危険な略奪者は、家族に食物を与えようとしている貧しいニューオーリンズの人々ではなく、ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドである。ブッシュ政権が全ての社会福祉予算や公共施設維持予算や環境保護予算などを容赦なくカットして、全国民をだんだんと増大する危険に追い込んでいることは明らかである。

 
 戦争ではなく人間のニーズに金を!

 大惨事に責任があるのは、ブッシュ政権とそれが仕える大企業群である。そして被災地域の労働者大衆ではなく彼らこそが再建と救済を行うべきである。

 水曜日の演説でブッシュは「我々の心と祈りはハリケーン『カトリーナ』にひどく苦しめられた湾岸地域の市民の皆さんと共にある」と述べた。しかし被災地域の人々に必要なのは心や祈りではなく食料と衣服とシェルター、そして職なのである。

 ブッシュはニヤッと笑って「復興には数年かかるだろう」と述べた。しかもその復興のための計画を申し出ることもなかったのである。この地域の人々が必要としているのは、空文句や空虚な笑みなどではないのだ。この危機は、緊急の必要物資をまかない、再建の努力を円滑にするために国家総動員を要求している。この大惨事は地方政府や個人的な慈善事業でまかなうレベルを超えている。連邦政府は現在戦争を遂行するために使われているその豊富な資源を、即座のそして長期の救済のために充当しなければならないのである。

 我々はブッシュ政権に要求する

■戦争と占領への資金配分を止めよ。緊急援助と再建のために金を使え。

■政府の避難計画の拒絶ににより生じた、ガソリンと緊急シェルターの支払いのため労働者大衆が被った債務を棄却せよ。

■惨劇のため失業した数万人に対して緊急の失業手当を提供せよ。

■ホームレスとなった人々に緊急の長期シェルターを供給するため可能な全てのスペースを使えるように、土地収用を直ちに実施せよ。

■再建のための大規模就業プログラムを組合賃金で供給せよ。住宅、学校、その他公共施設建設支援のために数百万の失業者の就業が可能だ。

■緊急事態のため、農業ビジネス、スーパーマーケット・チェーン、医薬品企業から食料、水、被服、医薬品その他の必要品をただちに徴発せよ。国中の政府の倉庫にある食料備蓄をただちに放出せよ

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