公式資料 

 2003年度総会報告

2002年度事業報告2002年度決算/2003年度事業計画/2003年度予算

■2003年度事業計画

A.木質バイオマス(エネルギー)利用に関する情報発信
 2002年は、国の定める新エネルギーに「バイオマス」が正式に位置づけられるとともに、「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定されるなど、明確なかたちでバイオマスに追い風が吹き始めた年であった。おそらく2003年は、莫大な補助金がバイオマス関連に投じられ、全国的に研究開発が進み、関連施設の導入もみられるだろう。
 しかし、こうした状況においても、木質バイオマス(エネルギー)の利用をすすめる団体の多くは、行政あるいは事業者が中心となって構成されており、当工房のような草の根的な市民団体は希少である。したがって私たちは、追い風にしっかりと乗りつつも舞い踊らされることないように、自らの特徴を生かしつつ、地域との連携を図りながら着実に活動を拡げていくことが必要である。
 このような考えから、今年度は、多くの潜在的バイオマスエネルギー消費者に対する適切な情報提供だけでなく、環境学習の実践にも活動の力点を置くことにする。
(a) バイオマス・ミーティングの開催
 当工房の活動の大きな目標として、バイオマス(エネルギー)を活かしたまちづくりを市民参加によってすすめていくことがあるので、バイオマス・ミーティングでは、そのために必要なことを深く理解できるような環境学習プログラムを作りあげていく。それぞれのミーティングの前には、会員間の話し合いによって学習のテーマを絞り、その分野に精通したゲストを招いてプログラムを練り上げる方式をとる。
 これは、「新しい環境学習をつくるネットワーク」などとの共同により、年3回開催する。プログラムを実践するフィールドとしては、「(NPO)よこはま里山研究所」が関わっている横浜市緑区新治が想定される。
(b) バイオマス・キャンプの開催
 バイオマス(エネルギー)を活かしたまちづくりを泊まり込みでじっくりと考え、試行的に社会実験していくためにバイオマス・キャンプを開催する。
これは、年1回、「(NPO)環境デザインセンター」と共催する。フィールドの候補としては、新潟県能生町が有力である。
(c) 出前サロンの開催
「出前サロン」は、フィールドを持って活動をしている団体との連携を強めるために昨年度スタートさせた。今年度も、これを年3回程度開催する。
(e) イベントへの参加
 木質バイオマス(エネルギー)の有効利用や地球温暖化の防止をアピールするイベントに参加して、講演、ポスター展示、フライヤー配布などをおこなう。また、21世紀型の木質バイオマスエネルギー利用形態として、ペレットストーブは非常に魅力的な機器なので、適宜、ペレットストーブの展示・燃焼実演をおこなう。
(f) 電子メディアを利用した情報発信
 当工房のウェブサイトは、社会的活動をおこなう非営利任意団体としての説明責任を果たすために立ち上げられた。今後も、適宜、この基本方針に則って更新してゆく。
 またサイトは、当工房の活動、出版物、イベントなどを広く宣伝するツールでもあるが、これを補うために、適宜、顧客にメイルを送るほか、メイルマガジン「神奈川森林エネルギー工房通信」を発行するなどの情報発信に努める。
(g) 出版物の頒布
 当工房が発行した出版物(『解体木材からエネルギーを!? 11の提案』、『これからのエネルギーは、ますますバイオマス!』、『里山天使』)については、イベント等を活用して積極的に頒布する。
また、昨年度実施した木質バイオマスエネルギーの先進事例調査の成果を、出版物とまとめられるよう資金の確保に努める。
B.木質バイオマス(エネルギー)利用に関する調査研究
 適切な情報を提供するためには、その前に情報を収集・加工する必要がある。そのために、研究会等への参加、キーパーソンへのヒアリング、適当な資料の購入などをおこなう。
 また、これまで会員が個人的・自主的に情報を収集してきた膨大な情報を、データベースを構築して整理することも重要な作業となる。
C.関連機関との連携
 これまでの市民団体・地域団体、行政、企業、高校・大学などとの関係を踏まえ、今年度も適宜協力を図りながら、連携機関と協力して取り組めるテーマを模索してゆく。
 バイオマスに追い風が吹いているとはいえ、補助金のほとんどは行政や企業が導入する設備設置への支援と、研究開発費への投入なので、そうした補助金の使い道に対して提言できるような関係を築いておくことが重要となる。
D.アクティブな会員を確保するためのPR
 活動に積極的に参加するアクティブな会員を確保するために、広く薄く宣伝活動を展開するのではなく、バイオマスに関心があってやる気のある人を勧誘する。
E.会員相互の情報交換・共有化
 月に1度のペースで開催するバイオマスサロンで、会員相互の情報の交換と共有化を図る。また、メイリングリストを有効に利用して、サロンの機能を補完する。
X.プロジェクトによる取り組み
 会員は、活動理念に合うプロジェクトを立ち上げることができる。資金が必要なものは、助成金を申請し、首尾よく獲得できたときにスタートさせる。