フォーレ「ピエ・イエス」

 フォーレ(1845−1924)はフランスの作曲家で、オルガニストとしてはパリのマドレーヌ寺院で活躍しました。(2001年3月にその教会を訪れましたが、フォーレの優美さと教会のエレガントさがぴったりと重なりました。( ^^)r)

 幼い時から音楽の才能に恵まれ、ドビュッシーと共に、フランス歌曲の地位を高めたことも、大きく評価されています。
 彼の優しくも気品があふれる音楽作品は、「レクイエム」を始め、多くの人々に今なお愛されています。

 「ピエ・イエス」は「レクイエム」の中の1曲で、父と母の相次ぐ死に遭遇したことが、作曲のきっかけになったとも言われています。
 この作品でフォーレの特徴は、劇的である「ディエス・イレ」を省略して(参考:モーツァルトの「レクイエム」の「ディエス・イレ」かなりドラマティック)、代わりにこの「ピエ・イエス」が収められています。ソプラノで歌われたり、またはボーイ・ソプラノで歌われることもあります。

★ボーイソプラノ風?アレンジ版は→こちらへ

●フォーレ自身の「レクイエム」に対する論評

「私の『レクイエム』……は死に対する恐怖感を表現したものではないと言われており、中にはこの曲を死の子守歌と呼んだ人もいた。しかし、私には死はそのように感じられるのであり、それは苦しみというよりもむしろ永遠の至福と喜びに満ちた解放感にほかならない。グノーの音楽が人間的優しさに傾き過ぎていると非難されても、彼の本性がそのような感性を導いたのであり、そこには固有の宗教的感動が形作られている。芸術家には自己の本性を容認することが許されないのだろうか。私の『レクイエム』について言うならば、恐らく本能的に慣習から逃れようと試みたのであり、長い間画一的な葬儀のオルガン伴奏を勤めた結果がここに現れている。私はうんざりして何か他のことをしてみたかったのだ。」

「ガブリエル・フォーレ」/ジャン=ミシェル・ネクトゥー著  大谷 千正 編訳/1990. 12. 25 新評論


 ★フォーレのレクイエムについては、こちらのサイト(デュリュフレのレクイエムのページ)がお薦めです。



 ★Pie Jesu (慈悲深き主イエスよ)

Pie Jesu, Domine, dona eis requiem.
 慈悲深き主イエスよ、彼らに安息を与え給え。

Dona eis requiem, sempiternam requiem.
 彼らに安息を、永遠の安息を与え給え。

 
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