不戦へのネットワーク


「小牧基地の機能拡大に反対し、憲法違反の戦争法の任務に従わないこと」を求める要請書
(2016年2月27日)

小牧基地指令
野中 盛様
隊員の皆様

 日頃の任務、ご苦労様です。今年7月1日で自衛隊創立62年になります。62年の長い期間「一人も殺さず、殺されず。」を守ってきた軍事組織を私たちは、自衛隊以外に知りません。「日本国憲法内の自衛隊」という規範を政府が守ってきたからにほかなりません。
私たち不戦へのネットワークは「憲法9条こそが隊員の皆さんを守ってきた」と考えてきました。しかし、安倍政権になり、集団的自衛権の行使が閣議決定され、それに基づき、多くの国民の反対を無視して昨年9月19日に新安保法制=戦争法が強行採決され、いよいよ来月末から施行されようとしています。
 暴走的に作った法制であるにも関わらず、南スーダンの新しい任務は参院選挙後になると方針転換をしました。急ぐ理由などなかったことになります。それ以上に、2月17日から18日にかけての国連難民キャンプに侵入し、住民を攻撃したのは南スーダン政府軍だったと断定する声明を、19日国連安保理が発表したことです。この内戦的状態が続く以上、守山の第10師団は、PKO5原則に基づき撤退すべきだと私たちは主張します。
 海外派兵の物資輸送の中心基地である小牧基地が、海外派兵に協力しないように要請するために本日申し入れに参りました。

 軍事的国際貢献を、5月のG7サミットで議長国として強くアピールしたい安倍首相が南スーダンからの撤退など考えるはずはありません。更に、1月12日の国会答弁で、「自衛隊ジブチ基地の一層の活用を検討している。」と発言しました。新安保法の施行後、自衛隊ジブチ基地を中東とアフリカでの補給基地にするつもりです。ジブチから南スーダンの首都ジュバまで1300km、シリアの隣の国ヨルダンの首都アンマンまで2400km、安倍政権は、海上自衛隊のP3C対潜哨戒機に続き、輸送機の常駐化を検討しているようです。イラク戦争時のクゥェートです。C130輸送機の常駐化こそが一層の活用の中身だと確信しています。日本は、シリア内戦の有志国連合側になり、南スーダンでは国連側です。たとえ物資補給でも敵側から見れば参戦国とみなされます。海外での武力行使が日本国憲法違反であることは言を待ちません。その作戦への輸送上の協力も作戦と一体と見なさざるを得ません。この小牧基地がイラク戦争時のようにならないよう、基地司令をはじめ皆様によくよく考えていただきたい。

 朝鮮半島情勢についてです。3月7日より、米韓の合同演習が始まります。北朝鮮が強く反発する中、沖縄の嘉手納基地からソウルにある米軍基地へF2、24機が常駐化のために飛来しています。今、浜松基地や小松基地との日本海側での合同訓練計画があるのであれば絶対に中止してください。私たちは、小牧基地の空中給油機、浜松基地のAWACS、小松基地のF15やF2の連携訓練を空爆3点セット訓練と呼んでいます。この時期、日本海でその訓練をすれば、極度に緊張をしている北朝鮮側を強く刺激することになります。
 安倍首相は、その緊張関係を作り、政権の存続理由としてきました。極めて危険な存在だと私たちは理解をしています。仮にそのような計画があるのであれば絶対に中止をしてください。

 小牧基地は、県営空港の滑走路を利用しています。私たちは、小牧基地の基地機能強化に反対をしてきました。しかし、輸送もできる給油機ということで、空中給油機が配備されました。最近の動きの中で、小牧基地に隣接する三菱重工小牧南工場で、最新鋭のステルス戦闘機F35の修理を行うと報道されています。既に、三菱重工はF35の組み立て製造を行っています。米軍機を始め韓国などF35を導入する海外の機体が小牧基地の滑走を利用することになります。日本独自で開発したステルス戦闘機「心神」の試験飛行も行われるとのことです。新型空中給油機導入も含め、小牧基地が軍需産業三菱重工と一体となった強化されようとしています。地元の2市1町の住民や行政は、基地内でしずかにしていてほしいと願っています。県営空港のさらなる軍事化を住民も私たちも望みません。
以上のことを踏まえ以下のことを要請します。

 緊張を高める、軍事訓練を中止すること。
 小牧基地の機能強化につながることは許容しないこと。

2016年2月27日
不戦へのネットワーク


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