九州教区伝道センター共育部門

礼拝奏楽に関するアンケート集計結果



 2001年度九州教区総会において、「礼拝音楽や奏楽者について、教区としても考え、取り組んでほしい」との意見が出されました。共育部門ではこれを受けて、この度、各教会の奏楽の現状を知るため、2002年7月1日付けで「奏楽に関するアンケート」を各教会・伝道所に送付、お願いいたしました。回答してくださった分の集計結果をお知らせいたします。

教師または説教担当者への質問 回答数31(回答率24%)

1. 奏楽者はいますか。
    いる 27(87%)     いない4(13%)

※ 「いない」と答えた4件中、3件は「オルガンがない・置けない」「楽器はあるが奏楽者がいない」等の理由でヒムプレーヤーを使用している。
また1件は教師が奏楽も兼ねている。

2. 奏楽者はどのようにして決まりますか。
    本人の申し出 10             その他1
    役員会や教師からの推薦 9       無回答2
    本人の申し出・推薦の両方 5

3. 奏楽者と礼拝における前奏や後奏、また歌う讃美歌等についてうちあわせすることはありますか。
    ない 13(48%)          ある 14(52%)

【「ない」の理由】
・ 讃美歌は教師(または礼拝プログラム)により、前奏・後奏は奏楽者にまかせている/奏楽者が何でも弾けるので信頼している。
・ 時間、関心がない/教師が音楽素人なので/習慣がない。
・ クリスマスには相談する。

【「ある」の理由、内容】
・ より良い礼拝を捧げるために必要/礼拝を円滑にするため/説教に合わせたい/教師の判断だけでは会衆の様子がつかめない/讃美歌のテンポを教師が指示/説教後の讃美歌について。
・ 週報に前奏、後奏の曲名を記入するため。
・ 奏楽者にも事前に準備が必要/奏楽者の力量に合わせるため。
・ 月一回、奏楽者の会で。

4. 奏楽者に謝礼をしていますか。されている場合どのような形でしょうか。
    なし 16        クリスマスに図書券やプレゼント 11

5.奏楽者育成について
   教会として育成を考えている 8(26%)   無回答 8(26%)
   現奏楽者にまかせている  15(48%)

【「教会として育成を考えている」の具体的内容】
・ 定期的に専門のオルガニストを招いて講習会をもつ。
・ 子どもとの合同礼拝で、子どもに奏楽を担当してもらう。
・ 研修費として奏楽者一名当たり、年間1万円を補助している。
・ 出来るだけ多くの方に弾けるようになってほしい/受洗者を祈る/教会学校卒業生が成長してきている/育成しなければ近い将来奏楽者がいなくなるだろうと恐れている。

【「現奏楽者にまかせている」の理由】
・ 育成の必要は感じているが、指導者がいない/希望者がいない/具体的案が出ない/教会に余裕なし/将来的には考える必要がある。
・ 奏楽者が音楽の講師なので育成の必要がない/奏楽者個人で講習会や教室に出かけている/信頼している。

6.奏楽者の教会での位置づけ
・ 礼拝奉仕者/能力の一つ/縁の下の力持ち、奥ゆかしい働き/大切な役目
・ 認識不足/考えるべき/弾けるから頼んでいる/奏楽者の孤独
・ 役員やCS教師とは別に位置づけ、月に一度「奏楽者の会」を行う/役員会に陪席/礼拝前祈祷を共にする。

7.九州教区伝道センター共育部門に要望がありましたらお書きください。
・ 現状や習慣にとらわれない新しい可能性や提案を積極的に出していただきたい。
・ オルガン及び「讃美歌21」の講習会を開いてほしい/各地区で講習会を開いてほしい/講習会への交通費援助を教区で出来ないか。
・ 演奏を聴く機会としてのコンサート企画や、他の奏楽者との出会いの場の提供。
・ キリスト教会館のオルガンは活用できないか。
・ 教師のための礼拝音楽の研修も必要。
・ 教会暦や特別礼拝に合う、前奏・後奏を教えてほしい。

8.現在礼拝において用いられている讃美歌集は何でしょうか。
 @「讃美歌21」…11
 A「讃美歌(‘54年版)T、U、ともにうたおう」、「こどもさんびか」…11
 B @とAの併用…4
 Cその他…2(「讃美歌21」と「ワーシップ」、「讃美歌21」と「テゼ共同体の歌」)

■奏楽者への質問 回答数62

1.あなたの教会で奏楽者は何人いますか。

※ この項目は1教会につき多数奏楽者のいる教会が、回答数も多くなり、結果を載せ る意味がないと判断しましたので、省略いたします。

2.奏楽者のあなたは、奏楽を何年続けていますか。

@ 1年未満 7(11%)       
A 3年未満 6(10%)       
B 5年未満 3( 5%)
C10年未満 7(11%)
D10年以上 39(63%)

3.音楽を専門的に学校で学んだことがありますか。
     ある 27(44%)       ない35(56%)

4.奏楽の学びはどのようにしていますか(複数回答あり)

@ 自分で練習のみ 22         
A 専門家に習っている 14       
B 過去専門家に習っていた 17    
C単発的講習会に参加する 15
Dグループで学習している  4
E教会内で学習       8

※ この項目は@とB、@とCなど、複数回答も多かったが。@の「自分で練習」というのは、ほぼ全員が当てはまることであると思う。@のみを答えた人数が22であった。

5.教会内で奏楽者と礼拝担当者が礼拝や奏楽などについて話し合う会がありますか。
   ある43(70%)     ない19(30%)

【「ある」と答えた方の内容】
・ 讃美歌を選択する/奏楽曲を紹介してもらう/教会暦や曲の難易度について/讃美礼拝について。
・ 礼拝における奏楽者の役割、心得/説教者から見た奏楽者/歌いやすく弾けているか/気づいたことを出し合う。
・ 講習会などの情報交換/分からないことについての相談。

【「ない」と答えた方は、どのように礼拝担当者と連絡をとっているのか。】
・ 週報/聖歌隊のまとめ役から/電話で/奏楽者それぞれで。
・ 特別に変わったことがあるときのみ、礼拝前にうち合わせ。
・ 分からないことは先輩オルガニストに相談。

6.前奏曲はどのように選んでいますか(複数回答あり)
 @教会暦を中心に選ぶ 40         
 A教会暦に関係なく難易度で選ぶ 21
 Bその他 14(自分の判断で/歌詞の内容)

7.礼拝の中で毎回必ず用いる讃美歌の他は、どなたが選んでいますか。

@ すべて教師、礼拝担当者 40     
A 2/3は奏楽者   5     
B1/3は奏楽者   6
Cその他、一部は奏楽者 2

8.奏楽に用いる楽器や讃美歌のリードには、なにを用いますか。(複数回答あり)

@ ヒムプレイヤー 5         
A ピアノ     3         
B 電子楽器    13         
C ギター      1
Dリードオルガン    33
Eパイプオルガン    17
Fその他(バイオリン)  1

※ この項目も、奏楽者の多い教会が回答数も多くなっているので、その点に注意して見ていただきたい。また、電子楽器もさまざまな機種が考えられるが、今回は問うことができなかった。

9.用いる楽器のメンテナンスはどのようにしていますか。

@ 定期的に調律・補修   4
A 不定期に調律・修理  25
B 無回答(していない)  33

10.説教担当者や教会員に、奏楽者から要望があったらお書きください。

・ なぜ讃美をするのか、奏楽者の役割などほとんど考えられていない。研修し合う必要がある/礼拝=説教ではなく、すべてが礼拝。奏楽も礼拝を校正するのに重要な要素であるという認識を持ってほしい/奏楽者に対する任職式の必要/奏楽への理解、関心を持ってほしい。意見を聞きたい。
・ 讃美歌は早めに決めてほしい/讃美歌のテンポを前奏で知ってほしい/讃美歌第2編や21も取り入れてほしい/讃美歌21は慣れておらず困ることも多い/讃美歌練習が必要。
・ 前奏が始まる前に着席してほしい/古い教会員が足を引っ張る向きがある。
・ 奏楽者育成の検討、経済的な支え。
・ 用いられて感謝。

11.九州教区伝道センター共育部門に要望がありましたら、お書きください。

・ 讃美について、神学校での教師の教育に加えるよう、要望してほしい。
・ 「讃美歌21」の歌い方について。教区主催の行事で用いられる際、“アーメン”など慣習的に歌うのではなく、“この歌集の使い方(讃美歌21、〜頁)”などを参照して、検討してほしい。
・ 奏楽者の出会いの場。お互いの悩みを話したり、相互理解を深めたい。
・ 礼拝音楽の講習会/講師を地域に派遣/各地区・地区より小さい単位での勉強会/単に技術の養成ではなく、礼拝をともに担う業としての学びの場/大分地区では有志で教会音楽学習会を10年間続けてきた。意味や弾き方を学んだ。讃美歌21に移行できた。
・ お勧めの奏楽曲を月に一曲、各教会に配布してほしい/教会暦に合った奏楽曲の紹介/やさしい曲から難しい曲まで入った曲集の出版。
・ 楽器の買い換えや、故障などの相談窓口。
・ 音楽学校に行かないと奏楽が学べないという発想はどんなもんでしょうか。
・ 奏楽者が軽んじられている。楽器が弾けるのと讃美をリードするのは違うと思う。
・ 次週讃美歌を一週間前には知らせていただくように、教師に伝えてほしい。
・今回オルガニストへのアンケートを嬉しく思う。

■ 集計を終えて ■
 今回のアンケートを通して、奏楽や礼拝音楽について、まだ認識が十分ではない、との感じを受けました。アンケートに答えながら、改めて考えさせられる、という面もあったのではないかと思います。
 しかし、多くの教師・説教担当者が奏楽者の育成の必要性、また自らの学びの必要性を挙げており、奏楽者からの回答ではさらに具体的な要望を知ることができました。
 今回のアンケートは、これから奏楽や礼拝音楽に関して、教区ができることを考える、一つのきっかけとさせていただきます。質問の形式など、不備もあったことと思いますがおゆるしください。
 アンケートにご協力いただいた方々に、心より感謝いたします。



(※このデータをアップするにあたり、なおみさんと正井さんのご協力をいただきました。本当にありがとうございます。またローカル同士、ゆるやかにつながっていけるとよいですね♪)

→1999年の奥羽教区アンケートはこちらへどうぞ