コロンビア軍、準軍組織を選択的に攻撃

ギャリー・リーチ
2004年10月4日
コロンビア・ジャーナル原文


最近数週間に、コロンビア軍は、東部カサナレ州でAUC(コロンビア自警軍連合)に異を唱える準軍組織に対して攻撃を加えた。カサナレ農民自衛軍(ACC)に対する作戦の成功は、コロンビア軍がその気にさえなれば、右派準軍組織と戦うことが容易であることを示している。コロンビア最大の準軍組織コロンビア自警軍連合(AUC)もまた、コカイン生産地をめぐって、ACCと縄張り争いをしている。軍は、ACCに攻撃を続けていることで、AUCによるこの地域の制圧確立を助けていることになる。

コロンビア政府が左派のゲリラ運動であるコロンビア革命軍(FARC)との間で失敗に終わった和平交渉を行なっているとき、FARCは繰り返し、コロンビア軍はAUCを解散させよと主張した。コロンビアにおける人権侵害の大多数を犯している準軍組織AUCを政府が真剣に標的としないことが、和平交渉の主な障害の一つであった。AUCが政府と「交渉」している今、異を唱える準軍組織を軍が進んで攻撃している現状は、軍がAUCに共感していることだけでなく、その気になれば準軍組織を狙って攻撃効果を上げることができることを示している。

政府のプレゼンスがほとんどない遠くの地域で活動しているゲリラと異なり、準軍組織のほとんどは、政府のコントロール下にある街に存在している。そうした街には軍と警察の基地があることもある。こうした街では、軍と警察も含めた誰もが、準軍組織兵士が誰で準軍組織がどこにいるか、とてもよく知っている。AUC制圧地域に住むコロンビア人は、私に、軍と準軍組織は一にして同じものであり、しばしば共同作戦を行う、と語った。コロンビア軍とAUCの密接な協力関係は、また、人権団体や米国国務省にもはっきりと記録されている。

軍がAUCを放置し続けている理由の一つは、転覆的分子と疑われる人々に対して「汚い戦争」を続けるのに右派準軍組織がいると作戦上便利だからである。政府はまた、軍に準軍組織を解散させるよう命じる政治的意志を持っていない。最近アルヴァロ・ウリベ大統領が、軍に、異端の準軍組織ACCを粉砕するよう命じるまでは。

軍は8月、ACCを攻撃するために、1000人以上の兵士を派遣し、21人の準軍組織兵士が死亡した。9月の戦闘では航空機とヘリも登場し、軍はさらに13人のACC兵士を殺し、32人を拘束した。ACCが内部分裂し、指導者が負傷して逃亡している中、コロンビア軍のカルロス・アルベルト・オスピナ将軍は、ACCには「戦いを続ける理由はない。したがって、彼らにとって最も良いのは、降服して政府が呈示した条件を受け入れることだ」と語った。

軍がACCに対する戦闘で成功を収めたことは、AUCに対しても、その気になれば軍は簡単に戦えることを示している。けれども、軍がAUCやその指導者カルロス・カスタニョやサルバトレ・マンクソを掃討するために、ゲリラやACCのような異端準軍組織を攻撃するように出動したことはない。もしそうしていたなら、コロンビアの暴力規模は何年も前に縮小し、パストラナ政権のFARCとの和平交渉ももっと成功していたかも知れない。そうするかわりに、軍はAUCと協力し続け、ACCを標的とすることで、カサナレ州のコカイン生産地域をコロンビア最大の準軍組織AUCが制圧する手助けをしているのである。


イラク関係情報は、『ファルージャ2004年4月』ブログで更新中です。リンクも充実していますので、ぜひ、ご覧下さい。今も、ファルージャをはじめとするイラクの各地で、米軍は、繰り返し繰り返し、空襲により民間人を殺害しています。

10月13日(水)午後に、イラク「復興会議」への抗議行動が予定されているようです。詳細は、こちらでお知らせがあるとのこと。

パレスチナで、チェチェンで、「テロリストを殲滅する」と大声で叫びながら、イスラエル軍・ロシア軍が無差別殺人を続けています。

日本経団連副会長(西岡三菱重工業会長)は、首相の私的諮問機関報告書が武器輸出3原則の緩和を求めたことについて、政府で具体的な検討を進めるよう求める談話を発表しました。三菱重工らしい発表で、殺人関係商売で儲ける「死の商人」経済と、経済弱者を捨て駒として軍に入れる「戦争経済」の両輪体制を日本も急速に整えつつあるようです。

辺野古関係情報・アクション、さまざまありますが、こちらも充実しています。こちらもご覧下さい。


次のような集会がありますので、ご案内致します。いずれも、人身売買に関係しています。

シェイ・カレン神父講演会(松本)
日時:2004年10月17日(日)午後1時〜3時
場所:カトリック松本教会
  (松本市丸の内9-32 松本城 東北のお堀ばた)
参加費:無料
主催:カトリック松本教会
   主任司祭 田代和生
   TEL 0263-32-0795; FAX 0263-34-0936
   講演会担当 吉沢幸宣
   TEL 0263-34-6396

シェイ・カレン神父講演会・甲府
日時:2004年10月16日(土)午後1時30分〜
場所:山梨県ボランティアセンター
   甲府市丸の内 2-35-1
   甲府駅前の大通りを南へ約500m
   警察署前交叉点を西へ約200m
主催:社会福祉法人 ぶどうの里
   心身障害者通所授産施設 勝沼授産園
   409-1303 山梨県東山梨郡勝沼町小佐手633-1
   Tel 0553-44-2903; Fax 0553-44-2904
   パグサンハン児童救援協会 田ケ谷 雅夫

フィリピンのオロンガポ市の教会に赴任して以来35年間、設立したプレダ・ファンデーションから広がった国際的な子ども買春撲滅運動において中心的役割を果たしつづけて来られたアイルランド人のシェイ・カレン神父の講演会を開きます。

カレン神父は麻薬依存者の治療をするうち、子ども買春の実態を知り、1982年、オロンガポ市スービック基地のアメリカ海兵隊に子どもを売るシンジケートを突き止めました。このときの犠牲者のなかには4歳の子どもまでいたそうです。以来、政治家をはじめアメリカ海軍関係者などからのさまざまな圧力にも屈せず、性的虐待を受ける子どもたちを救出し続けています。アメリカのスービック基地やクラーク基地(アンヘレス市)が撤退したあとは、加害者は、ヨーロッパやアメリカ、日本からの観光客に替わってきました。

シェイ・カレン神父のプロフィール
コロンバン会(本部アイルランド)修道司祭。1969年26歳の時にフィリピンに赴任。28歳の時に、カルカッタにあるマザー・テレサの「死を待つ人の家」を訪問し、そこで強烈な経験をする。以来、捨てられてさまよう子ども、買春に巻き込まれ、傷ついた子ども達を救うため懸命の努力を続けている。神父が設立した「PREDA(プレダ)」は、被害者を受け入れるだけではなく、子ども達のケア、リハビリを行っている。また、売春の加害者への対策など、世界規模で児童買春撲滅の活動を行っている。

参考 :
ECPAT(アジア観光における子ども買春根絶)国際キャンペーン
http://www.ecpatstop.org/
カスパル「アジアの児童買春阻止を訴える会」
http://web.sfc.keio.ac.jp/~thiesmey/cp/caspar/index.html


ストップ!女性への暴力キャンペーン
連続講演会第4回
アムネスティ・インターナショナル日本

聞こえますか? 日本へ人身売買された女性たちの声
日本で売春を強いられる女性たち

日時:10月19日(火) 午後7時〜9時(午後6時半開場)
場所:文京シビックセンター5階 研修室A/B
  (東京都文京区春日1丁目16ー21)
参加費:500円
主催:アムネスティ・インターナショナル日本東京事務所
   〒101-0048 千代田区神田司町2-7 小笠原ビル7階
   電話:03-3518-6777/FAX:03-3518-6778
   e-mail:stoptorture@amnesty.or.jp

講師:大下富佐江さん
1992年に人身売買被害者のタイ人女性の支援に関わって以来、移住女性の支援の仕事に従事している。日本で暮らすフィリピン人のための支援活動を行なうNGOカパティラン(1988年発足)で、ケースワーカーとして電話でのカウンセリングを中心に、ニーズに応じて役所や病院等へ付き添って手続きをお手伝いするなどしている。現在、人身売買禁止法の制定を目指す活動に特に精力的に取り組んでいる。

「人身売買」は遠い国の出来事ではない

日本は、2004年に米国務省により、人身売買を防ぐための法整備や被害者保護が「最低限の基準を満たしていない」として「監視対象国」に指定されています。このような国際社会からの厳しい批判をうけて、ようやく日本でも人身売買禁止の法制度化をめぐる動きが活発化してきています。

今回は、1992年から日本の人身売買の被害者たちを支援する活動を続けてきた大下さんに、日本で性産業労働者として働く被害者たち―特にフィリピンとタイの女性―の状況を赤裸々に報告して頂きます。また、なぜ女性たちは人身売買の被害者になってしまうのか、彼女たちの出身国の状況―特にフィリピン―から考えていきます。そして、女性を性産業労働者として「輸入」する日本社会において、私たちと彼女は何が違い、何が同じなのか。彼女たちと私たちはどのように繋がっていけるのか?などについて、会場の皆さんと一緒に考えていきます。
益岡賢 2004年10月6日

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