不戦へのネットワーク


自衛隊中東派遣についての申し入れ書(2020年2月22日)

小牧基地司令および隊員の皆様

 今年8月15日で敗戦75年となります。また、先月1月19日で現行の日米安保条約の調印から60年目となりました。この日、政府主催の記念式典で、安倍首相は「今や日米安保条約は、世界の平和を守り、繁栄を保障する不動の柱であり、希望の同盟」と述べました。中東情勢が緊迫する中での発言です。今一度60年前の2月26日、安倍首相が最も尊敬するというおじいさんの岸信介元首相の衆議院安保特別委員会での発言を、長くなりますが紹介します。「この新安保条約の基本的考え方として、二つの大きな前提があります。一つは国連憲章のワク内において結ばれているという前提であります。第2は、日本国憲法のワク内ですべてのことが律せられるということであります。もちろん、条約がその国の憲法の規定に従わねばならぬことは当然でございますが、特に日本の憲法は、世界のどこにもない特殊な性格を持っております。すなわち日本が持っておるいわゆる防衛上の力も、この自衛権の範囲内に限られておることは、ご承知のことであります。従って、日本の自衛隊は、各国における軍隊と同様な権利や行動の範囲を持つものではない。いかなる場合においても、この領土外に出て実力を行使することはあり得ないという建前を厳守すべきことは、日本の憲法の特質でございます。このことを前提としてこの条約が結ばれておることも、大前提の一つであります」と答弁しています。

 歴代内閣も法制局も2014年6月30日まではほぼ厳守してきました。しかし前回の申し入れで述べたように自衛隊創立60周年の7月1日、安倍内閣は閣議決定により、「集団的自衛権の行使」を容認し、翌年の9月19日に海外で武力行使が出来る新安保法制を強行成立させ、国会に提案することなく中東派遣を強行しているのが、現在につながる流れだと私たちは理解しています。

 トランプ大統領が作り出している中東危機=戦争政策に、「調査・研究」名目で同調し、自衛隊員や私たち、つまり日本をまきこむことを追求している安倍首相を一日も早く退陣させ、ジブチ基地の撤退をふくめて自衛隊の中東からの総撤退を求める立場からも申し入れを致します。

 申し入れはただ一つのことです。「そんなことは政府に言ってくれ」と言われるでしょうが、これから12月末まで空輸作戦という現場を担うのは小牧基地のみなさんです。60年前岸元首相が答弁した「領土外に出て実力を行使することはあり得ない建前」がくずれつつある今、お一人お一人に考えていただきたいと思います。

 外務省、防衛省は今、ジブチ飛行場をふくめ、シナイ半島のシャルム・エル・シェイク空港、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ空港の空輸拠点化の調整に入っています。シナイ半島への自衛隊派遣にそなえること、UAE東部のフジャイラ港を海上自衛隊の補給拠点にし、最も近いドバイ空港から物資や要員を送り込むこと、ホルムズ海峡から200キロもないフジャイラ港を燃料や食料の拠点にする予定です。1月17日の国会答弁で河野防衛大臣は、「海上警備行動が発令されれば、ホルムズ海峡での活動を排除しない」と発言しています。ゴラン高原への派遣実績からするとシナイ半島へは50人から100人の陸自隊員の派遣になります。小牧基地は、この3拠点への国内後方支援基地となってしまいます。気がつけば、中東地域に千人規模の自衛隊員が存在することになります。イランに対するトランプの挑発が続けば中東は戦争状態になりかねません。どうか中東への空輸はやめてください。以上申し入れます。

2020年2月22日 不戦へのネットワーク


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