■‥‥愛知県知事から不戦へのネットワークへの回答書‥‥■

【目次】

▼ 前文
▼ T「地方自治体への協力要請」について
▼ U港湾・空港の使用について
▼ V「建物・施設・医療機関・物資など」について
▼ W地方自治体職員の動員について
▼ X「戦争マニュアル」という日米新ガイドライン関連法案全体について


■‥‥愛知県知事から不戦へのネットワークへの回答書‥‥■


11県民第25号
平成11年5月12日

不戦へのネットワーク
 代表 水田 洋 様

愛知県知事 神田真秋

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて平成11年4月29日付けの「周辺事態法案」に関する質問書について、別添のとおり回答させていただきます。

 なお、この中で、「国の回答」につきましては、平成11年3月26日に政府が開催した都道府県への法案説明会における説明によるもので、確定された政府見解ではなく、また、県の考え方につきましても、個別の事項に関しては国の考え方についての情報収集をした上で検討していかなければならないものが多いことから、不十分と感じられるところがあるかもしれませんが、ご理解いただきますようお願いいたします。

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(別添)

T 「地方自治体への協力要請」について

(1)○「正当な理由」について国の説明は次のようなものです。

  • 物理的に使用できない場合(港湾に関して民間船の使用等により物理的に使用できないような場合等)は正当な理由と考えられるが、その判断は個別の法令・権限に照らしてされるものである。
  • 物理的に使用が可能である場合、施設周辺で混乱のおそれがあることが正当な理由となるかということについては、個別の法令・権限に照らして判断されることになると理解している。

   ○本県としては、施設使用の具体例と関連する法令・権限による「正当な
    理由」の判断例について、今後国に説明を求めていきたいと考えています。

(2)○「協力義務」について国の説明は次のようなものです。

  • 「協力義務」という言葉は、法案第9条第1項の「地方公共団体に協力を求めることができる」という規定について、公共的性格を有し、代替性のないものについて、協力が期待されるという意味で使っているものである。
  • 協力を拒否した場合に、この法案による制裁的措置はないが、個別の法令による是正命令等の措置はあり得る。

  ○本県としては、これ以上の情報がないため、コメントは差し控えたいと考えています。

(3)国からは、周辺事態法案に基づき個別の法令の改正は考えていないとの説明を受けています。

(4)協力の具体的な内容について、今後も国に説明を求めていきたいと考えており、現時点では職員を危険な状態に置くような職務命令を出すようなことは全く考えていません。

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U港湾・空港の使用について

(1)現時点では、港湾の使用形態について具体的なものが示されていないため、名古屋港に関する影響の詳細はわかっていません。今後、国に説明を求めていきたいと考えています。

(2)周辺事態法案によると、事態ごとに閣議決定される基本計画に従って協力が求められものであり、米艦船入港が日常化するとは考えていません。

(3)国と自治体の役割をどう考えるかと言った難しい問題を孕んでいますが、国は非核三原則を堅持していると認識しており、現在のところ、非核神戸方式を実施する考えはありません。

(4)事態ごとにどのような使用が想定されるのかについて、今後、国に情報の提供を求めていきたいと考えています。

(5)名古屋空港についても、国が管理する空港であるが、地元として、事態ごとにどのような使用が想定されるのかについて、国に情報の提供を求めていきたいと考えています。
 なお、平時における米軍機の飛来についての事前通知は、受けていません。

(6)住民生活にどのような影響があるのかなどは、国に対して説明を求めていきたいと考えています。

(7)入手していません。

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V「建物・施設・医療機関・物資など」について

(1)この具体例は、4月23日の衆院特別委員会理事会に配布されたもので、国から説明を受けていないため、現時点ではお答えできません。今後、国に対して説明を求めていきたいと考えています。

(2)これらの許認可の内容や手続きについては、今後、国において関係省庁間で調整が図られ、県に対しては関係省庁ごとに通知されると説明されています。
 また、協力により損失を受けた場合は、法案第9条第3項により、国が必要な財政上の措置を講ずることになっています。

(3)「有事」そのものへの反対については、国の外交や安全保障に関することは基本的に国の専管事項であるため、コメントは差し控えたいと考えています。

(4)県民生活への影響や対策については、国に対して情報提供を求めていきたいと考えています。

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W地方自治体職員の動員について

(1)、(2)、(3)は、いずれも上記T(4)のとおり考えています。

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X「戦争マニュアル」という日米新ガイドライン関連法案全体について

(1)本県では、昭和38年9月に、議会において「平和県宣言決議」を行っていますが、こうした自治体の考え方を示すいわゆる自治体宣言は、基本的に県民の代表機関である議会で意志決定されているところであります。したがって議会の意向を尊重してまいりたいと考えています。

(2)国から自治体に対しても十分な情報提供はなされてこなかったことから、どのような自治体においても十分な情報は得られていない状況と考えています。
 県が正式に得た情報はできるだけお知らせしたいと考えていますが、この法案については、県が国に代わって説明する状況にないことはご理解いただきたいと思います。

(3)ガイドライン関連法案は、最近の国際情勢の変化等を踏まえて、我が国の平和と安全を確保するという観点から国会で議論がなされてきたものですが、当然の事ながら、大きな関心を持っております。
 特に、いわゆる「周辺事態法案」の中の地方公共団体の協力につきましては、自治体にとっても格別重要な問題であります。
 したがって、今後、より具体的な事例や安全確保がどのように配慮されるのかなどについて、全国の自治体にかかわる問題でありますので、全国知事会を通じて国に情報提供を求めるとともに、適切な配慮をしてまいりたいと考えております。

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