ノルウェーのオオカミ、またまた受難?

 
 ノルウェーの魚類野生生物局は、近く行われるオオカミハンティングについて発表しました-このハンティングは2001年の冬の間に、ノルウェー南東部Hedmark郡のオオカミの2つの群を駆除するために行われます。
駆除は正式な狩猟期間中に、違法であるヘリコプターと雪上車の使用して効果的に実行されます。
 この駆除が実行されるには、南スカンジナビア地域に10以上のオオカミの群があるのが立証されなければなりません。
南スカンジナビアにオオカミの群が10あることは、1997年にノルウェー議会により批准されました。しかし、ノルウェー領土に生息するオオカミの群は3つしかなく、10のほとんどはスウェーデン領土、もしくはノルウェーとの両方にまたがって存在しています。
 ノルウェー政府は、自国に生息している3つしかないオオカミの群の2つを殺そうとしているのです。
環境保護団体や多くの人々から、国際的にも、ノルウェー国民からも抗議の嵐がおこっています。
特にスウェーデンでは、南スカンジナビアのオオカミ全体の成長を断つ計画に抗議しています。
この抗議の輪を広めましょう!
ノルウェー政府にあなたの意見、抗議の声を送ってください。

Svein Sorli
   ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 抗議のメールは、以下のサイトから簡単に送れます(英文)。
自分のメルアドを入れて送りたい宛先をチェック、送信ボタンでOKです。
政府関係者や国王に抗議のメールが送信されるようになっています。
できれば、メール本文にオリジナルな文章を入れたほうが良いかもしれません。

 http://home.no.net/ulvelist/protestbrevet_en.htm

 ノルウェーって、去年も調査用の発信器をつけたオオカミを殺していました>参照
家畜への被害など、それなりの原因はあるのでしょうが、問題が起こったら(または起こる前に)殺せばいいというのは、あまりにも軽率な対処の仕方だと思います。
しかし、オオカミかわいさから、ただ「ころさないで」と主張するのも勝手なことかもしれないですね。
 人間側の都合で一方的にオオカミの生死を決めてしまうのではなく、被害の起こった背景、原因、またなぜその地域に生息していたオオカミが、絶滅寸前まで数を減らしてしまったのか?保護を叫ばれるようになったのか?考えなければならないことはたくさんあるでしょう。

突き詰めていけば、すべては人間側の問題なのだと・・・改めて思っています。<A>


 2月2日追記

 日経新聞の夕刊(1/26)に「ノルウェーでのオオカミ駆除がスエーデンとの外交論争に発展している」との記事が載りました。
“スカンディナビア半島に生息するオオカミを保護すべきか駆除すべきかをめぐり、スウェーデンとノルウェーが対立。保護を主張するスウェーデンに対し、ノルウェーは「牧畜に被害が相次いでいる」として20頭程度の駆除を検討している。”というものです。
 同半島南部のオオカミの現在の生息数は80―100頭たらずで、数年前からオオカミ回復計画をしてきました。家畜の被害については、ノルウエーのサイトを調べるかぎりでは、はっきりとした数は不明で、ノルウエーではたくさんの家畜の被害がありその中にオオカミによるものも含まれているとのこと。ざざっと見る限りでは、家畜被害による人民の怒りを鎮めるために、オオカミがスケープゴートにされているような気がします。

 背景には様々な人間問題がからんでいるようですが、今は、とにかく計画のスットップが先決だとかんがえます。一つでも多くのメールを送り、多くの人がノルウエーの動向に注目しているのだという表明をするのが良いと思います。
英語が出来る方は、詳しい状況を問い合わせるメール送るのも効果があるでしょう。
引き続き皆さんのご協力を呼びかけます。(あつこ)

 http://home.no.net/ulvelist/protestbrevet_en.htm


2月6日追記
 ノルウェー政府当局は、5日、今回の駆除計画でまず9頭のオオカミの射殺を許可しました。
駆除は10日に始まります。何とか止める手段はないでしょうか?(あつこ)


2月7日追記

「ノルウェーのオオカミ絶滅まで秒読み」

 ノルウェーの野生生物局は、国に生息する2ダースのオオカミのほとんどを射殺することを計画していると発表しました。スウェーデンとノルウェーのオオカミ回復プログラムが3年前に始まった後、オオカミは絶滅の危機から徐々に数を取り戻しました。オオカミ復活はスウェーデンにおいて歓迎されたが、多くの田舎のノルウェー人を怖がらせ、農民を怒らせました。昨年肉食動物による約30,000の羊殺害のうち800がオオカミによるものでした。ノルウェーの自然管理局長は、近年スウェーデンからノルウェーをうろついている、小さな3つの問題のある群のうちの2つを駆除する通知を昨年の秋に与えました。ノルウェーのWWFは、駆除を停止させる裁判所命令を求める準備をしたと発表。他の自然保護グループも駆除に抗議しました。スウェーデンの環境大臣Kjell Larssonは、問題のある2つの群のオカミは少なくとも17頭、その数はオオカミが持続可能出来る最小の数を考慮して、スカンジナビアに生息している70〜80匹のかなり大きい部分を占めていると言いました。

ニューヨークタイムズ Monday 22 January 2001

 「ノルウェー大使館」
 tel:03ー3440ー2611
 fax:03ー3440ー2620
 
 情報その2(2/11以降)へ行く